芦沢央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少し想像していたものとは違っていたが、解説を読んでいろいろ腑に落ちた。
それぞれの物語の友情が今後どうなるか分からないけれど、もしこの先は離れてしまったとしても、この時過ごした時間に嘘はないはず。
私自身、昔からの友人はほとんどご縁が途切れてしまって、自分の友人との関わり方が良くなかったのかなぁと少し自分を責めていた。
けれどもそうとは限らないのかなと思えた。あの時、仲良かった“あの子“たちは、“今だけ“だったのかもしれないけれど、大切な人だし、色んなものを与えてくれた。きっと私も“あの子“にとって、そんな存在だったはず。
私が時々、何してるのかなと思い出すように、“あの子“たちも、ふと思い -
Posted by ブクログ
著名作家による小学生向けホラーンソロジーシリーズ。
学級日誌版より、こっちの方が読み応えあって、面白かったです。
サブタイトルになっている作品の著者が斜線堂有紀だったので、それもちょっとうれしかったかも。このメンバーだと、宮部みゆきか?って思ったのですけどね。
ルビは中学年程度です。文字も大きめで、一話に一つ挿絵があります。
「えんまさん」黒史郎
嘘をつくのが大好きで、それもとても上手に嘘をつくハルト。家族に怒られてもけろっとしています。おばあちゃんはえんまさんのことで諭します。おばあちゃんが話すえんまさんはちょっと具体的で...。
「おはよう、アンちゃん」太田忠司
絶対に空き地がなかった場所 -
Posted by ブクログ
なんだか、やるせない気持ち、割り切れないモヤモヤが胸の奥に残って、でもそれが嫌ではない感じ。
誰かを傷つける時に悪意があるならばまだマシなのかもしれない。
無意識、さらに手に負えないのは、そこに善意がある時だと思う。
その人のため、良かれと思って、で人を傷つけるのはとてもタチが悪い。傷ついた側は傷ついた!と泣くことも傷つけられた!と怒ることもできなくて、さらに自分を傷つける。
自分の見えている世界が全てではないし、自分の知ってるあの子はあの子のほんの一部でしかないんだと、傷つけられてるのは自分だけじゃなくてもしかしたら自分も知らずに誰かを傷つけているのかもしれない。
でも、優生保護法、ちょっと -
Posted by ブクログ
芦沢央さんの短編集。この本の短編は、全て将棋をテーマに扱っています。”将棋の短編でミステリーが成立するのか?”と思いましたが、読んでみたら見事に著者の作り出す世界にハマってしまいました。
アマチュア大会優勝者の小学生がプロ棋士とのイベント対局であと一手での詰みをことごとく外す手を選択する。優勝するほどの棋力がありながら、なぜそのような指し手を選択していたのか。読み間違いではなく”対局を敢えて終了させない”ための選択の裏側には盤面以外での悲しい戦いが絡んでいた…「弱い者」
三段リーグ最終戦前日に訪問してきた友人棋士。ところが、ふとした不注意と悪い偶然から主人公である棋士は、彼の死に関わってし