芦沢央のレビュー一覧

  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    多者の目線が一つの物語に対して渦巻いており、その一つ一つの視点に人間臭い動機が示されていて読み応えがあった。
    ただ、謎や疑問の全てが綺麗に書き表されるわけではないので、読み終わった後のスッキリ度合いで言うと高くはないかもしれない。

    0
    2023年03月04日
  • 猫ミス!

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    猫を撫でながら読みたくなる本かと思ったら全然そんな事なかった笑

    秋吉さんの「呪い」と菅野さんの「オッドアイ」が良かった!!



    ・黒猫ナイトの冒険 ★★★★
    新井素子さんという初めて読む作家さんの話。
    カラスのキングとの関係が良い!

    捨て猫だったのを保護されたけど、あったかいものを助けにまた迷い猫に。
    その後カラスのキングのおかげ?で元のお家に戻る事に。

    飼い主さんの心配な気持ちがクソわかる〜
    最後はほっこり。


    ・呪い ★★★★★
    イヤミスの女王、秋吉理香子さんの話〜
    この前の話がほっこり系やったしこの本はそーゆー系の短編かと思ったら通常通りの秋吉さんの話やった。
    大好き!!


    0
    2023年03月03日
  • いつかの人質

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    芦沢さんの作品好きなんですよね。
    面白かったです。

    まずとにかく、モヤッとさせるのが上手い。
    ミステリー部分は丁寧に組み立てられているため真相にとてもスッキリとできるのに、読後のこのモヤモヤ感。それが好き。

    なんと言うのかな、人間の嫌な部分、見たくない部分、を描くのが上手いよなあ。
    江間夫妻や優奈、優奈の母もですね。決して根っからの「悪人」では無いのだけど、それぞれにとても傲慢に感じる。
    でもそれは、きっと誰もが持っているもので、それが見方によっては、描き方によっては、気持ち悪くて押し付けがましい傲慢さとして感じられる。怖いなあ。自分の中にもあるんだろうな、直視するのが怖いだけで。

    終わ

    0
    2023年02月25日
  • 貘の耳たぶ

    Posted by ブクログ

    産院で衝動的に自分の産んだ子と他人の子を取り替えてしまった母親が、精神的に追い詰められていく様を描いた前半。後半は、その4年後に取り替えられていたことを知った母親側の苦悩を描く。

    読み手が男性か女性か、出産の経験の有無、普通分娩か帝王切開か、子育て時に専業主婦か仕事を持っていたかなど、その立ち位置によって受け止め方や衝撃度が大きく異なる作品だと思う。
    私は子育てを終えて久しいが、二人の母親の苦しみが途切れることなく伝わってきて、胃が痛くなるような読書だった。
    読後も、将来二人の子ども、特に取り替えた親の子どもが事実を知ったときどうなるのかを想像してしまい、憂鬱な気分がしばらくは抜けなかった。

    0
    2023年02月22日
  • いつかの人質

    Posted by ブクログ

    冒頭からめちゃめちゃ面白くて引き込まれたけど
    読み進めているうちに失速

    最初にだいぶ期待してしまった分
    ちょっと物足りなかったかも
    でも、真相が気になって気になって

    ただ、目の見えない愛子目線のシーンは
    手に汗握る…
    そこは完全に闇の世界が描かれているので
    視界の情報がない分、読み手もかなりの恐怖を感じる

    もっとあの時にこうなっていたら。。。
    というイヤミスは多いけど、
    よくこんなシナリオが書けたな~と思う

    芹沢央さん作品引き続き楽しみます

    0
    2023年02月07日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    バレエもの、小説だと秋吉理香子作ジゼル、映画だとブラックスワンがあるが、とても厳しい世界を描いてるというのは共通してる。今作は視点が何人かの登場人物によって変わっていく群像劇、最後にどう結び付いていくのかわからないし、緊張感があった。これまでの芦沢央作ともまた違う印象がある。衝撃の結末かというとそんなものではないと思うが、エピローグがまた良かった。

    0
    2023年01月15日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    カインは言わなかった…か。
    カインとアベルを頭の隅に置いて読み進めると最後はタイトルの意味が分かってくる。
    ストーリーは誉田に語らせないことで不信感を持ち、含みが出来てくる。
    この心情が効果的で、読み進まされた感がある。
    ラストまで気を抜くことなく繋げてきたな、と。

    しかし、人物描写はもっと突き詰めてもいいかな、
    浅いとは言わないが、もう少し濃さが欲しかった。

    0
    2022年12月22日
  • 本格王2022

    Posted by ブクログ

    ミステリ―が読みたーいってなったものの「最近の作家さん知らんな…」となって書店で彷徨っていたところ発見した本。6名の作品が読める贅沢な一冊でした。道尾秀介さんの作品以外読んだことなかったので新たに作家さんを知ることが出来て良かった。浅倉秋成さんが好きでした!

    0
    2022年12月18日
  • いつかの人質

    Posted by ブクログ

    人物ごとの視点で話が進む。この先どうなるんだろうと思ったところで、違う人物の視点に移る。そのため先が気になって、なかなか中断できない。最後まで勢いがあった。

    文庫版で読んだが、単行本とはラストが変わっているという。同じ物語でも、ラストが違えば話全体の印象が変わるだろうから、2度目は原作の単行本で読むのもおもしろそう。

    0
    2022年12月08日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    これまで読んだ作者の作品はトリックや謎解きに重きを置いた作品が多く、その分人間の描き方に物足りなさがあった。直木賞候補になった時も選考委員の評はその点を指摘したものが多かったように思う。それがあったからかはわからないがこの作品は謎や伏線よりも人間を描くことにこだわった力作のように感じた。特にバレエのような感性に左右される題材を物語の舞台にするのはなかなか難しいのではないかと思うがそこに果敢に挑戦してるのは評価できると思う。

    0
    2022年11月03日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    待ち合わせの間に訪れた本屋で、サイン本を見つけて衝動買いした本です。
    タイトルも表紙のデザインも印象的です。そして、なんというか、呼吸がしにくくなるような小説でした。どの登場人物にも親しみが湧かず、それでいてどの人物の感情も(横暴としか言いようのないような誉田の想いさえ)よくわかるような妙な心持ちがしました。バレエの公演や練習風景など自分には全く馴染みがないのに、飛び散る汗まで見えるようでした。
    先が気になって一気読みしましたが、最後はあっけなく感じました。また、主要な登場人物である女性2名、あゆ子と有美の読み分けがしにくく、途中混同してしまうことがありました。
    ただ、誉田が誠に言った『言えな

    0
    2022年10月31日
  • 非日常の謎 ミステリアンソロジー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    凪良ゆうさん目当てで読んだが、一番面白かったのは芹沢央さんの「この世界には間違いが7つある」。
    タイトルを見れば確かにそうなんだけど、登場人物?の推理小説感がそこを気づかせない。2度読みしてしまった。

    凪良ゆうさんの「表面張力」は、キャラクターに惹かれたが、内容としてはあまり好みではなかった。シリーズものなら読んでみたいな。

    0
    2022年10月29日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    友人に借りた本。
    いつもは手に取らない本を読むのは新鮮である。

    芸術の世界には明確な点数は存在せず、主観的な好みも評価を大きく左右する。まさに選ぶ側は神様の如き存在だ。それに翻弄されるダンサー達、選ばれてもなお苦しむ者、選ばれずにもがく者、そして凡人。

    神に選ばれるのは幸せなことなのか、選択に主観が絡むと感じられる以上、選ばれた者は「神」との間に精神的な繋がりを感じるはずだ。それが突き放された時にどうなるか…そこが本書の見どころであった。

    0
    2022年10月26日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

    購入済み

    読みやすい

    テレビで勧めてたので読んでみました。
    芦沢央さんの本は初めて読むのですが、
    とても読みやすく面白かったです。

    #ドキドキハラハラ

    0
    2022年09月16日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    登場人物の1人1人の感情にしんどい物があるなと思いながら読みました。最後は何かスッキリする物がなくだからこそ後を引く作品だと思った。

    0
    2022年09月13日
  • 貘の耳たぶ

    Posted by ブクログ

    面白くて一気読みした。

    繭子の自分を犠牲にした母性もわかる気がしたし、郁恵の気持ちも痛いほど分かった。

    普段、育児にかかる手間を厭うていた気持ちを、正してもらえた気がした。

    0
    2022年09月03日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    読み出したらすぐその世界に引き込まれて、次は?次はどうなる?この話、どうやって落ちるの?と気になって仕方なくて一気に読んでしまった。
    それぞれの登場人物の背景、行動、言動がこのあと何かを起こさせるような不穏な展開。
    でも結末まで読み進めて、芸術という分野に知識のない私はよく理解できず、そうなのか、な。そうなんだろうな。という程度にしか感じ取れなかったのが残念。

    0
    2022年08月28日
  • 本格王2022

    Posted by ブクログ

    いろんなシチュエーションの推理小説なので、それぞれ楽しめる。
    決して殺人事件の犯人捜しだけじゃないんだ。
    特に面白かったのが浅倉秋成さんの「糸の人を探して」。
    冴えない、モテない大学生の河瀬倫義が、友だちに誘われて5×5の合コンに行く(その友だちは用事があり来れない)。しかも自分に好意をもっている女性がいると聞かされており、気合いが入っての参加だ。
    行ってみると、この世の人かと思うような素晴らしい女性ばかり。それどころか、皆河瀬に好意的に話をかけてくる。
    しかし後にあとの4人は、お付き合いを避けた方がよい人たちだとわかる。
    名前を聞いておらず、いろいろな情報から赤い糸で結ばれるべき女性を推理し

    0
    2022年08月26日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    事実は明確に描かれるけど人物の心情や関係性については曖昧にしか描かれないから、全体的にスッキリする読後感ではない。でも不思議と心に沈んで残る感覚。誉田と豪という2人の『神』に魅せられつつ破滅させられていく人たちの気持ちが痛いほどわかる

    0
    2022年08月21日
  • カインは言わなかった

    Posted by ブクログ

    ついどんでん返しを期待してしまっていたけれど
    それが気にならなくなるほど引き込まれた。

    認められたい、特別な存在になりたいと誰もが思っているけれど、その方法は手探りしかない。
    どうしてあの人が、という思いは誰しも持っている。

    0
    2022年08月14日