芦沢央のレビュー一覧
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どんな風に感想を書こうとも、詳しく感想を書こうと思うとどうしてもネタバレになってしまう。
が、これをネタバレしてしまうと面白みがないだろうから、極力ネタバレをしないで感想を書きたい。
本文が終わった後の解説で瀧井朝世さんが書き出しに、
『芦沢央は、「逆算する」という。
トリックや動機を考えて、そこに向かって逆算して、物語を作り上げていくのだそうだ。』
と書かれていましたが、まさにその通りの本でした。
読んでいて違和感がなく、とぅるんと喉元を通り過ぎるゼリーのように入ってくる文章。
伏線にクセがなく、明かされる真実に無理がない。
この“明かされる真実”がこの本最大のネタバレになる部分なのですが、
ここで「えっ?」と登場人物が思ったのと同じように思う方もいれば、
「だよね」と思う方もいると思う。
私は「だよね」と思ったのだけど、
その「だよね」に至る伏線は“語られない”という形と、ちょっとした違和感、そしてその違和感は他の登場人物が語るところからじわじわと感じられるもの。
だからわざわざ作り上げられる伏線というクセではなく、ちょっとした違和感として心に残ったものの答え合わせを“語られる真実”で締めくくられるから、スッキリするというより「だよね」ととぅるんと入ってきました。
芦沢央さんは逆算して書かれるけれど、
読む方は前から順番に読んでいく。
読んでいる時に、その順番通りというのが
時間軸や登場人物の考えなど、受け入れやすくて心地いい。
読みやすいなぁと思いながら読める本でした。
また読みやすく面白い作家さん見つけちゃったな。 -
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僕が頼りにしてしまうのは、みんなから「神さま」と呼ばれている水谷くんだ。
桜漬けの瓶を僕の不注意で落としてしまい、楽しみにしている祖父にどう取り繕うかと相談したのは、水谷くんで…。
この第一話から気になる謎解きだと読み進めていくと第二話からは、転校して行った川上さんの少し重い話になり、第三話、第四話といろいろな出来事を挟みながらも川上さんのことにも繋がる連作短篇になっている。
小学生らしからぬ水谷くんの洞察力に驚く。
それだけではなく人の感情も読みとることができ、どのようにすれば良いのかを瞬時に判断している。
小学五年生なのにとても冷静でもあり、軽い謎解きと思えない。
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ネタバレ第1話「春の作り方」
第2話「夏の「自由」研究」
第3話「作戦会議は秋の秘密」
第4話「冬に真実は伝えない」
エピローグ 春休みの答え合わせ
小学5年生の「僕」が
神様のように頼っている「水谷くん」に
助けてもらう連作短編集
↓↓ネタバレ
猫が!酷い目に!遭います!
序盤がほんわかしたお話だから
油断していると後半どんどん物騒になっていきます。
人死はないけれど。
おばあさんは最初から亡くなってはいる。
作り方を覚えていることを
しみじみされて良かったな、と思う。
最後、水谷くんと距離を置くことを決めた僕。
これからどうなるんだろう?
助けての秘密は明かされる時がくるのだろうか。
初回限定でwebでおまけが読めたらしいから、
そこで触れられてたかも?(憶測)
追記:
親に守られて当然の子、と、
その親から危害を被る子との格差が浮き彫りになる
物語、でした。
主人公が前者で、川上さんは後者。
水谷くんはどちらがわなのだろう。 -
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全編オリジナル(小説推理 双葉社には掲載)の贅沢な短編集。ただ、ちょっと胸くそ悪い系のお話が多かったので、好みは分かれるかも。双葉社のThe どんでん返しシリーズはこれが6冊目(自薦3巻+新鮮、特選、斬新)みたいですが、どの本も豪華な執筆陣なので、他にも手にとって新しい作家さんとの出会いを楽しみたいです。解説で本作品の解説とともに、他の著作に触れられているのも良かったです。
芦沢央「踏み台」
アイドルグループで巻返し必要な位置にいるみのり。色を出すために麻雀を趣味にして、そこで出会った洸平のことが好きになってしまい…。
阿津川辰海「おれ以外のやつが」
おれはカメラマンで殺し屋。今度の仕事は双子のコンビ作家の片方を殺すことだ。
伊吹亜門「遣使船は西へ」
嵐ではぐれ、荷を捨てた四の船遣唐使船で、追い討ちをかけるように起こった密室殺人。命運は?犯人は?
斜線堂有紀「雌雄七色」
母の遺品を整理し始めた息子が疎遠な父に送った母の書いた虹色の封筒。色の順に読むと気持ちが通じるという恋愛や本願成就の想いが込められた神社で売られているもの。
白井智之「人生館の殺人」
遭難し辿り着いた山荘は放置され、回りは人食いクマがいるとんでもない馬車だった。そこで起きる、物証の少し残った密室殺人。犯人は? -
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アンソロジー作品が新しい作家との出会いになり、更に決められたテーマでこの作家はどの様な作品を発表するのだろうという面白さに気がついてしまい、過去含め様々な作品集を読む事にした。今作はどんでん返しがテーマであり、短い作品、しかもどんでん返しがあると読者が分かっている状態でどれだけ読み手を感嘆させてくれるかが楽しみだ。
踏み台 芹沢央
アイドルを目指しアイドルになった女性。ストーカーの様になってしまった元彼。彼はプロ雀士の夢をもちながら、主人公はアイドルとしての武器を磨く為出会い、そして別れ、現在の様な関係になる訳ですが、設定はありきたりに見え、どの様にどんでん返しをするのかと興味津々だったが。主人公と同僚との争い、アイドルの厳しさからまさかこうなるとはと怒涛の展開。長さも読みやすく驚きも大きい面白い作品だ。人の人生は誰かの犠牲に成り立っていると痛感させられる作品で、ある意味完全犯罪型。
おれ以外のやつが 阿津川辰海
短編が面白くどんでん返しが上手いと評している阿津川辰海の作品だったが、やはり今回も好みにあった作品だった。
主人公が殺し屋綺羅(綺羅、星の如くの由来も好きだ)であり、表の顔はカメラマン、日本語に造詣の深い人物で、あらゆる糸を使い依頼をこなす。
人物像も魅力的でシリーズとしても、長編にしても面白そうな世界観で是非読んでみたいと思った。フーダニットの面白さ、真相の面白さが良く、下手に正義感の様なものがない事も好印象だ。
遣唐使船は西へ 伊吹亜門
設定は遣唐使時代の帆船の中。船団から取り残されてしまった一船。食料も底をつき、船員のモチベーションも落ちていく中、一人の僧侶が説法を説き、船員達は息を吹き返す。そんな折、僧侶の弟子が師の異変に気付き部屋を確認すると師が部屋で殺害されている事に気づく。部屋には小さい窓が一つ。入口は弟子が一日中監視の状況下、如何に、そして何故僧侶は殺されたのか。
設定の影響で読みにくいが、結末は納得してしまった。彼はこの後とどうなるのだろうか。
雌雄七色 斜線堂有紀
虹の色を模した7枚の手紙。亡くなった母親の遺品を整理し、離婚しており、有名な構成作家の父親へ息子が渡した手紙。虹の雌雄の話は知らなかったが、こういうタイプのミステリーだろうと想像はついてしまった。それぞれの色の手紙で語られる母親の真実。結末について、もっと恐ろしいものになるのではと期待していたが、そのまま真っ直ぐに着地してしまった。このくらいの話であれば面白いがどんでん返しには至らないと思った。
人喰館の殺人 白井智之
何だかめちゃくちゃにあれもこれも入れ込んだ作品。軸が整理されていない為、短編である事の必要性が感じられなかった。
地震で遭難し、近隣のホテルに避難した人々。脱出を試みるが外では巨大なヒグマがあらわれ人々を襲う。絶対絶滅の中、とある男女が性行為の最中に射殺され、更には救助隊と共に逃げようとしていた数人がヒグマに殺されてしまう。語り手もどんどん変わり、誰が死んでしまうかスリリングだが、長編でこその作品と感じてしまった。ヒグマの恐怖感がもっと強ければ少し印象が違ったが、あっさりヒグマが出てきて人間がぐちゃぐちゃになりましたでは面白さに欠けている。 -
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幼い頃に誘拐とされた事件で失明してしまった少女が、12年後に再び誘拐されるお話
以下、公式のあらすじ
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盲目の少女はなぜ二度も誘拐されたのか。注目作家のサスペンス・ミステリー
宮下愛子は幼いころ、ショッピングモールで母親が目を離したわずかなすきに連れ去られる。それは偶発的に起きた事件だったが、両親の元に戻ってきた愛子は失明していた。12年後、彼女は再び何者かによって誘拐される。一体誰が? 何の目的で? 一方、人気漫画家の江間礼遠は突然失踪した妻、優奈の行方を必死に探していた。優奈は12年前に起きた事件の加害者の娘だった。長い歳月を経て再び起きた、「被害者」と「加害者」の事件。偶然か、それとも二度目の誘拐に優奈は関わっているのか。急展開する圧巻のラスト35P! 文庫化に当たり、単行本から改稿されたシーンも。大注目作家のサスペンス・ミステリー。
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愛子が可哀想すぎないか?
失明した経緯もそうだし、成長してできた友人たちの行動とか、二度目の誘拐の事情やその最中の出来事
一番の疑問は、犯人が暴力を加える必要あったのか?
タイトルの意味
誰にとっての人質か?
人質とは何を指すのか?
優奈にとっては夢が人質
宮下家にとって、愛子は目が見えないという事が人質
心配と言う名の束縛だよなー
礼遠にとっての人質は理解者かな?
登場人物に色々な人が気持ち悪いというか不快感を覚えるところがある
いくら焦っていても後部座席に誰がいるか気づくと思うけどね
そしてその後の隠蔽方法も杜撰
宮下家は冒頭の描写だけでも閉塞的なものを感じた
礼遠はまぁアレだ
目の見えない人の立場による小説といえば、下村敦史さんの「闇に香る嘘」を読んだことがある
どんな事が分からなくて、何に恐怖を感じるのかというのはそんなに変わらないものですね
だからこそ、愛子に対する同級生達の態度に怒りを感じるけど、それの原因も普段のコミュニケーション不足なのだとしたら愛子にもその原因があるわけで
何とも後味の悪い物語だったなぁ……
そう言えば、芦沢央さんの小説は初読み
解説で知ったけど、女性だったのですね
知らなかった -
Posted by ブクログ
ページ数も少なかったのであっという間に読めてしまったけど
とことん芦沢央さん味がだだ洩れだった
これは短編ものというカテゴリになるのかなぁ
抜粋
「変わった人だと思われたいから変わったことをするのって、すごく普通だよね。きっと本当に変わった人って、松尾みたいに面倒くさいからっていう理由でみんなと同じ色を選べるんだよ」
思わず蛍光ペン引くところだった…!
小説家:芦沢央 ではなく
エンターティナー:芦沢央 って感じ、今回は
「狂気にはらんだ」っていう言葉が出てくるけどまさにそんな感じ
もうちょっと大作でもっといろいろと盛り込んでたら★5でした -
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ネタバレタイトルどおり
どんでん返しを集めたアンソロジー。
「踏み台」芦沢央
「おれ以外の奴が」阿津川辰海
「遣唐使船は西へ」伊吹亜門
「雌雄七色」斜線堂有紀
「人喰館の殺人」白井智之
最初からどんでん返しがあるもの、という
前提で読み進めながらも楽しく読めました。
芦沢さん目当てで読んだので安定の面白さ。
しかし、主人公の顛末は自業自得にしか思えないので、
何を感傷に浸っているのだ、と思ってしまった。
「おれ以外」はハードボイルドで良かった。
主人公がやられてしまうのか?と
ヒヤヒヤしていたけれど、セーフ。
でも、最後はちょっと哀愁。
「遣唐使」は、今までみたことのない時代背景で
描かれたミステリー。犯人もこの話ならではの、でした。
「雌雄七色」
なるほどーと、なんとなく読み終えましたが、
改めて正しい順番で読んだり、最初のメールを
読み返してみたら、ああ…と思う…良作でした。
「人喰館」
よくできているけれど、エログロがきつくて
読み進めるのがきつかったです。最後まで。
復讐方法でぎょっとした時点で止めておけばよかったかも。展開は意外で面白い。でもえぐくてきつい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ23/9/1〜9/7
『虚構推理』短編目当てだったけれど、面白い作品が読めてよかった
城平京さんと芦沢央さんが特に面白かった
23/9/1 ★★★
辻堂ゆめ『十四時間の空の旅』
初読み作家さん
思春期のこだわりやうるささがしんどい
そう言えば、『魔女の宅急便』の2巻以後も思春期描写が苦手だったな
理不尽にイライラして、周りに当たり散らすタイプの思春期描写が苦手
些細なことで色々悩むタイプなら大丈夫なんだけど、、
最後はお父さんの気持ちが通じてよかったな
23/9/1〜9/7 ★★
凪良ゆう『表面張力』
『流浪の月』しか読んだことがなかった
軽い感じで不倫が出てきてげんなり
ピリッと苦い結末
でも読ませるし面白い
下宿シーンで『猫とメガネ』のシェアハウスをちらっと思い出した
作家の書く作品はどう仕上がったのかな
23/9/7 ★★★★
城平京『これは運命ではない』
『虚構推理』シリーズの短編
これ目当てで手に取った本だけど大当たりだった
もともと九郎目線の方が好きなので嬉しいし、チラチラと世界観が見え隠れしてるのも嬉しい
ストーリーとしてもこれから甘くなりそうな感じが好み
幽霊さんどんな風に焦ってたのかな
シリーズ未読の方には読みづらいかも
23/9/7 ★★
木元哉多『どっち?』
初読み作家さん
不倫物はあまり好きじゃない
イヤミスってことかな
いいように操られていた、というオチは面白いけれど、美嘉が主人公に執着する理由が語られていないのでうーん
役に立たないものをすぐに切り捨てる決断力のある美嘉が、主人公のどこを評価しているのか
23/9/7 ★★★★
阿津川辰海『成人式とタイムカプセル』
面白かった
小学生の時って、小さなことを大きく捉えたり、それを後から後悔したりするよね
兄へのコンプレックス、は『紙魚の手帖9』の『バッククロージャー』にも通じる感じ。
23/9/7 ★★★★★
芦沢央『この世界には間違いが七つある』
初読み作家さん
面白かった!!
バトルロワイヤルもの?と恐々読んだけれど、とても好みだった
一人称語りなので、自分が何かわからなかったけれど、挿絵のところでびっくり
間違い探しとはねぇ
『人形の家』ルーマー・ゴッデンを思い出した