藤原辰史のレビュー一覧

  • 給食の歴史

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    こんなに給食について考えたのは、給食をいただいていた小学校以来どころか35年の人生初だと思う。

    私の中の給食の思い出に強烈に残っているのは小学2年時、イワシか何かのマリネがどうしても食べられなくてベランダに机ごと出されて食べ終わるまで放課後ずっと残されていた…という苦い記憶。

    そんなような感じで、少なからず各々の給食の思い出を呼び覚まさせる新書。

    が、本書の意義や趣意はもっと広範で、戦時下の強兵育成というところから始まりアメリカによる小麦・ミルク市場としての給食、中曽根首相時代の新自由主義方針と給食の変容、と新たに知った事・考えさせられた事が沢山。まさかソフト麺や先割れスプーンにこんなに

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    2021年05月19日
  • 給食の歴史

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    大学の感想レポートに。

    とてもいい意味でタイトル通り。

    牛乳が嫌いで苦痛だったなあという単純な動機とは裏腹に、事細かく書かれていて面白い。

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    2021年02月20日
  • 食べるとはどういうことか

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    藤原先生と、小学生から高校生までの人たちの「食べること」にまつわる哲学的対話。
    食べる、とはどこからどこまでを指すのか、考えたことがなかった。食べものを手に入れるところから口に入れるとこまでかなぁ。
    人間はチューブ状の生き物で自然界と繋がっている、ってなるほど。

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    2021年01月02日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    ネタバレ

    1人めの養老先生の「私の人生は「不要不急」なのか?」という問いでガツンと来る。数に限りがある人工呼吸器を若い患者、高齢の患者どちらに使うかで、現実にトロッコ問題が発生しているとは。「トライアル・アンド・エラー」ではなく「トライ・アンド・エラー」という表現は相変わらず気になる。伊藤隆敏さんのページにもあるように現金給付は一律じゃなくてもよかったんじゃないかと思う。ブレイディみかこさんのページにあるように普段質問しなかった子がオンラインだと質問するようになったみたいな予想していなかった変化は今後も起こるだろう。

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    2020年09月22日
  • 給食の歴史

    購入済み

    素晴らしい新書

    給食を軸に、日本の近代史を辿ることで、教育はもちろんのこと貧困問題や食糧政策など、日本社会の実相を明らかにする。そもそもの着眼点とその意図を明確に論じられている著者の力量に敬意を感じます。学べたことはたくさんありますが、子どもの発達と食との密接な関連を知ることができました。私も使っていた先割れスプーンが使われた経過なども分かります。

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    2020年08月08日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    とても面白い。大げさではなく、人類の歴史を根底から変えた技術、トラクター。
    馬や牛といった動物を使った耕耘で実現していた有機物の循環を断ち切り、よそから化石燃料を持ち込み、動物は単純に食べ物になった。このことの意味は大きい。
    また、農業経営の形態も、家族経営から集団化経営の夢を見させたという点で、大きく変わった。
    林業についても、多くの示唆を与えてくれる一冊。

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    2020年04月03日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    世界各国でのトラクターの出現、浸透、定着を通して人類の歴史を語る一冊。果たしてトラクターが農村や国の形をどう変えてきたのか、そして無人トラクターが実用化に近づいている現代、こるから農村や農業がどう変化していくのかを考えるのに適した一冊。専門分野に関わらず農業関係者必読かと思う。

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    2020年03月16日
  • 給食の歴史

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     主に日本の学校給食を、その歴史を追いながらその役割と意義の変遷を追った一冊。黎明期における世界の給食との比較、給食の成長を支えた多くの人々の求めた理想と現実の乖離、戦後に子供たちを飢えから救う為にアメリカと共に進めた給食復興と善意の裏にあった冷徹な戦略・・・。
     給食とは学校で提供される昼食に留まらない、社会の鏡といえる一面を持っている事が丁寧に綴られている。栄養士諸兄にはぜひ読んでもらいたい。たとえ学校給食の現場で働いていなかったとしても。

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    2020年01月30日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    著者は農業の歴史の研究者である。そして、本書は農業に革命を起こしたトラクターの歴史について世界史的な視点から書かれた本である。通常、経済史の世界では内燃機関を搭載した輸送機械としての自動車の発明とその大々的な普及については特筆され、輸送革命、交通革命として論じられることが多いが、トラクターは輸送でも交通でもなく、人類史上画期的な農業生産性の向上を伴う「農業革命」の主役であった。またそれは大量の化学肥料投入と対になって進行した(牛馬の糞尿が肥料として使われなくなった)。

    資本主義、社会主義などの社会体制を越えてトラクターが及ぼした変革の力はもっともっと考えられるべきテーマであろう。本書はその導

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    2019年02月20日
  • 給食の歴史

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    学校給食は子供達を飢餓から救うことから始まった。
    今でも「学校給食が唯一栄養バランスの取れた食事」である子は存在する。給食費の未納を給食の停止につなげて、子供に大きなしわ寄せが行くことはあってはならない。

    センター方式では給食の品質が劣化する。自校方式では人件費がかかるが、食べる人と作る人、互いのの顔が見える。それが調理員のやりがいにつながる。子供達も残しては申し訳ないという気持ちになる。

    中学校の給食提供率が低いこと。

    給食のもたらす意義は大きい。給食は母親の怠慢ではない。弁当では格差が浮き彫りになり子供同士が気まずい思いをする。家庭だけに食育を押し付けることは限界がある。みんなで同じ

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    2019年02月11日
  • 給食の歴史

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    調査量、論理立て、思想、全てにおいてハイクオリティの内容だった。
    給食のいう一つのシステムから近代日本の流れを見通すことができ、現在の社会問題まで把握することができる。
    戦後の給食が、アメリカの(ある種占領的な)思惑で動いていたこと。無料給食に対しての議論の中で、ジェンダー論にいきつくこと。などなど知的好奇心をそそられる記述が満載だ。

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    2018年12月23日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    トラクターの開発・普及や、世界各地でのトラクターの導入方法などを示しつつ、農業の変化や戦争への転用など、その功罪を展望する一冊。タイトルで技術史の本かと思わせつつも、トラクターを通して農業を見る農業史の本でもあり、文化史の本でもあった。面白い。

    日本のトラクター史についても、小岩井牧場や斜里農場で初期に導入していたこと、戦前日本でトラクターが意外と開発されていたこと(普及はしてなかったけど)、岡山や島根がトラクター開発の先進地だったこと、などなど知らないことも多く、読んでて楽しい。

    それと、機械化でなく労働集約化の方向に進んだ近世日本の農業を考える上で、機械化による大規模農業の事例は逆にい

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    2018年06月16日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    トラクターというマニアックでニッチなテーマを掘り下げ、人類発展の歴史をあぶり出している本。
    食料生産力を劇的に向上させたトラクターの功績と、戦争に応用されたとする功罪、そしてトラクターが生んだ今後の課題について言及されています。
    全部を通して伝わってくるのが、筆者のトラクターに対する愛です(笑)マニアックながら、ただただ面白い。オススメです◎

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    2017年11月13日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    岸本さんが実践されている「ミュニシパリズム」ボトムアップ型の地域主権主義がとても参考になった。
    排他主義的極右でもなく、左派的エリート主義でもない、トップダウン型の国家社会主義でもなく、全体主義的共産主義でもない。

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    2025年06月02日
  • 食べる(たくさんのふしぎ2024年1月号)

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    「食べる」ことの素晴らしさをいろんな方面から教えてくれる。
    食材そのものの魅力、食材を育んだ人や食卓にのぼるまでに関わる全てのひとたち、現代まで紡がれてきた改良の歴史、腸内最近のこと、塩のこと、地球をめぐる水のこと。そんなこと考えながら食べることなんてなかったから、改めて食べることについて考えるきっかけになった。せめてスマホ見ながらの食事はやめようと思う

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    2025年06月01日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    お金儲けや、そのお金を使って物や時間を消費することに全精力を使っていて、自分たちで自主的に行動して社会を変えていこうという気もない。全くの怠慢だ。
    上から何かをしてもらうことばかり考えて、自分たちは何もしようとしない。怠慢だ。
    資本主義に毒されてしまっている。このままではいけないと考えている人もいるにはいる。だってあまりにもいろいろなことがめちゃくちゃだから。行動に移せている人もいるが、仕事にクタクタになって、残りの時間スマホ見てる人が圧倒的多数だ。
    怠慢な人の1人である私だが、できることを見つけて少しずつ行動しよう。

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    2025年04月24日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    治外法権という言葉がある位、「自治」の線引きはデリケートな問題だ。コスモポリタニズム(地球市民主義)のような大きな枠組みで自治を行う方が、世界平和になって良いのではとも思ったが、結局は、自治単位が大きくなってもそれを不満とした紛争は無くならない。だからといって、自治単位が小さくなればなるほど、対立を招く可能性が増えるし、効率性も下がる。本件を考えるには、当たり前のことだが「自治単位の適切な設定」と「適切な運営」が重要である。

    資本主義には資本が資本を呼ぶように富を集中させる機能があり、それをもっての強者の理論がまかり通るようになり、弱者における「自治」を蔑ろにする部分がある。本書は、万人がコ

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    2025年01月09日
  • 食べるとはどういうことか

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    短時間の座談会だけど、思考のリミッター解除を促してきちんと哲学とアウトプット練習をやってるんだよな。
    全学校がこういう場所だったら良いのに。
    相も変わらず、社会に・経済に接続しにくい方法で勉強させられ、学生間の関係維持にばかり労力を割いてる気が…。

    しかしまあパルシステム会員のお子さんたちだからといって優秀すぎんか(笑)
    (元々食への興味がある、比較的家が裕福で経験値を積みやすい環境にあるんだろうな。)

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    2024年12月30日
  • 食べる(たくさんのふしぎ2024年1月号)

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    人間チューブ説が絵になった!
    西の最高学府と比べちゃいかんが私も同じような学部を卒業したので、学際的な藤原先生の著者に惹かれた理由がよくわかった。

    私はこんなさらっと子どもに語れない(勝手に盗め!って感じ)から絵本の力ってすごい。

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    2024年12月24日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    地元に根強く残る金物屋さんや喫茶店の見方が180℃変わった。自治の意義・当事者意識をもって身近な所からでも(だからこそ)実践していくことの大切さを学んだ。

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    2024年11月28日