芦沢央のレビュー一覧

  • ハザードランプ

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    芦沢さんの短編集ということで、イヤミスを欲している気分だったため本作も手に取りました。物事の解釈や見る角度が変わることで、起きた事件の意味が変わる楽しさを味わえるそんな作品だったかなと思います。

    本作は6編からなる短編集であり、題材としてはすべてミステリー。アルバイトに興じる大学生のお話から、卵焼きをめぐる親子の物語など、割と日常ミステリーが多めの短編集です。

    個人的に1番印象に残ったのは、大学生のアルバイトのお話である、「車止め」です。明らかな闇バイトにのめり込んでしまう主人公が迎える結末と、親友に隠された秘密のどうしようもなさが良い感じに胸糞悪くて、これぞ芦沢さんに求めているものだなと思いました。

    比較的簡単に読める作品ですし、ほど良い毒気なのでちょっとスリルを味わいたいなぁという人にはおすすめかなと思います。

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    2026年09月25日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    ネタバレ

    人のせいなのか。超常現象的なものからなのか。これらが相まってこうなったのか…あの占い師は何者なの。
    榊さん無事でいて欲しい。

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    2026年09月24日
  • ハザードランプ

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    凄惨な大事件や強く深い絶望ではなく、日常の中に潜む人間関係の小さな違和感におや?あれってもしかして?と思わせる、心をざわざわさせる作品。

    家族、親友、恋人。
    一番近くにいて、それでいて他人である者の知らなかった顔に気付く瞬間、息が浅くなるよね。

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    2026年09月24日
  • いつかの人質

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    12年前、誘拐された少女。そして再び起きた誘拐事件。目の見えぬ少女はなぜ、再び狙われたのか。

    冒頭の「間違い誘拐」には一気に引き込まれたものの、二度目の誘拐は途中から少し中弛み。
    一度目は善意から始まったものが、思わぬ方向へ転がってしまった事件だったのに対し、二度目は犯人のエゴが全面に出ていて、なかなか共感できない。読み終えてもモヤモヤが残った。
    ただ、事件を通して愛子が成長していく姿には、よかったなぁと思える部分も。

    江間夫婦は、お互いに「運命の相手」なのだろうけれど、その深い愛情は一歩間違えば狂気にもなり得る。

    「誘拐事件の謎」そのものよりも、誰かを思う気持ちが、いつの間にか相手を縛ってしまう怖さが印象に残った作品。

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    2026年09月23日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    警察小説は「教場」等に代表される様にページ数を使ってこその醍醐味と思うが、本企画は短編それぞれにそのエッセンスが上手く発揮されていて楽しめた。
    収録5編の内、一番ページ数多い「コールバック」はストーリー発端のいじめ問題が曖昧のまま終了なのがどうにもスッキリしない。

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    2026年09月22日
  • 許されようとは思いません(新潮文庫)

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    読み進めるごとに状況が悪化していくようなイヤミス作品。さらに前提条件が覆されるようなオチもある。作者が読者に与える前提条件・固定概念のようなものと、実際の物語にはズレがあり、それが物語の中で歪みとなり、いいモヤモヤ感になっていると感じた。
    特に「姉のように」はそれが分かりやすく表されていた。
    この小説は人間心理の暗部を巧みに書き出してると紹介されてるが、ほぼ全ての主人公たちは、何かしらから逃げるために罪を犯してるのが特徴的。

    「絵の中の男」にある一説が、この小説の裏テーマなのでは?とも思う。
    「たとえ元がどんなに常識的な人であっても、殺人という常人では越えることのない一線を超えた瞬間は異常だった。その異常さは当人にとって禁忌を犯すほどに切実な動機から来ていたのだろうと憶測できるだけです。」

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    2026年09月21日
  • もの語る一手

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    作家たちの将棋にまつわる短編集

    将棋の世界とは
    いつまでも夢を追えない世界
    一握りの天才がいる世界
    それでも夢を諦めきれない世界

    真剣師なんてのもいるのね
    棋士になりたいけど手軽になれるものではないからこそ
    夢となる

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    2026年09月21日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    ネタバレ

    警察官や元警察官を主人公にしたアンソロジー。

    米澤穂信「お見通し」
    安楽椅子探偵物のエッセンスが効いたとても短い小説。

    方丈貴恵「メゾン・イニシエの怪」
    著者の小説はアミュレットホテル以来になるが、都度、特殊な場面設定を作っての謎解きが特徴。

    荒木あかね「プライドの隙間」
    得意のクローズドサークル。今回は警察署内。
    警察官の拳銃自殺の原因と拳銃の捜索が並行して進んでゆく。

    松嶋智左「家につく猫」
    初読の作家さん。
    面白そうな出だしだったが失速してしまった。
    長編を読んでみたい。

    芦沢 央「コールバック」
    こちらも初読の作家さん。
    5作の中では最も面白かった。謎の人物の登場から一気にラストまで突き進むスピード感がいい。読後に余韻を残す秀作だと思う。
    ぜひほかの小説も読んでみたい。

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    2026年09月20日
  • 裏切りの捜査線 警察小説アンソロジー

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    テーマが決まっており、短編なので読みやすかったです。個人的には米澤さんの内容が一緒に考察できた感じがして好きでした。

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    2026年09月20日
  • 悪いものが、来ませんように

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    院試の待ち時間に一気読み。完全にミスった、もっと明るいの読めばよかったと思いつつもページをめくる手は止まらなかった。
    叙述トリックには驚いたが、それよりも登場人物のヤバさに驚く。
    聞き込みから徐々に事件の概要がわかってくる構造は好きだが、最後にモヤッとしたまま終わりすぎている気がしたので個人的な評価は少し低め。
    妊娠、出産、子育てについて深く考えさせられる1冊。

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    2026年09月19日
  • 汚れた手をそこで拭かない

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    芦沢さんだし、きっとモヤモヤを残したイヤミスな終わり方をするんだろうな、と読み始めた短編集。

    どの短編も、ほんの些細な出来事や選択から始まり、終盤になると一気に畳み掛けてくるような恐怖がある。

    「あのときこうしていれば」 「そもそもあれをしなければ」

    そんな「たられば」を考えてしまう話が多く、登場人物にも自業自得と言えてしまう部分がある。

    最後の「ミモザ」くらい理不尽さと狂気を見せつけられても、やっぱり自分から踏み込んでしまった部分もあるし、なんとも言えない。

    怖さはある。嫌な終わり方もする。 でも、求めていた「読み終えても処理に困るようなモヤモヤ」には今一歩及ばず。

    ただ、『汚れた手をそこで拭かない』というタイトルはやっぱり秀逸。 手を汚したことよりも、その汚れをどうにかしようとして、さらに別のところまで汚していく。

    タイトルを眺めながら五篇を振り返ると、なるほどな、と思わされる一冊だった。

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    2026年09月18日
  • ハザードランプ

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    人間の弱さ、歪みがじわじわと書かれている。
    全ての話が私たちに考えさせるような終わり方になっていて、芦沢央さんぽいゾクゾクする感じは少なかった印象。

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    2026年09月17日
  • おまえレベルの話はしてない

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    タイトルに惹かれて読み始めた。

    将棋の世界の厳しさを目の当たりにした。
    芝の苦しみを様々な表現で文章にする芦沢さんすごいなと終始感心しながら読んだ。
    強くなりたいが自分の限界や他者との実力の差に苦しむ、将棋に向き合わなければいけないけれど立ち向かう気力も失いつつある。
    (絶対違うが)終わらない夏休みの宿題に追われている感覚と似ているなと思った。

    大島の話を通してみる芝も面白かった。

    将棋を続ける方も辞める方も同じだけの苦悩がある
    のだと2視点から見える良さもあった。

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    2026年09月17日
  • あなたが正しくいられたとき

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    ※
    あなたが正しくいられたとき
    代償
    薄着の女
    立体パズル
    待てば無料
    投了図

    どの話も、少しずつハッとさせられて、
    絶妙に人間心理の隙間や影部分を見せれる。

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    2026年09月16日
  • あなたが正しくいられたとき

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    芦沢央さんの短編ミステリ。
    約10年に渡って色々な媒体で書いてきたジャンルレスな短編が集められています。
    子どもが出てくる作品は、子どもを思う親の切実な心情が描かれていて、お子さんを持つ芦沢さんならではの視点だなぁと。
    他にも、意外な人間の心理に気づかされる作品が多く、楽しめました。
    が、全体的にサラッとしているというか、ちょっと物足りない感もありました。

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    2026年09月16日
  • 嘘と隣人

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    元刑事の目線で、小さな嘘がきっかけで起きる事件を淡々と解決?していく話でした。
    定年後の男性刑事が主人公だからか、ずっと冷静で、とはいえ全くの無感情ということもなく、かなり読みやすかったです。
    最後の話が分かりづらくて、それがちょっと残念だったかなぁ…。おそらく、自分可愛さについた嘘が、周りめぐって他人を傷つける、的な小話の詰め合わせだと思うんですけど、なんで最後の話をこれにした?って感じでスッキリ終われず残念。

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    2026年09月13日
  • あなたが正しくいられたとき

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    読みやすいけど、最後のオチがとにかく自分にはよくわからなかった。伝わった上で分からないとかでなくて、ホントにどういう意味でドンデン返しになってるのかわからない、、、

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    2026年09月12日
  • あなたが正しくいられたとき

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    2017年から2026年までに発表された6編からなる短編集。

    誰もが持っている自分の中の「正義」が誰かに害を与えることがある。
    それは、信じた正しさを守るためだったり、誰かを守るためだったりする。

    芦沢央さんが描く「正義」のカタチに、心がヒヤリとする1冊だった。

    正義が誰かを苦しめるのではなく、相手の正義も許容できるようでありたいと思った。

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    2026年09月12日
  • おまえレベルの話はしてない

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    人間誰しも何かを諦めた経験はあると思う。諦める理由を探してのかなと、自分の過去の経験に重ねて読みました。心理描写は良かった。

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    2026年09月11日
  • 火のないところに煙は(新潮文庫)

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    ネタバレ

    筆者が怪談を執筆する過程で起こった出来事を記述するモキュメンタリーホラー。
    最後にはフィクションであると分かるが、筆者が実際にXにポストしていたりして、実際に起こったことなのかと思ってしまった。それぞれの短編の背後にある関係が見えてくるミステリ的展開から、その内容に背筋がぞっとした。自分は霊的なものは信じていないけど、将来家の購入を検討するときにどうやっても気になってしまうなあと思った。
    タイトルである「火のないところに煙は」。立たないと言うことはできなくて、周囲から漂ってきたものや、自分にまとわりついてしまったものも考えると、火がなくても煙は立つ。引いては”非”のないところにも煙は立つと言えるのではないだろうか。そんなどうしようもない理不尽なことを考えてしまった。

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    2026年09月10日