藤原辰史のレビュー一覧

  • 給食の歴史

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    「新資本主義」という搾取により生まれた弱者を自己責任という言葉で覆い隠すための主張に、子供の命を救い、共に幸せに生きていこうとする意思を差し出すわけにはいかない。

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    2025年12月08日
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち

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    トラクターの発展史である。そして政治体制やイデオロギーとの関係でトラクター=これからの世の中を変えていく「未来」としてどのように扱われたのかを解説しており、著者の巧みな語り口で読ませていく。めちゃ面白い。
    共産主義のプロパガンダや集団農場体制でのトラクターの扱われ方が、共産味がドバドバ出てて笑える。

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    2025年09月18日
  • 戦争と農業(インターナショナル新書)

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    こういう本を読みたかった!
    新たな仕組みづくりと人間本来の暮らしの両輪で語られるのがとても良かった。
    便利な世の中の恩恵を受けているからこそ、経済はじめ社会のあらゆる不都合も飲み込んで歯車として生きていこうと思っていたけど、そうじゃねえわ。反抗する。まずは自分の箱庭をつくる。

    遅効性が先立つ社会ってなんと魅力的な響きだろう。
    HSPだしのろまだし、私が役立てることもあるかもしれない。
    ちょっと泣いた。

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    2024年12月23日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    今の社会を変えたいと思うなら選挙で政権を変えることに一生懸命になるのではなく、自分たちの手の届く範囲で当事者意識をもって運動することが重要だと感じた。そのためにコモンを見直し、それを自治していくことが大切だとわかった。身近なところから社会を変えていけると希望がもてた。

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    2024年08月31日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    人新世の「資本論」の斎藤幸平、「永続敗戦論」の白井聡、岸本聡子杉並区長ら
    そうそうたるメンバーが自治を語る、コモンを語る、自律を語る。

    正直難易度が高く、頭に入らないものもあった。
    一番理解しやすかったのは藤原辰史さんの農業の自治。

    古来人間は集って狩猟、農業を営んでいた。そこに自治があった。
    種の保管、水の確保、料理。
    最小単位の集団で、自分たちで取り決めをし、少しでも全体の収穫を大きくしようとした。
    ここに国が絡むと、年貢を納めることになるが、これを金銭で納めるようにすれば
    商売の考えが生まれ、余剰金で新しいものが買える。そこにも自治ができる。
    などなど、人類の歴史に根付いた自治の話は

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    2024年05月23日
  • 食べる(たくさんのふしぎ2024年1月号)

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    ■感想
    この作品も、目の前にあるものに対して、多くの人が関わっている、それは、今生きている人だけではなく、多くの歴史も、関わっているということを伝える作品でした。

    食べる行為に対して、より広いイメージを持っていると、より幸せになれるだろうな〜と感じました。

    そうですね、「いただきます」を、しっかりやろう!と、今年の目標が一つできました。毎度、レベルの低い目標ですが(笑)
    34、35ページは、なかなかよかったです。

    だけど、、、微生物も食べているという表現が、小さい子が読むと、よくないイメージを持つ子もいるだろうなと、、、感じる作品でもありました。
    とてもイメージしやすいイラストが、とても

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    2024年02月11日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    人新世の資本論で説かれていたことを、さらに具体的にどうやって実現していくか。それを斎藤幸平氏だけでなくさまざまなジャンルの人も語っている。

    杉並区長の岸本聡子さんの章がとてもおもしろかった。
    「共生」や「協力」「包括」「共有」といった、女性的価値で政治や選挙のやり方、組織のあり方をかえていくフェミナイゼーション、地域社会や草の根から発する市民の集合的な行動を大切にして「水平的で多様でフェミニン」なら関係を気づくことを志向することの大切さ(97ページ)とケアの視点、特にフェミナイゼーションが今年の私のキーワードになりそう。

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    2024年01月09日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    資本主義による大量生産、大量消費の時代は終わりつつある。この危機を乗り越えるためのキーワードは「コモン」である。私たちも生き方を見直さなくてはならない。

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    2023年12月05日
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)

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    「はじめに」から続く7章と「おわりに」まで、著者それぞれの立場や専門ならではの視点から、「コモンとは?」「自治とは?」を終始問われ考えさせられるのだが、事例が分かり易いし文章も読みやすく、押し付けがましくもないのでずんずん読める。これまでモヤモヤしていたことにやっぱりおかしいものはおかしいと言おうと思えたり、具体的なヒントも満載の一冊。

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    2023年10月23日
  • 歴史の屑拾い

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    歴史家としての真摯な姿勢。一次史料から生まれうるさまざまな叙述。
    大きな物語に絡め取られてしまいがちな、人々の営みの歴史。

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    2023年02月03日
  • 給食の歴史

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    参考文献の引用の丁寧な書き方、最初に本全体の概要、
    流れを説明し、章ごとに深掘りしていき、
    きちんとそれまでを振り返りまとめて終わり、という本の構成が好みで、読んでいて満たされました。
    自分語りや、表立った感情論はなく、根拠として事実関係の引用を用いて自分の意見の方向性を述べるところが読みやすかったです。

    給食の恩恵は受けてきたけれど、その当時は子供だったため、どれほどの苦労や思いがあってのものか露知らず。年齢的には、今度は親になって給食に関わる段階でしょうがいまだその機会はないため給食はテレビで報道される異物混入の報ぐらいでしかほぼ触れることがなくなっていました。「おいしい給食」というドラ

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    2023年01月31日
  • 歴史の屑拾い

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    偶発性、偶然、道草から出会えるもの、得られるもの、与えられるものって
    人生そのもの
    紹介されている本が読みたくなりました。
    日常生活、ささやかな発見や驚きがあるとそれだけで幸せ。

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    2023年01月18日
  • 戦争と農業(インターナショナル新書)

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    ボッシュ・ハーバー法によって空気からアンモニアを作成し化学肥料が進展し、それが毒ガスに転用された。トラクターのキャタピラーは、塹壕への攻撃に転用された。
    自分にはなかった視点で刺激的だった。

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    2022年12月17日
  • 戦争と農業(インターナショナル新書)

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    民主主義について考えさせられました。
    国が「民」を選ぶ -個人が選んでいるように思うけれど、社会が学校が国が個人、民を選んでいる
    黒田喜夫『死にいたる飢餓』
    農本主義 -農の営みは国の基礎であるというイデオロギー
    誰もが食べられるという当たり前を基盤とする世界はいまだ実現していない

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    2022年11月09日
  • 給食の歴史

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    とても良かった。日本で生まれ育った日本人は、学校で給食を経験しているはずである。もちろん海外にも同様の制度はあるが、本書では日本で給食が始まった理由、進化の過程、さまざまな葛藤、今後の課題と給食の持つ役割が論理的に書かれており、興味深く学ばせてもらった。本書を読めば日本の給食の成り立ちから意義からすべてがわかる。
    日本の給食は江戸時代終盤ごろ始まったとされるが、その意義は常に貧困家庭の子どもの救済にあった。その過程で常に、助けを受ける子どもが恥をかかないように、との細心の配慮がされてきた。
    戦後はGHQが給食の復活を強く推し進めたことも初めて知った。もちろん、アメリカの意図としては、日本の子ど

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    2022年09月27日
  • 給食の歴史

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    戦後の占領政策の一環として語られることが多い学校給食。本書では戦前まで遡る給食の萌芽から現代に至るまでの給食の歴史が語られるが、そこには占領政策という単純な構図ではなく弱者救済、スティグマの回避、効率化の弊害、供給側のやりがい、イデオロギーとの関係など多様なドラマが織り込まれている。
    コッペパン、ソフト麺。先割れのスプーン。給食といえば想起されるこれらがどのような経緯で生れ出づったのかという経緯は興味深いし、昨日の命を明日へ繋ぐ指名としての給食のナラティヴには胸打たれるものがある。

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    2022年07月25日
  • ポストコロナの生命哲学

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    福岡さんの 動的平衡関係、生物と無生物のあいだ
    に入り込んで、このほんをコロナという切り口から購入! ナウシカのアニメ映画化でも今を写すなあと感動してたのに、アニメの方が更に問題提起が重たかったとは! 買おうかとも思いましたが、この時期にもっと心が重くなるのではと躊躇。
    鼎談の内容が高度でなかなかついてはいけなかったけど、気付きを沢山いただきました!

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    2022年07月23日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    忖度か、同調圧力か、権力の逸脱か。最近、表現の自由が失われつつある風潮がある。26人の研究者、作家、芸術家、ジャーナリストが自由について考察し、声をあげる。

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    2021年11月03日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える

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    2021年07月28日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    26名による日本学術会議任命拒否問題に端を発した、自由への権力の介入に関しての論考集。息苦しさの正体にはさまざまな形での!自由を禁じようとする動きがあったことに改めて気がつく。
    それぞれの立場で見た自由への介入は、幅広いものがあり、私たちの生活がじょじょに狭められてきていることが分かる。
    誰かの問題なのではなく、自分の問題として、さまざまなやり口で介入しようとしてくる権力にはNOを突きつけたい。

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    2021年07月16日