あらすじ
夢を叶え孤独に壊れ続ける芝と、夢を諦めて社会的には成功した大島。夢に青春を食われた二人の、身をよじるほどの嫉妬、羨望、そして侮蔑――暗い激情の奔流に飲み込まれる著者の最高傑作!
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これは青春小説なのかな。普通なら、芝サイドと謙吾サイドの2章にしても良さそうなものだけれど、芝の章と大島の章という2部構成なのがちょっと意外だった。タイトルを言葉だけで解釈しようとすると、上から目線に思えてしまうけれど、タイトルの意味は、逆に下から目線(見上げている感じ)なのだろうな感じられた。なかなか思ったようにいかないことも多くて、又吉直樹『火花』に似ている印象を受けた。
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これは……
読んでいて苦しい
棋士の先生方が口を揃えて
リアルだ
という
読んでいるだけでこんなに苦しくなる世界が現実だとは!
そんな世界で戦い続けているなんて!!
そんな棋士の先生方を応援させていただ方いることに感謝しかない
Posted by ブクログ
将棋に命削っているのに報われない話で、トゲトゲしてるし、繊細だし読んでいてとてもドキドキした。頑張っても無理なものは無理。やめる理由を見つけられるといいのだけど、逃げられないとホントに先のことが分からなくなって未来に不安しかない気持ちはとてもよく分かる 90
Posted by ブクログ
ものすごく良かった。取材もしっかりされたんだろうが、経験してない苦悩をよくここまで書けるなぁ。さすが芦沢央、と改めて思った。
停滞した四段棋士芝と、二段で退会した大島。
時間をカウントされ、水を飲む=投了するな、と思える程度でないと、「芝」は難しいかもしれない。
一方「大島」のほうは奨励会の制度からきちんと説明してくれる。
大島は三段リーグに進んでいないというところもポイントで、元棋士仲間からも本当の苦しみを知らないと思われている。それも絶妙。
また、AIや研究会に触れられているのも面白く、ABEMAで評価値越しに対局を観ているのが、とても乱暴なことなのではないか、とも思うようになった。
「評価値を下げる手はまちがいだ。でも、たたかう僕らに評価値は見えない。真の岐路は五十二手目だったのだとしても、僕らにとっての岐路は三十四手目だった。一秒も思考に浮かばない手は、リアルタイムの僕らのなかには存在すらできない。」
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将棋の世界を描くときに必ず出てくる、奨励会のはなしと26歳という年齢。
奨励会の同期で、ともに26歳の青年2人をそれぞれ描く。
一人目は無事にプロ棋士になったが思うように勝つことができない芝。もう一人は早々に退会し、東大を出て弁護士になった大島。
ともに何かしらの成功をつかんだはずなのに、ぬぐえないコンプレックスと焦燥感。
漠然としながらも、心のどこかを握りつぶされるような感覚。
作者自身も何かを削りながら書いたんだろうなというのが伝わってくる作品でした。
Posted by ブクログ
面白かった。
が、人によって評価が大きく分かれる作品だと思われる。
将棋がテーマの小説であるが、実際の勝負の描写は少なく、胸のすくような逆転劇が描かれることはない。将棋(或いは奨励会)に翻弄される若者たちの内省が作品の主であり、看板に偽りありと感じる読者も一定数いるであろう。また、登場人物たちの抱える痛みはこちらにもダイレクトに伝わり、辛い読書になる人もいると思われる。
だが、筆者の確かな筆致による精緻な感情描写は、間違いなくお勧めできるものなので、そういった作品が好きな方は、是非将棋モノの看板を外して読んでみてほしい。スカッとはしないが、深く心に刻まれる小説だと思う。
Posted by ブクログ
プロ棋士になったにも関わらず燻り自暴自棄になっている芝とプロになる夢を諦め弁護士になるも鬱屈を抱える大島の話がそれぞれの視点から描かれる
芝の気持ちが少し詠みにくく感じて自己分析の上で諦めた大島視点の方が理解しやすかった
パラリーガルの井野からすれば大島も弁護士になれた、自分が叶えられなかった夢を叶えている存在なんだけどそこには中々気付きにくい
渦中の人にとっては上には上がいて自分はまだ下で足掻いている状態
そこで死にものぐるいで戦って勝てなければ死んでいるのも同じなんたろう
餓えとか枯渇した状態から逃げたくても逃げられない
そういう世界でしか生きられない人がプロになるのかもしれない
Posted by ブクログ
あっという間に読めました。
何と言ったらいいのか、20代の頃の何かに夢中になっていた夏のモヤモヤしてた自分を思い出して苦しく切なく感じながら読めました。
芦沢央さん、オススメです!
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インパクトある表題に読む前からワクワク。将棋の世界の厳しさをひたっと知ることとなった。奨励会、年齢制限など、身を置く青年達の葛藤にジワジワ、ズキンときた。
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◾️ページ数 P185
◾️感想
冊表からも題名からもどんなヤンキー本かと思う、その強烈なインパクトに惹かれて読み始めたらまさかの将棋かーい‼️
中盤までは専門的すぎる内容に少し中だるみしたけれど、後半グッと引き込まれた。
将棋好きが読んだらもっともっと面白いんだろうなと思った。
棋士はこんなにも苦労する世界なんだなあと初めて知った。
Posted by ブクログ
将棋好きとして読んでみた
プロ棋士になってもうだつの上がらない男とプロ棋士になることもできなかった男の話
世の中藤井聡太みたいな主人公ばかりではないし
そのライバルキャラや脇役になることすらできない
背景のような存在でどんな惨めな状態でもそれでもその人たちなりに生きていかなくてはいけない
その人たちなりの悩みや葛藤、後悔を引き摺りながら
後戻りもできないし
開き直ってがんばることもできない
わかりやすい絶望もないが
救いはなく呪いを抱えて生きる
そんな暗くて重い話
最後のオチは明るいようだがきっとそんなことじゃこの先は変わらないんだろうなとも思う
将棋漫画も増えてきたけれど漫画じゃこういう心理描写中心にはできないよね
Posted by ブクログ
年齢制限のある奨励会に属しプロを目指すというのは
並大抵の努力と才能ではたどり着けない。
そこのギリギリのところで将来を考えながら悩み、指す。
もう無理だと繰り返し思っては対局に臨み続ける。
リアルタイムでAIが戦局を表示する今のしくみは
指す側にとっては辛いだろうな。
題名のおまえレベルの話はしていないにある
おまえは、どう考えても読者に向けられていると思う。
そうですねとしか言えない、厳しい世界。
私レベルが想像できる世界ではない。
でもそんな世界の片りんに触れられるのが、小説。
Posted by ブクログ
「芝」の章では平仮名が多用されていて読みづらく感じていた節もあった。しかしそれも次第に慣れて、全て読み終わる頃には芝の心の幼稚さ、子供っぽさを感じられていいと思った。
この本は中身も何も知らない状態でジャケ買いした一冊。将棋なんて今まで気にして生きてこなかったから、題材が将棋だと分かったとき、専門用語が出てきたときなかなか気が進まず読むスピードが落ちた。それでも、将棋とは人生を懸けるほど面白いのか、興味が湧いて将棋を学び始めてみた。
この本のおかげで将棋の面白さを知った。もっと深く知ろうと思った。芝が人生の中心としている将棋はきっと自分にとってただの趣味で、ちょっとした関心ごとで。きっと人生のごく一部にしかならないだろうけど。
もし将棋について深く知ることが出来て、再読するなら「大島」の章から読んでみたい。なんせこの本は、視点の違いが面白い。
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あきらめ方がわからない、逃げられないって、ちょっと依存に近い考え方だ。
綺麗でキラキラしてるんじゃなくて、ドロドロで薄暗い部分を描いているのが妙にリアルだった。
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棋士の話。過酷な競争を経てプロになったはいいものの、そこから先もまた果てしない競争の日々。自分がどういう人間か、他人からはわからないし、他人だからこそ見えるものもある。
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突き進む思いを突き進むか手放すか考える小説。
将棋のプロ棋士を目指した二人が別々の道に進む。
一人は継続しプロ棋士を目指し、もう一人は東大卒業後、弁護士になる。
どのタイミングで決断するか。好きなもんをどのようなきっかけで手放すのか。
夢に人生を賭けた二人の物語は、自分にはない価値観だっとので刺激が凄かったです。
将棋界の世界には疎いにでなかなか内容が入ってこなくって苦戦しました。
Posted by ブクログ
感想
同期でもライバルだから素直に応援できない複雑な気持ちが書かれる。
神童と言われたものたちが集まり、さらにその中で篩にかけられる厳しい世界。プロになれなかったものはどう人生を歩めば良いのか?
あらすじ
プロ棋士になって思い通りに成績が上がらない芝。同期で出世頭の謙吾。うだつの上がらない芝は自分の立ち位置を見失いつつあった。
プロ棋士になれず奨励会を辞めた大島。猛勉強して東大に入り、弁護士として働いている。奨励会にいる息子に心配をかけないように破産手続きをする案件を扱う。
Posted by ブクログ
これは、どういう物語だったのだろう。
タイトルの衝撃が強すぎて、読みながらずっと「おまえには分からない話だ」と突き放されているような気分だった。
将棋のことはよく分からない。だからこそ、将棋ができる人の思考回路、いわゆる“天才”とはこういうものなのか、先が見えすぎることは苦しいのか、などと考えた。もっとも、先が見えているわけでもない自分にも、そう考えてしまう感覚への共感はある気がした。
芝と大島は、お互いに「おまえには分からない」と思いながら、結局は依存し合っている関係に見える。厳しい将棋の世界と重ねて描かれてはいるが、友だち関係というのは案外こういうものでもあるのかもしれないとも思った。
作者は若い男性なのだろうかと思っていたら、芦沢央さんは自分より少し若い40代の女性だと知り、さらに分からなくなってしまった。
装丁のイラストのインパクトも強く、芝=表紙のイメージが頭から離れなかった。プライドが高く、見下したようにも見えるそのイラストのせいで、純粋に文章から想像を広げる読書ができなかったようにも思う。こういう作品は、登場人物の顔や雰囲気を決めつけるような表紙にしないほうがいいのかもしれない、などとも考えた。
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人は視覚で物事を判断してしまいますね!
この表紙はなんと挑戦的、いや好戦的なんでしょう。しかも『おまえレベルの話はしてない』。
完全にオラオラとマウントとられて、気持ちいい作品だと思ってました。芦沢央著、期待MAX。
将棋棋士の話なのは知っていたのですが、
想像と全く違う展開で。表紙にいたイケメンオラオラ兄さんはどこへ。
『おまえレベルの話はしていなーい!』と
言ってくれるんじゃないの?
主人公芝くん、将棋プロなのにやる気が終始ない。最後まで覚醒せず。。。
2話構成で「芝」、「大島」二人の視点になりますが
夢を追って棋士になった「芝編」は読むのがつらい。将棋のこと知らない人は飛ばすしかないページがチラホラ、そこに夢を追う若者の青春?を鬱屈をからめるもんだから、正直楽しくない。よくわからんひらがな表記も効果不明でした。
一方、棋士の夢を諦めた「大島編」はストーリーが読みやすく、これはこれで楽しめせめてもの救いでした。
プロの棋士になること、昇段していくことの大変さを描くことは成功しているとおもいます。
ただ、期待していたのはそんな世界を
ぶち壊すようなダークヒーローだったんです、ワタシは。
力作だと思いますが、芦沢さんの魅力を出すなら
もう少し、いやもっと芝を個性的に描いて欲しかったかなぁ
Posted by ブクログ
タイトルや表紙のデザインでエンタメ性の高い話かと思って読み始めましたら、全然違いました。
棋士を目指す夢を諦めることができるかできないかということが軸になったお話しでした。
芝編と芝の友達の大島編になっていましたが、大島編の方が私は面白かったです。自己破産のシステムが少しわかり。芝編では奨励会のことがもう少し詳しく書いてあると面白かったかも。(コミックの龍といちごのほうが奨励会について詳しく描かれていて奨励会について知りたい方におすすめです。)
ただ、芝編のこの一文はすごいです。
「AVサイトの無料動画で粛々とぬく。」
この短い短文で多くのことが表現されていて、記載しづらい内容ではあるのですが、ちょっと感動?びっくり?したので。
Posted by ブクログ
20歳で四段に昇段して奨励会を抜け、プロ棋士になったものの、伸び悩んでいる芝悠大。
18歳でプロとなり、その後も順調に昇進し、タイトル戦挑戦者となった楢崎謙吾。
奨励会二段で脱会し、東大を経て弁護士となった大島。
大島が担当する自己破産案件の債務者の息子で、奨励会三段の瀧口太一。
26歳での定年に怯えながら、勝つことがすべての将棋の世界に青春のすべてを捧げる若者たちの、過酷である意味歪んだ面に焦点を当てる。
選ばれた天才たちの中でも常に最先端を走り続けられるほんの一握りだけしか成功できない世界で、あるいは挫折し、あるいは自信を失い、あるいは挫折した過去を引きずる者たちは精神的に追い詰められる。
題名からは如何にも自信に溢れた高飛車な若者の姿が連想されるが、確かにその世界に住む者たちからすれば、一般社会の人々はレベルが全く違うだろう。
Posted by ブクログ
これがアンチ青春小説…!
たしかに青春とは程遠くキラキラしておらず苦しい感じが伝わってくる。
将棋について全然知識がないので、各登場人物の心情や戦略は理解はできなかったが、世界が広がる感じがして個人的には面白く読めた。
途中までかなり重い雰囲気だったが、ラストはどこか爽やかに締められていて良かった。
芝と大島がまた昔みたいな気持ちで将棋を指せたらいいな。
ただ、謙吾についてもう少し深掘りしてほしかった…!
芝と大路のことをどう思っているのか気になる。
Posted by ブクログ
装丁、タイトルのインパクトが強く、勝負の世界の深層心理が極限状態で描かれており、ヒリヒリしました。難関大学に行き一流の就職先で働いたとしても、プロ棋士とは頭脳能力のレベルが違う。プロ棋士になれる事自体、凄い事でありそして勝ち続ける事は更に至難なんだ、と改めて感じた一冊。
Posted by ブクログ
表紙と小説の中身が合ってないよな
気がしたが、自分には
理解出来ない何か意図があるんだと思った
実力の世界なので実際もこの様な感じなのでは
ないかと思ったがただ、現実を突きつけて来る
作品で読んでいて苦しかった
報われたら良いなと思いました
Posted by ブクログ
夢って呪いなのか。
夢を叶えたはずなのに、どんどん壊れていく芝。
途中で諦めて、東大卒弁護士という社会的には成功した大島。
将棋の中の世界では、天才の中の天才しか生き残れない。
生き残っても、走り続けないと壊れてしまう。
AIという答えのようなものが出てきてしまって今は、さらに厳しい世界なんだろう。
誕生日を祝えない、将棋以外の知識も経験も得られない。そんな狭い世界は幸せなんたろうか。
でも諦めて社会的成功を掴んでも、諦めた事実から幸せを感じられない。
夢ってなんなんだ。素敵なものじゃなくて呪いなのか。
読んでて苦しかった。
最後、2人で何も考えず指せているといいな。
Posted by ブクログ
将棋のプロになれたものの、勝利を中々得られず成績がふるわない芝、プロにはなれず弁護士として活動するが、ずっと未練の残る大島。
リアルで手触りのある日常の吐きそうな絶望が、すごく解る感じ。
プロになれたとて厳しい世界で、それでもその光景に焦がれる気持ちも解り…
道を違えた2人が、友達で居られますように。
Posted by ブクログ
将棋のことはなんにも分からないんですが。でも夢を叶えてもその夢を維持するにはさらなる実力が必要っていうのと、夢を諦めて違う世界で成功してもどこかで妬ましい気持ちがあるっていうのがしんどく、読んでいてしんどい。芝君が幸せそうに見えないのは結局、「夢を叶えても幸せになれないじゃないか」っていう読み手である私自身の嫉妬みたいなもんなんだろうか。芝と大島のどっちが幸せなんだろうとか。読みながら色々と自分の中の黒い部分も見えてきた。反省したい。
Posted by ブクログ
3月のライオンやハチワンダイバーなどの将棋漫画が好きなので本書を見つけた時は、これはいけるなと思いながら手に取りました。
普通に物語としては面白かったです。何か劇的な展開でもあれば評価はもう少し高くできたと思います。
奨励会三段リーグでの過酷な戦いや、プロ棋士になってからの辛さがよく分かる内容でした。1年間でプロになれるのはたったの4人。人生を賭けるほどの思いで挑んでも9割が脱落する世界は、人を狂わせるほどのドラマがそこにあります。
本書はプロになれた者と脱落して違う人生に進んだ者たちの悲喜交々が、読者を楽しませてくれます。