芦沢央のレビュー一覧

  • 夜の道標

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    1996年に塾経営者が殺された事件を追う窓際刑事とその犯人、当たり屋をやらされている少年、それぞれが絡み合っていくエンターテイメント小説。

    グレーゾーンだと思われる阿久津弦の母が言った「正しいことだと信じて取り返しがつかないことをしてしまって、後になって、あれは間違いだった、そんな人権侵害はありえないと言われたって、今さらどうすればいいんですか」という叫びが痛い。

    当たり前だと思われる子供への対応や人気番組(といっても当時も非人道的と思う場面もあった)が、時代が変われば人権侵害といわれる。

    価値観のアップデートは不可欠だけれど、同時にアップデート前の自分の行動への責任をどこまで取るべきか

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    2025年12月25日
  • おまえレベルの話はしてない

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    20歳で四段に昇段して奨励会を抜け、プロ棋士になったものの、伸び悩んでいる芝悠大。
    18歳でプロとなり、その後も順調に昇進し、タイトル戦挑戦者となった楢崎謙吾。
    奨励会二段で脱会し、東大を経て弁護士となった大島。
    大島が担当する自己破産案件の債務者の息子で、奨励会三段の瀧口太一。

    26歳での定年に怯えながら、勝つことがすべての将棋の世界に青春のすべてを捧げる若者たちの、過酷である意味歪んだ面に焦点を当てる。

    選ばれた天才たちの中でも常に最先端を走り続けられるほんの一握りだけしか成功できない世界で、あるいは挫折し、あるいは自信を失い、あるいは挫折した過去を引きずる者たちは精神的に追い詰められ

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    2025年12月25日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    クレセント錠をどう開けるかではなくて、開けるんだけど、それはなんで?っていう物語の集め方が面白いなと思って読んだ。
    好きな作家さんの一編は、えー期待はずれかな、こんなん起こるわけないし。と思ってたら最後の二行で、なるほどね!の大逆転。どの短編もそれなりに面白かった。

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    2025年12月24日
  • だから捨ててと言ったのに

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    同じ出だしの一文なのに、ストーリー展開が人によって全く異なるのが面白い!
    個人的に好きなのは、ミステリ要素が入ってる内容になるかな。潮谷験さん、荒木あかねさんの話が面白かった。そして個人的ベストは金子玲介さんの話!!

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    2025年12月23日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    好きなYouTuberが紹介していたので読んでみた。

    読みやすかったけど、読んでいる最中ずっと灰色の湿った空気感というか、微妙な気分になりながら読んだ。
    イヤミスという分野はあまり読んで来てないから自信はないが、これはある種のイヤミスと言っていいのかなと思う。

    ただ教訓にはなったのと、この湿り気のあるイヤ〜な感じ、読み終えたあと、色々悩みも嫌なこともある普通の現実の日常がキラキラしてみえるという謎の読後感は得られた。笑

    「悪いことをしたから悪いことが起きるとは限らないんだよ」は本当にそうだよねと深く頷ける。

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    2025年12月20日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    ネタバレ

    少しのことがきっかけでそれぞれの主人公は悪夢を見ることになる。
    解説にもあったように、人間のリアルな感情が描かれていて苦しく感じる部分もあった。
    自分が罪を犯してしまった、と気づいた時、素直に罪を認められれば良いのかもしれないが、誰しもそうではないだろう。
    読んでいて1番心苦しく感じたのは、2話目のプールの水を流してしまい、多額の水道代を賠償請求されることを恐れて、発生した水道代はプール以外が原因だと思わせようと策謀する…。何が現実か、気づいて受け入れた上で事実から逃れようとする。描かれている主人公の感情が非常にリアルで途中辛くなった。
    正に、汚れた手をそこで拭かない、というタイトル通りであっ

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    2025年12月19日
  • 嘘と隣人

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     どの短編もあっと思わせながらスッキリした結末てす。
     正太郎の今後が楽しみです。続編が読みたいですね。

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    2025年12月19日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    ネタバレ

    榊さんも結局、事件の数々に疑いの目を向けてしまったがために死んでしまったということが考察できる。

    書評までが、この本の内容であることや、著者自身も物語に登場することなど、どこが作り話でどこが本当のことであるのか、境界が曖昧になっているところがより物語を怖くさせていると感じる。

    著者が作品内で記していたTwitterの内容が本当に投稿されていると知り、リアリティを足すような手の込んだ仕掛けになっていると感じた。

    一つ一つの物語が読みやすく、スラスラと読めたが、最終話のまとめ方がめちゃくちゃ意外な感じではなかったので評価低め。

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    2025年12月17日
  • 神の悪手(新潮文庫)

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    ネタバレ

    タイトルになっている神の悪手がいちばんつまらなかった。棋譜で死亡推定日時が1日覆るわけ無いだろと冷めてしまった。彼が何を伝えたかったのか風呂敷を広げたままで放り出されるのは釈然としない。
    ミイラがいちばん面白かった。

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    2025年12月16日
  • だから捨ててと言ったのに

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    同じ1文から始まるのに、それぞれの物語はまったく違うもの。

    好きな作家、好きな作品、その反対もあり、満足度としてはどっちつかずという感じ。

    最果タヒさんと金子玲介さんの小説ははじめてで、とくに最果さんの『指輪の幽霊屋さん』は可愛らしくてどこか切なくて、ファンタジーのようでもあって、いいなぁと思って読み返した。

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    2025年12月16日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    手法、伏線、終わり方含めてモヤッとするものでとても良かった。フェイクドキュメントという手法だけでなく、伏線の回収の仕方やそもそもの話のいい意味でのチープさは想像力を掻き立てながら読んでいく自分の読み方と特にマッチしていて良い作品だった。

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    2025年12月14日
  • 夜の道標

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    ネタバレ

    新進気鋭のイヤミス作家というイメージから読み始める。
    4人の視点から変わる変わる描かれる日常風景に「一体どういう系統の話なんだ…」と困惑気味だったが、中盤になり話が見えてくる。

    大きなトピックは殺人犯の阿久津を匿う豊子と父に当たり屋をさせられている波留の2つ。
    これが最後、どう収束するのか期待したが若干のご都合主義な感じもあるがそこそこ面白かった。

    波留と同級生の桜介が彼を救いたい気持ちとは裏腹に無力で親や先生を頼らざる得ない行動や逆鱗に触れる発言がリアル。また、殺人犯の阿久津の人間性の欠落した受け答えも心に残る。

    まあ、インパクト薄めの話なので多分忘れちゃう部類の小説ではあるが…。

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    2025年12月13日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    ネタバレ

    著者の他作品でも登場人物が言っていた「悪いことをしたから悪いことが起きるわけじゃないんだよ」というのが著者の考えなんだろう。
    「許されようとは思いません」「汚れた手をそこで拭かない」に続き読んだ芦沢央さんの本。
    ホラーになってもこの後味の悪さは流石だな、と。
    ①霊能者怖すぎ。➁何かに巻き込まれていると全て繋げて考えて周りに迷惑かけて大騒ぎ…こういう母親いるよね…と思ったら。③引っ越す時のご近所ガチャを思い出した。大ハズレ引いちゃったかぁ…からのあたおかではなく本物展開。④この話が一番怖かった。焼け死ぬ夢がすすんでいって最後は命を失う。被害者に何も落ち度が無くて後味も最悪。霊に寄り添っても対話を

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    2025年12月12日
  • おまえレベルの話はしてない

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    ネタバレ

    これがアンチ青春小説…!
    たしかに青春とは程遠くキラキラしておらず苦しい感じが伝わってくる。

    将棋について全然知識がないので、各登場人物の心情や戦略は理解はできなかったが、世界が広がる感じがして個人的には面白く読めた。

    途中までかなり重い雰囲気だったが、ラストはどこか爽やかに締められていて良かった。
    芝と大島がまた昔みたいな気持ちで将棋を指せたらいいな。

    ただ、謙吾についてもう少し深掘りしてほしかった…!
    芝と大路のことをどう思っているのか気になる。

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    2025年12月11日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    何気ない日常の中で起きた、取るに足らない人の失敗と後悔。そして挽回を図ろうと右往左往する人の不安定な感情の波。毎回、うまいなぁと思わせられる著者ならではのイヤモヤミステリー。
    まぁ、自分が考えてる事は他人も似たような事を考えてると思えば、小手先な事はボロが出るよねw

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    2025年12月11日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    ちょっとタイミングがずれていたら、こんなことにはならなかったのに──
    自分の些細な行動のせいでピンチに陥る主人公たち。
    読み終わった後にじっとり残る、なんとも言えないいやーなモヤモヤを味わいました。
    「お蔵入り」、「ミモザ」の2話が好きでした。

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    2025年12月10日
  • おまえレベルの話はしてない

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    装丁、タイトルのインパクトが強く、勝負の世界の深層心理が極限状態で描かれており、ヒリヒリしました。難関大学に行き一流の就職先で働いたとしても、プロ棋士とは頭脳能力のレベルが違う。プロ棋士になれる事自体、凄い事でありそして勝ち続ける事は更に至難なんだ、と改めて感じた一冊。

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    2025年12月10日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    じわじわと首を絞められてる感覚になる。
    現実味のない激ヤバホラーより、こういう身近な場面で起こり得そうな話の方が断然怖い。

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    2025年12月08日
  • 嘘と隣人

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    私の隣の人は善い人なのか…

    警察をリタイアし、セカンドライフを楽しむつもりが、ちょっとしたトラブルに巻き込まれながら、元刑事の勘もあり、解決はするが、、、

    嘘が嘘で上書きされ、真実はどこに……

    短編集ですが、ストーリーの展開は、時間の経過とともに、にしても、よくトラブルに巻き込まれる人だなぁ(笑)

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    2025年12月06日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    6つの短編集。
    どれもなーんか嫌な気分になったり、どうしようもなくやるせない気分にさせられる。
    忘却とお蔵入りが好きです。
    最後のミモザには主人公に共感できず、終始心がザワザワした。

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    2025年12月07日