あらすじ
女芸人×女子アナ、痛快シスターフッド小説!
テレビ業界のお約束も、社会の理不尽も、笑ってぶっ壊せ!!
女芸人コンビ「Hi!カロリー」の真亜子は、容姿いじりに疲れた相方の引退で、ピン芸人となる。
だれかれ構わず手当たり次第にかみつく芸風でブレイクし、
フリーアナの佑里香とともに、新番組のメインに大抜擢される。
だが、「女子アナ」の型に違和感を持っていた佑里香が生放送で、ある“事件”をやらかして――!?
文庫オリジナル。
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Posted by ブクログ
女性の生きづらさ、不快感、違和感が、重くなくポップに描かれている。
読んだ後に、自分(社会人24年目)のこれまでを思い出した。女の敵は女、という言葉を生み出したのは、男性なのだ。
Posted by ブクログ
文句なしで面白かった。何だろう、わかるわかるの連続で、読後感もずっと本の中にいる感じ。
なんでこんなに生きづらいんだろうと思う。なんで男性と同じような仕事で、プラス女性の生きづらさを解消するタスクを解決しないと前に進めないんだろう。
ただ、解決する方法を考え、変化を恐れず実施したら、ちょっとは変わっていくのではないか。そう思っている人は割といるんじゃないか、行動を起こしていく中で、という言った同志もみつかっていくのではないか、と励まされた。
そう、励まされたのだ。
Posted by ブクログ
社会の空気が感じられる面白い作品。固有名詞もバンバン出てきて小説なのか現実なのか分からなくなってくる。女同士の連帯が描かれていてとても良い。
10年後に読んだら昔はこんな社会だったなーと懐かしく思えるくらい良い方向に変わっているといいな。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良かった。今時事情がめちゃくちゃリアルタイムに描かれていて、葛藤も込みで感情移入ができて、モヤモヤが続く中での結末にもまたスッキリ!今、このタイミングで読めてとても良かった。旬を過ぎてから読むとまた違った印象かも。
読みやすいしサクサク進められて、押し付けがましくないのも良い。
男女平等が、もっともっと広がるといいな。
Posted by ブクログ
ちょくちょく挟み込まれるネタがアラフォーには、刺さります。
等身大のフェミニズム小説、初めて読んだので、良かったです。どんどんこんな小説が出てきて欲しいと思います。
Posted by ブクログ
芸人真亜子はコンビを解消してから迷走中。佑里香は「正統派」女子アナなのだが、どこかうまくいかず、フリーになってから迷走中。この二人が名古屋のバラエティ番組で一緒になると不可思議な化学反応が起きて・・・
ハゲシク面白かった。一ページに一回は出てくる含蓄のある表現(当社比)キャラ設定、ストーリー展開全てが好みだった。お笑いなどのテレビ業界ドラマとしても面白く読んだ。
<「パイレーツってあんたそんな、かんたんに言うけどね」
あの人らは厳密には芸人ではなく容姿と巨乳を売りにした芸人風アイドルであり、我々があの路線をいくにはいろいろと、主にカップ数が足りない上にそもそもあの路線を踏襲するつもりがなく、それにあそこまで瞬間最高風速が出てしまうとやはり後々厳しいのではないか>
<女っぽいといわれる要素を寄せ集めて作られたのが「女子アナ」だとしたら、さらにそのうわずみの、「女子アナ」っぽいといわれる要素を寄せ集めて作られたのが上垣内佑里香という女なのかもしれない>
<「中まで火が通ってるか不安だから煮込みにしちゃうんだよね。天ぷらをからっと揚げる自信がないから揚げびたしにしちゃうし、餃子をきれいに焼く自信がないからスープ餃子にしちゃう。一事が万事、ゆりちゃんてそういうふうだよね」>
<美人に生まれていたら人生ちがっていたはずだと、不美人を自称する女たちは口を揃えて言うが、実際美人に生まれてみても、望むように生きられるかといったらそうでもない。美貌にふりまわされて人生を棒に振る女もいれば、美貌に邪魔されて正当に評価されないと嘆く女もいる>
Posted by ブクログ
最後、佑里香さんのさしすせそかっこよかった。
何が正解なのか分からないほどに、日本に生まれて育つ中で無意識に刷り込まれた価値観もたくさんあるんだと思う。
傷つく人がいないように、って価値観を大事にしたいなと思った。
Posted by ブクログ
女お笑い芸人と女子アナの二人を主人公としたドラマ、という感じの作品で、それぞれ芸人、アナウンサーとして頑張っていた姿を描き、やがて番組内で出会い、友情を深めていく王道なストーリー展開で、お笑い業界を描いたとも言える作品だが、面白かった。
Posted by ブクログ
女性の登場人物が皆愛しい。ジェンダー本。
女芸人、女子アナ、女だから、女である、その型にはめられる存在。
真逆とも言える世界に生きる女性たちの葛藤が胸を打つ。
女だからで、得したことも、損したこともあった。声を大にして、ジェンダーを言える自分じゃない、だって甘えてるから、そう思ってた。それも逃げだよな。
モヤったら、ちゃんと言うこと。男も女も大人も子どももその一歩だ。
女の子だから男の子だからをなくす 本より
•ほめられようとしない。やりたいことをやる、やってみたい気持ちを大事にする
•努力してきたことのチャンスは譲らない
•皆それぞれ互いを尊重し合おう
Posted by ブクログ
「私、もう男なんかなんにも怖くないの。それより、女たちからそっぽ向かれる方がずっと怖い」
男にとって女は若さ=価値だから、歳を取った女に彼らは見向きもしないし気にも止めなくなる。しかも30かそこらでそのラインがくる。人生100年時代、大人になってからの時間を幸福に過ごすには女からの支持や信頼が大事。
女の敵は女、そんな時代はもう終わり。
力を合わせてお互い助け合って楽しく楽しく生きていける世の中になるといいね。
Posted by ブクログ
女性の生きにくさが、分かりやすい題材と重くなりすぎないタッチで描かれています。
ここに描かれているエピソードの数々をどれだけ「おかしい」と思えるかで、女性の生きにくさが改善されていくのだと思う。
一人一人の人をただ尊重するだけの事なのに、なぜそれが難しいのか。
そもそも、「世界の半分の人を尊重しない」なんて、誰が聞いてもおかしいと言うことに気付けば変わりそうなのに。
Posted by ブクログ
面白かった。
他人を切ることでブレイクした女芸人とお嫁にいくことを生きがいとしていた女子アナウンサーが地方番組で出会う。まったく違う二人だけれど、次第に各々もってた女としての生きづらさ、理不尽さに気付き、爆発させる物語。
ジェンダーの話だけれど、固い文章なわけではなく、とにかく展開ややりとりに笑える。だからといって、問題をウヤムヤにする書き方はせず切り込んでいくのが読んでいて痛快であり、辛いところもあり。
主人公たちと世代が近いこともあるけれど、特に2018年〜2020年の芸人の流れ(闇営業、第7世代の登場、ブルゾンちえみの変化、阿佐ヶ谷姉妹とばんばん実在する人物名もでてくる)、本当に今コロナ下になるまでの世間の風潮が書かれているので、フィクションだけれどリアルで面白い。
「男だから」「女だから」と括るのはもう古いことであるのはわかっているつもりでも、固定されてしまった概念はなかなかなくなるものはないなと思った。
Posted by ブクログ
お笑い芸人と女子アナが売れるまでの奮闘とそれがゆえの葛藤を経て、遂にワイドショーで大物司会者を晒しものにする場面がクライマックスになっているが、エピローグの街頭ロケで近所のセクハラ丸出しのオッチャンに場をさらわれる一幕こそが笑いの本質を突いてる。
Posted by ブクログ
ヒエラルキーは違えど男社会で働く女芸人と女子アナが、フェミニズムに目覚めていくお話。
タイプの違う2人が友情を築いていく中で、男社会で女が受ける理不尽さに気づき、行動していく様は爽快。
女性の友情を気持ちよく描いてくれる吉川さん最高!
Posted by ブクログ
2020年の今こそ読むべき痛快作!
万人向けではないかもしれないけど、自分にはサイコーのシスターフッド小説でわ。
いつか読み返した時に「この頃こんなだったね」と思える未来でありますように
Posted by ブクログ
女性の生きづらさに対して
わたしは自ら声を上げて戦えるほど強くなくて、
何か嫌なことがあっても静かに一人で傷つくんだろうと思うけど、
この二人が近くにいたら、とっても心強いな。
終盤までなかなか入り込めずにいましたが、
ラストに向かって転・結、
とテンポ上がって読み切った感じでした。
Posted by ブクログ
時々挟まるテレビ・お笑いネタのお陰でさくさく読めた。
私はまだ社会で働いていない学生だし、そもそも異性や一昔前の価値観の元で生きる人間とは全くと言っていいほど関わりがないけど、それでもメディアやSNS上での誰かの発言などで時折心の中にざらりと嫌な感覚が生まれることはあるから、多分この時代を生きる女性は多かれ少なかれ共感出来る部分があると思う。
作中ではフェミニズムを意識するようになることを「一度でも目覚めてしまったら、王子様が迎えにくることを夢見ていた幸福な女の子には戻れない」という風に描かれていたけど、一度そういう視点を得てメディアを見たらもう前と同じ見方は出来ないよなあと思う。
結局メディアも一部分が切り抜かれているだけで感じ方は人それぞれ。
女とか男とか単純に分けて答えが出る問題では無いし価値観は人それぞれだから多角的に物事を見て、偏りすぎた物事の見方だけはしないようにしたい。
実際の芸人やアナウンサーの方々が読んでみたらどんな感想を抱くのか気になった。
Posted by ブクログ
虚構と現実がうまく混じりあって世相を斬ってた。
いつも、なんで被害を受けた時すぐに言わんのって他人事として思ってたけど、言えんことのが多いんだな。でもやっぱそういうだるい社会に迎合するんじゃなくて、違うやろってことはちゃんと違うって声をあげていきたい。
Posted by ブクログ
コロナや実際にあった出来事、不祥事が随所に出てきてリアルな今を生きる物語だった。寒い言い回しが多くてわたしには合わなかったけど、モデルがいると思わせる登場人物のオンパレードでとても読みやすかった。
Posted by ブクログ
テレビ時代のおわり、コロナ禍のはじまり、そして男尊女卑の名残… 様々な角度から見て過渡期と言える現在にこの作品を読めて良かったです。
「女」芸人、「女子」アナであるがための生きづらさ、理不尽さ、そして葛藤の描写がリアルで引き込まれました。様々な出来事や出会い、衝突を経て価値観や生き方を日々ブラッシュアップしていく様が痛快で、自分も 目の前の事象を"なんとなく"で過ごさずに意志を持ち、貫きながら生きていきたいと思った。女の人生にイージーモードはない!
Posted by ブクログ
生きづらい女たちのカウンター的な物語。クソみたいな男たちをやっつけるシーンが何度か出てくるけど、そこそこ傷は負わせるものの徹底的にやっつける爽快感までたどり着かない感じがリアルで、TV業界とかを誇張して描いてるのと対照的に丁寧で誠実な感じがした。