吉川トリコのレビュー一覧

  • マリー・アントワネットの日記 Rose(新潮文庫nex)

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    14歳の、フランスへの輿入れが決まったマリー・アントワネットの日記の体裁で書かれた小説。
    日記のマリアに向けて、21世紀のJK口調で喋りまくる独特の文体が感染るかと思ったが、そこまではいかなかった模様。
    奇をてらった設定と思うなかれ。
    マリーの、お道化を演じて周囲の愛情を求め続ける気質、若さ、純粋さ、愚かさ、率直さ、愛らしさ…そういった様々な面が、キラキラしたままぶちまけられている。
    私たち読者は、そのカオスに翻弄されながら、混沌をはらんだその人の喜びや悔しさに、立ち会うことになる。
    周到に人物設定がなされているからこそ、できる技なのだろう。

    王太子(後のルイ十六世)の人物像も、少し新鮮な感

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    2020年05月06日
  • ずっと名古屋

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    名古屋各区と近隣県を舞台にした短編集

    知ってる地名が色々と出てくるし、名古屋あるあるも散りばめられてあるけど
    僕は名古屋人ではないからなぁ さほど響かない
    でも、作者は長久手とか名古屋インターの近くに住んでた事があるようで、その辺ならよくわかる
    杁ケ池公園のカーブとか言ってるのはウケる



    良かった短編

    天白区
    平針の運転免許試験場は僕も行ったことあるし、最後のどんでん返しというかがよい
    ってか、祈りの言葉が怖い…… けど、作品としてはいい

    西区
    モゾ行ったことないけど、田舎のイオンの位置付けと一緒かな
    それよりも、名古屋の車文化の特徴というかを男女それぞれの視点で描いていて、どちらの

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    2020年05月01日
  • こんな大人になるなんて

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    タイトルに惹かれて購入。
    どの短編も読みやすく、すぐに読み終わってしまった、

    「誰かの奥さん」は、主人公と自分の状況が当てはまり、感情移入しやすかった。
    最後は爽やかに終わる感じも好き。
    豊島ミホさんの解説も良かった。

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    2020年05月01日
  • マリー・アントワネットの日記 Rose(新潮文庫nex)

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    おもしろい…!なんていうかこんなにおもしろいと思わなかった(失礼…)。しかもこれ歴史通りなんだよね?そう考えるとしっかり調べて書かれているのがいい!このあとの悲劇はみんなが知ってることだから、そこに向かっていっていると思うと胸が痛い。なんてすごい小説なんだろう。マリーアントワネットがツイッタラーだったら…きっとあんな感じ。きっとインスタはキラキラだね。いろいろ想像出来て楽しい。

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    2020年04月11日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    「二人の部屋での同居生活」を物語の共通点とした、複数作家のアンソロジー。

    純愛をテーマにした作品だけでなく、なかなか複雑な事情を持った境遇や二人にフォーカスをあてた作品だったりするので、バラエティーに富んでいる。

    同居生活から見えてくる隣人との距離の取り方というかなんというか。妖怪や神様が登場する話(!)含め、考えさせられた。

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    2020年02月15日
  • マリー・アントワネットの日記 Rose(新潮文庫nex)

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    フォロワーさんの方々のレビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。
    フォロワーさんがあんまり次々にレビューされて「面白い」とおっしゃられていたので、いささかこれは読む前の期待値が高すぎたと思います。

    確かに面白いです。この文体、ずーっとギャル語というかタレントのダイゴさんみたいな言葉遣いで、日記が1770年1月1日から(ちょうど250年前ですね!)始まります。最初は確かに新鮮だったのですが、後半になると私は「普通の文章が読みたい…」と思ってしまって…。

    マリー・アントワネットのことは歴史で習ったのと、やっぱりご多聞にもれず『ベルばら』は愛読していたので、その知識はありました。岩波

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    2020年01月02日
  • グッモーエビアン!

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    ネタバレ

    中学生のはつきと、素直じゃなくてめんどくさい母と、母に結婚してもらえない30歳のヤグ。

    はつきの物心つくころには母とヤグの3人家族だったけれど
    はつきとヤグには血の繋がりはなくて
    でも実の父親以上に彼のことを大切な家族だと思っていること。

    オーストラリアから帰国してきたヤグが、いつか母とはつきと3人で移住したいと言い出したこと。
    それを実現するために、フリマやバイトや内職で、少しでもお金を貯めようとする日々。

    ついにヤグの願いだった母との籍を入れることになり、
    戸籍上も家族となった3人。

    はつきの家族は面白ければオッケーで、とってもおバカ(主にヤグが)だけどとっても温かい。
    彼らは本音

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    2019年11月21日
  • 明日町こんぺいとう商店街2 招きうさぎと六軒の物語【電子限定特典付】

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    ちょっとさびれた商店街?
    第1集から続けて、いやこんな商店街あったら人が溢れそうじゃやない?と思ってしまう素敵なアンソロジー。
    今集も、初読み▶もっと読んでみようと思える作家さんにであえました。第3集も楽しみー!

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    2019年12月21日
  • マリー・アントワネットの日記 Rose(新潮文庫nex)

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    14歳でフランスへと嫁いだマリーアントワネットの生き様を現代日本の女子高生のような感性で綴る、というのはとても斬新でした。

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    2019年09月18日
  • ベルサイユのゆり―マリー・アントワネットの花籠―(新潮文庫nex)

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    ランバル公妃はこれからもずっとパリが変わっていく様子を見ていくのかな…
    マリー・アントワネットの周りにいた人々がフランス革命と革命後を、楽しく時に悲しく語ってくれます

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    2019年09月17日
  • 女優の娘

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    女優、アイドル、芸能界って実際こんな感じなんだろうな〜ととてもリアルな話っぽくて面白かった。最近の若者言葉知らなくて調べながら読んだけど。笑

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    2019年09月10日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    「あずかりやさん」からの訪問。
    粒ぞろいの短編集でした。

    「あずかりやさん」の大山さん以外は初読み作家さんばかりでしたが、もっと読んでみようと強く思った方も見つかりました。
    でもとりあえず、こんぺいとう商店街24の物語を全部読んでみようと思います。

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    2021年12月23日
  • 女優の娘

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    吉川トリコさんの新刊。現役アイドルの母親が死んだ。母親は伝説のポルノ女優だった。この母親の自伝的なノンフィクション映画を有名監督が作ることになる彼女がインタビュアーワーとして抜擢される。作品を通して母親と重なったり離れたりしていく様はとても興味深い。アイドルの生き辛さ。ポルノ女優の辛さが良く表現されていて面白かった。

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    2019年08月06日
  • マリー・アントワネットの日記 Rose(新潮文庫nex)

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    最初の一文から面白くて止まらなかった。
    ギャル語を操るトワネットちゃん。
    あの歴史に名をはせた王妃が近所のJKくらいの親近感をもって迫ってくる。
    フェミニズムもあの言葉で言われたら嫌味にならないのがスゴイ。
    塩対応の自担(ルイ16世)、コルセット、面倒臭くてきしょいSHIKITARI、マダムエチケット、リマインダー(メルシー)etcetc。
    若者言葉のおむすびころりんをyoutubeで見たときと同じ衝撃。ちょ、ウケるんですけどーwww(←移った)

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    2018年12月19日
  • マリー・アントワネットの日記 Bleu(新潮文庫nex)

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    小麦粉戦争の最中に王妃が言ったとされる例のパンチライン。
    「マジで言ってねえから!」
    Bleu版からはもう親友のように思えてきたトワネットちゃん。
    王妃になり母になり初めての恋をしイツメンとの夜遊びに明け暮れおしゃれに膨大なお金をかけ取り巻きたちに裏切られフェイクニュースで炎上し民衆の目の敵にされついに最期の日を迎える私たちの王妃…。
    かわいそうな女だと思われるのだけはマジかんべんって言ってたよね。
    世界に嫌われた王妃をこんなに愛おしく思う日が来るなんて。
    マリー・アントワネット像が180度変わりました。オススメ。

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    2018年12月19日
  • 明日町こんぺいとう商店街2 招きうさぎと六軒の物語【電子限定特典付】

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    アンソロジーで2巻(も3巻目も)出るのって、やはり人気があるからでしょうね。

    今巻も、1巻や他のお話で出たお店や人がちらりと登場していて、それぞれの著者さん同士のリスペクトを感じました。

    近所に、こんぺいとう商店街が本当にあればいいのになぁ。

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    2018年11月27日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    アンソロジーはあんまり読まないけど、こういうのもいいもんだ。
    それぞれ文体に個性があってそれも楽しめた。
    今まで読んだことない作家さんも、これをきっかけに手に取ってみようと思う。

    カフェスルス、すてきだなあ。
    こうやって仲間とわいわい夢を形にしていくのが楽しそうで羨ましい。

    商店街の店どうしの繋がりも描かれていて面白かった。

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    2018年11月10日
  • 明日町こんぺいとう商店街2 招きうさぎと六軒の物語【電子限定特典付】

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    シリーズ第2弾。
    スカイツリーを見上げる下町の片隅に、ひっそりと息づく商店街。
    それが「明日町こんぺいとう商店街」

    明日町こんぺいとう商店街を舞台にした6人の作家さんのアンソロジー。
    『古書卯月』 藤谷治
    『あったか弁当・おまち堂』 あさのますみ
    『水沢文具店』 安澄加奈
    『台湾茶「淡月」』 加藤千恵
    『カサブランカ洋装店』 吉川トリコ
    『やきとり鳥吉』 大沼紀子

    大沼紀子さん以外は初読みの作家さんでした。

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    2018年11月05日
  • この部屋で君と(新潮文庫nex)

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    桐島や何者の朝井リョウさんとビブリアの三上さんに惹かれて購入。自分の中ではキャラ文芸と小説の間くらいを攻めているというイメージの新潮文庫nexってこともあって読んでみたけど、まさしく印象の通りだった。
    小説というカテゴライズがしっくりくる話から、これはもはやラノベだろって言いたくなるような話まで盛りだくさん。どれもこれもきっと作者の個性がありありと出ているに違いない。最初から最後まで様々なメニューを楽しめるお店に入ったような感じでした。個人的には「それでは二人組を作ってください」「ジャンピングニー」「月の砂漠を」「冷やし中華にマヨネーズ」の4作がお気に入り。
    こういうアンソロジー系って、作家さ

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    2018年11月01日
  • ずっと名古屋

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    吉川作品を読むのも二回目。
    『戦場のガールズライフ』とはうって変わって、超短編集。
    地元新聞連載であったらしく、一篇ずつ名古屋市の十六の区と、周辺の県を順に舞台にしていく。

    これだけの篇数に、それぞれ主人公や語り手がいるわけで。
    まず驚かされるのは人物の多彩さ。
    ゆる不登校の少年、SKEのオーディションに出たいと切望する女子中学生、名古屋生まれの彼女とよその地域から来た彼氏、どこの国か明かされないが名古屋で暮らす留学生、そして名古屋在住の作家の河村さんなどなど。
    よくもこんなに背景の違う人物を書き分けられるものだ。
    物語の結構も凝ったものが多い。
    えっ、そんな設定? それが語り手? などと、

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    2018年10月27日