藤原辰史のレビュー一覧

  • 給食の歴史

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    ネタバレ

     戦後アメリカの占領により、学校給食ひいては日本人の食生活は大きな影響を受けた。ただし、戦前から一貫して、貧困と災害に対する備えとして発展を遂げている。

     私は一貫して自校給食だったが、センター方式に対する抵抗運動についても知ることができた。

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    2022年02月20日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    第2弾の方が面白かったから、遡ってこの第1弾も。識者による未来予測だから、概ね似た内容になるのはむべなるかなで、『とんでもないな』って思うことは無い反面、そこまでインパクトの大きい論説には出合えなかったり。ただ、そんな中でも探検家・角幡さんの投稿はかなり移植で、だからこそ際立って面白く感じられた。コロナ突入のちょうどその時期、極地単独踏破を敢行していたなんて、まさにリアル浦島太郎。そんな状況に身を置かれていたとは。色んな意味で得難い体験。面白かったス。

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    2021年12月09日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    初めて読む方の文章が新鮮で特に印象に残った。山田和樹さん、永井愛さん等。既によく読んでいる方の名前につられて本を手に取り、新しい方のご研究などに興味が広がっていくのがうれしい。
    この本を読んで逆に「自由」という言葉を簡単に定義し使うことが難しくなったが。
    自由を手放したくないし、奪われそうなら戦う!新たな自由をつかみ取りたい!そして次の世代に手渡したい。

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    2021年09月20日
  • 叢書パルマコン03 農の原理の史的研究 「農学栄えて農業亡ぶ」再考

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     テーア、チャヤーノフ、横井時敬、橋本傳左衛門、クルチモウスキー、杉野忠夫、小野武夫、川島武宜、吉岡金市、本書で取り上げられた主な人物である。かろうじて知っているのは、著作を読んだこともある川島武宜一人である。
     
     本書冒頭、近未来の「農」が、必須栄養素の簡易摂取化、植物工場による栽培といった工学技術により根本的に変貌する可能性を指摘しつつ、著者は、“農学栄えて農業亡ぶ"を原理的に考察しようとする。農学とは、農業発展のために進展すればするほど農業を滅却させていくという逆説的な宿命を帯びているのではないか。

     本書では、次の問いが示される。
    1 「近代化の前進」と「農の原理の探究」

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    2021年08月01日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    コロナ後の未来のお話が1年経った今も現在進行形の状況でもフィットする内容でした。専門分野の方達がそれぞれの違った視点で社会とパンデミックの関わり合いがとても参考になりました。今後さらに深掘りしたいですね。

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    2021年06月15日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    誰もが気になっているだろうし、自分も気になっているコロナ後の社会。それを考えるヒントになりそうだと思って読んでみた。

    読んでみて、やはりコロナ後の世界は誰にもわからないのだという、当たり前だけれどちょっとホッとする自分なりの結論。でも、少なくともコロナ以前に戻ることはないし、新しい社会を作り上げる(あるいは、遠い未来に実現するはずだった社会を、少し近い未来に実現する)ことになるのだろうという予測はたった。

    その時に、どんな未来が待っているのか、自分はその未来でどのように立ち振る舞うのかを、いま考えなければならないという感覚を持った。

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    2020年11月14日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    某所読書会課題図書.養老さんとブレイディみかこさんに出てきたブルシット・ジョブとキーワーカーの対比、世界レベルのアイデンティティの創造(p71)、政府とIT企業の連携で見えてくる世界(p77)、国家を超える連帯の必要性(p87)、リベラル層が強権発動を言い募る危うさ(p99)、ケア階級の再認識(p133)、人と会うことの暴力性(p142)、指定感染症への指定とその後の対応(p173)などなど、考えさせられる視点が多かった.

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    2020年10月24日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    世界の農業従事者憧れトラクター。第一次世界大戦ではトラクターのキャタピラ技術が戦車に転用される悲しい歴史も。ランボルギーニ社がトラクターメーカーでフェラーリの会長に相手にされず対抗心でスポーツカーを作ったのは知っていましたが、米フォード、伊フィアット、仏ルノー、独ポルシェの有力自動車メーカーがトラクターを製造していたのは驚きでした。GPS無人運転技術で人手不足問題は解消できるかは微妙のようです。

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    2020年07月19日
  • 給食の歴史

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     日本の給食の歴史がよくまとまっている。

     給食は、教育政策、貧困政策、災害政策、健康政策、
    食料自給、地域の発展、地域の活性化と関連がある。
     新型コロナで突然休校になり、保護者や給食関連企業は困っている。
     給食は廃止して弁当にすればいいと思っていたが、安心でおいしい給食の提供を続けていくことの必要性を認識した。

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    2020年03月13日
  • 食べるとはどういうことか

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    3つの質問から”食べる”を考えると、”人間”とは何か”が見えてくる。京大准教授と中高生8人の白熱した座談会。

    3つの問い
    1いままで食べたなかで一番おいしかったもの?
    2「食べる」とはどこまで「食べる」なのか?
    3「食べること」はこれからどうなるのか?

    特に印象に残った事
    1おいしさのカテゴリわけ
    母、特定の店、状況依存(山頂でのおにぎり)
    2人間の食と動物の食は違うのか? 人間チューブ論
    3食べることが煩わしいと考える人がいる

    ”食べるは”哲学でもあり、文化でもあり、歴史でもあるなぁと思いました。
    NDC 383.8

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    2020年03月08日
  • 給食の歴史

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    ●→引用

    ●第三に、給食は食品関連企業の市場であること。1988年の段階で「給食は、人件費と食費をあわせて年間1兆400億円のお金の動く大事業」と述べている。ここには、アメリカを代表とする農業大国や、多くの食品産業、食品卸業、農家の利益が直接絡んでくる。調理器具も、食器も、冷凍食品も、小麦も、牛乳も、公的な給食は大企業に、場合によっては地域の小さな八百屋や魚屋や肉屋に支えられている。
    ●つまり、占領を円滑に進めるために、具体的には、日本で病気が蔓延して占領軍やスタッフの健康が脅かされず、占領軍の統治を安定させるために、日本の子どもたちへの給食計画を断行すべし、という意味である。すでに述べたよ

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    2020年02月22日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    トラクターなしに現代農業を語れはしないだろうに、それを主題にした本を見つけるのは難しい。
    農業革命というと肥料や品種改良ばかりが注目され、失敗というと政策や気候についてのみ語られるが、
    農機具の進化が如何な役割を果たしたのかが語られないのは何故だろうか。

    本書はその調査対象を各国の農業史や歴史書、企業広告等は当然として、ポーランドの歴史小説からベトナムの短編小説、戦時中のソ連映画、19世紀のドイツの風刺雑誌、1937年公開のナチスと日本の合作映画など、トラクターが作った轍をすべて辿りつくすかのような徹底ぶりを見せる。
    この本を抜きにしてトラクターを語ることは出来ないだろう。

    19世紀末にア

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    2019年12月25日
  • 食べるとはどういうことか

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    「食べる」をテーマとした、ある大学の先生と、中高生の議論をまとめたもの。

    「食べる」とはどこからどこまでのことか、たとえば、食べ物を口に入れた瞬間や噛んでいる間、は食べる行為としてOKだとして、飲み込んで食道を通過している間や、胃で消化している間はどうなんだろう、さらにその先の小腸や大腸を通過している間は、などと考えると、意外に、食べるという言葉の表す意味の曖昧さ、というか広さを実感できます。
    また「食べる」には、単に「食べる」だけでなく、誰が作ったものを食べるのか、誰と食べるのか、どういうシチュエーションで食べるのか、といったいろんな要素が絡んでいます。

    そういった、「食べる」に関

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    2019年11月11日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    「トラクター」を通して、世界の農業史を振り返る一冊。

    農家にとって、トラクターは「一度頼るとそれから離れられない農機具」。それを「政治的に農業と農民を管理する手段(p.84)」として使ったスターリン時代のソ連など、興味深い事例が多く紹介されている一冊。

    歴史資料として「トラクターが出てくる小説」を多く取り上げているのも特徴。なかでも秀逸なのが、戦前・戦後のウクライナの政治・農業史を振り返る資料として紹介される「ウクライナ語版トラクター小史(=邦訳『おっぱいとトラクター』)」(p.114-)。舞台となるウクライナでもトラクターを通して農民を管理・抑圧する動きはあったことを示唆しつつ、一方でト

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    2019年04月30日
  • 給食の歴史

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    学校給食というとどんな思い出があるだろう。
    学校で一番楽しい時間だった人もいれば、嫌いなものを食べなくてはならなくて苦痛だった人もいるだろう。人気のおかずが余るとお代わりに皆が殺到したり、牛乳の早飲みをする猛者がいたり。
    それは授業とはまた違う、けれどもやはり学校という環境でなくては経験しえない時間であったはずだ。

    「学校で」「皆で」「同じものを」食べる。
    本書はそのことの意味を、その歴史を通じて見直していく1冊である。

    給食成立の背景には、貧困や災害があった。
    戦後の困窮期には、アジアへ向けたアメリカからの支援物資の利用があり、その影響は長く残った。
    学校給食は必要なのかとの議論もあった

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    2019年03月01日
  • 給食の歴史

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    「給食」を
    明治以降の世相史として
    読み解いていく好著
    その時代の
    その時の政府の
    その時に置かれた子供たちの状況の
    背景も丹念に考察されておられる
    確かに面白き一冊である

    ただ
    「給食」がどこで食べられているか
    という問題には触れられていない
    ことが残念
    ほとんどの学校園では
    普段の「教室」が
    そのまま、教室の場として
    使われている
    それは 当たり前といわてしまえば 当たり前
    なのでしょうが

    ほんとうに
    それは 当たり前のことなのだろうか?

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    2019年02月19日
  • 給食の歴史

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    給食を通して、戦争、福祉、行革、経済、
    占領、様々なテーマ史が、浮かび上がる。

    食に対する強制の側面もある給食だが、
    格差が拡大していく一方の現代日本では
    スティグマ防止のための役割は拡大中。

    歴史的な経緯も踏まえた議論が
    重要だと感じた。

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    2018年12月31日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    農業の機械化、中でも今では牽引機として幅広い用途で利用できるトラクターに焦点を当てたもの。

    世界的なトラクター開発の流れや歴史だけでなく、日本に置いての歩行型トラクターの開発の話も綴られており、これはトラクター好きは読まないとならないなと思います。

    農業の機械化と戦争の関係もあり、機械化による大地への影響もあり、社会主義の裏にもあったトラクターを始め、
    果たして農業が機械化されたことで、家畜を利用していた頃と比べて本当に豊かになったのか。
    そんなことをふと考えるきっかけになります。

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    2018年10月27日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    タイトルのとおり、トラクターの誕生から、世界各地での発展の仕方などを通じて、現在の様相まで、一本の線で歴史的にとらえられるように書かれています。さすがに1冊で書ききれる容量ではないので、全部という形ではありませんが、トラクターという普段触れることのなかった世界を、歴史的に知ることができて面白く読ませていただきました。
    農業をするうえで、土を耕すという作業が大きな比重を占めているということ、それを克服するためのトラクターという機械と改良という人類の戦い、それに対する旧来の人々との闘い。そして最後に、トラクターは人類の夢に向かって着実にそれを実現してきましたが、それで良かったのかという投げかけもさ

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    2018年09月04日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    軍事技術が民生品に転用され、進化するというのと逆で、トラクターが戦車として開発されたという。トラクターの歴史がこんなにも面白いとは!

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    2018年04月21日