芦沢央のレビュー一覧
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ネタバレ嫌な気持ちになる短編集。
営業マンと絵画の話はあまり入り込めなかった。発注数ミスは誤魔化したい気持ちがわかって辛かった。
子役の話は祖母と母の確執、祖母の教育がいき過ぎたせいで孫に恨まれたのかと思った。子供は単純に見えて複雑、と見せかけてやっぱり単純な部分も多い。
姉の話は、あんなに泣き叫ぶ子ならどうしたらいいんだろう。私もイライラしてしまいそうと思う。
祖母の話。どんな気持ちで毎日を生きていたのか…もう終わってしまった祖母の人生にどう向き合うべきか…。でも最後の望みは叶いそうなのと孫は幸せな結婚生活ができそうでよかった。
芦沢央さん好きだ。他作品もぜひ読みたい。 -
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ネタバレ①目撃者はいなかった
主人公の小物な性格が事の一件を通してありありと写し出されている。彼の焦燥や緊迫がこちらにも伝わってくるようでドキドキ。愚鈍で自己保身に走る彼は報いを受けて終幕。完走して欲しさもあったけど、こっちの締めの方がスッキリ!
②ありがとう、ばあば
子役の孫、杏ちゃんとスパルタマネージャーの祖母、杏ちゃんがなぜばあばを殺そうとするのか回想。スパルタを超えて毒親である祖母が杏ちゃんの意志を汲み取ってあげないせいでサイコパス気味になってるのかなあと感じた。
③絵の中の男
近親者の死から傑作を生む画家さんの話。身近な者の死を経験した者たちが引き寄せられる絵画。オカルト地味てるなあと感 -
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私は将棋が好きで、自分も将棋で遊ぶことがあるし、様々なコンテンツやメディアを通して、奨励会に関するエピソードはそれなりに聞いて楽しんできた。
だから、「アンチ青春小説」だなんて帯にかかれていたことも、なんとなく想像できたし、奨励会の中にいる主人公のダークな一面が垣間見れるお話なのだろうと予想もしていた。
そしてある意味では正しかったし、所々に散りばめられた将棋業界の用語や言い回し、慣用句だったりもニヤニヤしながら、主人公のダークサイドな感情を追いながらも、どちらかというと楽しく読めていた気がする。
いやしかし、後半の「大島」パートでその空気は一変した。
これまで「芝」目線で語られていた -
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ネタバレ著者の芹沢さんがこの本を執筆するにあたって実際に経験した6編に渡る怪談集。
1話目は「神楽坂怪談」を書くように依頼があって書き上げた怪談。
2話目は、1話目を読んだ君子さんという方の実体験を書き上げた怪談。
3話目は、その2話目の件で連絡を取ったついでに上司である榊さんが思い出して芹沢さんに話した内容を書き上げた怪談。
4話目は「小説新潮」の校閲担当者が不動産会社勤務の飲み仲間に3話目の話をした流れで怪異が起こる家の話をされて、その内容を書き上げた怪談。
5話目は、その飲み仲間の不動産会社社員に4話目の話をしたところ、さらに別の同業者がお祓いをしてくれる霊能者を探しているらしいという話になり -
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これぞ芦沢節という感じ。
この本は直木賞候補作だけど、受賞作なしで、この作品も受賞を逃した。
芦沢さんの本(特に文体)が好きな私としては、芦沢さんにはもっと良い本たくさんあるから、この本で受賞しなくても近い将来必ず受賞すると思っている。
普段本を読まない人たちは、直木賞受賞作=その作家の一番おもしろい本、だと思っているし(実際一番売れるだろう)、その本しか読まずにその作家への評価を下す方もいるので、そういう意味でも、もっといい本でてくるだろうなって思った。
警察官を引退して隠居の身となった平良という男性が主人公。
元警察官ということで、周囲の人に「これってどうなの?」という相談をもちかけられ -
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ネタバレ塾講師戸川勝弘が殺害された。
被疑者の阿久津弦は行方不明。
バスケ部で同級生の仲村桜介と橋本波留。
波留は父親の指示で当たり屋をして生計費を稼いでいた。
スーパーで働く長尾豊子、たまたま会った同級生阿久津弦を家に匿うことに。
それぞれの登場人物別に物語が進んでいって、どう交わっていくのか期待しながら読み進める。
食事に困った波留が猫に導かれたどり着いたのが阿久津が匿われている家の庭。そこで窓越しに波留から食べ物をもらううちに、自分が当たり屋である事を話すように。
二人で初めて家の外で会い、それが波留の父親に見つかり当たり屋の見本を見せろとしらしめるために阿久津が父親に車でぶつかる。
そ