藤原辰史のレビュー一覧

  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    世界各国でのトラクターの出現、浸透、定着を通して人類の歴史を語る一冊。果たしてトラクターが農村や国の形をどう変えてきたのか、そして無人トラクターが実用化に近づいている現代、こるから農村や農業がどう変化していくのかを考えるのに適した一冊。専門分野に関わらず農業関係者必読かと思う。

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    2020年03月16日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    著者は農業の歴史の研究者である。そして、本書は農業に革命を起こしたトラクターの歴史について世界史的な視点から書かれた本である。通常、経済史の世界では内燃機関を搭載した輸送機械としての自動車の発明とその大々的な普及については特筆され、輸送革命、交通革命として論じられることが多いが、トラクターは輸送でも交通でもなく、人類史上画期的な農業生産性の向上を伴う「農業革命」の主役であった。またそれは大量の化学肥料投入と対になって進行した(牛馬の糞尿が肥料として使われなくなった)。

    資本主義、社会主義などの社会体制を越えてトラクターが及ぼした変革の力はもっともっと考えられるべきテーマであろう。本書はその導

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    2019年02月20日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    トラクターの開発・普及や、世界各地でのトラクターの導入方法などを示しつつ、農業の変化や戦争への転用など、その功罪を展望する一冊。タイトルで技術史の本かと思わせつつも、トラクターを通して農業を見る農業史の本でもあり、文化史の本でもあった。面白い。

    日本のトラクター史についても、小岩井牧場や斜里農場で初期に導入していたこと、戦前日本でトラクターが意外と開発されていたこと(普及はしてなかったけど)、岡山や島根がトラクター開発の先進地だったこと、などなど知らないことも多く、読んでて楽しい。

    それと、機械化でなく労働集約化の方向に進んだ近世日本の農業を考える上で、機械化による大規模農業の事例は逆にい

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    2018年06月16日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    トラクターというマニアックでニッチなテーマを掘り下げ、人類発展の歴史をあぶり出している本。
    食料生産力を劇的に向上させたトラクターの功績と、戦争に応用されたとする功罪、そしてトラクターが生んだ今後の課題について言及されています。
    全部を通して伝わってくるのが、筆者のトラクターに対する愛です(笑)マニアックながら、ただただ面白い。オススメです◎

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    2017年11月13日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    岸本さんが実践されている「ミュニシパリズム」ボトムアップ型の地域主権主義がとても参考になった。
    排他主義的極右でもなく、左派的エリート主義でもない、トップダウン型の国家社会主義でもなく、全体主義的共産主義でもない。

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    2025年06月02日
  • 食べる(たくさんのふしぎ2024年1月号)

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    「食べる」ことの素晴らしさをいろんな方面から教えてくれる。
    食材そのものの魅力、食材を育んだ人や食卓にのぼるまでに関わる全てのひとたち、現代まで紡がれてきた改良の歴史、腸内最近のこと、塩のこと、地球をめぐる水のこと。そんなこと考えながら食べることなんてなかったから、改めて食べることについて考えるきっかけになった。せめてスマホ見ながらの食事はやめようと思う

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    2025年06月01日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    お金儲けや、そのお金を使って物や時間を消費することに全精力を使っていて、自分たちで自主的に行動して社会を変えていこうという気もない。全くの怠慢だ。
    上から何かをしてもらうことばかり考えて、自分たちは何もしようとしない。怠慢だ。
    資本主義に毒されてしまっている。このままではいけないと考えている人もいるにはいる。だってあまりにもいろいろなことがめちゃくちゃだから。行動に移せている人もいるが、仕事にクタクタになって、残りの時間スマホ見てる人が圧倒的多数だ。
    怠慢な人の1人である私だが、できることを見つけて少しずつ行動しよう。

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    2025年04月24日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    治外法権という言葉がある位、「自治」の線引きはデリケートな問題だ。コスモポリタニズム(地球市民主義)のような大きな枠組みで自治を行う方が、世界平和になって良いのではとも思ったが、結局は、自治単位が大きくなってもそれを不満とした紛争は無くならない。だからといって、自治単位が小さくなればなるほど、対立を招く可能性が増えるし、効率性も下がる。本件を考えるには、当たり前のことだが「自治単位の適切な設定」と「適切な運営」が重要である。

    資本主義には資本が資本を呼ぶように富を集中させる機能があり、それをもっての強者の理論がまかり通るようになり、弱者における「自治」を蔑ろにする部分がある。本書は、万人がコ

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    2025年01月09日
  • 食べるとはどういうことか

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    短時間の座談会だけど、思考のリミッター解除を促してきちんと哲学とアウトプット練習をやってるんだよな。
    全学校がこういう場所だったら良いのに。
    相も変わらず、社会に・経済に接続しにくい方法で勉強させられ、学生間の関係維持にばかり労力を割いてる気が…。

    しかしまあパルシステム会員のお子さんたちだからといって優秀すぎんか(笑)
    (元々食への興味がある、比較的家が裕福で経験値を積みやすい環境にあるんだろうな。)

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    2024年12月30日
  • 食べる(たくさんのふしぎ2024年1月号)

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    人間チューブ説が絵になった!
    西の最高学府と比べちゃいかんが私も同じような学部を卒業したので、学際的な藤原先生の著者に惹かれた理由がよくわかった。

    私はこんなさらっと子どもに語れない(勝手に盗め!って感じ)から絵本の力ってすごい。

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    2024年12月24日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    地元に根強く残る金物屋さんや喫茶店の見方が180℃変わった。自治の意義・当事者意識をもって身近な所からでも(だからこそ)実践していくことの大切さを学んだ。

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    2024年11月28日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    知らない論者も多いのだが,なかなか良い企画だったと思う。
    個人的に自由に最高の価値を置いているつもりなのだが,そもそも自由とは何か,きちんと考える必要がある。自由でないから自由という概念が必要となるという指摘はそのとおりだし,自由と秩序の関係も深める必要がある。
    学術会議の問題は解決されないまま世間からは忘れられてその動きは目的を達しようとしている。カネは出すけど口は出さないなんて器量をこの国に望むのはもう無理なのかもしれない。

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    2024年10月14日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    とても素敵な本。「自治」の実際が語られていて,なんか,やる気が出るような来ます。著者によっては,少し難解な部分もあるのですが…。

    最後の斎藤幸平さんの「「自治」の力を耕す〈コモン〉の現場」より,今の教育現場にも通じる話を引用します。

    …労働問題に取り組むNPO法人POSSEの代表である今野晴貴さんは,次のように指摘します。
     ブラック企業問題が解決しない原因は,労働法が存在しないからではない。むちゃくちゃな働かせ方を取りしまう法律自体は日本にもある。あるけれども,労働組合が弱体化した日本では,企業のほうが圧倒的に強く,労働者には力がない。そのせいで,法律の運用が形骸化し,「違法労働」がまか

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    2024年08月23日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    「当事者意識を持つこと」の重要性を実感しました。
    「自治」というテーマのもと、様々な分野における「自治」のあり方について論じられていました。
    特に、現代社会における「上から」の改革の限界を指摘し、真の社会変革は、一人ひとりが「当事者」となることから始まることを強調していました。

    この著書における「市民科学」の例は、この「当事者意識」の重要性を感じられます。専門家だけに任せるのではなく、市民自身が社会問題の解決に向けて積極的に行動を起こす「市民科学」の動きは、従来の「上からの」改革ではカバーしきれない問題に取り組む、新しい可能性を感じられました。
    p125~武器としての市民科学を (木村あや)

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    2024年08月15日
  • 食べるとはどういうことか

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    他の本で紹介されていた一冊。
    5年前の出版だが、子どもの頃に出会うと良いかと。

    パルシステムの事務所で、12〜18歳の男女と京大人文科学研究所の准教授、藤原辰史ふじはらたつし氏とで座談会をした記録の一冊。
    12歳小学生の意見が鋭く、今までに食べたなかで1番美味しかったものは?から始まり、食べることとはどこまでなのか、噛みごたえのない食品はどうなのか、五感を総動員させて語り合う。
    これぞ哲学。と「一つの本を書こう!」と思考を広げまとめていく。
    面白かった。


    小腸6mに及ぶチューブの旅、消化酵素で炭水化物がブドウ糖や麦芽糖に、脂肪と脂肪酸とグリセリンに分解され、それらが腸に吸収。大腸では、消

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    2024年05月01日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    ネタバレ

    自分と興味の方向性の違う本を人におススメ頂くのが大好きで、本書も人におススメいただいた本です。

    「トラクターの世界史」・・・文字通りトラクターの登場の背景から現在、そして未来への流れについて書かれた本です。自分では絶対に手に取らない種類の本ですが、興味深い内容でとても面白かったです。

    19世紀半ばごろの欧米で、蒸気機関型のトラクターや脱穀機が生産されはじめましたが、当初は重量が重く、石の橋でも重量に耐えられず崩落事故が多発し、また、爆発事故も多くトラクターは危険なものでした。
    それでも人がトラクターを求め続けた理由は、役畜の世話、長時間の農作業などから解放されたかったからです。
    実際にトラ

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    2024年03月31日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    コモンを実際、社会においてどうやったら実行できるの?っていうことに回答するような本。それぞれの著者の具体的な取り組みや考え方が紹介され、大いに参考になる。
    民主集中制の危うさについて、斎藤さんから言及があるが、やはりボトムアップ的・水平的な関係性をいかに維持していくのかが大事なんだろうなと。

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    2024年02月07日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    自治という言葉は、本来素敵な言葉だったはずだが、なんだか最近は少し揶揄されているような気もする。自治会というのは煙たい存在だし、自治厨、なんて言葉もある。
    だが自治は大切な行為だし、言葉だ。
    コモンという言葉はまちづくりでよく聞かれるようになってきたが、広場っぽいスペースをとりあえず作って、はいコモンでございます、というものが多い。
    そんな状況でモヤモヤしている中、本書に出会った。
    全体的に実ある話であるが、「市場原理と贈与交換のブリコラージュ」という言葉に出会えたのがとても良かった。
    (本書の初出ではないが)

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    2024年02月04日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    今、私が自由だと思っているものは本当に自由なのだろうかと考えた。秩序はたしかに大事だけれど秩序以上に大事なものを蔑ろにしていないか。
    国は私を守ってくれるが同時に傷付けも見捨てもする。安易にぬるま湯に浸かっていることの危険性。
    これから先の時間を生きる人が傷付き見捨てられないように今を大事にしようと改めて感じた。

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    2024年01月29日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    後半パートだけ面白い
    暇と退屈の倫理学的な話で、「消費」に包摂されてしまってることの危険性を言っている

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    2024年01月29日