芦沢央のレビュー一覧

  • だから捨ててと言ったのに

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    ショートショート。どの話も「だから捨ててと言ったのに」という文から始まる。
    はずれなし。
    中でも好みだったのが、多崎礼さんの『海に還る』
    悲しく美しい人魚のはなし。
    黒澤いづみさんの『捨てる神と拾う神』もいい。

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    2025年02月23日
  • 魂婚心中

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    「ゲーマーの Glitch」「閻魔帳 SEO」が面白かった。この二つを楽しめるかどうかは人によるでしょう。

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    2025年02月21日
  • 僕の神さま

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    運動会の騎馬戦での、勝利に近づくための作戦を論理的に提示してメンバーを説得しチームがまとまっていくくだりに感心。チームを導いた真の理由も別にあって…というエピソードが印象的でした。

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    2025年02月17日
  • 今だけのあの子

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    女の友情を書く短編集
    しかし各タイトルから見るにどれもこれも不穏な感じが……

    でしたが何と嬉しい裏切られ方
    なかなか良いお話しばかりでホッとしたと言うか面白かったです

    読んでよかった一冊です

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    2025年02月15日
  • バック・ステージ

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    同じ「舞台」に様々な主人公が関わる物語で、パワハラ上司の横領の証拠を掴むつもりが紆余曲折あって舞台に辿り着く者や、実際に舞台に出ている者の演技での葛藤など、バリエーション豊かな物語が少しずつ繋がりがありおもしろかった。解説にこの物語自体が舞台の一幕一幕のようだとあったが、康子と松尾のドタバタ展開から始まり、途中に演者(主役、ちょい役)たちの演技への想いが回想・暗転を通して瑞々しく語られていて、コンパクトながらも多彩な物語の数々は確かに丸ごと舞台にして見てみたいと思えた。嶋田ソウが魅力的。パワハラが具現化したような人物だが、彼を通して演技の本質に気付く者や、「嶋田ソウに比べれば」と、自社の怖いと

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    2025年02月11日
  • バック・ステージ

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    ずっと前から気になってましたが面白かったです。
    とある舞台を中心とした観客や出演者視点で繰り広げられる短編集です。
    一つ一つのお話に明確な繋がりはありませんが、この人物が実はこのシーンに出てきたこの人で…みたいなのはちらほらあります。

    芦沢さんといえばイヤミスのイメージでしたが、この様な群像劇系もお上手なんだなと改めて作者さんの実力を実感しました。
    芦沢さんならではの心理描写の巧みさに、登場人物一人一人の心情や立場にとても共感できました。
    特に母と息子の話と二人の大学生の話が好きです。
    最後のオチも、個人的にはまさに地の文、そして作者さんの思惑通り「こうきたか〜!」となりました。

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    2025年02月09日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    悪い事って隠せない。選択を迫られる瞬間、保身のために人は嘘をつきたくなる。汚れた手をそこで拭きたいから。その手を拭いた場所どうやって綺麗にしよう。他の物で拭くから…汚れは頑固になって後悔するんだ。

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    2025年10月19日
  • カインは言わなかった

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    ネタバレ

    単行本を読んだが、文庫本による解説や後書きが読みたい。。脳の情報量のキャパをこえる。。

    凪良ゆう氏との対談本で『ぼくの神様』を怖い、と言っていたが本作もなかなか。。

    複数目線からなる作風にて
    冒頭の刺すシーンは誰が誰を、と思いながら読み進める。
    結果、一番順位の低かった登場人物にて驚いた。動機や行動について理解が及ばないというか。。

    「見て覚えろ」というのは時代遅れ、パワハラ禁止、という現代でこういった限界ギリギリまで突き詰めないと得ることができないジャンルの関係者達はどう対応しているのだろう。
    全肯定するわけではないけれど、ネット検索や最初から答えを教えて貰った問題というのは回答を忘れ

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    2025年01月28日
  • だから捨ててと言ったのに

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    「だから捨ててといったのに」から全ての物語が始まる短編集。作者によって「何を捨ててと言ったのか」を読むのが楽しいですね。昔星新一の「ノックの音が」を読んだときのようなワクワク感があります。普段あまり本を読んでいないので、この手のタイプの短編アンソロジーはいろんな作者さんの作品を一冊でたくさん読めるのが本当にありがたいです。多分読書家の方なら、作者を伏せても「この話はこの人が書いたのかな」と分かるのかもしれないなと思いました。そういう楽しみ方をしても良いのかも。
    真下みこと「お守り代わり」
    五十嵐律人「累犯家族」
    芦沢央「久闊を叙す」
    多崎礼「海に還る」
    谷絹茉優「猟妻」
    こちらの5編が特に好き

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    2025年01月20日
  • バック・ステージ

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    似鳥鶏の市立高校シリーズ・柳瀬沙織さんを思い出してしまったのは私だけ?

    帯のとおり。
    人生も、面白いのはいつも舞台裏。

    娘のバレエ教室の発表会、袖幕の仕事が妙に楽しかった。娘の踊りとか正直どーでもよくて、いかに舞台をきっちり回すかに夢中になっていたのに、同じ係のママさんに「ゲネプロか本番かは必ずみんな客席から見られる様にしよう」と提案された。いや、自分舞台裏の仕事が楽しくて仕方ないから客席には行かなくていい、と言ったのに、「そういう事言う人がいたら遠慮して見に行けない人がいるでしょう?」と責められて追い出された。お陰で本番、詰めが甘くて肝を冷やした。彼女は娘の精一杯を見届ける事こそが至上の

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    2025年01月18日
  • 神の悪手(新潮文庫)

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    小説に限らず、将棋を題材にした作品に触れるのは初めてだと思うんだけど、こんなにも色々な面において豊かな作品が出来上がるんだということに驚いた。

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    2025年01月13日
  • 魂婚心中

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    2025.1.9~2025.1.12

    二十五万分の一と、九月某日の誓いが特に好きだったかなぁ
    全体的に読みやすいSFミステリでした

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    2025年01月12日
  • 魂婚心中

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    名前だけずっと拝見していた初読の作家さんでした。6つの短編集ですが、現実世界と地続きのSFという側面の作品からは三崎亜記さんのようなイメージを受けました。ハイファンタジー的な現実離れしたSFよりはそういったものの方が好みなので、なかなか良かったです。

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    2025年01月09日
  • 罪の余白

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    ネタバレ

    だけどもう、ああ、間に合わない。
    の2回目の登場で慌ててメモ。1回目でも十分死の間際を表していたと思ったけど、ダブルミーニング。

    だから、自分はこうなってもなお生にしがみついてきたのではないか。自分が死んだら、誰が加奈を覚えていてくれるのだろう。もうマスコミでは取り上げられることもない。加奈の祖父母だってあと何年生きられるかわからない。月じクラスの子たちだって、今は衝撃を受けていてもすぐに日常に戻っていってしまうだろう。だとすれば加奈は、自分がこの世に存在したという証をどこに残せばいいのか。

    これまでの芦沢央ほどのどんでん、という話ではなかったが、狡猾な悪女と父親の駆け引きがスリリングで読

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    2024年12月21日
  • 罪の余白

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    この人、追い詰められる側の人間を描くのが本当に上手い。
    気づけば同調して自分もハラハラしている。
    彼女達の浅薄を嘲笑いながらも、全く理解できないわけじゃない。
    自意識過剰、一人行動が恥ずかしい、教室内のヒエラルキー。
    日々そういうものを感じながら、学生時代を送った人は多いんじゃないかな。
    でもそうか、ただやり返すだけが復讐ではないのか。

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    2024年12月18日
  • 斬新 THE どんでん返し

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    白井さんの短編が気になって購入。斬新どんでん返しではないけれど楽しめる一冊。
    白井さんのは短編でもしっかり多重推理入れてくるところが好き。あとわかっているのに、最初の方からあちこちに伏線ありまくりなのが、これこれ〜となる。内容が内容なので人には勧めにくいけれど好きだなぁ。

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    2024年12月14日
  • バック・ステージ

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    初めての芦沢作品。
    生きづらさを抱えて日々を過ごしている登場人物が繊細なタッチで描かれている。
    読み進めるにしたがってそれぞれの伏線がいつの間にか自然に繋がっていくのが心地よかった。

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    2024年12月08日
  • 僕の神さま

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    ネタバレ

    1章で感動してたら次の章から突き落とされた。
    虐待許さない。

    好きじゃない相手でも生理関係は女同士で助け合うのあるあるだよね〜!

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    2024年11月19日
  • 猫ミス!

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    今まで4作品くらい"猫のアンソロジー"を読んでいるけど一番面白かったかも。

    ただ、
    ミステリーというよりイヤミスっぽかったり、
    ホラー要素もある作品もあるので、表紙のポップさには似つかわしくないかな。

    後半の作品が特に楽しかった。
    個人的には、『オッドアイ』が好きかな。
    『呪い』の嫌な後味の終わり方も好き。

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    ↓以下、大まかなあらすじ。

    ●新井素子『黒猫ナイトの冒険』
    ⇒日常ほんわか系。
    まだ子猫で元野良、黒猫(ナイト)目線の話。
    カラス(キング)との戦い。

    ●秋吉理香子『呪い』
    ⇒日常~イヤミスへ。
    猫好きな大学生…ぼ

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    2024年11月12日
  • 神の悪手(新潮文庫)

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    ネタバレ

    将棋はまったくわかりませんが、それにまつわる人々の心情が、痛いほど伝わってきました。自分自身がその場面に出くわした時のように、一番辛い未来はどんなものなかの、何通りもの先を想像して、不安が押し寄せる。といった感じの繰り返しで、疲れました(笑)

    将棋がわかるともっと面白いんでしょうか。将棋が楽しめる能力が欲しかったです。

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    2024年11月10日