吉川トリコのレビュー一覧
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14歳の、フランスへの輿入れが決まったマリー・アントワネットの日記の体裁で書かれた小説。
日記のマリアに向けて、21世紀のJK口調で喋りまくる独特の文体が感染るかと思ったが、そこまではいかなかった模様。
奇をてらった設定と思うなかれ。
マリーの、お道化を演じて周囲の愛情を求め続ける気質、若さ、純粋さ、愚かさ、率直さ、愛らしさ…そういった様々な面が、キラキラしたままぶちまけられている。
私たち読者は、そのカオスに翻弄されながら、混沌をはらんだその人の喜びや悔しさに、立ち会うことになる。
周到に人物設定がなされているからこそ、できる技なのだろう。
王太子(後のルイ十六世)の人物像も、少し新鮮な感 -
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名古屋各区と近隣県を舞台にした短編集
知ってる地名が色々と出てくるし、名古屋あるあるも散りばめられてあるけど
僕は名古屋人ではないからなぁ さほど響かない
でも、作者は長久手とか名古屋インターの近くに住んでた事があるようで、その辺ならよくわかる
杁ケ池公園のカーブとか言ってるのはウケる
良かった短編
天白区
平針の運転免許試験場は僕も行ったことあるし、最後のどんでん返しというかがよい
ってか、祈りの言葉が怖い…… けど、作品としてはいい
西区
モゾ行ったことないけど、田舎のイオンの位置付けと一緒かな
それよりも、名古屋の車文化の特徴というかを男女それぞれの視点で描いていて、どちらの -
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フォロワーさんの方々のレビューを拝見して知った本です。ありがとうございます。
フォロワーさんがあんまり次々にレビューされて「面白い」とおっしゃられていたので、いささかこれは読む前の期待値が高すぎたと思います。
確かに面白いです。この文体、ずーっとギャル語というかタレントのダイゴさんみたいな言葉遣いで、日記が1770年1月1日から(ちょうど250年前ですね!)始まります。最初は確かに新鮮だったのですが、後半になると私は「普通の文章が読みたい…」と思ってしまって…。
マリー・アントワネットのことは歴史で習ったのと、やっぱりご多聞にもれず『ベルばら』は愛読していたので、その知識はありました。岩波 -
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ネタバレ中学生のはつきと、素直じゃなくてめんどくさい母と、母に結婚してもらえない30歳のヤグ。
はつきの物心つくころには母とヤグの3人家族だったけれど
はつきとヤグには血の繋がりはなくて
でも実の父親以上に彼のことを大切な家族だと思っていること。
オーストラリアから帰国してきたヤグが、いつか母とはつきと3人で移住したいと言い出したこと。
それを実現するために、フリマやバイトや内職で、少しでもお金を貯めようとする日々。
ついにヤグの願いだった母との籍を入れることになり、
戸籍上も家族となった3人。
はつきの家族は面白ければオッケーで、とってもおバカ(主にヤグが)だけどとっても温かい。
彼らは本音 -
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桐島や何者の朝井リョウさんとビブリアの三上さんに惹かれて購入。自分の中ではキャラ文芸と小説の間くらいを攻めているというイメージの新潮文庫nexってこともあって読んでみたけど、まさしく印象の通りだった。
小説というカテゴライズがしっくりくる話から、これはもはやラノベだろって言いたくなるような話まで盛りだくさん。どれもこれもきっと作者の個性がありありと出ているに違いない。最初から最後まで様々なメニューを楽しめるお店に入ったような感じでした。個人的には「それでは二人組を作ってください」「ジャンピングニー」「月の砂漠を」「冷やし中華にマヨネーズ」の4作がお気に入り。
こういうアンソロジー系って、作家さ -
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吉川作品を読むのも二回目。
『戦場のガールズライフ』とはうって変わって、超短編集。
地元新聞連載であったらしく、一篇ずつ名古屋市の十六の区と、周辺の県を順に舞台にしていく。
これだけの篇数に、それぞれ主人公や語り手がいるわけで。
まず驚かされるのは人物の多彩さ。
ゆる不登校の少年、SKEのオーディションに出たいと切望する女子中学生、名古屋生まれの彼女とよその地域から来た彼氏、どこの国か明かされないが名古屋で暮らす留学生、そして名古屋在住の作家の河村さんなどなど。
よくもこんなに背景の違う人物を書き分けられるものだ。
物語の結構も凝ったものが多い。
えっ、そんな設定? それが語り手? などと、
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