あらすじ
今、猛威を振るうコロナウィルスにより、私たちの「日常」が脅かされています。
ですが、そんな「非日常」の中でも、大切な「日常」は続いていきます。
いえ、「日常」を続けていくことこそが、私たちの戦いです。
そこで、ミステリにおける「日常の謎」というジャンルを今回は「非日常の謎」と置き換え、
日々の生活の狭間に突如訪れる、刹那の非日常で生まれる「謎」をテーマとして、
創刊5周年を迎えた講談社タイガが期待する、六人の著者に短編を寄稿いただきました。
物語が、「非日常」を乗り越える力となることを信じて。
創刊6年目となる講談社タイガは、小説を楽しめる「日常」を守り続けます。
「この世界には間違いが七つある」芦沢 央(あしざわ・よう)
「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海(あつかわ・たつみ)
「どっち?」木元哉汰(きもと・かなた)
「これは運命ではない」城平 京(しろだいら・きょう)
「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ(つじどう・ゆめ)
「タイトル未定」凪良ゆう(なぎら・ゆう)
感情タグBEST3
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最後の「この世界には間違いが七つある」は、記憶を消してもう一度読みたい。
前から順番にしっかりとページを読み進められて本当によかった。絵を少しでも見てしまったら危なかった。
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辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
凪良ゆう「表面張力」
城平京「これは運命ではない」
木元哉多「どっち?」
阿津川辰海「成人式とタイムカプセル」
芦沢央「この世界には間違いが七つある」
ひとつめ:怖い話になるかと思ってたら、意外とハートフル。
でも、思春期の娘の父親への憎悪や、
あの時期の転校とか、そう簡単には癒やされないのでは?と思う。
でも、家族愛が伝わったのは良かったよね。
ふたつめ:さすが!面白く読めました。
スピンオフなら先に本編読みたかったなぁ。
誰が一番怖いかって話だけど、さりげなく病んでる人がいて
大丈夫かな?と思う。一番心配な人はお祓いされたら大丈夫かな?
みっつめ:虚構推理の人(作家)だーって読んでたら
虚構推理の人(登場人物)でした。
虚構推理は未履修だけど、読みやすかったし、
とっつきやすかったから、いつか読んでみてもいいかな、と。
よっつめ:これも、誰が一番怖いのかって話。
イヤミス?主人公はとても愚か。
いつつめ:この二人の話が他でも読めるのか?と思ったけど、
そうでもないみたい?タイムカプセル周りの話になるほど、しつつ、いい感じに伏線置いてくれてたからとっつきやすくはあったかな。他の作品もちょっと読んでみたくなった。
むっつめ:さすが!
突然の挿絵に戸惑いつつも、なるほどそういうことか、と
なりました。さすが!
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6人の作家による6話の短編集。気に入った作品は作者の他の作品も読んでみたい。特に辻堂ゆめと阿津川辰海は気になる。
辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
小5から高2まで父おやの転勤で4年のアメリカ生活から誕生日にビジネスクラスで帰国する。
思春期を馴染めない外国で過ごす事になった恨みから父を毛嫌いする娘。
我が家もこんな感じかも。この話はとても好き。
凪良ゆう「表面張力」
アパートの取り壊しで見つかった壁一面のお札の謎。
怨念か?
城平京「これは運命ではない」
恋愛物の定番の様な出会いを何度も繰り返す謎
先輩の謎解きがすごい。
木元哉多「どっち?」
妻の友人との不倫を解消しようとするが。
ある意味恐ろしい結末?
阿津川辰海「成人式とタイムカプセル」
小4の時に埋めたタイムカプセルを開けると空っぽだった。
この話が一番面白かったかも。
芦沢央「この世界には間違いが七つある」
「この世界」とは?
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六人の作家さんによるミステリーアンソロジー。辻堂ゆめさん目当てで購入したけど、買ってから思ったのが豪華メンバーだ!
どれも面白かったけど、やっぱり辻堂ゆめさんの《十四時間の空の旅》は良かったー。
アメリカに小学6年から4年間父親の転勤で住んでた少女の日本への帰国の飛行機での話。
あー、ホッコリしました
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読み友さんが読んでいて気になっていた本、作家さんが有力者揃い。芦沢作品は既読だったのでスルー。辻堂作品「十四時間の空の旅」は高校1年女子の尖った行動と周りのホンワカ家族のお話。父親の仕事で小学校で海外転向を余儀なくされ、また高校1年で日本に帰国する1人旅。その日本へのフライトはビジネスクラス。ドキドキ感の中で色んなハプニングが襲う。サングラス+黒尽くめの男が!オチは笑えた。城平 作品「これは運命ではない」はオチがわからなかったのがフラストレーション。阿津川作品「成人式とタイムカプセル」はさすがの内容。④
Posted by ブクログ
23/9/1〜9/7
『虚構推理』短編目当てだったけれど、面白い作品が読めてよかった
城平京さんと芦沢央さんが特に面白かった
23/9/1 ★★★
辻堂ゆめ『十四時間の空の旅』
初読み作家さん
思春期のこだわりやうるささがしんどい
そう言えば、『魔女の宅急便』の2巻以後も思春期描写が苦手だったな
理不尽にイライラして、周りに当たり散らすタイプの思春期描写が苦手
些細なことで色々悩むタイプなら大丈夫なんだけど、、
最後はお父さんの気持ちが通じてよかったな
23/9/1〜9/7 ★★
凪良ゆう『表面張力』
『流浪の月』しか読んだことがなかった
軽い感じで不倫が出てきてげんなり
ピリッと苦い結末
でも読ませるし面白い
下宿シーンで『猫とメガネ』のシェアハウスをちらっと思い出した
作家の書く作品はどう仕上がったのかな
23/9/7 ★★★★
城平京『これは運命ではない』
『虚構推理』シリーズの短編
これ目当てで手に取った本だけど大当たりだった
もともと九郎目線の方が好きなので嬉しいし、チラチラと世界観が見え隠れしてるのも嬉しい
ストーリーとしてもこれから甘くなりそうな感じが好み
幽霊さんどんな風に焦ってたのかな
シリーズ未読の方には読みづらいかも
23/9/7 ★★
木元哉多『どっち?』
初読み作家さん
不倫物はあまり好きじゃない
イヤミスってことかな
いいように操られていた、というオチは面白いけれど、美嘉が主人公に執着する理由が語られていないのでうーん
役に立たないものをすぐに切り捨てる決断力のある美嘉が、主人公のどこを評価しているのか
23/9/7 ★★★★
阿津川辰海『成人式とタイムカプセル』
面白かった
小学生の時って、小さなことを大きく捉えたり、それを後から後悔したりするよね
兄へのコンプレックス、は『紙魚の手帖9』の『バッククロージャー』にも通じる感じ。
23/9/7 ★★★★★
芦沢央『この世界には間違いが七つある』
初読み作家さん
面白かった!!
バトルロワイヤルもの?と恐々読んだけれど、とても好みだった
一人称語りなので、自分が何かわからなかったけれど、挿絵のところでびっくり
間違い探しとはねぇ
『人形の家』ルーマー・ゴッデンを思い出した
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どれも面白かった。あまり知らない作家さんもいたので、他の作品も読んでみたい。
まず最初の辻堂ゆめさんで、少しだけ似た思春期を過ごした自分の過去を思って引き込まれ、凪良ゆうさんでは、しまったこれは「すみれ荘」の話かまだ読んでない、と思いながらも、「私の美しい庭」の統理くんがちらっと出てきて嬉しくなったり。最後の芦沢央さんは、何の話かと思ったら奇想天外な世界でびっくり。
こういう軽めのミステリーは楽しい。「どっち?」は怖いかな。
Posted by ブクログ
凪良ゆうさん目当てで読んだが、一番面白かったのは芹沢央さんの「この世界には間違いが7つある」。
タイトルを見れば確かにそうなんだけど、登場人物?の推理小説感がそこを気づかせない。2度読みしてしまった。
凪良ゆうさんの「表面張力」は、キャラクターに惹かれたが、内容としてはあまり好みではなかった。シリーズものなら読んでみたいな。
Posted by ブクログ
面白かった!
人が死なないミステリーを求めて勧められて読んでみたけど、確かに人が死なないミステリーになっててよかったです。大抵死んじゃうんですよね、ミステリーって。
特に好みだったのは凪良ゆうさんのお話。
城平京さんは、リアタイで虚構推理見てた自分としてはニヤニヤしちゃったけど、原作知らない人からしたらいまいち腑に落ちないうまく言いくるめられた話になっちゃうのかも知れない。
でも一番面白かったのは、表紙のイラストです。
大量の食パンやおにぎりやら鳥までいて、思惑が渋滞しております。紫のはブルーベリージャムかなぁ、ベーコンエッグも美味しいよね!
Posted by ブクログ
どの作品も、それぞれ趣向が凝らされていて面白かった。特に芦沢央さんの短編には衝撃を受けました。普段は手に取らない人の小説を読めるのがアンソロジーのいい所ですね。
辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
ほろ苦く心温まるストーリー。主人公の不安や苛立ちが丁寧に描かれていて、共感しやすい内容でした。
凪良ゆう「表面張力」
すみれ荘ファミリアを先に読みたかった。あと少しでコップの水が溢れてしまうような、ギリギリの関係性。不穏な空気を感じるストーリー。作中で、作家が編集者に話した一言が、この話の全てを表している。
城平京「これは運命ではない」
虚構推理を読んでいない為、説明が欲しい部分があって少し残念。読後感はスカッとしてよかった。
木元哉多「どっち?」
イヤミス。細かい仕掛けが面白かった。登場人物が全員嫌な人で、もやもやする。
阿津川辰海「成人式とタイムカプセル」
青春ミステリー。日景が完璧な存在だったりと、リアリティは薄いけれど、予想外の展開でほのぼの。
芦沢央「この世界には間違いが七つある」
遊びを効かせたサイコスリラーで面白かった。まさかの展開にやられました!世界観も狂気を感じる。
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がっつりミステリーと思い込んでいたら、「日常の謎」の非日常編。いや、そのままなんだけども。タイガお馴染みの作家さんで全部面白かった。すみれ荘は未読なので気になる。九郎先輩出てきたのは嬉しかった。芦沢さんのは何目線で読めばいいの?
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とにかく作家がとても豪華!!さすがにどれもハズレなしで楽しめました。中でも木元さんの「どっち」は女性の裏の顔というか、それこそどっち??私ならそんな疑惑があったら怖くてその先一緒に居れない。城平さんの「これは運命ではない」はたまたま漫画で虚構推理を読んだので九郎が出てきて嬉しかったし、辻堂さんのはお父さんにほっこりし、凪良さんの「表面張力」もとても良かったので長編を読んでみたい。
Posted by ブクログ
他作品の外伝のようなものもあったりして、一話だけでは何とも。。な作品も。
「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ
→大人になったら何でもないことが、初めての時はそうだよな、と懐かしくなる。
『大人はすっかり忘れているかもしれないけど、十代の子供にとって、誕生日は大きな節目だ。』
「表面張力」凪良ゆう
→この奥さんを怖い、と思うかどうかは人次第だろうけれど、逆に自分の想いに素直で、かつ波風たてずである意味可愛らしいのではないかなぁ、とラスト夫の想いにもやっとしてしまった。
『どちらも間違っていない。スタイルが違うだけ。』
『誰かを嫌うというのは心の負担になるからだ。…見ないふりをすればいいだけなのに、みんなよく疲れることをするものだといつも不思議に思う。』
『みんな話を聞いてもらいたがる。本当の自分を理解されたがる。』
「これは運命ではない」城平 京
→曖昧なままであるが、そういった作風なのだろうか??
「どっち?」木元哉多
→人の業というかなんというか。。自分が原因だけれども、妻の前での生活が苦しくなって、また他を求めて、と繰り返した結果今度は自分側に仕返しされる未来を想像してしまった。
「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海
→ある意味しんどい結末だけれど、彼女が隣にいてくれての謎解きでよかった。。
「この世界には間違いが七つある」芦沢 央
→二度読み必須。トイストーリーじゃないけれど、これから間違い探しを見るたびに この話を思い出しそう。。 なるほどなぁ。。
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辻堂ゆめさんのと城平京さんのが良かった!
辻堂さんのは、自分が結構主人公と似た境遇を体験しているので、すごく面白かったというか。
城平京さんのは、「虚構推理」のアニメが好きだったので、楽しく読めました。
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『この世界には間違いが7つある』がとで面白かったです。
最後のどんでん返し、これは誰でも「あ〜!」ってなります‼︎
この評価は、この本を自分なりに総合的に見た評価です。
Posted by ブクログ
【2024年90冊目】
帰国子女の心細いフライトの旅、取り壊している下宿から見つかった御札と交錯する人々の思い、運命か作為か二人の男女、浮気と妊娠妻、消えたタイムカプセル、マスターと正しい世界。非日常アンソロジー!
「物語の力を信じる作家たち」6人による謎をテーマにしたアンソロジー。それぞれの作家さんの個性が出ているような気がして、楽しめるお得な一冊でした。平均年齢もすごく若い気がする。しかし、小説読んでて急にサイゼリヤに来たみたいな気分になったのは初めてでした。斬新〜。
表紙もセンスがあって良いですね◎
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コロナ前の日常と比べると、今は非日常。でも、非日常の毎日は日常になりつつある。そんな非日常の日常のなか、この6つの物語を読む。視点を変えると見える何かがある。一筋縄ではいかない作家たちの短編がまとめて読めて面白い。
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色々な作家さんの短編集なので好きなものとそうで無いものと分かれてしまったけど、凪良ゆうさんの作品はすみれ荘ファミリアのスピンオフになっているようで、読んだのもだいぶ前だし文庫本になって内容が変わっている部分もあると聞いたので、改めて読み直したいなぁと思った。
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読みやすいちょっとしたミステリアスな短編集。どれも面白かったけど、ついさっき読んだ本の登場人物がこちらの短編にも出ていて、そういうのが好きなので凪良さんのお話よかったな。芦沢さんのも設定が面白かった。
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辻堂ゆめ・凪良ゆう・城平京・木元哉多・阿津川辰海・芦沢 央、六人の作家陣が『非日常』をテーマに描いた短編集。
お気に入りは辻堂さんの「十四時間の空の旅」
15歳で、一人ビジネスクラスの空の旅を経験するエリカの緊張が伝わって来る。
驚きの仕掛けと共に読後は心が温まる。
一番期待していた凪良さんの「表面張力」は『すみれ荘ファミリア』のスピンオフ作品。
時々ドキッとする言葉に出逢う。
短編ながら凪良さんの感性は健在。
人はいくつもの顔を持つと再認識させられる。
初読みの木元さんの「どっち?」はイヤミス感満載で女の怖さを感じた。
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芦沢央さんや凪良ゆうさんは
好きだから
やっぱり読みやすいし、
面白い!
「非日常」って感じでもなく、
アンソロジーとしてのまとまりはあまり感じない。
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『非日常の謎』をテーマにしたアンソロジー。
凪良さん目当てで読んでみました。で、あ、知ってるお話だった。という感じ。
でも他の作家さんの作品にもふれることができて良かった。
好きだったのは「これは運命ではない」シリーズの中の一つなので、物足りなかったが、他の作品が読みたくなった。
「この世界には間違いが七つある」はユニークな発想だった。間違い探しの中のくまちゃんの独白。
「この世界には間違いが七つある」芦沢 央
「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海
「どっち?」木元哉多
「これは運命ではない」城平 京
「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ
「表面張力」凪良ゆう
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凪良ゆうさんの短編を読みたくて手に取った本。
日常の中にひっそりと潜む謎の世界を6人の作家が綴る短編集。
どれもちょっと怖いお話ばかり。
それぞれ面白いけれど、やはり凪良さんの短編が好き。
表面上は何の変哲もない平和な日常。
登場する人物はごく普通の人たち。
下宿の管理人と、作家の弟。
かつてその下宿に住んでいた女性。
お寺の長男と よくできた嫁。
そして、お寺の次男は幼稚園の園長。
下宿を取り壊す過程で発見された謎のお札が軸になって話が進む。
お札の発見以外、特に何かが起こるわけではない。
ところが、それぞれの人物の独白を読み進めるうちに、
そこはかとなく怖いものが迫って来る。
最後の短編、芹沢央氏の「この世界には間違いが七つある」ですが、
シュール過ぎて理解不能でした。
知らない世界が伏線になっているようで、私には解説が必要!
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非日常をテーマにしたアンソロジー。
『十四時間の空の旅』は飛行機が舞台。
主人公は、小学五年生で親の都合によりアメリカに渡り、また高校一年の途中で日本に戻る…。
これは思春期の子供には辛いことだろう。
私が通った学校にも帰国子女と呼ばれる子はいて、仲の良かったギャルは英語が得意だった記憶がある。
でも、みんな小学生で日本に戻ってきてから受験しているから、英語を褒めても「使わなきゃ忘れる」と、ちょっとうんざりした顔をしていたような。
本作の主人公は、中途半端な語学力、日本式の発音で辛い思いをした。
アメリカではガイジン、日本では垢抜けて英語が得意なことを期待され、しかし仲良しグループはすでにできている、という洗礼を受ける羽目になる。
おまけに飛行機内で荷物は荒らされ、さらにアジア系の怪しすぎる人が後方にいる…。
本作は子供の不安をよく描いている。
この作品は同じような思いをしている人たちは自らと重ね合わせて感じるものもあるだろう。
救いはあって、終わり方は旅をテーマにした物語らしい終わり方で、清々しい。
『この世界には間違いが七つある』は、著者らしいちょっと不思議な世界。
イラスト付きで、そちらも楽しめる。
まさに日常と非日常を描いた作品。
ライアーゲームや、金田一少年のように、マスターと呼ばれる謎の人間によって彼、彼女らは閉じ込められゲームをさせられる。
ド定番の怪しさなのだが、ラストの謎解きが驚きだ。
短編ならではの驚きと不可思議さで、戸惑いを覚えるその体験がたまらない。
Posted by ブクログ
辻堂先生と芦沢先生の短編が特に心に響きました。
「十四時間の〜」は、空港の雰囲気や聴こえる(それこそ非日常の代名詞のような)アナウンスを感じられる緻密な描き方がとても好み。父親への微妙な心境や、スマートではないけど愛あふれる展開が心温まります。
芦沢先生のは、奇作?なんだけれども、みていると責められそうなゾクリとした発想がとても面白い。
Posted by ブクログ
やっぱ私は凪良ゆう好きなのかな…と思った。一番良かった〜
阿津川辰海のも苦くて良い。
芦沢央のは小説だからできるなあって思ったけど微妙。
虚構推理読ませたいのは分かったけどこういう時は独立短編読みたかったなあと思った(個人の好み)
Posted by ブクログ
手放しに面白い!と思う小説はなく。
ただ、凪良ゆうの小説は淡々としている描写が嫌に恐ろしく、現実をつきつけてきて印象的。あと阿津川辰海が好きだと再認識した。ちょっとスレてるラノベっぽいキャラも受け入れるようになりました。
しかしアンソロジーって、作者の筆力差が顕著に出るなあ…。
Posted by ブクログ
【収録作品】「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ/「表面張力」凪良ゆう/「これは運命ではない」城平 京/「どっち?」木元哉多/「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海/「この世界には間違いが七つある」芦沢 央
「表面張力」は不穏な雰囲気のまま終わるので、この先を読んでみたい気になる。『すみれ荘ファミリア』の番外編らしい。「これは運命ではない」は、「虚構推理」の番外編。本編を知らないと設定に戸惑うのではないか。知っていると楽しい。「成人式と…」は、優秀な兄にひがむ弟の構図。著者はこの関係にこだわりがあるように感じられる。「この世界には…」は、ちょっとひねった世界で面白い。