芦沢央のレビュー一覧
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ネタバレ書き出しが『だから捨ててと言ったのに』から始まる短編集。様々な作家さんがこの一言からそれぞれの物語を紡ぐので、本当にいろんなジャンルの話が読めるのが面白い。
個人的に印象に残っているのは多崎礼さんの『海に還る』、摩耶雄嵩さんの『探偵ですから』かな。短いからこそ、その世界にスッと入り込めてわかりやすい話が好み。『海に還る』は人魚の話で多崎さんの作品らしいファンタジーな世界観が8ページにまとまっていて良かった。『探偵ですから』はとにかくわかりやすい作品で読みやすかった。短い話なのに、物語の登場人物の心情もわかりやすかったし、飼ってる犬がしゃべりだすとか少し怖い感じもするけど、主人公が助かって良か -
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ネタバレ錚々たるメンバーの短編集。
乾くるみさんの作品はよく使われる書き方で、今までならまた騙されたーと思うところでしたが、今回の話しでは何故か、まぁそうだよな、自分が勝手に決めつけて読んでたし、そうゆう解釈も最初から出来てたよねとすんなり納得してました。
米澤穂信さんの作品に関しては凶器がそれかー!とゆう驚きと「刺してはいない。刺さったんだ」とゆうセリフがいい感じの余韻を残してくれたので好きでしたね。
芹沢央さんは、他の作品では結構暗い、嫌な気持ちが残るイメージが強かったのですが、今回の話しでは少しの寂しさと少しの感動が残るまた違った印象を持てたストーリーでした。
大山誠一郎さんは初めて読ませて頂 -
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『将棋は決断のゲームである…決断をテーマに書かれた一挙8編の短編集』という紹介文に惹かれて読みました。
将棋は子供の頃に親に教えてもらって2、3度指したことがある程度でほぼルールも難しいことも分からない状態で読みました。分かってた方が面白いんだろうなぁと思う物語もありましたが、全体的に、話の筋に関わる程度に上手に解説が挟まっていて、あまり調べたりせずに理解でき、読み進めることが出来ました。
強く印象に残ったのは、葉真中顕さんの『マルチンゲールの罠』、白井智之さんの『誰も読めない』でした。
『マルチンゲールの罠』は、最後の最後で、見えている世界がグルンとひっくり返るような感覚がお見事で、読み終 -
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ネタバレ他作品の外伝のようなものもあったりして、一話だけでは何とも。。な作品も。
「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ
→大人になったら何でもないことが、初めての時はそうだよな、と懐かしくなる。
『大人はすっかり忘れているかもしれないけど、十代の子供にとって、誕生日は大きな節目だ。』
「表面張力」凪良ゆう
→この奥さんを怖い、と思うかどうかは人次第だろうけれど、逆に自分の想いに素直で、かつ波風たてずである意味可愛らしいのではないかなぁ、とラスト夫の想いにもやっとしてしまった。
『どちらも間違っていない。スタイルが違うだけ。』
『誰かを嫌うというのは心の負担になるからだ。…見ないふりをすればいいだけなのに -
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ネタバレ凪良氏との対談に登場した本。
最後怖い、との事だが全く予想外の方向性であった。
小学生5年生。中学生ほどではないけれど、低学年のようでも無く、対人関係や個性など他人と比較し始めたような。。
けれど「神様」と呼ばれる彼は本当に別格である。
主人公も割と冷静に周囲を観察するタイプだろうか。
美術の絵の具の回では、道徳の教科書にも似たような話があったのでそうではないか、とも思ったけれど
本当に別の意味での血液だったら酷い虐待だけれども。。どっちだったのだろう?
もしこんな事件がなかったら、主人公の初恋?の思いや行動は全く違ったものになっていただろうに。。
ラスト、小学生時代、自分だったらそこ -
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短編集。読み始めて知ったんだけど、どれも将棋が題材になったお話だった。小説は内容をできるだけ何も知らない状態で読みたくて、普段から裏表紙のあらすじとか帯の宣伝文句もなるべく目を背けてるんだよね(笑)。帯に羽生善治さんの名前があるのが目に入って、不思議には思っていた!
将棋のことはほぼ何もわからないので、楽しめるかなーと少し不安になりつつ読み進めた。
局面についての描写や、駒がこう動いたらこうなってしまうというような部分は、案の定、ちっともわからないので読み流した感じ。それでもストーリーはちゃんと把握できたし、将棋に関わる人々の情熱と将棋の奥深さを少しだけ垣間見ることができた気がした。意外な -
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ネタバレ安藤聡
動物行動心理学が専門の大学講師。
安藤加奈
聡の娘。八歳の頃に母を亡くした。創律女子学院高校。学校の四階から転落して亡くなった。
安藤真理子
聡の妻。八年前に二年半にわたる闘病の末に病死。
小沢早苗
聡の隣の研究室。二十九歳にして助教授に就任。
小沢浩志
早苗の担当教官。教授。
木場咲
加奈のクラスメイト。小さいころから「可愛い」と言われ慣れており、芸能界に憧れている。
新海真帆
咲のクラスメイト。咲は真帆にとって憧れの存在。
間宮恭子
中学三年の時、咲や真帆のクラスにやってきた学校のOGの教育実習生。
笹川七緒
加奈たちのクラスメイト。
香山みどり
加奈たちのクラス -
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普通分娩か帝王切開か。有痛か、無痛(和痛)分娩か。
そんなもので子供に対する愛情が変わるわけがない。
けれどもそれに対して良いとか悪いとか周りが言うことで産後の母親は自信をなくしてしまうのだ。
小さく産んだこと、病気を持ったこと、早く産んだこと。
悪いことなんかしていないのに、母親は自分を責める。
周りは赤ちゃんのことで頭がいっぱいで、心も体もボロボロになった母親のことは二の次三の次。
それでも母親はこの弱い生き物を育てなければならない。
でも、私に、そんなことできるんだろうか?
自ら子供を取り替えた繭子には同情する。
自分の子供が幸せになって欲しくて、そして少しだけ郁絵への暗い気持ちがあっ -
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ネタバレ誘拐事件を題材にしているけれど、ここに登場する人々の心理に引き込まれてハッとさせられることが多かった。一番はやはり被害者の愛子。彼女を通して、視覚を閉ざされた人が被害に遭う危険性の高さについて、その心細さや恐怖について、たくさんのことが伝わってきた。人の手助けが必要なのにどこかで人を信じ切ってはいけないという、相反する感情を持ち合わせて日々生活していくのは想像以上に神経を使うと思う。幼い頃の誘拐事件を通して歪になってしまった家庭が、娘の勇気と自立によって今やっと正しい方向に向かい始めたのかもしれない。愛子の諦めない姿勢には希望のようなものをもらった。とても眩しい。
礼遠はどこか何かが欠落した人