芦沢央のレビュー一覧
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女子高校生・加奈の転落死をきっかけに、加奈本人、友人の咲と真帆、父親の聡、そして聡の同僚・早苗の視点が交差していく群像劇。
高校のベランダから転落して亡くなった娘は、“自殺だったのか、それともいじめがあったのか。”心理学者でありながら、自分の感情をうまく扱えない父・聡が、その答えを探し始めるところから物語は動き出す。
特に印象に残ったのは、女子高生の人間関係の描写。
「友達が人生のすべて」「クラス内のヒエラルキー」といった、女子特有の息苦しさが嫌なほどリアルに伝わってくる。咲の傲慢さや支配的な態度、そしてその女子高生カーストの中で悩みながら、咲の言いなりになってしまう真帆の心情がとても丁寧に -
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パワハラ上司の悪事を暴きたい二人の話から始まる全8章(序章、終章含め)。この二人が悪事を暴く為に色々と動く間に二人の間にも変化が訪れる。そんな二人の掛け合いも面白い。短編集のようにも読める、だけどある章に出てきた登場人物が次の章では彼らのドラマが始まり、自身の生活の中でもスーパーでレジ待ちの後ろにいる人や、道ですれ違う名前も知らない人々にもそれぞれにドラマがあり、悩んだり時には笑ったりして生きてるんだなぁと実感する。最近続けて芦沢先生の作品を読み、これまではイヤミス強めだったのが今回はちょっとほろっとするお話もあって最後まで楽しかった。
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ネタバレ5つの物語からなる短編集
どれも将棋がテーマでありながら一つ一つ違うストーリー
どれも奥が深く、短編集にするのがもったいないくらい
1話め 弱い者
大震災後の避難所が舞台
被災者を元気づけるための復興支援で将棋を指していた北山八段は、おぼつかない手つきながら時折鋭い手を指してくる少年に惹きつけられる。ところが強いはずの少年が詰めを誤り悪手を打つ。それも二度も。
試合後の表彰式で少年へ「奨励会に入らないか」と提案する北山。さらに「内弟子にならないか」とも。
そこではじめて少年だと思っていたその子が、実は女の子であったことを知る…
避難所で起きていた犯罪。見知らぬ人が夜中に布団に入ってきていた事 -
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ネタバレ人間の裏の部分を詰め込んだような短編集で、イヤミス好きの私はとても好みの内容だった。
芦沢央さんの作品をもっと読みたい。
以下は各話の感想。
【目撃者はいなかった】
5作の中で1番嫌な気持ちになった。主人公が嫌いだけど、バレそうになるたび心臓が痛い。なぜか共感してしまうのは、誰しも過去に失敗を嘘で隠そうとした経験があるからなのか。
【ありがとう、ばあば】
おばあちゃんを締め出した理由が、サイコパス診断テストに出てきそうだと思った。ずっと不穏でドロドロした感じが面白かった。
【絵の中の男】
本作で1番ミステリーぽい話。話がどう進むのか分からず夢中で読んだ。哀愁のある感じがしてすきだった -
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ネタバレ「姉のように」が特に印象に残った。
まだ結婚もしていないし子どももいないけれど、もし自分もこうなってしまったら……と想像しただけで恐ろしくなる。
初めは「抜け出さなきゃ」と思っているのに、いつの間にか悪循環に飲み込まれていく。
ダメだと分かっているのに抗えない、その苦しさが痛いほど伝わってきた。
ニュースで取り沙汰される虐待死の裏にも、こんな背景が潜んでいるのかもしれない。
ただ表面の出来事だけでは測れない、複雑で残酷な現実。
そして最後のどんでん返し。
思わず「え?」と声が出てしまうような衝撃で、最初から読み返してしまった。
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ネタバレ綾崎隼さんが将棋のアンソロジーに寄稿してると聞いては読まないわけにはいかない!
今回の綾崎さんの作品は、「僕らに嘘が一つだけ」の2人と同世代の朱莉さんが主人公。もう一度僕らに〜も読み返した上で、こちらも読み返したいな。
一話目は青山さんのお話らしく、前向きな気持ちになる門出の話。
葉真中さんは初読み。ただただ少年の手腕に鳥肌。
弟子にしたかった少年を冤罪から救うという白井さんの話にはびっくり。そういう将棋との絡め方もあるのか。
橋本さんも初読み。この一戦を勝てば夢が叶うという相手への対応って悩ましい。そこで手を抜かれて夢を叶えること、本気で相手してもらって破れること。
芦沢さんは気になってい -
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ネタバレこんなにも読むのが辛く、苦しい本は読んだことがないです。
同じ歳くらいの子どもを持つ母親として、そしてどちらかといえば(自分は母親になるべきじゃなかったのでは?と思う意味では)繭子寄りの自分にとっては共感なんでしょうか、震えるほど怖くなりました。
自分は大丈夫だと思う一方で、自分の子供がいなくなる恐怖を背後に感じながら、自分の子供が泣いている姿を思い浮かべながら読んでしまったので、本を読んでいるのが電車の中だったとしても涙目だったと思います。
本当に辛くて帰ってからは焦るように子どもを保育園に迎えに行って、抱きしめました。
実際に自分が他の子と取り替えをするかといえばたぶんしないけど、してし -
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少し想像していたものとは違っていたが、解説を読んでいろいろ腑に落ちた。
それぞれの物語の友情が今後どうなるか分からないけれど、もしこの先は離れてしまったとしても、この時過ごした時間に嘘はないはず。
私自身、昔からの友人はほとんどご縁が途切れてしまって、自分の友人との関わり方が良くなかったのかなぁと少し自分を責めていた。
けれどもそうとは限らないのかなと思えた。あの時、仲良かった“あの子“たちは、“今だけ“だったのかもしれないけれど、大切な人だし、色んなものを与えてくれた。きっと私も“あの子“にとって、そんな存在だったはず。
私が時々、何してるのかなと思い出すように、“あの子“たちも、ふと思い -
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著名作家による小学生向けホラーンソロジーシリーズ。
学級日誌版より、こっちの方が読み応えあって、面白かったです。
サブタイトルになっている作品の著者が斜線堂有紀だったので、それもちょっとうれしかったかも。このメンバーだと、宮部みゆきか?って思ったのですけどね。
ルビは中学年程度です。文字も大きめで、一話に一つ挿絵があります。
「えんまさん」黒史郎
嘘をつくのが大好きで、それもとても上手に嘘をつくハルト。家族に怒られてもけろっとしています。おばあちゃんはえんまさんのことで諭します。おばあちゃんが話すえんまさんはちょっと具体的で...。
「おはよう、アンちゃん」太田忠司
絶対に空き地がなかった場所