芦沢央のレビュー一覧
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読み終えて「なるほど、そういうことなら…」と一応の説明はつくものの、事件の流れを振り返るとどうにも腑に落ちない感じが残りました。
物語の中心にあるのは、紗英と奈津子の“密着しすぎた関係”。ただ、彼女たちが抱えている孤独や焦りは、周囲の人間が特別ひどいわけではなく、どちらかというと思い込みや勘違いが積み重なって自滅していくようにも見えました。作中でクレーマーっぽい人物も出てきますが、あれも立場を考えれば「まあ言いたくなるよね」と理解できる範囲で、そこまで追い詰められる理由には感じられず…。
個人的にクスッとしたのは、事件の凶器となる“アレ”。
最近読んだ別の作品でも同じものが登場していて、そ -
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本作は、元刑事の平良正太郎が知人の依頼で何気ない事件を調べるうちに、驚くべき真相を見抜いてしまう連作短編集である。
読みどころは、平良の「視点」の鋭さだ。普通に見ていれば見過ごしてしまう些細な綻びから、逆転の発想で真実を組み立てていくプロセスには、刑事として培われた圧倒的な発想力が光っている。
しかし、真相が明らかになるにつれ、物語は単なる謎解きの快感では終わらなくなる。嘘を取り繕おうとする人々の背後には、常に昏い動機や出口のない執着が潜んでいるからだ。社会的な正義を貫き、真実を暴くことが、必ずしも関係者を幸せにするとは限らない。知らなくてもいい真実に触れてしまう平良の姿を通して、「真実の持つ -
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この本に収められている物語は、どれも一見するとどこにでもある日常の風景から始まる。友人との何気ない会話や、ありふれた関係性。しかし、ページをめくるごとに、その平穏な表面は音を立てて崩れ、中から剥き出しの感情や歪んだ執着が顔を出す。些細な一言や沈黙がきっかけとなって、関係が取り返しのつかない方向へ傾いていく過程は、決して派手ではないのに妙に現実的で、目を逸らしたくなるほどだった。
特に印象に残ったのは、表題作にも通じる「人間関係の危うさ」だ。登場人物たちは皆、心のどこかに「悪いもの」を飼っている。それは悪意というよりも、あまりにも純粋すぎる願いや、他者への過剰な期待のかたちをしている。相手に理 -
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私の読書経験の中では澤村伊智の『予言の島』や十角館の殺人に並ぶ、“衝撃の一行”系ミステリーでした。
中盤で事件が起こるまでは、ひたすら要領の悪い女性の人生と、その周囲の人々の証言を追っていく構成。
「これは何の話なんだろう?」と首をかしげながら読み進めることになります。
ただ、その中で女性同士の依存や、歪んだ友情のような感情がじわじわと浮かび上がってきて、
なんとも気持ちの悪い女たちの物語だな……という嫌な空気が漂い続けます。
そして訪れる、衝撃の一行。
そこで一気に全体像がつながり、「なるほど!」というカタルシスが押し寄せました。
序盤の不穏で重たい空気とは対照的に、後半はかなり納得 -
Posted by ブクログ
序盤は何を読まされているのか分からない感じで進んでいきます。奈津子と紗英の歪な友人関係に不快感を覚えました。
中盤ではある事件が発生。
ドンドン読む手が止まらなくなり始めました。
奈津子と紗英が都度間違った判断をし続けるので、やきもきしながら読んでいました。
終盤は一気読み。怒涛のどんでん返しラッシュがすごかった。終盤に行き着くまでの間で「これどういうことだろう?」とか「なんか日本語が微妙に変だな…」と思っていたところがどんでん返しで伏線回収されて、脳汁が溢れ出しました。
この作品って、親の影響が子の性格を良くも悪くも形作ってしまう、ということが言いたかったのかなぁ。そういう点で、考えさ