藤原辰史のレビュー一覧

  • 食べるとはどういうことか

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    「食べる」をテーマとした、ある大学の先生と、中高生の議論をまとめたもの。

    「食べる」とはどこからどこまでのことか、たとえば、食べ物を口に入れた瞬間や噛んでいる間、は食べる行為としてOKだとして、飲み込んで食道を通過している間や、胃で消化している間はどうなんだろう、さらにその先の小腸や大腸を通過している間は、などと考えると、意外に、食べるという言葉の表す意味の曖昧さ、というか広さを実感できます。
    また「食べる」には、単に「食べる」だけでなく、誰が作ったものを食べるのか、誰と食べるのか、どういうシチュエーションで食べるのか、といったいろんな要素が絡んでいます。

    そういった、「食べる」に関

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    2019年11月11日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    「トラクター」を通して、世界の農業史を振り返る一冊。

    農家にとって、トラクターは「一度頼るとそれから離れられない農機具」。それを「政治的に農業と農民を管理する手段(p.84)」として使ったスターリン時代のソ連など、興味深い事例が多く紹介されている一冊。

    歴史資料として「トラクターが出てくる小説」を多く取り上げているのも特徴。なかでも秀逸なのが、戦前・戦後のウクライナの政治・農業史を振り返る資料として紹介される「ウクライナ語版トラクター小史(=邦訳『おっぱいとトラクター』)」(p.114-)。舞台となるウクライナでもトラクターを通して農民を管理・抑圧する動きはあったことを示唆しつつ、一方でト

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    2019年04月30日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    農業の機械化、中でも今では牽引機として幅広い用途で利用できるトラクターに焦点を当てたもの。

    世界的なトラクター開発の流れや歴史だけでなく、日本に置いての歩行型トラクターの開発の話も綴られており、これはトラクター好きは読まないとならないなと思います。

    農業の機械化と戦争の関係もあり、機械化による大地への影響もあり、社会主義の裏にもあったトラクターを始め、
    果たして農業が機械化されたことで、家畜を利用していた頃と比べて本当に豊かになったのか。
    そんなことをふと考えるきっかけになります。

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    2018年10月27日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    タイトルのとおり、トラクターの誕生から、世界各地での発展の仕方などを通じて、現在の様相まで、一本の線で歴史的にとらえられるように書かれています。さすがに1冊で書ききれる容量ではないので、全部という形ではありませんが、トラクターという普段触れることのなかった世界を、歴史的に知ることができて面白く読ませていただきました。
    農業をするうえで、土を耕すという作業が大きな比重を占めているということ、それを克服するためのトラクターという機械と改良という人類の戦い、それに対する旧来の人々との闘い。そして最後に、トラクターは人類の夢に向かって着実にそれを実現してきましたが、それで良かったのかという投げかけもさ

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    2018年09月04日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    軍事技術が民生品に転用され、進化するというのと逆で、トラクターが戦車として開発されたという。トラクターの歴史がこんなにも面白いとは!

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    2018年04月21日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    主として農用のトラクター史。かつては蒸気機関を積んだトラクターも存在したが,内燃機関が採用されたことで20世紀に爆発的に普及した。
    トラクターと戦車が双生児とも言えること,トラクターと共産主義の関係など,とても興味深い。
    トラクターの語源が牽引で,attractとも同根であることから,「さまざまな人間を魅惑してきた」p.4という洒落っ気も好感度高い。

    日本のトラクター密度が世界一だというのは,なるほど納得。農地千㌶あたりの乗用型トラクターの台数は,日本は二位のオーストリアを3倍以上引き離して386台とダントツ一位(2000年)。アメリカの40倍近いトラクター密度だとか。
    農地面積が狭く集約的

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    2017年12月20日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    中公らしい一冊だけど、トラクターという題材は戦車との対比と各国での取り上げられ方ではちょっと弱かったように思える。

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    2017年12月07日
  • 戦争と農業(インターナショナル新書)

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    食と農業と技術、これからの事について。

    害虫の誕生と併せて読みたい本。


    薬剤の歴史は戦争と深い繋がりがありますが、現業と過去の趣味が今交わるのが不思議なもんを感じます。

    しかし藤原彰『餓死した英霊たち』は色んな参考文献に名前がでますなぁ

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    2017年11月23日
  • 戦争と農業(インターナショナル新書)

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    ある上司が食料自給は国防の基本の一つと仰っていて、まさにそういう内容でありさらに食と政治・戦争は密接にリンクするものであるという認識を新たにした。かねてから美味しい食事をすることは性欲を抑える(あるいは吐き出す)側面もあるのではないかと思ってきたので、食事と性行為を並べて語るところも個人的には腑に落ちた。

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    2025年07月31日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    流し読み。当事者として正しい情報と相互対話を通して自律して生きていくことは大事だよね、という。理想としてはそうだけど。

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    2025年07月30日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    「世界史」「人類の歴史を変えた」となると大仰だな、といった印象だが、内容的にはまちがいではない。
    トラクターの歴史から、世界諸国でどのように供給されひとびとに受け入れられてきたか、もしくは拒絶されてきたか、などが書かれている。

    私自身はトラクターとは無縁である。親族に建設機械メーカーの人間はいるが、その程度。なので、当然ながら知らないことばかりが載っており、興味深かった。

    最初期のトラクターは、労働からの解放もアピールされていたそうである。それまでは男の作業であったが女でも耕すことができる、ということで女性解放的な意味合いさえあったという。しかしそれも、ソ連はいいとしても中国ではうまくいか

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    2025年05月04日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    不登校の男の子と古着屋の店長の話から、「小さくてバラバラな店が町に無数にあるからこそ、システムからこぼれおちる差異にあふれた人たちの問題に関与しうる」という部分がとてもグッときた。

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    2025年04月11日
  • 食べるとはどういうことか

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    ネタバレ

    藤原先生と様々な年齢の人との対談のお話。
    食べるということについて考えが深まった。そして「哲学」についてもよく知れたとおもう。

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    2024年12月07日
  • 食べるとはどういうことか

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    藤原センセイと小、中学生による「食べる」ことを考える対話集。

    おいしいとはなにか、それは他人との関係か、あるいは同カテゴリ同士の相対的な差異か。食べ物はどこまで「食べ物」か。人間は、下水道を通じて繋がっている大きな循環の中のチューブの一部分なのかも。本当に「食べている」のは、人間ではなく腸内微生物。

    たいてい食べることに意識的な人は、だいたい幸せそうにみえる。私もできるだけ、そうありたいと思う。

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    2024年05月30日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    2024.04.20 読み応えがあった。コモンの自治が難しいという現実と、その一方で高い可能性があることを学ぶことができた。自分も実践しなければならない。

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    2024年04月20日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    なかなかマニアックな内容。トラクターの技術が戦車に応用されていたとは驚き。日本のトラクター界を牽引してきた方々に西日本出身者が多いのが興味深い。

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    2024年03月26日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    コロナ後の世界というのはわたし自身にとっても明確にいろいろな意味でそれまでと変わりました。
    わたし自身は50代半ばですがワクチン接種は拒否しています。
    コロナウイルス自体に関しましては、日本人にとってはもともと大騒ぎをするほど大して問題ではなかったのですが、健康な人達までもがコロナワクチン注射を受けてしまうことによって、ワクチン注射を打った人たちの体内で悪いウイルス・菌が増殖をしてしまい、その悪いウイルス・菌を周り・周囲や日本中にばらまいてしまうことになるという説を信じています。

    そしてコロナ以前にはわたし自身では、「何とかコツコツと学び続けてさえいけば、生きていく道はあるのではないのかな」

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    2023年10月23日
  • 戦争と農業(インターナショナル新書)

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    戦争と農業は切っても切り離せない。

    トラクターが戦車に、化学肥料が火薬に、毒ガスが農薬に転用される経緯は非常に興味深かった。
    また、戦時中の「食糧」というものの立ち位置も重要なものであるが故に、兵糧攻めができた。

    兵糧攻めというものを詳しく学べたのは非常に大きかった。
    食糧を管理下に置きたがる権力者の生々しさも学べた。
    なぜそんな酷いことができるのか。読むのが辛い部分もあった。
    非人道的であるが、それをおかしいと思えなかったのは、結局は民主主義の欠点でもある。

    大衆の意見が正義とされる。

    今自分が何不自由なく食事にありつけるありがたさを痛感する一冊でした。

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    2023年07月02日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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     トラクターという切り口で、世界の農業や政治の変化を語るというのが何と言っても面白い。

     田舎の本家筋が農家だったので、トラクターもあったのを記憶しているが、こういう歴史があったのかと、ちょっと感動。

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    2023年01月16日
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線

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    様々な分断が派生したコロナ禍において、民の声が政治の力へと昇華されているのか、疑問が浮かぶ。為政者の判断はもちろん過ちも含まれよう。しかしそのまま看過するのではなく、修正していく判断力が現在も問われ続けている。さらに大切なのは私たち有権者の関心であり、声あげる人を中傷するのではなく、その選択肢に取り組んでみる姿勢が大切ではないか。誰も未来の結果なんてわからない。ならば、否定は現状の惰性でしかない。そこに救われる道程があるのだろうか。過ちよりもタチが悪い。

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    2022年12月01日