芦沢央のレビュー一覧
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裏表紙に書いてある通り、珠玉の6作だと思いました。
アンソロジーは初めて読みましたが、1冊で様々な話を読めて非常に楽しかったです。
どの話も面白かったんですが、特に有栖川有栖さん作の話と辻村深月さん作の話が印象に残りました。
有栖川有栖さん作の話は主人公たち推理研がパズル研の人たちから出題された論理パズルをお互いに知恵を出しながらパズルを解いていく、というものでした。
探偵役はずば抜けた推理力であっさりとパズルを解いてしまいます。
この探偵役の鮮やかな推理も痛快で面白いのですが、探偵役でないその他の推理研メンバーがお互いに知恵を出し合ってパズルを解こうとしている様子を見るのが非常に楽しかったです。
辻村深月さん作の話は、時代設定が2020年と比較的最近の話となっています。
大学入学と共に上京したごく普通の大学1年生の主人公が知らず知らずのうちに詐欺に加担させられ、当たり前だった日常から突如人生のどん底まで突き落とされるという話。
物語中盤から後半にかけて終始ハラハラしながら読んでいましたが、このスリルが溜まりませんでした。 -
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小学生の男の子視点の連作ミステリー。
春から始まり夏秋冬、そしてもう一度来る春の訪れの時、見せられる結末はジワリと心に沁み込ませ、強く刻み込まれる。
それぞれのお話は別のようでいて、しっかりとラストに回収される。読んでいると芦沢先生テイストにグイグイ持っていかれる。
切なさ、もどかしさ、やるせなさ、狡さ。やんわりきゅぅっと締め付けられる。
子供らしい主人公に聡明過ぎる水谷くんの関係性、そしてそれぞれの心の内が着地する最後、どんな表情で「彼」は「彼」を見ていたんだろうか。
映画のワンシーンをみているようでした。好きだなぁ。
それにしても水谷くんはカッコ良すぎではないですか!小学生!?って何度思った事か。
個人的に一話の「春の作り方」が好き。おじいちゃんと共に涙ぐんでしまった。 -
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ネタバレ繭子は自分で産んだ子どもを、同じ日に産まれた郁絵の子どもと取り替えてしまう。
繭子は事実を隠したまま、郁絵は我が子を取り替えるられたとは知らず4年がすぎた。
あるきっかけにより取り違えが発覚。
郁絵の「残念だったね」一言がきっかけだった。
繭子は分娩に時間がかかり自然分娩から帝王切開になったのだった。
一方郁絵は45時間以上の陣痛に耐え、出血多量になりながらも自然分娩で出産。
繭子は我が子をこんな自分が育てたら不幸、我が子には幸せになってほしいと取り替えてしまう。
第一章は繭子、第二章は郁絵の目線
どちらの母の気持ちもわかるだけに辛い。
できればこのままバレずに…バレても繭子の仕業とバレないように…そして子どもたちが傷つかないように…
この2人の子どもたちはどのように育つのか気になる。その後の繭子も気になる。みんな幸せになっていてほしい。
自然分娩と帝王切開、子どもを産むことに違いはないのに、面倒くさいこと言う人たちがいるおかげで
翻弄されてしまう母たちがいるんだよね。 -
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ネタバレ辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
凪良ゆう「表面張力」
城平京「これは運命ではない」
木元哉多「どっち?」
阿津川辰海「成人式とタイムカプセル」
芦沢央「この世界には間違いが七つある」
ひとつめ:怖い話になるかと思ってたら、意外とハートフル。
でも、思春期の娘の父親への憎悪や、
あの時期の転校とか、そう簡単には癒やされないのでは?と思う。
でも、家族愛が伝わったのは良かったよね。
ふたつめ:さすが!面白く読めました。
スピンオフなら先に本編読みたかったなぁ。
誰が一番怖いかって話だけど、さりげなく病んでる人がいて
大丈夫かな?と思う。一番心配な人はお祓いされたら大丈夫かな?
みっつめ:虚構推理の人(作家)だーって読んでたら
虚構推理の人(登場人物)でした。
虚構推理は未履修だけど、読みやすかったし、
とっつきやすかったから、いつか読んでみてもいいかな、と。
よっつめ:これも、誰が一番怖いのかって話。
イヤミス?主人公はとても愚か。
いつつめ:この二人の話が他でも読めるのか?と思ったけど、
そうでもないみたい?タイムカプセル周りの話になるほど、しつつ、いい感じに伏線置いてくれてたからとっつきやすくはあったかな。他の作品もちょっと読んでみたくなった。
むっつめ:さすが!
突然の挿絵に戸惑いつつも、なるほどそういうことか、と
なりました。さすが! -
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ネタバレ自分にとって初めて読む芦沢央さんの作品。
大勢の他人の前で批評される緊張感。
批評者の一言にカッと頬が熱くなる瞬間。
HHカンパニーでの場面はリアルすぎて心臓がキュッと掴まれたように痛く、自分がその場に立たされている様で、呼吸が浅くなりました。
その反面、他の場面では各登場人物の心情や言動を俯瞰的に捉えて読み進めたように思います。
抱えきれない現実にぶつかった時、心を整理するために人は、それらしい原因を求めたがるものです。
原因と結果が結びつけば、感情にケリをつけて埋葬することができる。
実際には、ただ埋葬しても勝手に成仏するわけじゃないのに。
登場人物たちは、みんな気持ちが一方通行です。通い合う描写がないから読んでいて煮え切らず消化不良に感じる。結局どうなったの?と。
でも現実って本当にそうだと思う。
それがリアルだと思う。
小説なら登場人物の気持ちは書いてある限り情報として得られるけど、現実では目の前にいる人の本心なんて分かりようがないから、推し量ることしかできない。
だから、登場人物の気持ちは全部理解できなくていいし、まして主観で描かれなかった望月の殺人の動機も、誉田の舞台にかける想いも読み手は完璧に理解しようとしなくて良い、読み手の数だけ解釈があると思う。
最後の檜山のレビューでは、尾上がカイン役として人の心を動かす演技をしている様子が描かれていました。
誠はどうなったのだろう?松浦は、あゆ子は…
人の心を探ってもがくより、最後に自分と向き合った尾上だけがその後を具体的に描かれたのだと、個人的には解釈しました。
それ以外の人物のその後は、現実世界で我々がすれ違っていく知らない人のその先を知ることが出来ないのと同じように、想像を巡らすことしか出来なくて良いんだと。
耐えがたい現実の原因を他人に求めて表面的に納得するより、自分を見つめ昇華することで前に進める。そんな気付きを得た小説だったように思います。 -
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6人の作家による6話の短編集。気に入った作品は作者の他の作品も読んでみたい。特に辻堂ゆめと阿津川辰海は気になる。
辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
小5から高2まで父おやの転勤で4年のアメリカ生活から誕生日にビジネスクラスで帰国する。
思春期を馴染めない外国で過ごす事になった恨みから父を毛嫌いする娘。
我が家もこんな感じかも。この話はとても好き。
凪良ゆう「表面張力」
アパートの取り壊しで見つかった壁一面のお札の謎。
怨念か?
城平京「これは運命ではない」
恋愛物の定番の様な出会いを何度も繰り返す謎
先輩の謎解きがすごい。
木元哉多「どっち?」
妻の友人との不倫を解消しようとするが。
ある意味恐ろしい結末?
阿津川辰海「成人式とタイムカプセル」
小4の時に埋めたタイムカプセルを開けると空っぽだった。
この話が一番面白かったかも。
芦沢央「この世界には間違いが七つある」
「この世界」とは? -
購入済み
何度読んでも泣いてしまう
芦沢さんの作品は初めてで、先入観も持たずに読んだのでしっかり騙されました。確かにもう一度読み返したくなる。女性、母親、幼少時代…自らに重なる部分があり、後半は涙が滲んでしまいました。タイトルがとても良い。他の作品も読んでみたいです。
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窓やドアのつまみに糸を引っかけて、外から引き鍵をかける-単純で使い回されたミステリーのお約束のトリック。では、このトリックを使うと宣言してしまうのは?
5人の作家が同じトリックを使い、まったく別の物語を作り出す。
物語の中にはたくさんの密室トリックがあふれているけれど、現実の事件ではまず存在しない。手間がかかるし、成功する可能性も高くないだろう。読みながらそう思うことも多々あるし。
それを逆手に取った『似鳥鶏』の『このトリックの問題点』を始め、それぞれひねりが効いていて、とても面白かった。
一番気に入ったのが、突如部屋に出現した金の仏像と正体不明の彼女『彩瀬まる』の『神秘の彼女』。男子大学寮のわちゃわちゃ感と相まって、とても楽しく後味も爽やか。