芦沢央のレビュー一覧
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芦沢央さんの短編集。この本の短編は、全て将棋をテーマに扱っています。”将棋の短編でミステリーが成立するのか?”と思いましたが、読んでみたら見事に著者の作り出す世界にハマってしまいました。
アマチュア大会優勝者の小学生がプロ棋士とのイベント対局であと一手での詰みをことごとく外す手を選択する。優勝するほどの棋力がありながら、なぜそのような指し手を選択していたのか。読み間違いではなく”対局を敢えて終了させない”ための選択の裏側には盤面以外での悲しい戦いが絡んでいた…「弱い者」
三段リーグ最終戦前日に訪問してきた友人棋士。ところが、ふとした不注意と悪い偶然から主人公である棋士は、彼の死に関わってし -
Posted by ブクログ
遺影専門の写真館『雨利写真館』で心にわだかまりを抱えた人たちと出会って様々な謎と向き合い、そして一歩前に踏み出していく希望と再生のミステリー
私は橋川さん家族のお話が特に好きでした。
『「こんな人だったな」-そう故人を偲ぶよすがとなるのが遺影なんですね』という作中の言葉がとても印象に残っています。
写真館の人たちについてもう少し深く知りたくなった!ぜひシリーズ化してほしい!!
読みやすくて心温まるお話しでした!そして、家族との時間を大切にしようと思いました
あとがきには、芦沢さんがこの作品を文庫化するまでのいきさつや思いが書かれていてよかったです。作家さんの作品に対する思いが知れるって -
Posted by ブクログ
「将棋」をテーマにしたアンソロジー。
大好きな伊奈めぐみさんの装画が可愛すぎるし。
大好きな青山美智子さんから始まるのだけど、初っ端から泣きそうになった。
「授かり物」
天才棋士と偶然同じ生年月日の息子が、唐突に漫画家になると言い出すお話。
普通の人生って何なんだろう。
分からないのに、「才能」みたいなものを必要とされる職業に就くことに、不安を感じる。
将棋は、「王」を取るゲームではなく、「玉」を取るゲームだったかもしれない、という解釈も、ストーリーに合っていて良い。
他にも、ちょっと怖い話や、奨励会員をめぐるキリキリする話など、豊かで面白かった。
将棋に関する小説が増えてきたよ -