芦沢央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ実際、自分が母親になり子供が4歳の時に取り違えが発覚したら最初は血の繋がりなんて関係なく、生まれてから4年間必死に育て上げた息子を手放すなんて考えられないのだろう、という気持ちで読んでいた。だが、途中に出てくる郁絵の母親の"自分の子供がこれから小学校、中学校へと上がりそこで虐められるかもしれないし逆に虐める立場になり相手を死に追い詰めてしまうかもしれないその時、血の繋がりを無視して応じれるのか"といった言葉に深く感心した。その文を読み、私は子供のためにも自分のためにも相手の家族のためにも、交換するべきだ、と思った。
自分の子供はいくら4年間他の親に育てられたからといって自分の子でなくなることはない。血の繋がりがある以上、容姿や性格の本質的な部分は実際自分を産んだ親に似るのだろう。
この本は繭子と郁絵の2人の視点から書かれていたが一冊を通して非常に心が揺さぶられた本だった。
内容は正直重かったし終わりもスッキリはしなかったが、事を理解できない子供や親の複雑すぎる心境が表されていて読んでいていくつかの部分で泣きそうになった。 -
Posted by ブクログ
面白かった!
人が死なないミステリーを求めて勧められて読んでみたけど、確かに人が死なないミステリーになっててよかったです。大抵死んじゃうんですよね、ミステリーって。
特に好みだったのは凪良ゆうさんのお話。
城平京さんは、リアタイで虚構推理見てた自分としてはニヤニヤしちゃったけど、原作知らない人からしたらいまいち腑に落ちないうまく言いくるめられた話になっちゃうのかも知れない。
でも一番面白かったのは、表紙のイラストです。
大量の食パンやおにぎりやら鳥までいて、思惑が渋滞しております。紫のはブルーベリージャムかなぁ、ベーコンエッグも美味しいよね! -
Posted by ブクログ
どの作品も、それぞれ趣向が凝らされていて面白かった。特に芦沢央さんの短編には衝撃を受けました。普段は手に取らない人の小説を読めるのがアンソロジーのいい所ですね。
辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
ほろ苦く心温まるストーリー。主人公の不安や苛立ちが丁寧に描かれていて、共感しやすい内容でした。
凪良ゆう「表面張力」
すみれ荘ファミリアを先に読みたかった。あと少しでコップの水が溢れてしまうような、ギリギリの関係性。不穏な空気を感じるストーリー。作中で、作家が編集者に話した一言が、この話の全てを表している。
城平京「これは運命ではない」
虚構推理を読んでいない為、説明が欲しい部分があって少し残念。読後感はスカッとしてよかった。
木元哉多「どっち?」
イヤミス。細かい仕掛けが面白かった。登場人物が全員嫌な人で、もやもやする。
阿津川辰海「成人式とタイムカプセル」
青春ミステリー。日景が完璧な存在だったりと、リアリティは薄いけれど、予想外の展開でほのぼの。
芦沢央「この世界には間違いが七つある」
遊びを効かせたサイコスリラーで面白かった。まさかの展開にやられました!世界観も狂気を感じる。 -
Posted by ブクログ
自ら産んだ子を「取り替え」た繭子。
発覚に怯えながらも、息子・航太への愛情が深まる一方、郁絵は「取り替えられた」子と知らず、息子・璃空を愛情深く育ててきた。
それぞれの子が四歳を過ぎた頃、「取り違え」が発覚する。
元に戻すことを拒む郁絵、沈黙を続ける繭子、そして一心に「母」を慕う幼子たち。切なすぎる「事件」の、慟哭の結末は・・・。
子の取り違えといえば、「そして父になる」が記憶に新しいところだが、この物語は取り違いを起こした人物が、当の母親だというところが大きく違った。
「そして父になる」も苦しくて、苦しくて、登場人物全てが苦しみぬくのだが、取り違いに差があるものの、この物語も終始苦しい、悲しい感情が自分に乗り移ってきてしまった。
物語の序盤では、普通分娩を望んでいた繭子が、急遽帝王切開になり、自分を責めるところから物語は幕が開く。
私にも子供が二人要るが、どちらも普通分娩で生まれた為、帝王切開の人がここまで心を痛めるものなのか!?
その辺は全く理解が出来なかった。
繭子の母親も、心を病んでおり、そんなこともあってか、どんどん自分を追い込んでしまう。
序盤の育児の場面は、懐かしいなぁ~という気持ちで読んでいた。
育児は全てが初めてのことだから、何が正解なのかもわからず、右往左往してしまう。
自分にもそんな頃があったなぁ~と・・・。
自分は良い母ではない、何でちゃんと出来ないんだろう?なんて、他人と比較して自分を責めたこともたくさんあったなぁ。
子供が赤ちゃんで居るのなんて、ほんの短い時間でしかないのに、あの時間は永遠に続くと思っていたなぁ。
幸せと不安が交互に押し寄せてきたり、寝不足で死んでしまうんじゃないかと思ったり、自分の育児は間違っているんじゃないかと自分を責めたり。
そんな自分の過去を思い出しながら、繭子と郁絵の愛情深い子育てに、嵌り込んでしまった。
辛く切なく苦しい話だったけど、心掴まれて、ググっと最後まで一気読みしてしまった。