あらすじ
夢を叶え孤独に壊れ続ける芝と、夢を諦めて社会的には成功した大島。夢に青春を食われた二人の、身をよじるほどの嫉妬、羨望、そして侮蔑――暗い激情の奔流に飲み込まれる著者の最高傑作!
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Posted by ブクログ
これは青春小説なのかな。普通なら、芝サイドと謙吾サイドの2章にしても良さそうなものだけれど、芝の章と大島の章という2部構成なのがちょっと意外だった。タイトルを言葉だけで解釈しようとすると、上から目線に思えてしまうけれど、タイトルの意味は、逆に下から目線(見上げている感じ)なのだろうな感じられた。なかなか思ったようにいかないことも多くて、又吉直樹『火花』に似ている印象を受けた。
Posted by ブクログ
これは、どういう物語だったのだろう。
タイトルの衝撃が強すぎて、読みながらずっと「おまえには分からない話だ」と突き放されているような気分だった。
将棋のことはよく分からない。だからこそ、将棋ができる人の思考回路、いわゆる“天才”とはこういうものなのか、先が見えすぎることは苦しいのか、などと考えた。もっとも、先が見えているわけでもない自分にも、そう考えてしまう感覚への共感はある気がした。
芝と大島は、お互いに「おまえには分からない」と思いながら、結局は依存し合っている関係に見える。厳しい将棋の世界と重ねて描かれてはいるが、友だち関係というのは案外こういうものでもあるのかもしれないとも思った。
作者は若い男性なのだろうかと思っていたら、芦沢央さんは自分より少し若い40代の女性だと知り、さらに分からなくなってしまった。
装丁のイラストのインパクトも強く、芝=表紙のイメージが頭から離れなかった。プライドが高く、見下したようにも見えるそのイラストのせいで、純粋に文章から想像を広げる読書ができなかったようにも思う。こういう作品は、登場人物の顔や雰囲気を決めつけるような表紙にしないほうがいいのかもしれない、などとも考えた。
Posted by ブクログ
これがアンチ青春小説…!
たしかに青春とは程遠くキラキラしておらず苦しい感じが伝わってくる。
将棋について全然知識がないので、各登場人物の心情や戦略は理解はできなかったが、世界が広がる感じがして個人的には面白く読めた。
途中までかなり重い雰囲気だったが、ラストはどこか爽やかに締められていて良かった。
芝と大島がまた昔みたいな気持ちで将棋を指せたらいいな。
ただ、謙吾についてもう少し深掘りしてほしかった…!
芝と大路のことをどう思っているのか気になる。
Posted by ブクログ
夢って呪いなのか。
夢を叶えたはずなのに、どんどん壊れていく芝。
途中で諦めて、東大卒弁護士という社会的には成功した大島。
将棋の中の世界では、天才の中の天才しか生き残れない。
生き残っても、走り続けないと壊れてしまう。
AIという答えのようなものが出てきてしまって今は、さらに厳しい世界なんだろう。
誕生日を祝えない、将棋以外の知識も経験も得られない。そんな狭い世界は幸せなんたろうか。
でも諦めて社会的成功を掴んでも、諦めた事実から幸せを感じられない。
夢ってなんなんだ。素敵なものじゃなくて呪いなのか。
読んでて苦しかった。
最後、2人で何も考えず指せているといいな。
Posted by ブクログ
将棋のプロになれたものの、勝利を中々得られず成績がふるわない芝、プロにはなれず弁護士として活動するが、ずっと未練の残る大島。
リアルで手触りのある日常の吐きそうな絶望が、すごく解る感じ。
プロになれたとて厳しい世界で、それでもその光景に焦がれる気持ちも解り…
道を違えた2人が、友達で居られますように。