芦沢央のレビュー一覧

  • 汚れた手をそこで拭かない

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    米澤先生の「満願」を思い起こす珠玉の短編集。日常系ミステリーの最高峰。もはやホラー?最初は些細な出来事だったのにちょっとした出来心から思いもよらぬ顛末に。

    古くは「嫌われ松子の一生」でしょうか。主人公が転落していく物語は。そこまで壮大ではないですが各編の主人公は日常の中で悪いほうに悪いほうに選択して少しずつ追い詰められていきます。
    この描写が見事で心臓バクバクが止まりません。なぜこうしなかったの!?と心の中で叫びつつ、ああ自分もきっと選択してしまうだろうという諦観。

    ひとつひとつが長編を読んだかのような満足感が得られます。一緒に絶望してみませんか。

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    2026年08月13日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    じわじわ怖い系
    怖さは6くらいかな
    結局正体が分からないところ、影響が客観的な立ち位置だった語り部にまで及んで来てるんじゃない?と言う侵食してくる部分が肝かな
    実際に雑誌に掲載させたと言うのも、現実に近く感じて面白いなと思います

    短編が繋がる形式で読みやすい

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    2026年08月13日
  • 夜の道標

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    この本から得た最も大切なメッセージ

    家族という括り、所詮他人。
    人の心のうちなんてわかりはしない。

    先生は、逢いに来た時なんて声をかけたんだろうか。

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    2026年08月12日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    計5編の短篇集。どれも印象に残るレベルの高い短篇ばかりで、最後の一撃のクオリティが高い。個人的には、表題作の「許されようとは思いません」「目撃者はいなかった」「ありがとう、ばぁば」の順。それぞれ気に入ったポイントは異なるが、表題作の最後の謎解きの爽快感と、「目撃者」の少しずつ追い込まれていくスリリングな展開が印象的。

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    2026年08月11日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    ネタバレ

    目撃者はいなかった
    すごく嫌な手汗を掻いた。自分のためにしか証言できない主人公は、最後に真実を言えるのかな。

    ありがとう、ばあば
    他人の死を軽く扱った結果自分に返ってくるという、自分を死に向かわせる伏線をばあばが自分で張り続けてるのが面白い。

    絵の中の男
    先生が夫を殺した理由と鑑定士の元へ持ち込まれた贋作の関係性を回想していく。最初に提示された情報と真実がかけ離れているほど物語はギャップが生まれて面白くなるなと思った。

    姉のように
    どんでん返し×イヤミス。主人公の周囲(特に夫)の無理解と娘が的確に嫌なことをしてくるのに、イライラしてしまった。終盤じわじわ気付かされるどんでん返しにやられた

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    2026年08月10日
  • あなたが正しくいられたとき

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    表題作の「あなたが正しくいられたとき」と、「代償」がよかった

    主人公が真相を突きつけられて頭がパーン…っとなるところが(勝手に)横山秀夫作品に似ているなぁと思っている

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    2026年08月10日
  • もの語る一手

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    将棋というものを深く知るわけではないけれど、その奥深さや、指す人間が持つドラマなど、いろんな視点で物語は紡げるんだなぁとどの話も素直に面白かった。

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    2026年08月07日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    クレセント錠を開けるという共通トリックを題材にした作者別々の短編アンソロジー

    同じトリックを題材にしても作者それぞれに特色があり、叙述的なものや人情話、完全な技巧派と読んでいて飽きないのはいい
    まあただ一部それでいいの?と思う作品はあったが…
    そしてやはり島田荘司が群を抜いて秀逸である

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    2026年08月06日
  • 夜の道標

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    ネタバレ

    誰に出会うかで人生は変わるし、人は多面的であるということを痛感する。

    なんでこの時代が舞台なの?という疑問が、中盤で確認に変わっていく話。ミステリーというより社会派小説。刑事達が、読者の私たちが絶句するようなことを国がしていた事実。『国がそうすべきだって言ったんじゃ無いですか!』という『母親』の台詞の打席と重さと罪悪感に言い表せない感情になる。

    エピローグで、少しだけ希望のあるこれからを予感させてくれてよかった。

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    2026年08月05日
  • 夜の道標

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    Boy Meets Girlではなく、少年が逃亡犯とめぐり逢ってしまう物語。だが、その少年も逃亡犯も、どこか様子がおかしい。

    少年・波留が小学6年生という設定は秀逸だと思う。成長の個人差が大きく表れる時期で、大人びた子もいれば、まだまだ子供らしさの残る子もいる。そんな中、家庭環境のためにさまざまなことを諦めざるを得なかった波留は、無理に大人ぶっている子供だ。

    一方の逃亡犯、阿久津弦は、明らかに何らかの障害を抱えている。

    そんな二人の逃避行は、どうあがいても長続きするはずがなく、あっけなく終わりを迎える。それでも、その道中にはバディもののようにずっと見ていたくなる空気感があった。

    ただし

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    2026年08月03日
  • 悪いものが、来ませんように

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    エッ!?!?!?!?!?となった
    おもしろい

    子を思う気持ちはいつまで経っても無くならない、良くも悪くも

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    2026年08月03日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    ホラー小説。
    主人公の私が聞いた怪談をまとめたもの。

    5話目まではそれぞれ関係のない話と思っていたが、共通した人物の存在や同じ死に方をしているとわかってきて、ゾワッとした。
    全ての話がつながっている。
    一つ一つの話もインパクトはそこまでないが、おもしろい。
    「染み」が1番好みだった。
    「お祓いを頼む女」は終盤近くまでおもしろオバサンの話かと思いきや、しっかり最後にホラーになった。
    「妄言」もお隣さんからこんなことを言われたら、堪らないなと思いながら読んだ。

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    2026年08月03日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2016年既読。読者側がドキドキする。最初の目撃者はいなかった、発注ミスをした営業マンが繕おうとすればするほど沼落ちする。ありがとうばあば、孫のマネージャーをするばあばは真冬のホテルの外に締め出される。孫は喪中なら年賀状出さなくていいね、と言う。すべての話が思いうる理由の何歩も上を行く結末を迎えおもしろかった。

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    2026年08月02日
  • おまえレベルの話はしてない

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    面白かった!『3月のライオン』とはまた違った種類の苦しみと狂気。文章自体がうねる化け物みたいでゾクゾクした。

    表紙や帯のエンタメ感が強いが、中身は着実に一手一手を重ねて狂っていく感じだった。

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    2026年08月02日
  • 僕の神さま

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    神さまというあだ名を付けられるほど何でもお見通しな小学生らしからぬ小学生のお話。春夏秋冬+エピローグ春休みという構成で、春の章を読んで「芦沢央さんにしては珍しくほんわか日常ミステリか?」と思いきや…!! 秋の章の運動会のくだりは、自分が小学生だったときのワクワク感や、シンプルな勝ち負けの世界を叩きつけられた衝撃などが思い出された。今はもう弁当を食べるどころか、午前だけの開催で騎馬戦なんて野蛮な種目もないもんなぁと、少しおセンチになった。

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    2026年08月01日
  • バック・ステージ

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    連作短編集。今まで読んできた芦沢央作品の中でも、これはほぼザラつきのない明るい1冊という印象でした。 全体を通して恋愛オチに持ってくるのは、世のあらゆる作品の中では最もベタな展開とも言えますが、芦沢央が書いたという点で私は「なるほど、そうきたか」と感じました。

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    2026年08月01日
  • 最後の一行 white

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    blackから読んで、whiteも気になって手に取りました。短編集ということもあり、どの作者さんも設定が個性的だなーと感じました。好きなのは『ゼリーに満たされて』と『ひび割れ』です。この本のコンセプトである最後の一行のインパクトが強かったです。

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    2026年07月29日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    この一冊にこの作者のこの作品。
    どの作品も重厚でした。
    贅沢な一冊です。

    作家さんてすごいなぁ、と特に感じたのは
    一話あたりのページ数です。
    この短いページ数でこの内容を紡ぐことができて
    さらには登場人物たちのキャラクターをたたせる。
    どのお話も人物たちのキャラクターが現実にいるような
    リアルさがある。
    物語の構成もしっかりしていて、この頁数で
    よく物語のまとめができるな。
    と、そういう観点からもおすすめします。

    一話がしっかりしているので、一話読み終わると
    本を一冊読み切った感じがして、
    次の話にすすんだとき前の話を思い出すのが
    難しかったくらいです。

    それぞれの作家さんの別の未読本に

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    2026年07月27日
  • 悪いものが、来ませんように

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    騙された〜!
    遺体が見つかってからの残り数ページで、え?この後どうなるの?残り少ししかないけどちゃんと終わるの?って感じだったけどどんどん伏線回収。また最初から読み返したくなった

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    2026年07月26日
  • 最後の一行 white

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    最後に話が反転するような一行を携えた4つの物語。作家も豪華陣で短編といえども読み応え抜群だった
    1番惹き込まれたのは金子玲介先生の「ゼリーに満たされて」
    SFものだがどこか懐かしい雰囲気がありつつ、最後の一行はオチの驚きと再読という2種類の読後感があった

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    2026年07月25日