芦沢央のレビュー一覧
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ネタバレ「おまえは、加奈の日記を読んだはずだ。加奈がどんな思いをしていたか、全部横で見ていたじゃないか。安藤さん、つらかっただろうな──おまえがそう言ったんだ」 声が徐々に震え、最後は言葉にならなくなる。堪えきれず、左目から涙がこぼれ落ちた。熱い感触が頰を滑る。「なのにどうして──それで反省することができない」 咲は、感情をすべて封じ込めたような無表情を崩そうとしない。 安藤は唐突に気づいた。いくら言葉を重ねても、目の前の人間に届くことはないのだということに。言葉は重ねれば重ねるほど一つひとつが薄くなっていって、一向に厚みを増さない。
もうここの文章に尽きる。
おもしろかった。人を変えることなんてできない。 -
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ネタバレどれも軽く読めて、ちょっとイヤミスっぽくて楽しい。
十時刑事はシリーズものとして読みたい。
表題作の『あなたが正しくいられたとき』がなんだかスッキリしない。
私の考え方が窪田くんと同じヒーロー的なんだろうか。
いくら父親が自分(娘)を助けたせいで亡くなってしまった重荷から解放するためとは言え、母親がわざと落として他人に助けさせて記憶を上書きするかな…?
それが本当の正義なの?
意図的にいろいろなことを準備したとしても絶対安全なわけでもないし、それに人の口に戸は立てられぬとも言うし上書きしてもいつか本当のことを知ってしまうかもしれない。
…っていうところまで考えさせるお話だったってことなのか?? -
Posted by ブクログ
ネタバレ知的障害のない自閉スペクトラム症(ASD)の息子の母親として、重くのしかかるものがありました。
親として最低なのは承知の上ですが、日々息子の特性ゆえの言動に振り回されて疲弊する中で、最近、この子が将来結婚すると言い出したらどうしようと思うことがあります。
我が子は知的な遅れはなく、ASDの特性も弱くはないものの強くもないのできっと普通(敢えて普通と書きます)の人達の中で社会生活を送ることになると思っています。
その中でもし結婚という事になったら…?
正直、怖くて怖くて不安でしかありません。
今の時代なのでさすがに優生手術という発想に行き着いたことはありませんが、もし自分がこの時代に生まれたこの母親だったら…と考えると…。
我が子には何よりもとにかく幸せになってほしい。幸せでいてほしい。そう毎日思っていますが、その幸せは、我が子1人の幸せではなく、周りの人も一緒に幸せになってほしいんですよね。
感想でもないただの呟きで失礼致しました。 -
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〇届かない招待状
結婚式に自分だけ呼ばれない謎
〇帰らない理由
仲の良くない同級生と今は亡き友人の部屋でばったり二人きりになってしまいお互い何かを隠している…?
〇答えない子ども
自分の子どもの絵が、ママ友の子どもに盗まれた…?でも関係にヒビ入るの怖いしなんて言おう…
〇願わない少女
興味も無い夢を追いかけ続ける理由は、大好きなあの子と一緒にいる理由がほしかったから
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感情がたくさん揺さぶられて楽しかった。
どのお話も、えーー?!なんでー?と困惑するような展開があり、常に心地よい緊張感と好奇心に駆られ、短編とは思えないほど夢中で読み進めた。
ラストにはそれまでの伏線が回収され、鮮やかな納得感があり、あたたかい。すごく良かった。 -
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芦沢央さんって、灰色で背中がゾクッてなるような怖い世界観を描く名手だと思っていますが、この作品のなんとあったかいこと
読み終わったあと、前を向いていけるような気持ちにさせてくれます
あとがきで作家としての葛藤と作者さまがずっと大切にしていることが『自分が怖いと感じていること』
今回でいえば
「わだかまりを残す死」
をこんな風に形にできる作家って凄いと感嘆して、最後まで作品を楽しませていただきました
余談ですが…
デジタルが主流になって、写真って手軽になりすぎて、逆に写真自体あまり撮らなくなったよねぇ~。と友人と話したことをきっかけに写真(スマフォで)を撮るようにはなったり…
それこそ遺影にできる写真が1枚もないって状況に遭遇したこともあります
今って遺影もいろいろ加工できるから凄いですよねぇ~
それこそ写真1枚あれば輪郭や表情までも変えれるんだとか(友人談) -
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ネタバレ短編集なのに、一つの物語の満足度がすごい。
人の気持ち悪いところや薄汚いところを描写するのが上手すぎる。
でも最後の話はホッとするというか、ちょっと救われる内容で読み応えがあった。
フィクションではあるけれど、実際に現実でこういう人いるんだろうな、、気味が悪いなぁと感じた。
特に最初の話の「目撃者はいなかった」は、確かに男が自分の過ちを隠そうとすること自体が悪いんだけど、それにしても、女の静かな怒りというか、、事故(事件)を使って男をどん底に落としていく様がまぁ怖い。
最愛の人を失った人はなんだってできるんだ。。
親族が子供への虐待で捕まったという話も、読んでいてすごく辛くなったし、誰だって虐待に走ってしまうほど辛いんかと同情してしまう内容だった。
旦那へのストレスがリアルすぎやしないか。
実際姑や義父がお菓子やおもちゃを買い与えすぎて、両親の言うことを聞かなくなったりするのは本当だと思うし、子育てはしたこともなく、まだまだ結婚する歳ではない自分でも、うわぁあ.....となってしまった。
そのぐらい気持ち悪くなる内容で同情せずにはいられなかった。
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ネタバレ読み終わってやるせなくなる逃亡ものの話
若干、染井為人の『正体』と同じ読後感(テーマ然り、内容はかなり異なるのだが)
それぞれのパートの挟み方は有名なノベルゲームの『街』形式
場面と登場人物が変わっても展開の惹きつけのうまさと巧妙さで、ストレスなく読めるし、それぞれの人物たちが近づいていく様は鳥肌もの
そして、今では考えられない、旧優生保護法という法律の存在がこの物語の根底にあり、2.3年前に書かれた物語ではあるのだが、過去の過ちを改めて見つめ直すためのストーリーであったように感じた
また、中盤以降と読み終わった後、2度ほどタイトルの意味を深く考えさせられる、そんな悲しくも素晴らしい物語