芦沢央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
米澤穂信、方丈貴恵、荒木あかね、松嶋智左、芦沢央『裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー』文春文庫。
5人の作家による警察小説アンソロジー。文春文庫の警察小説アンソロジー『捜査線』シリーズは様々な作家の短編が味わえるところに魅力があるのだが、当たり外れが大きい。
このアンソロジーで一番面白かったのは、松嶋智左の『ヤギノメ』シリーズの1編である『家につく猫』だった。他の短編は並みか、それ以下という感じで、文春文庫の警察小説アンソロジー『捜査線』シリーズは他の出版社の警察小説アンソロジーに比べるとレベルが低いなと感じた。
米澤穂信『お見通し』。人気ミステリー作家の1人であることは認識しているのだが、肌に合わないのか、これまで1冊しか読んだことが無い。さてこの短編。謎解きはよく解るし、警察小説としての雰囲気も良いのだが、言い回しというか文章がイマイチで損をしている。★★★★
方丈貴恵『メゾン・イニッシュの怪』。初読み作家。オカルトチックな雰囲気のある警察小説だったが、偶然ばかりが重なり、今ひとつ面白さは無かった。最後の最後までオカルトで突っ走った方が良かったのでは。★★★
荒木あかね『プライドの隙間』。史上最年少で第68回江戸川乱歩賞という『此の世の果ての殺人』は面白かったのだが、次作の『ちぎれた鎖と光の切れ端』が『Z世代のアガサ・クリスティによる超絶技巧の本格ミステリ』という物凄いキャッチコピーで紹介されていたので、昭和世代ど真ん中の還暦ジジイで普通の読書好きには敷居が高く、腰が引けて手を出せなかった。警察のような旧態然とした組織では虐めなどで心を病む警察官も居るようだ。自分が10年ほど暮らしている福島県でも、何度か警察官の拳銃自殺のニュースは耳にしている。しかし、警察官の拳銃自殺のニュースは第一報くらいで、自殺の理由などの続報が報じられることは殆んど無い。報道機関に圧力を掛けた一種の組織的な隠蔽なのかも知れない。署内の男子トイレで発生した若手警察官の拳銃自殺。あろうことか自殺に使用した拳銃が何者かにより持ち去られていた。★★★★
松嶋智左『家につく猫』。元警察官で白バイ隊員という異色の経歴に興味を持ち、デビュー作からしばらく追い掛けていたのだが、最近はご無沙汰している。『刑事ヤギノメ』シリーズからの1編である。このアンソロジーの中では最も警察小説らしく、時系列を反転させた構成も見事で、面白かった。いきなり拉致され、農家の納屋に監禁された2人の警察官。納屋の中には腹を刺され、瀕死状態の男性が横たわっていた。★★★★★
芦沢央『コールバック』。著者サイン入り本ということで購入した『火のないところに煙は』がイマイチだったので、以来読んだことが無かった。このアンソロジーでは唯一の探偵小説であった。中学生の虐めと心無い悪戯により苦しめられる人びとが描かれる。最近の虐めは陰惨極まりない。度々、虐めによる殺人まで起きているのだ。ネットやゲームといったバーチャルな世界でしか遊んだことが無い現代の子供たちは、現実世界で加減するということを知らないのではないかと思う。★★★
本体価格800円
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Posted by ブクログ
ネタバレパワハラ上司の不正の証拠を掴みたい先輩社員康子と
その片棒を担ぐハメになってしまった新入社員の松尾。
2人は紆余曲折の末、自社がプロモーションする開演直前の舞台に辿り着く。
劇場周辺では息子の嘘に悩むシングルマザーや
役者に届いた脅迫状など、4つの事件が起きていた。
それぞれ全く無関係のはずなのに、康子たちの行動で少しずつ繋がって。
バラバラのピースが予測不能のラストに導く、驚嘆の痛快ミステリ。
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短編集かと思いきや、最後まで読むと全部が繋がっていたお話。
とまぁ、簡単に言えばそうやねんけど、これを書けることがすごい。
繋がってなくても、短編1つ1つは引き込まれると言うか、何の違和感もなく、スラスラと読める感じ。
何も解決してなくて次の章に移っても読みやすく面白かった。
経験してなくても、今後経験することなくても、想像できる。
なんか雰囲気が文章からでも伝わってくる。
第一幕「息子の親友」に関しては、どう繋がってたのか理解できず、わからんままで終わった。
読み返しても繋がりがわからんまま。
ただ、この第一幕以外は繋がりがわかり、最後にいけばいくほど、どんどん最初の2人の行動はよりリアルになってて、面白かった。
それぞれの短編で言えば、その時の主人公が、今までの人生や自分の性格、行動を改めて考えさせられ、かつ、これからはもっと自分を信じて前を向いて歩かなければ、という思いにもなってる気がして、1つ1つのお話も面白かった。