芦沢央のレビュー一覧

  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    しんどい。
    あまり読み返したくない短編集。
    途中で止めるのも嫌なので、最後まで読んだ。
    特に「姉のように」がつらすぎて、あと何ページあるのか憂鬱になった。

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    2026年06月15日
  • 今だけのあの子

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    感情がたくさん揺さぶられて楽しかった。
    どのお話も、えーー?!なんでー?と困惑するような展開があり結末が予想できず心地よい緊張感と好奇心に駆られ、短編とは思えないほど夢中で読み進めた。
    ラストにはそれまでの伏線が回収され、鮮やかな納得感があり、あたたかい。
    すごく良かった。

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    2026年06月14日
  • 雨利終活写真館

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    芦沢央さんって、灰色で背中がゾクッてなるような怖い世界観を描く名手だと思っていますが、この作品のなんとあったかいこと
    読み終わったあと、前を向いていけるような気持ちにさせてくれます

    あとがきで作家としての葛藤と作者さまがずっと大切にしていることが『自分が怖いと感じていること』
    今回でいえば
    「わだかまりを残す死」
    をこんな風に形にできる作家って凄いと感嘆して、最後まで作品を楽しませていただきました

    余談ですが…
    デジタルが主流になって、写真って手軽になりすぎて、逆に写真自体あまり撮らなくなったよねぇ~。と友人と話したことをきっかけに写真(スマフォで)を撮るようにはなったり…
    それこそ遺影に

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    2026年06月09日
  • おまえレベルの話はしてない

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    ネタバレ

    奨励会の話は聞いたことがあったので、その目線で苦悩を読めたのが良かった。強者がいて、自分の位置を突きつけられ、上を見る理由が問われているプロ棋士の視点も新しかった。自分は電車の男だったな、と思った。早指しなら深刻でなくても、正解が分からないことの思考の鈍化は、はまると抜けだせない気がした。

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    2026年06月08日
  • あなたが正しくいられたとき

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    15周年記念作品
    ご本人が言うように「ごった煮のような短編集」
    嫌な感じのお話ありちょっと笑えるお話あり
    そして最後の「投了図」
    まさかこんな展開になるとは…
    読みながら大号泣
    どんなお話も書ける芦沢さんはまさにごった煮作家
    この短編集、絶品です

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    2026年06月06日
  • あなたが正しくいられたとき

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    これは、読書がたしかに一番の娯楽だと思える作品でした。しかし、たいしたことではなくちっぽけなことですが、妻や家族に言えないことを、もっと言い出せなくなってしまいました。

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    2026年06月04日
  • 雨利終活写真館

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    遺影撮影をきっかけに故人の思いも紐解く。
    遺影専門店という変わった設定が分かりやすくて、大事な家族の絆を思い返したり、生きてるうちにわだかまりを無くすきっかけになったり…うるっとしました。
    しかも「なぜ、そうだったのか」を紐解くミステリー要素がお仕事ミステリーと思えぬくらいしっかり作られていて、ぶっきらぼうな雨利の一言でぐんと解決に進むのがスカッとします。
    ピアノのクラシックを聞いながら読んでいたらすごく没頭して読めました。いい話だ…
    そしてまだまだ人生長いけどこんな遺影を生前に撮りたいと思えました。私らしい写真を残したい。

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    2026年05月28日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    ネタバレ

    この本のタイトルってうまいな。

    巧妙な手口の事件ではなく、日常に起こり得る事故や事件を、なんの計画もなく、付け焼き刃で隠蔽しようとして、結局はもっとひどい結果を招く。そんな短編集。

    『ただ、運が悪かっただけ』
    唯一、主人公側が救われている。
    たまたま不幸な家族を見たと忘れていった方がいい。

    『埋め合わせ』
    プールの水。考えたことなかったけど、相当な時間とお金がかかることなのねぇ。
    普通に給料もらってたら、とりあえず払える金額なのに、金払ってすみませんと謝罪すればよいものの、ここまで、マイナスになってしまうとは。

    『忘却』
    裏の顔はわからないものだ。自業自得といえばそうだと思う。知らぬ間

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    2026年05月25日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    初芦沢。こんな暑い夏にぴったりな作品。特に第五話が良かった。怪異をこんな風に捉えたことなんて、ただの一度もなかった…。怖く、そして悲しく……しかし優しい物語だと思った。いろんな賞にノミネートされるのも頷けるとても素晴らしい作品でした!
    ……ここまでが【第五話】まで読んだ感想。

    で、最後まで読んだ感想としては「書評」まで含めてひとつの作品だということ。また読者を巻き込んだ恐怖小説としては最高峰だと思う。

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    2026年05月24日
  • 嘘と隣人

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    読みやすくて、意外な結末にゾワゾワした。
    何気なくついた嘘や、自己本位な行動のせいで、事件があらぬ方向に進んで、真実が見えなくなってしまう。
    しかし、主人公がたまたま介入したせいで、知りたくもなかった真実が見えてしまう……
    こういうのを読むと、今ニュースで報道されているものが必ずしも正しいわけではないし、SNSで感心させられる記事を見ても、誰かの意図や悪意に踊らされているだけなのかも…… と思ってしまう。

    作者の作品の中では闇は薄めだと思うけど、ちょうど良かった。

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    2026年05月21日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    ネタバレ

    傑作。
    日常で起こる「個人的なやらかし」を描いた五篇からなる短編集。
    その「やらかし」をどのタイミングで清算するかということを表したタイトルが秀逸。

    黒歴史というには大き過ぎるし、大事件というには小さ過ぎる、絶妙なラインの嫌な出来事を、登場人物達の生々しすぎる内面描写とともに描かれていて、どの話も読んでいて「ほら言わんこっちゃない」ってなる。
    五篇とも目先にある「ひとまずやり過ごす手段」を取るせいで、最小限のリスクを逃していくのがリアルで辛い。

    『ただ、運が悪かっただけ』
    この短編集のテーマ的に「一発目のジャブ」という丁度良い「嫌さ」を感じられる。

    『埋め合わせ』
    「嫌さ」で言ったらダン

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    2026年05月21日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    誰もが一度は経験する「こんなつもりじゃなかった」という後悔、息苦しさ、冷や汗、焦りを描いたじっとりと嫌な気持ちになる短編集。いずれも分量としては短いのに、人間の生々しさが美しいほど醜くくて、満足感の高い読後感だった。

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    2026年05月20日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    素晴らしい
    全編オチがすごかった。
    「汚れた手をそこで拭かない」というタイトルからして、親が子に呆れているような、なんとなく嫌な雰囲気のある言葉がまさにピッタリ。
    主人公たちが、後ろめたい事柄である「汚れた手」を自分で拭けていないところが面白い。

    特に「忘却」がすごくよかった、、

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    2026年05月13日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    初めましての芦沢央さんの本を読んでみる。
    圧巻。短編集5本すべて良かった。
    ただのどんでん返しではなく、返された後にもうひと返しもふた返しもあって、ふぇ〜ってなる。
    別の芦沢さんの本も読んでみよう。

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    2026年05月12日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    なんなんだこれは…
    短編ミステリーで後味最悪。
    でも考えさせられ、とにかく刺さって…
    ただの「イヤミス」とは言えない作品だった。

    人はこういうところ、あるよね。

    そう思う部分が、自分と相手と両方の行動、発言で見つかる。
    それは、「それこそが人間」ということであり、リアルに「他人事」ではない事象だからか。

    解説まで秀逸していた。

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    2026年05月10日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    ネタバレ

    めちゃすき!ミステリーなんだけどフィクションぽさがなくて、わたしたちの生活のすぐ隣に潜んでいるような怖さがリアルでよかった。汚れた手をそこで拭こうとするから、どこかで辻褄が合わなくなって怖い思いをするんだな。1作目のハシゴのやつと3作目の電気のやつはまあ主人公は悪くないけど、だからこそ人の怖さが鮮やかに描かれていたような、気もする

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    2026年05月04日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    解説によると、作者の一人称で書かれた、フェイクドキュメンタリー怪談、というジャンルにあたるようである。
    とりあえず読み終わったら念のため榊さんの名前で検索してみたくなる。それだけ現実とフェイクの境界を曖昧にするのが上手い。
    登場人物の心理描写も自分と近いものが多く(2話のキミコ先生が電話をあしらう部分が個人的にはツボ)、それもあってとても読みやすく、読みやすいがゆえに怖さもあった。
    描き下ろしでなく、小説新潮の不定期連載からこの本を作ったのはすごいな。

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    2026年05月03日
  • 夜の道標

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    ネタバレ

    読み終わってやるせなくなる逃亡ものの話
    若干、染井為人の『正体』と同じ読後感(テーマ然り、内容はかなり異なるのだが)
    それぞれのパートの挟み方は有名なノベルゲームの『街』形式
    場面と登場人物が変わっても展開の惹きつけのうまさと巧妙さで、ストレスなく読めるし、それぞれの人物たちが近づいていく様は鳥肌もの
    そして、今では考えられない、旧優生保護法という法律の存在がこの物語の根底にあり、2.3年前に書かれた物語ではあるのだが、過去の過ちを改めて見つめ直すためのストーリーであったように感じた
    また、中盤以降と読み終わった後、2度ほどタイトルの意味を深く考えさせられる、そんな悲しくも素晴らしい物語

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    2026年05月01日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    嫌な人の表現がめちゃくちゃ上手い…!
    人間の嫌な部分が生々しくて、特に2話目は観察者羞恥といったような嫌さ!

    後味の悪さからこれはイヤミスになるのかな?

    プールと、隣人の電気屋さんの物語が印象的です。
    今後もニュースを見たりしたら思い出しそうでじわじわきてますw

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    2026年05月03日
  • あなたが正しくいられたとき

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    デビュー15周年記念短編集とのことでミステリーを超えた心理描写が半端ない作品ばかり、それぞれ読んでいて意表をつく考えさせることばかりでした。十時警部が活躍する2作がおもしろかったです。「代償」のweb小説と似た小説を執筆ところが読んでいて手に汗握り、読みふけってしまいました。あなたもぜひ傑作短編集を読みふけって下さい。

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    2026年04月29日