村田沙耶香のレビュー一覧
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地球とは大きな工場で自分たちはその為の道具でしかないという考えを持つ菜月視点で読んでいるうちに我々地球人の方が醜く感じてくる。
それでも秋級の家でポハピピンポボピア星人として暮らし始めた3人の様子は狂気的に思えてしまった。
全ては生き延びるためにという基準の元にあるゆる物事に対して合理的な判断を下していくが、人肉を食べることや当たり前に男性が妊娠する様子はまだ地球星人の自分にとっては衝撃だった。
菜月達が「みんな宇宙人の目を持っているが地球星人に洗脳されて忘れてしまった」というように、宇宙人の目を持って今まで当たり前だと思っていたことに疑問を持つことは大切なのかもしれない。
作中の地球星人のよ -
Posted by ブクログ
嫌悪、不快といった負の感情や感覚が生来自分に根ざしているものと思いやすいのはなぜか
これをしてもいい、くらいならあるけど、これをめちゃくちゃしたいって思えるものはあまり思い浮かばなくて、確実に自信を持って主張できるのは、これは嫌だ、っていう抵抗感だけ
そもそも、好きを探して能動的に生きることを強要されるのが意味がわからない。好きなものを無理やり模索させて開示させて「ほら大丈夫だよ、あなたにも好きなもの、夢中になれるものがあるじゃない」と、安心感が保証されたかのように慰められようものなら、豆腐にかすがい状態、フラストレーション溜まりながらも服従を受け入れる諦めモードに入る。
生きているだけじゃダ -
Posted by ブクログ
どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうした
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Posted by ブクログ
ネタバレ殺人出産はパンチが強かった
ミラクリーナが比較的読みやすかったから、あぁ村田さんって……そうだった……と本物の村田ワールドを思い出した
普通に血が苦手だから最後のシーンは想像するだけで気持ち悪かった
私は人を殺したいほど憎んだことは無いので、一人産むだけでも命懸けで大変な出産を10回もしないといけないなんて考えられないけど
殺したい人がいるけど殺人だと罪になってしまうからできないなっていう人には合理的だったりするのか?
しかも崇めて貰えるならなおさら
自分が死に人として突然電報を受け取ったらと思うとものすごい恐怖
世界の常識は日々変わっていくし、昭和時代の常識が今の常識からしたらありえない