芦沢央のレビュー一覧

  • 嘘と隣人

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    身近な悪意を題材にした話で、主人公の元刑事が淡々としているからか読みやすかった。「良い人」の裏の顔や、ストーカー化する人、SNSの悪意など、一度は聞いたことや見た事のある物が題材なだけに、ぞわりと来るものがあった。「元」刑事なので解決に乗り出すわけではなく、基本的には傍観しているからすっきりと終わらないが、むしろそこがリアルで良かった。

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    2026年07月21日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    芦沢央さんにハマって買った短編集。
    テーマが重めで、読んでいて気分が沈む部分もあるけれど、なぜ罪を犯してしまったのか、その過程には納得できる部分があって面白かった。
    犯罪者と自分の間には明確な境界線があると思いがちだけど、実はその境界線は思っているより曖昧なのかもと読んでいて感じた。だからこそ、自分は違うと思い込むのではなく、人の弱さを認めて気をつけることが大切な気がした。
    最後の話は村八分がテーマで重かったけれど、さり気ないホラー展開と、最後のどこか温かい?終わり方が好きだった。

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    2026年07月21日
  • 神の悪手(新潮文庫)

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    将棋に関連する短編集。

    将棋に関する知識がなくても十分に楽しめると思う。
    芦沢先生の書く、じっとりとイヤな後味を引く感じはしっかりと感じられて面白かった。
    個人的にはもう少しミステリ要素があっても良かったかなと思う。

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    2026年07月20日
  • 嘘と隣人

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    面白かった。ありふれた現代の日常の裏に潜む、ちょっとした闇を切り取った物語。特に女性のストーカーの話は、相当な恐ろしさだった。こんな人に目をつけられたら、もうどうしようもないよな、と。
    そうした闇を圧倒的な善で打ち砕くわけでもなく、ただそれに翻弄される人々の姿が描かれる。強く印象に残る、というほどの読後感ではないものの、文体も自分に合っており、最後まで楽しめた。

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    2026年07月19日
  • 嘘と隣人

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    ネタバレ

    1話:かくれんぼ
    2話:アイランドキッチン
    3話:祭り
    4話:最善
    5話:嘘と隣人

     主人公は同じの連作短編集でしたが、どれも人間の欲というものをこの作家さんはうまく描かれていました。「汚れた手をそこで拭かない」に匹敵する面白さでした。個人的には2話目の「アイランドキッチン」が良かったかなと思います。

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    2026年07月18日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    裏切りの捜査線
    警察ミステリーをテーマにしたアンソロジー。

    お見通し 米澤穂信
    有名な芸能人のコンサートに殺害予告が届く。警察はコンサート会場付近の公園で過去に逮捕歴のある男を見つけ取調べをする。そして公園からは男が以前に持っていたものと同じナイフが発見される。
    警察官の葛と丸山の酒の席での会話だが、警察官同士受け持っている事件の共有は出来ないが、偶然という形で丸山は葛に今回の事件の不満点を相談する。ある意味後味の良い作品であるが、米澤穂信独特の短編描写が見受けられとても面白い作品だ。
     何故、「ナイフがその場所から見つかったのか」という一つの疑問から衝撃の理由に連なっていく。

    メゾン・イニシェの怪 方丈貴恵
    怪異、オカルトに執着する警官生駒と事件を受け持つ八条とのやり取りを通して、過去に殺人事件が起きたマンションで発生した事件を解決していく
    生駒は時々鋭い指摘をするが、目線がオカルトに流れてしまい推理は的を得ない。八条は生駒の指摘を受けながら正しい道筋を組み立てていく。
    最後、怪異についてもっと取り上げて少しオカルトチックに終幕した方が物語としてはオチを作れたのかと思う。警察ミステリーとは少し違った印象。

    プライドの隙間 荒木あかね
    警察署内で警察官の拳銃自殺が発生。そして死体の腰からは拳銃が盗まれている。警察官として日々の生活、特に拳銃の訓練に対して嫌な印象を持っている糸瀬は、余り表情は豊かではないが徐々に打ち解けてきた女性警官の高比良と共に無くなった拳銃の捜査を通して警察内部の陰険な部分と向き合いながら真相に近づく。
    前日に荒木あかねの短編集を読んだばかりであり、今作のペアについても負けず劣らずの良いチームである。結末はシンプルだが人間関係を通じて面白さがあり、満足する作品だった。

    家につく猫 松嶋智左
    犯罪の匂い、雰囲気を嗅ぎ分けることの出来る刑事が些細な事でコンビニで買い物をしている老人の行動に疑問をもち、色々理由を付けながら老人の家を尋ねる。警察官の瞳と隼太かのペアがいきなり閉じ込められている所から始まり、謎の四人家族とのやりとりを取り上げる。
    珍しい作風だと思うし、登場人物も面白いが、動機の部分が少し違和感があり犯人への恐怖感、緊迫感が物足りなかった。こういった作品はシリーズかされていると魅力がますので、後日調べてみたい。

    コールバック 芹沢央
    いじめ捜査を依頼された探偵。該当の学生を見張っていると同じように学生を尾行している男性を発見する。学生のいじめは行われているのか、そして、学生を尾行する謎の人物は何者か。
    物語としては対象の学生が隠している真実を紐解いていく様な流れだが、ミッシングリンクがわかるとかなり深い話になる。子供は余りにも残酷であり、些細な事で人生を破壊された人間が、最後に驚きの行動をする。
    警察を定年退職した正太郎が主人公であり、老年にある落ち着いた探偵である。若いバディ役ではなく、作風として終始重厚な形になっており今作にぴったりの探偵だ。

    今作は、短編でありながらかなり骨太な作品。長編だったら何日間かはシリアスな作品を読みたくなくなる良作。定期的に摂取したくなる作風だし、もっと陰鬱な結末でもよかった。

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    2026年07月18日
  • 罪の余白

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    ネタバレ

    デビュー作でこのインパクトすごい。
    芦沢央の作品、3冊目だけど私はこの人の作品好きなんだなと確信した。

    プロローグからいきなり加奈が転落死するところで
    まず心を掴まれ、しばらく読み進み、

    30pの咲の"形よく膨らんだ大きな乳房、しっかりとくびれた腰、むだ毛の処理を欠かさない滑らかな肌──それらは既に母親が失ってしまった財産だと、咲は知っている。だから、見せつける。ねえ、お母さん。綺麗でしょう? まだまだ子どもだと思っているようだけど、私はもう、子どもじゃない。"

    の部分がもうほんっとうに性格悪くて嫌な奴で
    でもそこがリアルで、心鷲掴み。
    胸糞だけどページを捲る手が止まらなかった。

    その場の判断での言動が自らの首を絞め
    どんどん追い詰められていく描写が本当に上手い。
    頭の中で高速で色んなことを考えてしまったり
    自分にとって都合良く(悪く)思い込んだまま
    考えを進めてしまったりするのがすごく分かる。
    追い詰められた人間の脳内がリアル。

    安藤と早苗の束の間のピンクシーンは
    果たして必要だったのだろうかというのは
    疑問に残る。特にそれがその後の展開に関係したわけではないし。ミステリーを純粋に楽しんでいただけに
    そこいる???とはなった。

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    2026年07月16日
  • 夜の道標

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    ネタバレ

     色々な人がかわいそうで、途中から読む事が苦しかったですが、面白かったです。

     このような法律…制度?が存在していた事自体知らなかった為、衝撃的でした。
     弦さんは心から子供が欲しかったのだろうな…良い父親になれていただろうなと思いました。

     しばらく余韻に浸りたいと思います。

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    2026年07月16日
  • 雨利終活写真館

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    私、写真館というかちゃんとした所で写真撮ってもらったことってあったかなあ。
    基本的に写真苦手で割と避けちゃう。上司にはよく「今がいちばん若いねんから!!」とも言われる。
    なんか遺影とかはちゃんとした写真使いたい、めっちゃわかる。でもいつ死ぬかなんてわからんし、かといって早めに撮るのもなんかな、、、と思ったり。本当は毎年撮るのがベストかもだけど。うーん。
    写真は撮った方がいいよほんと。思い出が蘇るし。

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    2026年07月15日
  • 神様の罠

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    ミステリーのアンソロジー。色んな作家をお試しで読めるな、と思って古本屋で買った。たまに思い出したように行く小さな店。今回は、店主のマダムがしばらく留守にしていて、代わりにお客さんが「ちょっとそこまで出かけてらっしゃいます」と店番代わり。どうしよう買おうかなぁ、今日はやめようかなぁと思いながら、いつもは店主の背中側にあってなかなか手が出せない棚をじっくり見たりしていると、掘り出し物を見つけたり。やっぱ待つことに。おかげで買い過ぎず、少な過ぎず、良い本を買えた。

    さて、いきなり1話目からどんでん返し。これはやられた。短いこともあり、読み終わってすぐにまた冒頭から読み直した。乾くるみ『夫の余命』。2話目は凶器が何なのかがずっと分からない、と話が進んでいく。えー、絶対あれでしょー簡単簡単、と思ってたら、全然違った。米澤穂信『崖の下』。3話目、コロナ絡みの将棋の話。将棋の投了の時の作法のようなもの、初めて知った。この本は2021年発行。まだコロナ禍だなぁ。芹沢央『投了図』。4話目は詐欺と殺人。これがいちばん純粋に推理小説だ。大山誠一郎『孤独な容疑者』。5話目、あぁぁ私パズルとかクイズとか苦手なんよー。だからなかなか理解できなくて何度も読み直した。苦手だった数学の文章問題なんて思い出してしまった。けど、ただのパズル問題に奥深いストーリーをくっつけるの、けっこう好き。有栖川有栖『推理研VSパズル研』。トリは辻村深月『2020年のロマンス詐欺』。振り込め詐欺に巻き込まれていく大学生(田舎からでてきたばっかり)のシーンはちょっと読んでてイヤだった。絶対ダメなやつだ、と読者としては分かりきってる深みに落ちていく主人公を見てられないというか、そう言うシーンは嫌いなのだ。でも意外とラストは爽やかな、後味の良い、読後感の良い話です。こんなオチもあるのね。

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    2026年07月13日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    米澤 穂信、方丈 貴恵、荒木 あかね、松嶋 智左、芦沢 央
    5人の人気作家によるミステリ短編集
    帯書きの「裏切り!衝撃!どんでん返し!!5人の人気作家が描く、珠玉の警察ミステリー」に惹かれて読みましたが・・・
    松嶋 智左の作品は警察小説?
    芦沢 央に至っては退職した刑事が探偵となって活躍・・・ま、面白かったけど(^_^;)
    重い話もありますが、概ね楽しめます。

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    2026年07月12日
  • 嘘と隣人

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    芦沢央さんの『嘘と隣人』を読んだ。落ち着いた端正な文体でベテランの書き手さんなのかなと思ったら、若手の、しかも女性だったので驚いた。適度な長さの短編で読みやすいのでサラッと読んで面白かったで終わってしまいそうだけれど、実は底冷えするような人間の業や闇を垣間見せる。巧い…怖い…

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    2026年07月12日
  • 悪いものが、来ませんように

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    序盤は、登場人物の関係性に頭がついていかず、これはどういう関係なんだろうとずっと不思議に思いながら読んでいました。
    あまりに分からないので、また冒頭から読もうかなと思っていた矢先、
    なっちゃんのセリフでもしやとなる。中盤で気がついた時の衝撃が強い。作品の不穏な表現に引き込まれ、読むのが止まらない一冊です。歪なものが、形を変えてまた歪に連鎖しているのが衝撃です

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    2026年07月09日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    すごい読みやすい!サクサク読める!
    程よくじめっと湿っぽさがあって、
    ホラー初心者におすすめすぎ!
    ふわっとした感じも最後リアリティがあってよい!

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    2026年07月08日
  • こわい話の時間です 部分地獄

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    ネタバレ

    子供向けだけど大人でも十分楽しめる。
    字が大きいのも、老眼の身にはありがたい。
    自分も子供の頃は、こういった日常にヌルッと入ってくるようなのが怖かったよなぁ〜と思い出した。
    家族や友達が、あるとき別の何かに変わっていたら……とか。
    あまり怖がらせは行けないという配慮なのか、最後の2作品は怖くなく、むしろホロリとさせられる良いお話でした。

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    2026年07月08日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    5人の作家による警察小説アンソロジー。この手の本は面白くないのが相場で、本作は珍しく、米澤氏と芦沢氏の作品が面白かった。両作ともそうくるかという良い意味での裏切りが秀逸。特に芦沢作品は刑事をやめた探偵ものだが、終盤までどこに着地するのか全く読めず、久しぶりに面白い短編を読んだ感じ(先日読んだ芦沢作品短編集は今一つだったが)。松嶋氏の「ヤギノメ」シリーズは面白いのだが、本作は今一つ。

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    2026年07月06日
  • 嘘と隣人

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    警察を定年退職した主人公が、日常のちょっとした事件を解決する短編作品。
    私自身はあまり短編は読まないけど、珍しくこれはどの話も面白かった!笑
    一気読み!
    最後に必ず想像と違う「えっ⁈」となる事実があり、久しぶりに面白い短編集に出会った感じ。
    さくさく読めてお勧めです!

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    2026年07月06日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    ネタバレ

    おもしろかった。どれもめっちゃよくできてる。
    「目撃者はいなかった」、ありそうなミスとありそうな誤魔化しの積み重ねがやたらリアルで、読んでて苦しくなった。ザ・イヤミスって感じ。
    「姉のように」はちゃんとしたどんでん返しで、最後にうわぁそっちか〜となる気持ちよさがあった。
    「許されようとは思いません」は他にないちょっとほっこりエンドだったので、これが最後に収録されてるのはとてもナイスだと思う。読後感良かった。

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    2026年07月04日
  • 悪いものが、来ませんように

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    もう芦沢さんには騙されない!そう思って読み始めても、騙される。解説にそう書いてあったけれど、全くもってその通りだった。この人の想像力は計り知れないな〜とつくづく。

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    2026年07月04日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    どこまでが実話で、どこからがフィクションなのか分からない怖さがずっとある。短編集かと思ったらすべてに繋がりが見えてきたり。ホラー苦手な私にはこのくらいが読めるギリギリのラインかもしれない。

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    2026年07月03日