芦沢央のレビュー一覧

  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2019年、本屋大賞ノミネート作品。
    現代の問題を浮き彫りにした、ミステリ五篇作品。

    特に傑作は『姉のように』。
    事件を起こした姉のようにならないために、自分の娘への虐待の衝動を抑えようとする話。
    主人公の「私」は周囲の目を気にして、被害妄想が膨らみ、「夫」にも理解して貰えず、孤独を抱いていた。
    ひとつの歯車が狂い出すと、歯止めが聞かない悪い方向へと進み、情況は容赦なく、児童虐待へと進み出す。
    そんな主婦たちの心理を徹底的に捉えていた。

    0
    2025年12月26日
  • おまえレベルの話はしてない

    Posted by ブクログ

    インパクトある表題に読む前からワクワク。将棋の世界の厳しさをひたっと知ることとなった。奨励会、年齢制限など、身を置く青年達の葛藤にジワジワ、ズキンときた。

    0
    2025年12月26日
  • 罪の余白

    Posted by ブクログ

    女子高校生・加奈の転落死をきっかけに、加奈本人、友人の咲と真帆、父親の聡、そして聡の同僚・早苗の視点が交差していく群像劇。
    高校のベランダから転落して亡くなった娘は、“自殺だったのか、それともいじめがあったのか。”心理学者でありながら、自分の感情をうまく扱えない父・聡が、その答えを探し始めるところから物語は動き出す。

    特に印象に残ったのは、女子高生の人間関係の描写。
    「友達が人生のすべて」「クラス内のヒエラルキー」といった、女子特有の息苦しさが嫌なほどリアルに伝わってくる。咲の傲慢さや支配的な態度、そしてその女子高生カーストの中で悩みながら、咲の言いなりになってしまう真帆の心情がとても丁寧に

    0
    2025年12月25日
  • 悪いものが、来ませんように

    Posted by ブクログ

    これは予測できなかった!ちょこちょこ感じた違和感はそういうことだったのかと、ほほーとなった。
    不妊に悩んだ経験者としては、気持ちのいい話ではなかったが、いやミス好きなら楽しめそう。

    0
    2025年12月23日
  • 悪いものが、来ませんように

    Posted by ブクログ

    二日で読み切るくらいスラスラ読めた。
    話の展開が澱みなく、とてもテンポが良かったと思います。
    いやミスの気持ちも、感動のような気持ちも味わえる余韻が深い作品でした。

    0
    2025年12月23日
  • 夜の道標

    Posted by ブクログ

    それぞれ違う立場の登場人物の日常が描かれ、何か関係があるのかと読み進めると、少しづつ接点が見えてくる。とても見事な描き方だった。

    結末はなんだかやり切れない。
    その時代の何が正しいのか…
    時が経って善悪の判断ができるが、その時を生きている者は、例え自分の感情と異なっても社会を信じるしかないのかもしれない。

    0
    2025年12月22日
  • こわい話の時間です 部分地獄

    Posted by ブクログ

    澤村伊智さんが以前から気になりつつがっつりホラーが苦手なので子供向けなら読めるかも?と思い読んでみました。
    短編集でテイストがそれぞれ違って面白かったです。怖いけれど、ドーン!バーン!みたいな怖さというよりは、ぞわっとする感じでした。想像力逞しい子供の頃だと眠るのが怖くなったりもしただろうなあ、と。
    「ログインボーナス」(芦沢央さん)、「えんまさん」(黒史郎さん)、「靴と自転車」(澤村さん)が特に面白かったです。

    0
    2025年12月21日
  • 神の悪手(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    将棋好きには
    堪らない短編サスペンス
    被災地で天才少年と出会う?
    三段リーグでの戦い
    詰将棋作成で謎の少年
    事故に遭って後遺症の残る青年
    駒師としての戦い
    見る将棋、詰将棋、タイトル戦前日の検分
    将棋の様にその先を長考したくなる展開は圧巻

    0
    2025年12月20日
  • おまえレベルの話はしてない

    Posted by ブクログ

    ◾️ページ数 P185

    ◾️感想
    冊表からも題名からもどんなヤンキー本かと思う、その強烈なインパクトに惹かれて読み始めたらまさかの将棋かーい‼️
    中盤までは専門的すぎる内容に少し中だるみしたけれど、後半グッと引き込まれた。
    将棋好きが読んだらもっともっと面白いんだろうなと思った。
    棋士はこんなにも苦労する世界なんだなあと初めて知った。

    0
    2025年12月17日
  • バック・ステージ

    Posted by ブクログ

    パワハラ上司の悪事を暴きたい二人の話から始まる全8章(序章、終章含め)。この二人が悪事を暴く為に色々と動く間に二人の間にも変化が訪れる。そんな二人の掛け合いも面白い。短編集のようにも読める、だけどある章に出てきた登場人物が次の章では彼らのドラマが始まり、自身の生活の中でもスーパーでレジ待ちの後ろにいる人や、道ですれ違う名前も知らない人々にもそれぞれにドラマがあり、悩んだり時には笑ったりして生きてるんだなぁと実感する。最近続けて芦沢先生の作品を読み、これまではイヤミス強めだったのが今回はちょっとほろっとするお話もあって最後まで楽しかった。

    0
    2025年12月08日
  • 夜の道標

    Posted by ブクログ

    学び

    善意が人を救うこともあれば、壊すこともある
    「正しいと思ったこと」が誰かの未来を奪う可能性
    主観的善意と客観的正義のズレ

    0
    2025年12月06日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読みやすい短編ホラー集。ライターが怪談話を集めて行く形で語られる。読みやすく、感情移入しやすい。短編かつ全体量もそう多くないので、重厚な長編のように心を持っていかれるようなことはなかったけれど、余韻のある終わりでよかった。

    0
    2025年12月03日
  • 夜の道標

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    4人の視点から物語は進んでいく。
    父親の命令で危険な行為に手を染めざるを得ない橋本波留。そんな波留を放っておけず、友情を寄せる同級生・仲村桜介。人望ある塾講師が殺害された事件を追う刑事・平良正太郎。そして事件の鍵を握る過去を抱えた女性、長尾豊子。
    この4人の物語が少しずつ絡まり、気付けば大きなうねりへと変わっていく。

    その中心にいるのに、自分の視点では決して語られない男・阿久津弦。

    1996年に起きた塾経営者殺害事件。通常の学校では居場所を見つけにくい子どもたちを受け入れていた個別指導塾・戸川塾。幼少期に阿久津はそこに通い、事件当時は35歳だった。目撃証言から犯人とされたが、嘘がつけず、曖

    0
    2025年12月03日
  • 神の悪手(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    5つの物語からなる短編集
    どれも将棋がテーマでありながら一つ一つ違うストーリー
    どれも奥が深く、短編集にするのがもったいないくらい

    1話め 弱い者
    大震災後の避難所が舞台
    被災者を元気づけるための復興支援で将棋を指していた北山八段は、おぼつかない手つきながら時折鋭い手を指してくる少年に惹きつけられる。ところが強いはずの少年が詰めを誤り悪手を打つ。それも二度も。
    試合後の表彰式で少年へ「奨励会に入らないか」と提案する北山。さらに「内弟子にならないか」とも。
    そこではじめて少年だと思っていたその子が、実は女の子であったことを知る…
    避難所で起きていた犯罪。見知らぬ人が夜中に布団に入ってきていた事

    0
    2025年12月01日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人間の裏の部分を詰め込んだような短編集で、イヤミス好きの私はとても好みの内容だった。

    芦沢央さんの作品をもっと読みたい。

    以下は各話の感想。

    【目撃者はいなかった】
    5作の中で1番嫌な気持ちになった。主人公が嫌いだけど、バレそうになるたび心臓が痛い。なぜか共感してしまうのは、誰しも過去に失敗を嘘で隠そうとした経験があるからなのか。

    【ありがとう、ばあば】
    おばあちゃんを締め出した理由が、サイコパス診断テストに出てきそうだと思った。ずっと不穏でドロドロした感じが面白かった。

    【絵の中の男】
    本作で1番ミステリーぽい話。話がどう進むのか分からず夢中で読んだ。哀愁のある感じがしてすきだった

    0
    2025年12月01日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「姉のように」が特に印象に残った。
    まだ結婚もしていないし子どももいないけれど、もし自分もこうなってしまったら……と想像しただけで恐ろしくなる。

    初めは「抜け出さなきゃ」と思っているのに、いつの間にか悪循環に飲み込まれていく。
    ダメだと分かっているのに抗えない、その苦しさが痛いほど伝わってきた。

    ニュースで取り沙汰される虐待死の裏にも、こんな背景が潜んでいるのかもしれない。
    ただ表面の出来事だけでは測れない、複雑で残酷な現実。

    そして最後のどんでん返し。
    思わず「え?」と声が出てしまうような衝撃で、最初から読み返してしまった。

    0
    2025年11月28日
  • 雨利終活写真館

    Posted by ブクログ

    読みやすくて楽しめました
    湿っぽくなりがちな生前遺影写真から、こんなに優しいお話が生まれるんですね、驚きました
    人に歴史あり、ハートフルミステリーでした

    0
    2025年11月25日
  • もの語る一手

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    綾崎隼さんが将棋のアンソロジーに寄稿してると聞いては読まないわけにはいかない!
    今回の綾崎さんの作品は、「僕らに嘘が一つだけ」の2人と同世代の朱莉さんが主人公。もう一度僕らに〜も読み返した上で、こちらも読み返したいな。

    一話目は青山さんのお話らしく、前向きな気持ちになる門出の話。
    葉真中さんは初読み。ただただ少年の手腕に鳥肌。
    弟子にしたかった少年を冤罪から救うという白井さんの話にはびっくり。そういう将棋との絡め方もあるのか。
    橋本さんも初読み。この一戦を勝てば夢が叶うという相手への対応って悩ましい。そこで手を抜かれて夢を叶えること、本気で相手してもらって破れること。
    芦沢さんは気になってい

    0
    2025年11月24日
  • 悪いものが、来ませんように

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルはよく聞くけど、何となく機会がなく手に取らなかった本。

    もっと早くに読めばよかったな〜
    めちゃくちゃ面白いじゃんか!
    というのが率直な感想。

    複数人の視点の語りで真実に近づくところや、ドロドロした感情の描かれ方などが湊かなえさんの作品に似ている気がした。イヤミスはやっぱり面白い。

    ミスリードされていることに気付かず、なっちゃん母の証言の場面で「紗英が孫」と言った瞬間思わずページを巻き戻した。解説を読んで気が付いたが、たしかに在学中に妊娠して梨里が産まれたとしたら、年齢に矛盾が起きなっちゃんが紗英の姉であることに説明がつかない。

    「騙される気持ち良さ」本当にこの通り。ラストにもど

    0
    2025年12月24日
  • 罪の余白

    Posted by ブクログ

    著者の処女作。

    娘の死から暴走する父親、真実を隠蔽しようとする同級生。悲しく、重い。
    たぶん好みが分かれる作品だと思うけど、自分は大好物でした。

    ベタの特徴や、アスペルガー疑いの心理学教授といった一癖あるオリジナリティもあるが、似たような話も結構あるから満点にはならず。

    0
    2025年11月18日