【感想・ネタバレ】あわのまにまに【電子版特典付き】のレビュー

あらすじ

「好きな人とずっといっしょにいるために」、あのとき、あの人は何をした?
2029年から1979年まで10年刻みでさかのぼりながら明かされる、ある家族たちをとりまく真実。

あの時代、確かにそうやって、わたしたちは生きていた。
隠されていた「わたしたちの秘密」を理解したとき、あなたは平常心でいられるか。

『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞した著者が放つ、生き方、愛、家族をめぐる、「ふつう」を揺らがせる逆クロニクル・サスペンス。


〈全6章〉
1 二〇二九年のごみ屋敷
2 二〇一九年のクルーズ船
3 二〇〇九年のロシアンルーレット
4 一九九九年の海の家
5 一九八九年のお葬式
6 一九七九年の子どもたち


【電子版特典】
著者書き下ろしエッセイ「流れゆく時間の中で」

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3.7
Rated 3.7 stars out of 5
Rated 5 stars out of 5
Rated 4 stars out of 5
Rated 3 stars out of 5
Rated 2 stars out of 5
Rated 1 stars out of 5
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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ほんタメであかりんがお勧めしていたので読んでみました。

2029年から1979年までの50年に渡る家族の様子を描いた作品で、10年ずつ時間を遡りながら進む新しい形の作品でした。

幸せな家族の中に見えてくる些細な違和感の正体が時間を遡る毎に明らかになっていき、前提を覆された時の驚きや納得する瞬間がとても面白い作品でした。

ここまで前提が覆されるともう一度読み返さないとと気が済まなくなり、また読み返しています。

謎が解けてスッキリした!という感じではなく、人によって解釈がいかようにも取れる作品だと思いますが、小説は本来こうでなくちゃな、と思った作品でした。

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2025年02月06日

Posted by ブクログ

ほんタメ文学賞あかりん部門受賞作
面白い!!
30代になって祖父母のお葬式が多く、あの親戚だれ……??
とか
100歳近い祖父には戦争前にいた奥さんとの子がおり、母はシベリア出兵から戻ってきて新しくできた奥さん(祖母)との子だったとか、そんな話も突然聞かされて驚いたばかりだった
ので
あわのまにまにはそんな自分自身のルーツにも通ずるところにめちゃくちゃ共感しました。
あっと驚く展開も、過去に遡るという新しい驚き方をさせてくれて興奮でした!

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2024年07月21日

Posted by ブクログ

ある家族に隠されている秘密が、10年毎に遡って少しずつ 少しずつ明かされていくのだが、読み進めながら困惑と不気味さに包まれた。物語を読む際には、なんとなくこんな感じかなと世界観や登場人物像を頭の中で膨らませるのだが、章を重ね、10年遡る度にすべて崩されていくのが恐ろしくて愉快だった。キラキラと輝く側面をみせながらも、触れようとするとパチンと弾ける、シャボン玉のような小説だと思った。

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2023年09月16日

Posted by ブクログ

帯の「好きな人とずっと一緒にいるために」あのとき、あの人は何をした?の一文が読み終わると本当に沁みる。1つの家族を10年ごとに50年分遡って行く物語。どの時点の話もいのりさんという女性が出てくるけど、いのりさん視点の話はない。けど遡って行くことで、最初は自由奔放で奇妙にさえ見えていた彼女の言動が違って見えてくる。50年という長い時の中で、価値観もどんどん変わっていく。それぞれの世相で、各々が「好きな人とずっと一緒にいるために」あがいて織りなしてきた家族の歴史に驚嘆させられた。

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2023年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。
内容はすごかったけど、、
先が気になってどんどん読んだ。
色んなびっくりする展開が出てきたけど、10年追いかけてプロポーズまでした人の妹と結婚するっていう、妹夫婦に1番ぎょっとした。

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2023年07月08日

Posted by ブクログ

50年という時間を逆に辿っていき、家族の秘密が少しづつ明らかになっていくという物語。ミステリーではないけど過去に遡るにつれて家族の謎がひとつひとつ解明されていく。時間軸が逆だし、登場人物や相関が複雑で途中迷子になる。もう一度今度は逆から読んでみたい。

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2024年06月21日

Posted by ブクログ

過去へ過去へと遡っていく小説でした。水車小屋のネネと逆だな、と目次を見て思いました。読み応えのある、よい小説でした。

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2024年05月04日

購入済み

半分くらいまで訳が分からずただ読んでた。
半分過ぎたあたりから繋がりと違和感と謎が色々わかってきて最後の方は一気に読みたくなる話。

最後の時間を書きたかったって作者のコメントが素敵過ぎてたのと深く理解したいのでもう一周読みます。2回読めば星5にすると思います(2回読み終えてから書けよって感じですが…)

#深い #カッコいい

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2024年02月02日

Posted by ブクログ

「2029年ゴミ屋敷」から始まり「1979年の子どもたち」で終わる、一家の過去を遡る物語。

面白かったな、家族関係が難しく、関係図が分からなくなるなるが、色々な仕掛けも施されていて、楽しく読め、ラストも「うーん」と唸らさせてくれる楽しい話だった。そういうことかと、再読読み直す羽目に。

女性におすすめの一冊かな。

結局、「あわのまにまに」とは何かは分からずじまい、最初に予想していた「濡れ手に泡的にマネーマネー」ということではないということは分かった。

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2024年01月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

複雑な人間関係が少しずつ解き明かされていく。読み終わって家系図を書いて頭を整理しいろいろ考えた。もう一度最初から読むと新しい発見がたくさん。指輪の餃子ロシアンルーレットは改めて読み直すと悲しい場面だったんだな。最初に読んだときはいのりの気持ちがわからず、杏一郎に対してひどいことしてると思ったけど、いのりが杏一郎との本当の関係に薄々気がついていたとしたら切ない。
人間関係は複雑だけど、登場人物たちのたくましさ、しなやかさを感じて読後感はいい。
畑の弥生さんはクルーズで出会ったあの女性だったんだな。ジンさんも人生で二度にわたりこの不思議な家族と接している。他にも見落としていることがありそう

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2023年12月09日

Posted by ブクログ

10年毎に過去へと戻り
なぜそうなったか答え合わせをしているよう。
ただ空白の10年は読者の想像力に任せられる。
誰が誰だか系図がゴッチャになって
ページを行ったりきたり。
納得できないこともありながら
思考が行ったりきたりすることによって
書かれていない10年がより深くなる。

もう一度読み返してみると
さらなる発見がありそうです。

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2023年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1章進むごとに10年ずつ遡っていくというスタイルで、3世代分の物語が描かれている作品。
最後まで読んだ後、もう一度頭から答え合わせをしたくなる。

「私にとっては生まれた時からこれが正常」というズレが、作品全てに感じられた。

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2023年09月22日

Posted by ブクログ

一つの家族を10年ごとに遡って色々な視点から描いた作品。
どんどんその人や関係性、そう言う状態になっていた理由が紐解かれていく感じが体験として面白かった。
ただ、フォーカスする登場人物が多くなるので一つ一つの話が薄くなりがちになってしまうのは仕方ないのか。。

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2023年09月02日

Posted by ブクログ

時代をさかのぼっていく作風
疑問から入った物語であったが読み進めていくうちに各章ごとの秘密が次々と繋がっていく
次は時系列順に後ろから読んでみたくなる物語だった

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2023年07月05日

Posted by ブクログ

これはすごい。ある家族の3世代渡る物語を10年を区切りとして逆行していくサスペンス調の連作集。遡っていくので前の話で出てきた結果の真相が次の話で分かる構成なのだが、なにせ10年のスパンなので真相も曖昧で答えが出ているようで出ていない。ある一部分だけを切り取っているだけで後は読者の判断に任せてあるように書いてある。その切り取り方が上手い。白眉は「2009年のロシアンルーレット」全体の主役である姉妹を妹側からの視点で描いているのだが、女性の心情が巧みに描かれている。それが深く暗く重たい。うーむ唸らされる。

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

2029年から1979年まで10年ごとに遡る連作短編集。同じ人物の過去を描くなら分かりやすいが、別人が主人公になっていたり、親の世代になっていたりして、わざと分かりにくくしているテクニカルな小説。

最初は意味分かんねえな読みにきーなと思っていたが段々とハマってしまった。分かりにくさをど真ん中に置くという珍しいタイプ‥

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2023年06月09日

Posted by ブクログ

10年毎に過去に遡って行く物語で、タイトルからも最初はお気楽でフワフワした感じの話なのかなと思っていたが、10年戻る度にどんどん秘密の元が明らかになっていって…
過去から書かれていたらそこまでじゃなかっただろうけど、何ともやりきれない、というか人って恐い。

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2025年02月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三世代にわたる拗らせとかこんな至近距離での同性愛、共依存、不義のオンパレードってある?なのにみんな片想い?
どうやったら10年好きで追いかけた人の妹と結婚することになるんだろう、好きすぎて親戚でもいいから繋がってたいとか?
わからなさすぎる世界だけどおもしろかった

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2025年01月06日

Posted by ブクログ

始めの頃は何が書いてあるのかちんぷんかんぷんだったけど章が続くにつれおもしろくなってきました。挫折する人が多いだろうなとも思いましたが。私にとっては予想できなかった展開でした。

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2024年05月23日

Posted by ブクログ

ある家族の歴史を10年ごとに遡っていく不思議な小説です。複雑でだんだん頭がごちゃごちゃしてきますが、一個一個の話はシンプルです。相関図書きながら再読したい小説です。再読の方が面白いかもしれない。

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2024年04月18日

Posted by ブクログ

2029年から始まり1章毎に10年さかのぼって物語が展開されていく。
だんだんと不穏な空気になっていき、「どういうこと??」って思って、
どんどんピースがつながっていき、最後に「あー」となる。
とにかく人間関係が複雑で頭の中がこんがらがる。

なかなか不思議な読書体験だった。

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

序盤から、おぉお…と唸っていたけれども進むにつれて輪をかけて唸る…というか逆に何も言えなくなりました。

それぞれの時代の別視点をもっと読みたいけれど、余白が魅力なのかしら。

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

最初は全然ストーリーが入って来なかったけど
読み進めるうちに人間関係も分かってきて
途中からはこの人の過去は?と気になって一気に読めた。
でも結局何を伝えたいのか分からなかったな。。

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2023年11月11日

Posted by ブクログ

ややこしかった〜〜杏一郎のパートが良かったな。読み返したらもっとふむふむとなるんだほうけど、そこまでのめり込めなかった感もある

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2023年10月11日

Posted by ブクログ

一つの家族がどのようにして出来てきたのか、10年ずつ進むのではなく、遡って描かれていて、なかなかというか初めて読みました。
どこかミステリっぽさも感じました

とても印象的なセリフは「なにがいけないのか、みんなだめっていうけど、その理由まで説明してくれないから。倫理的にだめ、道徳的にだめ、世間が許さないからだめ。頭ごなしにそんなこと言われたって、納得できないし、わからない。なんべんもくりかえし飽きるぐらいに考えたけど、どうしても私にはわからない」
このセリフはおそらくこの小説のテーマというか全てだと思う。
自分だったら「好きな人とずっといっしょにいるために」どこまでするだろうか、どこまでできるだろうか...

途中で読めない期間があり、空いてしまって何度も読み返しながら読みましたが、この本は他の方の感想でもありましたが、一気読みの方がいいと思いました。
今度じっくりと読み返したいと思います。


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2023年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2029年から10年ごとに家族を振り返っていく物語。

読み終わっても全てが明らかになるわけではなく、
考察したくなるような読後感。
個人的な好みとしては小説内でもう少し明らかにしてほしかったな〜。


【ここからは特に重大なネタバレを含みます】


とくに気になったのは、
いのりは杏ちゃんと異母兄妹と知って結婚しなかったのか、
餃子ロシアンルーレットが自分に当たったら
(出生の秘密を知らない振りして?)結婚したのか?という点。

もう1つは、木綿はだれの子?
シオンと恋愛関係にあるチカちゃんの子である可能性もあるけど、
この家系の因果だと……と妄想してしまうわ。

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2023年08月31日

Posted by ブクログ

10年刻みで遡って断片的に明かされていく秘密。
面白いけど、この親子抱え込みすぎだよ。。親から受け継いでいると言えばそうかもだけど。

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2023年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「ほんタメ!」で紹介されており、手に取った。
過去に遡って(10年ずつ遡る)、ひとつの家族が描かれていく。父や母、祖母、叔母の関係性がなぜこうなのか、ということが少しずつ明らかになる。

他人から見ると少し歪なその家族の形も、そうなった理由があるのだな…。

しかし、驚く事実も判明するし、それが今の関係性に影響は及ぼしていて、家族って、不思議。

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2023年08月24日

Posted by ブクログ

一つの家族から広がる人間関係の闇。
人と人とのつながりの中で感じる"違和感" それが過去にさかのぼる事によって露出していき、違和感から人間のおぞましさに変わっていく。
過去に戻れば戻るほどゾッとする事実が露わになるという構成が面白かったですね。サスペンス的展開の中でユニークな表現が多様される、魅力的な文章でした。美幸と紺ちゃんのレトロモダンな時代背景は特にお気に入りです。
2週目以降はまた違った面白さがある気がして、いつか読み返したいです。
時系列があっちにいったり、こっちにいったりするんだけど混乱せずに読めて、比較的読みやすかった。でも家族構成が複雑すぎるのと、時代も変わることで少しごちゃっとしてしまうこともありました。

時は戻るのに年齢の積み重ねを感じるような不思議な作品でした。人間関係は踏み込みすぎると、たまに超えてはいけない一線に触れることがあるなあと読みながら思い耽ってました。
ー記録用

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2023年08月03日

Posted by ブクログ

10年ごとに遡る、家族の話。
章ごとに話し手を変え、家族の秘密がそっと明かされる。
それぞれはっきりした結末があるわけではないので、それで、どうなるの?!次の展開教えて!と、白黒つけたい私には章ごとにぼんやり感が残るのがイマイチ。
でも、そこがこの本の良さであることは明白。

登場人物がみんな残酷。
そこまでして家族として集団を構成する意味ってなんだろう?
どの時代も大人に悪い意味で影響される子供が気の毒だった。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2029年未来の1年から9歳の少女視点で始まった家族の物語。語り手を変えながら10年ごとに遡っていく歴史で、祖母の紺までいって始めてこの家族の不思議な有り様が腑に落ちる。ゲイやレズ、兄妹の恋愛など隠されていたものがミステリーのように浮かび上がる。いのりがかわいそうでたまらなかった。

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2023年06月20日