吉川トリコのレビュー一覧
-
-
-
-
Posted by ブクログ
宮木あや子さんの作品が入っているので、買ってみました。
女性作家の書く官能小説は、変にねちっこかったり、興ざめするようなところがなく、きっちりと書かれている感じのするのが、良いところかな・・・。
男性の描くそういったシーンは、女性からすると、流れとか色々と都合が良すぎて、「ないわー」と、あきれてしまう事がしばしばあるのですが、女性が描くものは、そこに至るまでの過程や心情がしっかりとしている上に、同性なので、「さすがわかっていらっしゃる、そうなのよねー」と、納得出来ます。
このアンソロジーも、宮木あや子さんは勿論、どれも良かったのですが、一番好きなのは、吉川トリコさんの『ポルノ姫』です。 -
Posted by ブクログ
所詮、男と女なんてそんなものだ。
壊れたテレビを
叩いて直すみたいな、原始的なやり方をしてしまうのがいちばんいい。
ふらふらと根なし草のように生きられたらいいのに、と願うことはそんなにおかしなことなんだろうか。
どうしてみんな、大地に根を張り、自由にどこにも行けない生き方を選択していくのだろう。
そんなの、窮屈で退屈なだけなのに。
好きだからいっしょにいる。
どうしてそれだけじゃいけないんだろう。
私は自分を自分のためだけに使いたかったし、のしかかってくる重みを支えることも、他人に自分を切り渡すことも、ほとんど恐怖だと思っていた。
だれかと生きていくということは、そのだれかの温かみや重さ -
Posted by ブクログ
吉川トリコさんはこれで四作目になるのかな。
吉川さんは気になる作家さんであり、この文庫の表紙もすごくかわいくて一目ぼれ。
さて、内容なんですが、30歳を目前にした花という女性が主人公。
表紙とはまるで正反対で、花は女であることを捨てた女性。
仕事はせず寝てばっかりで、基本三日くらいはお風呂に入らない。
そんな花もかつてはふわゆる系の女子だった。
ある日ふとしたできごとから女でいることをやめるのだけど……
そんな花にも同棲して七年目になる彼氏―ハルオがいる。
どんなに花がブスでひきこもりになっても離れていかない。
そんな彼もバイトで生活しているのだけど……
-
Posted by ブクログ
******引用******
「こんなこと、あたしが言うことじゃないかもしんないけど、いや、べつにいいんだけど、花ちゃんの好きなようにしていいんだよ。この部屋で眠りたいだけ眠って、あのパンをつぶして食べようがつぶさず食べようが、そんなことはどうでもいい。好きにすりゃいいよ。なんにも文句言わない。でも、」
そこでなっちゃんは一旦、言葉を区切った。鏡の中、目だけはそらさないで。
「誕生日までにいっこだけ、なんでもいいから欲しいものを見つけなさいよ。そうしなきゃもう遊んであげないよ」
厳しい口調ではなかった。子どもをなだめるような優しい声だった。でもそれは命令だった。
―― 『しゃぼん』 -
Posted by ブクログ
R-18文学賞受賞作「ねむりひめ」に表題作「しゃぼん」「いろとりどり」「もうすぐ春が」の3作を加えた全部で4つの短編。表題作のサイドストーリーもあるため、収録順に読むことをオススメします。一貫して「少女」の目線で描かれているので、読み手を選ぶ作品であることは否めません。男性には理解し難い部分もいくつかあるのではないでしょうか。女性になろうとしている途中の少女は見透かされているような気持ちを、かつて少女だった女性は自分の面影をどこかしらに感じるかと思います。露骨な性描写はありませんが、それぞれの関係性が妙にエロい、雰囲気エロな1冊だと思いました。漫画を読んでるみたいに、さらりと読めます。むしろ漫