芦沢央のレビュー一覧
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プロ棋士になったにも関わらず燻り自暴自棄になっている芝とプロになる夢を諦め弁護士になるも鬱屈を抱える大島の話がそれぞれの視点から描かれる
芝の気持ちが少し詠みにくく感じて自己分析の上で諦めた大島視点の方が理解しやすかった
パラリーガルの井野からすれば大島も弁護士になれた、自分が叶えられなかった夢を叶えている存在なんだけどそこには中々気付きにくい
渦中の人にとっては上には上がいて自分はまだ下で足掻いている状態
そこで死にものぐるいで戦って勝てなければ死んでいるのも同じなんたろう
餓えとか枯渇した状態から逃げたくても逃げられない
そういう世界でしか生きられない人がプロになるのかもしれない -
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Posted by ブクログ
5つの短編が収められた連作短編集で、登場人物の「罪」や、その後の転落を描く
・ただ、運が悪かっただけ: 過去の出来事に苦しむ夫婦
・埋め合わせ: 小学校教諭がプールに関連した秘密を隠す
・忘却: 老夫婦と隣人の秘密
・お蔵入り: 映画監督の描く狂気
・ミモザ: 元恋人との関係を描く物語
人間の後ろめたさや、隠蔽しようとして事態が悪化する様子が描かれており、人間の脆さを巧みに描写した短編集です。
ずっと気になってた本
短編で読みやすいけど、寝る前に読む本ではなかったです笑 特に最後のミモザは、、
派手な事件が起きるわけじゃないけど
・日常の些細な選択
・「自分ならどうする?」っ -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は日常の中に潜む違和感や隠し事を、ミステリーの形式で描き出したヒューマンドラマ集である。扱われる出来事はどれも、特別な悪人でなくとも起こりうる些細な不正や過失ばかり。しかし「汚れた手」をすぐに洗わず、見て見ぬふりをした瞬間から、それは次第に日常に溶け込み、当たり前になっていく。本作は、その過程の恐ろしさを静かに、しかし確実に突きつけてくる。
各話の主人公たちは、罪悪感や恐怖を抱えながらも、それぞれの事情や都合によって「手を洗えない」状況に追い込まれている。問題を表沙汰にすれば、仕事や人間関係、これまで築いてきた人生が崩れてしまう。だからこそ彼らは、出口のない部屋に迷い込むように、不正を隠 -
Posted by ブクログ
ストーリーは、私塾の元教え子の男が、私塾の経営者兼先生に手をかけてしまいある事情から匿われて
いるという設定
また、もう一人の親から虐待を受けている小学生の
男の子もいて、二人の話が軸になっている。
殺人犯として指名手配されてしまい、かつての内部告発から窓際に追いやられた刑事と相棒の部下が、
班場も縮小された事件として、殺人犯の捜査を続けて、元教え子の足取りを追う。
先生は元教え子の恨みを買うような過去は見えなかったが、ラストに進むにつれ、ある背景が見えてくる。
ネタバレになるから書けないが、動機がショッキングな事情からだった。
男の子は父の虐待から生きる気力も削がれていくが、自分のことを真剣 -
Posted by ブクログ
芦沢央さん、2冊目。
“作家生活10周年記念作品”らしいが、皆さんの★も多かったこの本にしてみた。
「仲村桜介」「長尾豊子」「平良正太郎」「橋本波留」の四人の視点から語られる物語。
「バスケ好きの少年」「惣菜店のパート社員」「上司からいびられ捜査が行き詰った事件だけを押し付けられている刑事」「父から『当たり屋』を強要されている桜介の同級生」の、その背景と今の立ち位置が丁寧に語られて、ずんずんと読まされる。
それらの話が、どうつながっていくのかと思っていたが、その四人の視点からでしか語られない、五人目の登場人物を中心に巧く結びついていく。
『数年前から「正しさが変わること」について考えるよう