芦沢央のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
芦沢央さんって、灰色で背中がゾクッてなるような怖い世界観を描く名手だと思っていますが、この作品のなんとあったかいこと
読み終わったあと、前を向いていけるような気持ちにさせてくれます
あとがきで作家としての葛藤と作者さまがずっと大切にしていることが『自分が怖いと感じていること』
今回でいえば
「わだかまりを残す死」
をこんな風に形にできる作家って凄いと感嘆して、最後まで作品を楽しませていただきました
余談ですが…
デジタルが主流になって、写真って手軽になりすぎて、逆に写真自体あまり撮らなくなったよねぇ~。と友人と話したことをきっかけに写真(スマフォで)を撮るようにはなったり…
それこそ遺影に -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本のタイトルってうまいな。
巧妙な手口の事件ではなく、日常に起こり得る事故や事件を、なんの計画もなく、付け焼き刃で隠蔽しようとして、結局はもっとひどい結果を招く。そんな短編集。
『ただ、運が悪かっただけ』
唯一、主人公側が救われている。
たまたま不幸な家族を見たと忘れていった方がいい。
『埋め合わせ』
プールの水。考えたことなかったけど、相当な時間とお金がかかることなのねぇ。
普通に給料もらってたら、とりあえず払える金額なのに、金払ってすみませんと謝罪すればよいものの、ここまで、マイナスになってしまうとは。
『忘却』
裏の顔はわからないものだ。自業自得といえばそうだと思う。知らぬ間 -
Posted by ブクログ
ネタバレ傑作。
日常で起こる「個人的なやらかし」を描いた五篇からなる短編集。
その「やらかし」をどのタイミングで清算するかということを表したタイトルが秀逸。
黒歴史というには大き過ぎるし、大事件というには小さ過ぎる、絶妙なラインの嫌な出来事を、登場人物達の生々しすぎる内面描写とともに描かれていて、どの話も読んでいて「ほら言わんこっちゃない」ってなる。
五篇とも目先にある「ひとまずやり過ごす手段」を取るせいで、最小限のリスクを逃していくのがリアルで辛い。
『ただ、運が悪かっただけ』
この短編集のテーマ的に「一発目のジャブ」という丁度良い「嫌さ」を感じられる。
『埋め合わせ』
「嫌さ」で言ったらダン -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わってやるせなくなる逃亡ものの話
若干、染井為人の『正体』と同じ読後感(テーマ然り、内容はかなり異なるのだが)
それぞれのパートの挟み方は有名なノベルゲームの『街』形式
場面と登場人物が変わっても展開の惹きつけのうまさと巧妙さで、ストレスなく読めるし、それぞれの人物たちが近づいていく様は鳥肌もの
そして、今では考えられない、旧優生保護法という法律の存在がこの物語の根底にあり、2.3年前に書かれた物語ではあるのだが、過去の過ちを改めて見つめ直すためのストーリーであったように感じた
また、中盤以降と読み終わった後、2度ほどタイトルの意味を深く考えさせられる、そんな悲しくも素晴らしい物語