ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
俺はなぜ、もっと早く引き返さなかったのか――。棋士を目指して13歳で奨励会に入会した岩城啓一だったが、20歳をとうに過ぎた現在もプロ入りを果たせずにいた。9期目となった三段リーグ最終日前日の夕刻、翌日対局する村尾が突然訪ねてくる。今期が昇段のラストチャンスとなった村尾が啓一に告げたのは……。夢を追うことの恍惚と苦悩、誰とも分かち合えない孤独を深く刻むミステリ5編。(解説・斜線堂有紀)
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
買ってから将棋が題材だと気づき、不安に思いつつ読み出したものの杞憂だった。国宝を読んだ時も感じた、極める者の物語の美しさ、切迫感、切なさがある。将棋を知ってたらもっと楽しめるとは思うけれど、知らなくても物語の大切なところは十分味わえると。
被災経験のある棋士と避難所の性被害から逃れようともがく少女、プレッシャーにあえぐ奨励会員とアリバイ作り、詰将棋誌の編集と特殊な教義の宗教に洗脳されていた元少年、20代半ばと40代半ばの棋士のタイトル戦に潜む生き物、師弟対決に挑む棋将と対局前検分に赴く駒師。棋士に対する憧れがあるという著者による、「将...続きを読む棋」という独特な世界における機微を様々な切り口から描いた5編。この勝負の世界に漠然とでも関心がある人ならば、きっと響く言葉がある。
将棋ミステリ短編集。「将棋」という論理のゲームから、人間の心理を解き明かす。特に「弱い者」に隠された巧妙なトリックは、鬼手と言えるほど衝撃を受けた。また、表題作「神の悪手」は、人生を賭けて戦う者たちの心理が描かれており、そこにはミステリの「絶対に見破られたくない」という犯人の心理と重なる場面があった...続きを読む。
p87「負けましたと口にするたびに、少しずつ自分が殺されていくのを感じた。費やしてきた時間、正しいと信じて選び取ったこと、自分を自分たらしめるものが、剝ぎ取られていった。無限の可能性を秘めていたはずの駒たちは窮屈な場所に閉じ込められ、恨めしそうに啓一を見上げていた」
「将棋」にまつわる五篇からなる短編集。 巻末の解説によると作者さんはなかなかの将棋好きらしく、そういえば以前、藤井聡太の対局に作者さんがこっそり映っていたけれど本作を書くための取材だったのかな? 作中には実際に将棋を打っている人にしか書けないような臨場感が醸し出されていて、読んでいてハラハラした。...続きを読むとても面白かった。 ちなみに「将棋」をテーマにしているとはいえ、将棋の知識がないと読めないということは全くない。将棋はあくまでも世界観のひとつであって、中心となるのはその世界観の中で悩む人間たち。 特に印象深かったのが「弱い者」と表題作の「神の悪手」で、「弱い者」は被災地支援の一環として行われた将棋大会にプロ棋士の主人公が参加し、一人の「少年」に出会う、という物語。被災地の実際は過酷で、「少年」にとって将棋を打つという行為はそこで生き抜くための一つの手段となっていた。ラストで「弱い者」のイメージがひっくり返えされるのが痛快。 「神の悪手」はザ芦沢さんといったところ。とにかく主人公がじわじわ追い詰められていく様がとても苦しく、心地よい。明日に仕事を控えた日曜日の夜なんかには絶対に読みたくない作品。もし読むなら心をリラックスさせた状態で読みたいところ。 他の作品も良作揃いで、まさに傑作短篇集といえるのでは? というわけで文句なしに⭐︎5つ。
芦沢央さんの短編集。この本の短編は、全て将棋をテーマに扱っています。”将棋の短編でミステリーが成立するのか?”と思いましたが、読んでみたら見事に著者の作り出す世界にハマってしまいました。 アマチュア大会優勝者の小学生がプロ棋士とのイベント対局であと一手での詰みをことごとく外す手を選択する。優勝する...続きを読むほどの棋力がありながら、なぜそのような指し手を選択していたのか。読み間違いではなく”対局を敢えて終了させない”ための選択の裏側には盤面以外での悲しい戦いが絡んでいた…「弱い者」 三段リーグ最終戦前日に訪問してきた友人棋士。ところが、ふとした不注意と悪い偶然から主人公である棋士は、彼の死に関わってしまう。訪問時に彼から示された対局の展開を予測した棋譜通りに対局を進めれば、自らのアリバイが成立する。プロ棋士へ最後のチャンスである対局において、アリバイを成立させる保身と、棋士として自らの判断で指し手を選択する矜持のはざまの葛藤の末に主人公が選択した手は…「神の悪手」 他短編3編とも、将棋の知識が無くても十分楽しめる内容でした。芦沢央さんにちょっとハマっていますが、本書も期待を裏切らない完成度でした。
宮崎空港で購入。全編将棋に絡むミステリー。将棋を知らなくても楽しめる。個人的には一遍目の細い腕が好き。
将棋を題材とした短編集。 将棋を知らない方でも楽しめる作品だと思います。 悪手というのは文字通り、失敗な悪い手という事。 どれも、なぜその悪手を指してしまった(指された)のか、ホワイダニット(Why done IT)を求める短編。 勝たない為に指す悪手、自分の未来に繋がると信じて指してしまった...続きを読む悪手、自分の世界と実世界の乖離があったために指してしまった悪手、そしてなぜ悪手を指してしまうのか指したらどう自分と折り合いをつけるのか、指した当人にとっては良手でも他人には悪手に見えたり様々。 将棋ミステリーとして、どれも面白かった。 奨励会の辛さとか詰将棋とか、将棋を知っているとなお面白く読めたかとは思う。 それでも、万人におすすできる作品でした。
将棋をテーマにした短編5編。どれもが違った角度から将棋を扱っていて、さすがの芦沢央。とくに「ミイラ」は将棋のルールと少年の境遇を見事にシンクロさせていて衝撃的だった。相変わらず面白い。
将棋を題材にした5つの短編集。 さまざまな境遇の登場人物が、それぞれ人間が持ちうる葛藤などの複雑な感情を将棋というテーマを通して表現している作品。 よく将棋のテーマでここまで多様な人間模様を表現できるなと驚かされた。謝辞のところでいろいろと取材をしてそうだったから、たくさん情報を集めて試行錯誤...続きを読むをしたんだなと感じた。将棋の世界が持つヒリヒリ感を感じながら、でもどの登場人物もちがうヒリヒリ感や葛藤が伺える素晴らしい作品。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
神の悪手(新潮文庫)
新刊情報をお知らせします。
芦沢央
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
火のないところに煙は(新潮文庫)
おまえレベルの話はしてない
汚れた手をそこで拭かない
神様の罠
雨利終活写真館
KADOKAWA発 面白さ絶対保証!俊英ミステリ3作品試し読み合本
いつかの人質
今だけのあの子
「芦沢央」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲神の悪手(新潮文庫) ページトップヘ