芦沢央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1996年、横浜市内で塾経営者が殺害された。
事件発生から二年、容疑者として指名手配されている阿久津弦は未だに捕まらずにいた。
小学6年生の仲村桜介。
そのバスケ友達の橋本波留。
刑事である平良正太郎。
謎の男を匿っている長尾豊子。
その四人の視点で物語は進んでいく。
波留は父親から当たり屋をさせられていて、ご飯代もろくにもらえず、いつしか長尾豊子の家の地下に住んでいる男に食べ物をもらうようになる。
塾経営者だった戸川勝弘は、知的障害や発達障害、学校に馴染めない子を、それぞれの個性を見極めながら勉強を教えていた。
被疑者である阿久津弦もその教え子の一人だった。
阿久津弦は結婚していた時 -
Posted by ブクログ
表紙とタイトルの勢いで、読みたくなってしまう本。2章に分かれていて、プロ棋士になった芝悠大が語りの前半と、二段で棋士を諦めた大島の語りが後半。2人は小学生の頃からのつきあいで、大島が奨励会をやめてからもつきあいは続いている。
芝が勝てなくて辛い状況にあるので全体的に暗い雰囲気で読むのがキツイです。しかも、芝の追い詰められたような頭のなかが文章で表現されているので、前半は特に圧迫されたような苦しさ。読み心地重視の人は読まないように。
諦めることができた大島も、そこからのリカバリーで世間的にはめちゃくちゃ勝ち組なんだけど、棋士の世界で負けたという思いがあるから楽々と生きていない。
棋士になるという