藤原辰史のレビュー一覧

  • 食べる(たくさんのふしぎ2024年1月号)
    ■感想
    この作品も、目の前にあるものに対して、多くの人が関わっている、それは、今生きている人だけではなく、多くの歴史も、関わっているということを伝える作品でした。

    食べる行為に対して、より広いイメージを持っていると、より幸せになれるだろうな〜と感じました。

    そうですね、「いただきます」を、しっか...続きを読む
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    人新世の資本論で説かれていたことを、さらに具体的にどうやって実現していくか。それを斎藤幸平氏だけでなくさまざまなジャンルの人も語っている。

    杉並区長の岸本聡子さんの章がとてもおもしろかった。
    「共生」や「協力」「包括」「共有」といった、女性的価値で政治や選挙のやり方、組織のあり方をかえていくフェミ...続きを読む
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    資本主義による大量生産、大量消費の時代は終わりつつある。この危機を乗り越えるためのキーワードは「コモン」である。私たちも生き方を見直さなくてはならない。
  • コモンの「自治」論(集英社シリーズ・コモン)
    「はじめに」から続く7章と「おわりに」まで、著者それぞれの立場や専門ならではの視点から、「コモンとは?」「自治とは?」を終始問われ考えさせられるのだが、事例が分かり易いし文章も読みやすく、押し付けがましくもないのでずんずん読める。これまでモヤモヤしていたことにやっぱりおかしいものはおかしいと言おうと...続きを読む
  • 歴史の屑拾い
    歴史家としての真摯な姿勢。一次史料から生まれうるさまざまな叙述。
    大きな物語に絡め取られてしまいがちな、人々の営みの歴史。
  • 給食の歴史
    参考文献の引用の丁寧な書き方、最初に本全体の概要、
    流れを説明し、章ごとに深掘りしていき、
    きちんとそれまでを振り返りまとめて終わり、という本の構成が好みで、読んでいて満たされました。
    自分語りや、表立った感情論はなく、根拠として事実関係の引用を用いて自分の意見の方向性を述べるところが読みやすかった...続きを読む
  • 歴史の屑拾い
    偶発性、偶然、道草から出会えるもの、得られるもの、与えられるものって
    人生そのもの
    紹介されている本が読みたくなりました。
    日常生活、ささやかな発見や驚きがあるとそれだけで幸せ。
  • 戦争と農業(インターナショナル新書)
    ボッシュ・ハーバー法によって空気からアンモニアを作成し化学肥料が進展し、それが毒ガスに転用された。トラクターのキャタピラーは、塹壕への攻撃に転用された。
    自分にはなかった視点で刺激的だった。
  • 戦争と農業(インターナショナル新書)
    民主主義について考えさせられました。
    国が「民」を選ぶ -個人が選んでいるように思うけれど、社会が学校が国が個人、民を選んでいる
    黒田喜夫『死にいたる飢餓』
    農本主義 -農の営みは国の基礎であるというイデオロギー
    誰もが食べられるという当たり前を基盤とする世界はいまだ実現していない
  • 給食の歴史
    とても良かった。日本で生まれ育った日本人は、学校で給食を経験しているはずである。もちろん海外にも同様の制度はあるが、本書では日本で給食が始まった理由、進化の過程、さまざまな葛藤、今後の課題と給食の持つ役割が論理的に書かれており、興味深く学ばせてもらった。本書を読めば日本の給食の成り立ちから意義からす...続きを読む
  • 給食の歴史
    戦後の占領政策の一環として語られることが多い学校給食。本書では戦前まで遡る給食の萌芽から現代に至るまでの給食の歴史が語られるが、そこには占領政策という単純な構図ではなく弱者救済、スティグマの回避、効率化の弊害、供給側のやりがい、イデオロギーとの関係など多様なドラマが織り込まれている。
    コッペパン、ソ...続きを読む
  • ポストコロナの生命哲学
    福岡さんの 動的平衡関係、生物と無生物のあいだ
    に入り込んで、このほんをコロナという切り口から購入! ナウシカのアニメ映画化でも今を写すなあと感動してたのに、アニメの方が更に問題提起が重たかったとは! 買おうかとも思いましたが、この時期にもっと心が重くなるのではと躊躇。
    鼎談の内容が高度でなかなかつ...続きを読む
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    忖度か、同調圧力か、権力の逸脱か。最近、表現の自由が失われつつある風潮がある。26人の研究者、作家、芸術家、ジャーナリストが自由について考察し、声をあげる。
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけて...続きを読む
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    26名による日本学術会議任命拒否問題に端を発した、自由への権力の介入に関しての論考集。息苦しさの正体にはさまざまな形での!自由を禁じようとする動きがあったことに改めて気がつく。
    それぞれの立場で見た自由への介入は、幅広いものがあり、私たちの生活がじょじょに狭められてきていることが分かる。
    誰かの問題...続きを読む
  • 給食の歴史
    こんなに給食について考えたのは、給食をいただいていた小学校以来どころか35年の人生初だと思う。

    私の中の給食の思い出に強烈に残っているのは小学2年時、イワシか何かのマリネがどうしても食べられなくてベランダに机ごと出されて食べ終わるまで放課後ずっと残されていた…という苦い記憶。

    そんなような感じで...続きを読む
  • 給食の歴史

    大学の感想レポートに。

    とてもいい意味でタイトル通り。

    牛乳が嫌いで苦痛だったなあという単純な動機とは裏腹に、事細かく書かれていて面白い。
  • 食べるとはどういうことか
    藤原先生と、小学生から高校生までの人たちの「食べること」にまつわる哲学的対話。
    食べる、とはどこからどこまでを指すのか、考えたことがなかった。食べものを手に入れるところから口に入れるとこまでかなぁ。
    人間はチューブ状の生き物で自然界と繋がっている、ってなるほど。
  • コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線
    1人めの養老先生の「私の人生は「不要不急」なのか?」という問いでガツンと来る。数に限りがある人工呼吸器を若い患者、高齢の患者どちらに使うかで、現実にトロッコ問題が発生しているとは。「トライアル・アンド・エラー」ではなく「トライ・アンド・エラー」という表現は相変わらず気になる。伊藤隆敏さんのページにも...続きを読む
  • 給食の歴史

    素晴らしい新書

    給食を軸に、日本の近代史を辿ることで、教育はもちろんのこと貧困問題や食糧政策など、日本社会の実相を明らかにする。そもそもの着眼点とその意図を明確に論じられている著者の力量に敬意を感じます。学べたことはたくさんありますが、子どもの発達と食との密接な関連を知ることができました。私も使っていた先割れスプー...続きを読む