芦沢央のレビュー一覧

  • 僕の神さま

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    ネタバレ

    主に小学校が舞台の日常系ミステリ連作短編で、全四章+エピローグの構成。

    第一章は亡くなった祖母が作った桜茶をダメにしちゃった主人公が、自らそれを作って祖父に飲んでもらったら、祖父が体調をくずしちゃう、という内容。

    途中、子猫の存在が絡んでくるところに少し違和感を覚えましたが、祖父の体調不良の原因に絡んできて納得。しかし真の原因は……題材的に友井羊さんの「スイーツレシピで謎解きを」を連想させられました。

    第二章はクラスメイトの川上さんに関するエピソードが二つ。一つは同じクラスの女子に突然バケツの水を浴びせられるお話。もう一つは父親のパチンコ通いをやめさせる話。

    バケツの水の件は、偶然タイ

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    2024年08月15日
  • 僕の神さま

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    小学五年生の"僕"と、同じクラスの友人で色々な謎や相談事を解き明かしてくれることからみんなから"神さま"と呼ばれる水谷くん。
    日常の謎や学校の噂、クラスメイトの困り事を解く連作ミステリー。

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    2024年08月10日
  • 貘の耳たぶ

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    ネタバレ

    繭子に自然分娩以外を否定的に伝えてしまった助産院は非常に罪な事を言ってしまったと思う。その一方で郁絵の義母が言った、帝王切開での出産は赤ん坊へのリスクを母親が引き受けてあげるのだといった肯定的な言葉を繭子が聞いていたらどうだったのか。
    繭子と郁絵はそれぞれに悩みを抱えながら子育てに邁進しており、頭が下がる思いで読んだ。ハッピーエンドになることはないと分かっていてもどこかに皆が幸せと感じる落とし所はないかと読み終わった今でも思わずにはいられない。
    繭子も郁絵も素敵な母親であったと思う。

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    2024年08月05日
  • 神の悪手(新潮文庫)

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    将棋、もしくはその周辺のミステリ。
    タイトル作も面白いが、個人的には「恩返し」が面白かった。将棋の駒を彫る職人の話。

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    2024年08月05日
  • 僕の神さま

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    最初は、おじいちゃんと孫が出てきて、二人とも優しそうな感じだったので、ほんわかほほえましい話かなと思ってい読み進めてました。でも、桜茶を勝手に入れ替えるところから一気に不穏な雰囲気になってきて、どうなっちゃうのと思いながら結局最後まで重かったです。やっぱり、戦争のくだりは、深く考えざるを得ないですね。

    小学5年生の子供が、ここまで考えていたら、人生生き辛いだろうなと同情します。「僕」の成長物語だと、解説には書いてありましたが、誰しもがたどり着く解答ではないです。11歳という年齢に、どんな意味があったのかは、わかりませんでした。

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    2024年07月20日
  • 貘の耳たぶ

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    出産後の、最初に我が子を見た時に「もう逃れられない、この子の人生に全責任を持たなければならない」とその責任の重さに押しつぶされそうになったことを思い出す。

    2人の母親の気持ちを丁寧に描写してあり、唸らされる。
    後半、物語がうねり始めると、読んでいる私もそのうねりに飲み込まれてしまった。

    読み応えがある一冊だった。

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    2024年07月19日
  • 僕の神さま

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    こども✖️謎解きミステリーと聞いて、この結末を想像できる人はどのくらいいるのだろうかと本を閉じて考えてしまった。こどもならではの純粋さゆえにあらゆる出来事が誤魔化しなくむき出しになっていて、それが時には残酷に日常に存在している。タイトルである「僕の神さま」が、読後、異なる意味に聞こえてくる。こどもであることのせつなさや、精神的に大人になることのせつなさを感じた。

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    2024年07月15日
  • 今だけのあの子

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    何となく推理小説ぽい雰囲気はあるものの、実際には謎解きできるようなものではなく、どれも最後まで読めば関係性が分かってスッキリするというような展開が書かれている。
    母娘、親友同士などの間の微妙な関係が描かれており、先が気になってどんどん読めた。
    「答えない子ども」はさすがに子どもがかわいそうすぎたし、あまりにも自己中な母親に腹が立った。
    それ以外の4編は、あぁ何となく分かるなあという感じ。
    微妙な関係性や上手く表せない心のモヤモヤのようなものに共感できた。

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    2024年07月12日
  • いつかの人質

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    幼いころに階段から落ちて視力を失った愛子。
    そのときは親とはぐれ親切にしてくれた母娘にくっついて行ってしまったことからの事故だった。
    そして友達と行ったライブ会場で視力がないために騙されて誘拐されてしまう。見えないままの愛子の感覚で状況が描かれているせいか、不安感が強くなった。
    幼少期の愛子とはぐれた母親、事故に立ち会ってしまった母娘の心境、本筋の事件の脇にある人の心や状況がどこかいびつ。でもその状況になったら誰でもそのいびつさに囚われるのではないか。
    この世はいびつな気持ちの運用で流れているから。
    予定調和でものごとが流れない苦しさがとても面白いと思った。

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    2024年07月06日
  • 貘の耳たぶ

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    きっと繭子の気持ちをわからないと切り捨てられる人は、強い人。精神の不安定の末の行動は理屈じゃない。嫉妬や自尊心の揺らぎ、生々しい慟哭のような心理描写。2人の主人公それぞれの、弱さと強さ両面を捉えながら描かれていく。

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    2024年07月03日
  • カインは言わなかった

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    幼少期からプロを目指してバレエを習い、尊敬する恩師に才能を見限られ続けてきた私が読むと、もう本当に叫んで逃げ出したくなる情景ばかり。最後まで灰色の薄靄の中でストーリーが進み、終盤に漸く救いが見える。私は今でも貴女に憧れと畏怖と憎しみを抱いています。

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    2024年07月03日
  • いつかの人質

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    どんな風に感想を書こうとも、詳しく感想を書こうと思うとどうしてもネタバレになってしまう。

    が、これをネタバレしてしまうと面白みがないだろうから、極力ネタバレをしないで感想を書きたい。

    本文が終わった後の解説で瀧井朝世さんが書き出しに、
    『芦沢央は、「逆算する」という。
    トリックや動機を考えて、そこに向かって逆算して、物語を作り上げていくのだそうだ。』
    と書かれていましたが、まさにその通りの本でした。

    読んでいて違和感がなく、とぅるんと喉元を通り過ぎるゼリーのように入ってくる文章。
    伏線にクセがなく、明かされる真実に無理がない。

    この“明かされる真実”がこの本最大のネタバレになる部分なの

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    2024年06月29日
  • 神様の罠

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    コロナ禍を舞台にそれぞれの作家さんの罠に楽しくハマれるアンソロジー
    特に乾くるみさんは初読みでしたが、張り巡らされた罠があまりにも自然すぎて真相がわかった時は思わず「えっ!」と声が出たほど
    他の作品も読んでみたくなりました!
    コロナ禍の息苦しい感じも思い出しました

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    2024年06月01日
  • 僕の神さま

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    僕が頼りにしてしまうのは、みんなから「神さま」と呼ばれている水谷くんだ。
    桜漬けの瓶を僕の不注意で落としてしまい、楽しみにしている祖父にどう取り繕うかと相談したのは、水谷くんで…。
    この第一話から気になる謎解きだと読み進めていくと第二話からは、転校して行った川上さんの少し重い話になり、第三話、第四話といろいろな出来事を挟みながらも川上さんのことにも繋がる連作短篇になっている。

    小学生らしからぬ水谷くんの洞察力に驚く。
    それだけではなく人の感情も読みとることができ、どのようにすれば良いのかを瞬時に判断している。
    小学五年生なのにとても冷静でもあり、軽い謎解きと思えない。





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    2024年05月22日
  • 僕の神さま

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    ネタバレ

    第1話「春の作り方」
    第2話「夏の「自由」研究」
    第3話「作戦会議は秋の秘密」
    第4話「冬に真実は伝えない」

    エピローグ 春休みの答え合わせ

    小学5年生の「僕」が
    神様のように頼っている「水谷くん」に
    助けてもらう連作短編集

    ↓↓ネタバレ

    猫が!酷い目に!遭います!

    序盤がほんわかしたお話だから
    油断していると後半どんどん物騒になっていきます。
    人死はないけれど。
    おばあさんは最初から亡くなってはいる。

    作り方を覚えていることを
    しみじみされて良かったな、と思う。

    最後、水谷くんと距離を置くことを決めた僕。
    これからどうなるんだろう?
    助けての秘密は明かされる時がくるのだろうか。

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    2024年05月18日
  • 僕の神さま

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    帯にひかれて購入。
    したが、想像とは違う内容だった。
    コナンのような、頭の切れる友人をもつ子が主人公。
    子供の、人間の思考回路がわかりやすく丁寧に描かれているので、すごく納得できるし、共感できるところがとてもよかった。
    子供だっていろいろ考えている。大人の言ってることも感覚としてかもしれないけど理解しているし、大人よりも空気を読んでいる。だから、子供だと侮って無下に扱ってはいけない。大人の手助けは必要だけど、一人の人間としてなるべく対等に接したい。

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    2024年04月22日
  • 猫ミス!

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    どの作家・作品も、作り込まれていて面白かった。
    芦沢央さんの『春の作り方』。電車の中で読んでたんだけど、泣きそうになった。
    最後は、そにしけんじさんのマンガに、笑わせて貰った。

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    2024年03月25日
  • 神様の罠

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    コロナ禍の大学生活がここに書かれてて、2020年を思い出した。たまたま特定のコミュニティに参加できたから良かったものの、そうでなかったらと思うと鬱病まっしぐらだったことと思います。
    辻村作品をもっと読みたい。
    また、アンソロジーということもあって、初めましての方もいて楽しかった。有栖川有栖の作品を読んでみたい。

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    2024年03月15日
  • 斬新 THE どんでん返し

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    全編オリジナル(小説推理 双葉社には掲載)の贅沢な短編集。ただ、ちょっと胸くそ悪い系のお話が多かったので、好みは分かれるかも。双葉社のThe どんでん返しシリーズはこれが6冊目(自薦3巻+新鮮、特選、斬新)みたいですが、どの本も豪華な執筆陣なので、他にも手にとって新しい作家さんとの出会いを楽しみたいです。解説で本作品の解説とともに、他の著作に触れられているのも良かったです。
    芦沢央「踏み台」
    アイドルグループで巻返し必要な位置にいるみのり。色を出すために麻雀を趣味にして、そこで出会った洸平のことが好きになってしまい…。
    阿津川辰海「おれ以外のやつが」
    おれはカメラマンで殺し屋。今度の仕事は双子

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    2024年02月25日
  • 斬新 THE どんでん返し

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    少し読後感が悪いものの、予想した展開の斜め上にいったり、予測を全てひっくり返しながらも意味が通った結末になっており面白かった。

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    2024年02月23日