芦沢央のレビュー一覧

  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    ネタバレ

    嫌な気持ちになる短編集。
    営業マンと絵画の話はあまり入り込めなかった。発注数ミスは誤魔化したい気持ちがわかって辛かった。
    子役の話は祖母と母の確執、祖母の教育がいき過ぎたせいで孫に恨まれたのかと思った。子供は単純に見えて複雑、と見せかけてやっぱり単純な部分も多い。
    姉の話は、あんなに泣き叫ぶ子ならどうしたらいいんだろう。私もイライラしてしまいそうと思う。
    祖母の話。どんな気持ちで毎日を生きていたのか…もう終わってしまった祖母の人生にどう向き合うべきか…。でも最後の望みは叶いそうなのと孫は幸せな結婚生活ができそうでよかった。
    芦沢央さん好きだ。他作品もぜひ読みたい。

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    2025年10月29日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    人は生まれながらに醜いのか、それとも生きていく中で醜くなっていくのか。あらゆる人間の汚さを拭うためにはどこでどうすれば良かったのか。
    負のスパイラルから抜け出す瞬間はいくらでもあったのに、あったはずなのにどうしてそこで違う選択をしてしまうのか。日常の中にある人間の汚さを知っていたとしても、どうしてもそこで汚れた手を拭きたくなってしまうのだ。それこそがにんげんの醜さたる所以なのかもしれない。

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    2025年10月28日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ①目撃者はいなかった
    主人公の小物な性格が事の一件を通してありありと写し出されている。彼の焦燥や緊迫がこちらにも伝わってくるようでドキドキ。愚鈍で自己保身に走る彼は報いを受けて終幕。完走して欲しさもあったけど、こっちの締めの方がスッキリ!

    ②ありがとう、ばあば
    子役の孫、杏ちゃんとスパルタマネージャーの祖母、杏ちゃんがなぜばあばを殺そうとするのか回想。スパルタを超えて毒親である祖母が杏ちゃんの意志を汲み取ってあげないせいでサイコパス気味になってるのかなあと感じた。

    ③絵の中の男
    近親者の死から傑作を生む画家さんの話。身近な者の死を経験した者たちが引き寄せられる絵画。オカルト地味てるなあと感

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    2025年11月02日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    ・米澤の満願に近い印象の人間ホラー風短編集
    ・なかなかダークで印象に残る話ばかりだけど、苦手な本格ホラーじゃないから助かるし、それでいてしっかりスリルのある展開にずっと楽しかった。短編なのも読みやすくて、でもそれぞれが短編とは思えないほどの奥行きと満足感があって、ずっと面白かった

    芦沢央さんの作品はこれが初めてだったけど、すごく気になる存在。他の作品も、いろいろ読んでみたくなりました。

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    2025年10月27日
  • おまえレベルの話はしてない

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    私は将棋が好きで、自分も将棋で遊ぶことがあるし、様々なコンテンツやメディアを通して、奨励会に関するエピソードはそれなりに聞いて楽しんできた。

    だから、「アンチ青春小説」だなんて帯にかかれていたことも、なんとなく想像できたし、奨励会の中にいる主人公のダークな一面が垣間見れるお話なのだろうと予想もしていた。

    そしてある意味では正しかったし、所々に散りばめられた将棋業界の用語や言い回し、慣用句だったりもニヤニヤしながら、主人公のダークサイドな感情を追いながらも、どちらかというと楽しく読めていた気がする。

    いやしかし、後半の「大島」パートでその空気は一変した。

    これまで「芝」目線で語られていた

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    2025年10月26日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2025.10.24 (金)

    おもしろかった……忙しくて読み終わるのにひと月以上かかってしまった…

    解説を読んでて、「うんうん…分かる…そこなのよ❕」と共感しっぱなしだった……
    特に、「姉のように」 はやばい…子育ての悶々とした緊迫感が伝わってきて思わず苦しかった……
    すぐ最初のページに戻ったけどしばらく放心状態……生意気な言い方だけど、良くできてた……
    あと「ありがとう、ばあば」ね…思わず変な笑い声でちゃったもんね…

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    2025年10月24日
  • 夜の道標

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    芦沢央の日本推理作家協会賞受賞作
    1990年代の横浜を舞台に、塾経営者を殺害した被疑者の元教え子、その殺人犯を匿う女、窓際に追いやられながら捜査を続ける刑事、そして父親から虐待を受けている少年、それぞれの想いと人生の交錯、その顛末をじっくりと描いています。
    芦沢央らしい感じで淡々と語られるストーリーに、ちょっと中弛み感がありますが、クライマックスは一気に読ませます。その落し処をどう感じるかは、読者次第でしょうか?
    純文学寄りのミステリ・・興味ある方は是非!

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    2025年10月23日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    ネタバレ

    著者の芹沢さんがこの本を執筆するにあたって実際に経験した6編に渡る怪談集。

    1話目は「神楽坂怪談」を書くように依頼があって書き上げた怪談。
    2話目は、1話目を読んだ君子さんという方の実体験を書き上げた怪談。
    3話目は、その2話目の件で連絡を取ったついでに上司である榊さんが思い出して芹沢さんに話した内容を書き上げた怪談。
    4話目は「小説新潮」の校閲担当者が不動産会社勤務の飲み仲間に3話目の話をした流れで怪異が起こる家の話をされて、その内容を書き上げた怪談。
    5話目は、その飲み仲間の不動産会社社員に4話目の話をしたところ、さらに別の同業者がお祓いをしてくれる霊能者を探しているらしいという話になり

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    2025年10月23日
  • 罪の余白

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    再読です
    『悪いものが来ませんように』と似た話の進み方
    子供を先に亡くしてしまう親のどうにも出来ない感情が読んでて辛い
    早苗さんのようなまっすぐな人の存在が救いだった気がする
    いい話だったかと言われるとそうではない
    ただ、芦沢央さんの本はまた続けて読みたくなるんだよねー

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    2025年10月20日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    イヤミス
    読後の後味が悪い
    けど、他の話もまた読みたい
    そんな短編5話

    読み終わってから
    無性に内容を人に語りたくなった

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    2025年10月18日
  • おまえレベルの話はしてない

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    将棋の世界は厳しい。
    プロの棋士に成るのがどれだけ大変か。考えただけで恐ろしい。
    主人公二人の心情が面白かった。

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    2025年10月17日
  • 嘘と隣人

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    短編集なので読みやすかった。
    どれも、元刑事の正太郎が身の回りの事件の真相を探っていく話。

    真実を知ることが常に良いことだとは限らない、と実感。
    知らなければ良かった…ということはあるんだな、と。
    関係者が自分の保身が第一みたいな人間ばかりなのは読んでいて少し疲れたが、正太郎のまっすぐな姿勢は応援したくなった。
    人間って怖い。

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    2025年10月15日
  • 夜の道標

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    登場人物それぞれの視点から描かれ、次第に容疑者の人物像が浮かび上がってくる構成。展開が早くとても面白かった。私はじんわりと温かな気持ちで読み終わりました。素晴らしい作品だと思います。

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    2025年10月15日
  • 嘘と隣人

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    これぞ芦沢節という感じ。
    この本は直木賞候補作だけど、受賞作なしで、この作品も受賞を逃した。
    芦沢さんの本(特に文体)が好きな私としては、芦沢さんにはもっと良い本たくさんあるから、この本で受賞しなくても近い将来必ず受賞すると思っている。
    普段本を読まない人たちは、直木賞受賞作=その作家の一番おもしろい本、だと思っているし(実際一番売れるだろう)、その本しか読まずにその作家への評価を下す方もいるので、そういう意味でも、もっといい本でてくるだろうなって思った。

    警察官を引退して隠居の身となった平良という男性が主人公。
    元警察官ということで、周囲の人に「これってどうなの?」という相談をもちかけられ

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    2025年10月15日
  • 夜の道標

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    ネタバレ

    塾講師戸川勝弘が殺害された。
    被疑者の阿久津弦は行方不明。

    バスケ部で同級生の仲村桜介と橋本波留。
    波留は父親の指示で当たり屋をして生計費を稼いでいた。

    スーパーで働く長尾豊子、たまたま会った同級生阿久津弦を家に匿うことに。

    それぞれの登場人物別に物語が進んでいって、どう交わっていくのか期待しながら読み進める。

    食事に困った波留が猫に導かれたどり着いたのが阿久津が匿われている家の庭。そこで窓越しに波留から食べ物をもらううちに、自分が当たり屋である事を話すように。
    二人で初めて家の外で会い、それが波留の父親に見つかり当たり屋の見本を見せろとしらしめるために阿久津が父親に車でぶつかる。

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    2025年10月14日
  • 夜の道標

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    桜介や波留、阿久津、ふたりの刑事、それぞれのキャラに魅かれながら読み進めた。優生思想の問題にも考えさせられる。出来たら阿久津と刑事のその後、波留の父親がどうなったのか知りたかったような気がする。「一度子どもが生まれたら、一生親で居続けなければならない。」阿久津の母親の言葉が、重い。きっと世の中の沢山の人がある日突然親なり、親という役目を背負っていく事に時には苦しみながらも生きている。この母親のようにやり直せないこともある。子を持つことの意味をあらためて考えた一冊。

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    2025年10月13日
  • 悪いものが、来ませんように

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    騙されないぞと意気込んで読んだ訳では無いけれど
    さらりと登場する真実に思わず読むのを止めてしまった。

    何が狂っていて何が正しいのかよくわからなくなってしまった。

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    2025年10月13日
  • 魂婚心中

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    芦沢央さんのイメージと全然違う作品ばかり。
    設定が突飛で、最初の数ページ理解が難しい話もありましたが、一旦内容が分かってまた最初から読み返すと納得できてすごくおもしろい!

    一番気に入ったのはゲーマーのお話。ゲーム実況はほとんど見たことないのですが、文章からリアルに映像が想像できて臨場感がありよかったです。

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    2025年10月13日
  • 夜の道標

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    舞台は1998年。2年前に起きた事件を軸に、様々な人物からの視点で話は進んでゆきます。
    何故この時代の話だったのか、作者の意図が最後に突きつけられるように明かされるのが印象的でした。
    私自身が、かつてその事を知った時感じた、遠い昔の話ではない驚きと嫌悪が再び甦りました。
    ただやるせなさだけが残る作品ではなかったのが私には救いでした。

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    2025年10月12日
  • 悪いものが、来ませんように

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    うひ~。おもしろかった……・大どんでん返しとかの謳い文句がついている作品はあまり楽しめないことが多いのだけど、これはおもしろかった。終始ずっといや~~~~な空地感が満ちてて、登場人物たちがどこかおかしくて。誰の言い分を信じていいのかわからなくて、ぐいぐい読んでしまった
    巧妙なトリックを使っているわけではないけど、読み手側の思い込みを利用した仕掛けがうますぎる。引っかからない自信がない。芦沢さんの作品はこれで2作目だけれど、やっぱりおもしろいし、こういう仕掛け方は好きだ

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    2025年10月11日