芦沢央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1996年に塾経営者が殺された事件を追う窓際刑事とその犯人、当たり屋をやらされている少年、それぞれが絡み合っていくエンターテイメント小説。
グレーゾーンだと思われる阿久津弦の母が言った「正しいことだと信じて取り返しがつかないことをしてしまって、後になって、あれは間違いだった、そんな人権侵害はありえないと言われたって、今さらどうすればいいんですか」という叫びが痛い。
当たり前だと思われる子供への対応や人気番組(といっても当時も非人道的と思う場面もあった)が、時代が変われば人権侵害といわれる。
価値観のアップデートは不可欠だけれど、同時にアップデート前の自分の行動への責任をどこまで取るべきか -
Posted by ブクログ
20歳で四段に昇段して奨励会を抜け、プロ棋士になったものの、伸び悩んでいる芝悠大。
18歳でプロとなり、その後も順調に昇進し、タイトル戦挑戦者となった楢崎謙吾。
奨励会二段で脱会し、東大を経て弁護士となった大島。
大島が担当する自己破産案件の債務者の息子で、奨励会三段の瀧口太一。
26歳での定年に怯えながら、勝つことがすべての将棋の世界に青春のすべてを捧げる若者たちの、過酷である意味歪んだ面に焦点を当てる。
選ばれた天才たちの中でも常に最先端を走り続けられるほんの一握りだけしか成功できない世界で、あるいは挫折し、あるいは自信を失い、あるいは挫折した過去を引きずる者たちは精神的に追い詰められ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ少しのことがきっかけでそれぞれの主人公は悪夢を見ることになる。
解説にもあったように、人間のリアルな感情が描かれていて苦しく感じる部分もあった。
自分が罪を犯してしまった、と気づいた時、素直に罪を認められれば良いのかもしれないが、誰しもそうではないだろう。
読んでいて1番心苦しく感じたのは、2話目のプールの水を流してしまい、多額の水道代を賠償請求されることを恐れて、発生した水道代はプール以外が原因だと思わせようと策謀する…。何が現実か、気づいて受け入れた上で事実から逃れようとする。描かれている主人公の感情が非常にリアルで途中辛くなった。
正に、汚れた手をそこで拭かない、というタイトル通りであっ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ新進気鋭のイヤミス作家というイメージから読み始める。
4人の視点から変わる変わる描かれる日常風景に「一体どういう系統の話なんだ…」と困惑気味だったが、中盤になり話が見えてくる。
大きなトピックは殺人犯の阿久津を匿う豊子と父に当たり屋をさせられている波留の2つ。
これが最後、どう収束するのか期待したが若干のご都合主義な感じもあるがそこそこ面白かった。
波留と同級生の桜介が彼を救いたい気持ちとは裏腹に無力で親や先生を頼らざる得ない行動や逆鱗に触れる発言がリアル。また、殺人犯の阿久津の人間性の欠落した受け答えも心に残る。
まあ、インパクト薄めの話なので多分忘れちゃう部類の小説ではあるが…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者の他作品でも登場人物が言っていた「悪いことをしたから悪いことが起きるわけじゃないんだよ」というのが著者の考えなんだろう。
「許されようとは思いません」「汚れた手をそこで拭かない」に続き読んだ芦沢央さんの本。
ホラーになってもこの後味の悪さは流石だな、と。
①霊能者怖すぎ。➁何かに巻き込まれていると全て繋げて考えて周りに迷惑かけて大騒ぎ…こういう母親いるよね…と思ったら。③引っ越す時のご近所ガチャを思い出した。大ハズレ引いちゃったかぁ…からのあたおかではなく本物展開。④この話が一番怖かった。焼け死ぬ夢がすすんでいって最後は命を失う。被害者に何も落ち度が無くて後味も最悪。霊に寄り添っても対話を