【感想・ネタバレ】地球星人(新潮文庫)のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

地元歩くのが、めっちゃしんどくなった。
自分は今、「変わってる」と思われる対象なんだろうなと思う。多分、東京の工場よりも馴染めていない、部品になれていないことを感じた。

0
2024年04月28日

Posted by ブクログ

あなたは、『工場』の部品でしょうか?

 (*˙ᵕ˙*)え?

私たちは社会の中にそれぞれ一人の人間として生きています。人間が集団社会の中で生きる生き物である以上、そこには社会に適応していくことが否が応でも求められます。特にこの国は他人の目を意識する傾向が強い社会だと感じます。自分が何かをしたいと思っても、まずはそのことが他の人からどう思われるかを意識してもしまいます。

また、そんな社会ではそれぞれに求められる役割というものがあるようにも思います。例えばこんな感覚でしょうか?

 『一つは、お勉強を頑張って、働く道具になること』

どことなく言わんとすることはお分かりいただけるのではないかと思います。私たちには自由があります。しかし、集団社会の中ではこのように一定の役割を求められてもしまう現実があるのです。

さてここに、『私は、人間を作る工場の中で暮らしている』と思う一人の小学生が主人公となる物語があります。そんな主人公が父親の実家のある長野の山里でいとこと大切な時を過ごすこの作品。そんな先に三十四歳になった主人公の姿が描かれてもいくこの作品。そしてそれは、「地球星人」という強烈な書名の数段上をいく驚愕の内容に”クレイジー紗耶香”の極みを見る物語です。

『大丈夫、貴世?お姉ちゃんは山道に弱いからねえ』と『姉の背中を摩る』母親を『バックミラー越しに』見ながら『無言でハンドルを握』る父親は故郷である長野の秋級(あきしの)へと車を走らせます。そんな中に『おばあちゃんの家は、宇宙に近い』と『窓の向こう』を見るのは主人公で小学五年生の笹本奈月(ささもと なつき)。『家族には話していないが、私は魔法少女だ』と思う奈月は『折り紙で作った魔法のステッキと変身コンパクト』の入ったリュックを抱きしめます。その一番上には『これらの魔法道具を与えてくれた相棒のピュートが座ってい』ます。『地球に危機が訪れていることを察知し、任務をうけて地球にやってきた』という『ポハピピンポボピア星の魔法警察であるピュート』から『魔法少女になってほしいと告げ』られた奈月は『変身道具を渡』されて以降『魔法少女として地球を守ってい』ます。その『秘密を唯一知っている』という『毎年お盆にしか会うことができない』『いとこの由宇(ゆう)』に早く会いたいと思う奈月は、そんな由宇のことを『私の恋人だ』と思います。『私たちが正式に恋人になったのは、小学三年生のときだった』と過去を振り返る奈月は、『田んぼの前に流れる小さな川』で『水着になって遊んだ』ことを思いだします。二人になった時、『あのね、私は本当は魔法少女なの』と語る奈月に、『僕も奈月ちゃんだけに言うね。僕、もしかしたら宇宙人かもしれないんだ』と告げる由宇は、『いつか迎えがくると思う』と語ります。それに、『自分の星に帰るまででいいから恋人でいてほしい』と懇願する奈月。そして『恋人同士』になった二人。そんな中、車は到着し迎え入れられた家族。奈月はすぐに由宇のことを探し『皆が屋根裏と呼んでいる部屋』へと赴き二人は再会します。しばらく滞在できることを喜んでいた奈月でしたが、姉が体調を崩し翌朝帰途につかざるを得なくなります。そんな中、『お願い、私と結婚して』と由宇に迫る奈月。『また来年まで会えない』、『結婚してくれたら我慢できる。おねがい』と言われ『わかった。奈月ちゃん、結婚しよう』と同意した由宇。そして、『ピュートが牧師を』務める中に結婚した二人。そんな中、由宇は『夫婦の決まり事をつくろう』と言い出します。『なにがあってもいきのびること』とメモ帳に書く由宇。そして、帰途に着き『私は恋と魔法の中にい』ると思う中に日常に戻った奈月は『私は、人間を作る工場の中で暮らしている』と思いつつ毎日を送ります。『私たち子供はいつかこの工場をでて、出荷されていく』、そして『出荷された人間は、オスもメスも、まずはエサを自分の巣に持って帰れるように訓練され』、やがて『つがいになり、巣に籠って子作りをする』と思う奈月。ある日、そんな奈月が塾へと行くと『私によく用事を頼む』『大学生のアルバイトの伊賀崎先生』から作業を頼まれます。『奈月ちゃんは姿勢が悪いよね』と『シャツの裾から』『入ってきた』先生の手が『背骨を直接撫で』たかと思うと『ブラジャーを掠め』ます。それに『強張』る奈月に『奈月ちゃん、下着はね、濃いピンクじゃなくて白がいいよ』と言う伊賀崎。『わかりました』といそいで塾を後にした奈月は『伊賀崎先生はすこしだけおかしいような気がする』と思います。やがて六年生になった奈月は、伊賀崎に呼び止められ『空き教室』へと連れて行かれます。そして、『これなんだけど』と『白く小さな包み』を出した伊賀崎。『これはね、さっき奈月ちゃんがトイレで捨てたものだよ』と伊賀崎が言うその包みは『生理用ナプキン』でした。捨てる時の『巻き方』の『お手本を見せてあげる…』と続ける伊賀崎に従う奈月。そして、家に帰り『魔法、魔法、勇気が出る魔法。心の中で呪文を唱え』る奈月は『塾の伊賀崎先生が、変なの…』と今までのこと全てを母親に話します。しかし、『そんなこと考えている暇があったら勉強しなさい!』と相手にしてくれない母親。そんな中、『なにがあってもいきのびること』という『由宇との誓い』を思い浮かべる奈月。『もうすぐ夏休み。由宇に会えるまで、あと30日だ』と思う奈月のそれからと、大人になった奈月の衝撃的な未来が描かれていきます。

“恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて…”と内容紹介にうたわれるこの作品。そんな作品には”芥川賞受賞作「コンビニ人間」を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作”と読者を煽るような宣伝文句も付されており、その書名の「地球星人」、さらには頭が地球のような姿になった人間が中央に鎮座するという強烈な表紙もインパクト絶大です。本というものは買ってもらってナンボであり、それを売る側があの手この手で読者の購入意欲を掻き立てます。そんな中には煽りに負けて買ってみたもののなんだこりゃと肩透かしにあった残念な作品も多々あります。しかし、この作品は違いました。読んでいる途中に吐き気を催しそうになり、読後に呆然となり、さらには読書中に頭に浮かんだ光景がいつまでも消えない読後を迎えるという強烈な感覚を味わうことになりました。

そう、この作品凄いです!強烈です!小説とは言え、もう絶対あり得ない、あってはならない場面の登場に、ゲロゲロされる方もいらっしゃるかもしれません!

私は今までに800冊以上の小説を読んできましたが、この作品には、その中でもエベレスト級のインパクトを受けました。ネタバレしないようにそんな作品を三つの視点から見ていきたいと思います。

まず一つ目は物語前半にゆっくりと描かれる奈月の父方の実家の描写です。『長野の険しい山道』を越えた先にある秋級という山里には都会が失ってしまった光景が残っています。

 『不意に草むらに手を伸ばし、何か小さな草を千切った』由宇は、『ぱくりとそれを口にし』ます。『これ、すいこっていって、食べられる草なんだって』と説明され『おそるおそるそれを口に』する奈月。『わ、すっぱい!』、『すっぱいけどおいしいよ』と会話する中に『並んで座って食べ』る二人。

これは、”酸葉(すいば)”と呼ばれる植物のことのようです。”イタドリ”と呼ばれる植物とも似た味がするようですが、『草むら』に生えている植物を『ぱくり』と食べる光景は都会ではあり得ないことであり幼い奈月には大きな衝撃だと思います。しかし、こういった事ごとが子どもたちの心に強く残っていくものであると思います。では、次は 印象的な行事の風景です。

 『今日は迎え火だからね』と言われ川へ向かう奈月。『昼間と違って飲み込まれそうに黒かった』という『秋級の山』を背景に『藁の束を川辺に置いて火をつけると、皆の顔がぼおっとオレンジ色の光に照らされ』ます。『ご先祖さまご先祖さま、どうかこの火のところにおいでください』と声を合わせる面々。『藁からそっと提灯へと火がうつされ』、『「火を消すなよ!」というおじさんの言葉に従って用心深く、家まで提灯を持って』帰ります。『あの火を目印についてきてくださってるんだよ』と語るおじさん。

毎年お盆に秋級の里へとやってくる奈月一家。都会ではお盆だから何?というくらいにその存在感は薄くなってしまってもいますが、この『迎え火』の場面はとても印象的です。のどかな山里の中に伝統として受け継がれてきた行事の風景が描かれる物語前半。この”静”とも言える光景があるからこそ、物語後半の”動”という一文字だけではとても言い表すことのできない強烈な展開がより活きてくるのだと思います。これから読まれる方には、是非このノスタルジックな雰囲気感に満ち溢れる場面をじっくりと味わわれてください。そうすればそうするほどに、後半の怒涛の展開への落差が激しくなります。そう、素直に村田沙耶香さんの術中にハマってしまいましょう!(笑)

次に二つ目は『魔法少女』の登場です。村田さんは書名に堂々と言葉の入る「魔法少女ミラクリーナ」でも『魔法少女』を作品に登場させています。『魔法少女』と言っても読者の年齢(笑)によって何を思い浮かべるかは異なると思いますが、この作品では『小学校に入った年に駅前のスーパー』の『ぬいぐるみ売り場の端っこ』で出会った『ピュート』を奈月が『お年玉で買ってあげた』ことが起点となります。『ポハピピンポボピア星の魔法警察で』あり『地球に危機が訪れていることを察知し、任務をうけて地球にやってきた』という『ピュート』は奈月『に魔法少女になってほしいと告げ、変身道具を渡してくれ』ます。そして、『それ以来、私は魔法少女として地球を守っている』という奈月は『折り紙で作った魔法のステッキと変身コンパクト』をリュックに入れています…と、もう”ナニイッテルカワカラナイ”ことがスラスラと書かれていきます。私は「魔法少女ミラクリーナ」を既読であり、村田さんの作品で『魔法少女』と言われても思わずニンマリとなるだけですが、初めて村田さんの作品に触れられる方には、ついていけない…という思いに苛まれる方もいらっしゃるかもしれません。村田さんは作家さん仲間の間で”クレイジー紗耶香”と呼ばれることもおありのようですが、この吹っ切れ感はハマるとたまりません!そうです、こんなところで違和感を感じている場合ではないのです。

そして三つ目は書名の「地球星人」という言葉です。物語では、奈月の『いとこの由宇』が『僕、もしかしたら宇宙人かもしれないんだ』と奈月に語りかける場面があります。またまたあ…と思う場面ですが、この言葉が全体としての起点となって物語の核が描かれていきます。それこそが、幼い奈月が思うこんな感覚です。

 『私は、人間を作る工場の中で暮らしている』。

『工場』とは何なのか?この作品ではこの『工場』という言葉が全編にわたって象徴的に使われていきますが、それこそが奈月が『私はこの街で、二種類の意味で道具だ』と思い詰めてもいく次のような言葉の中に浮かび上がってきます。

 ・『一つは、お勉強を頑張って、働く道具になること』

 ・『一つは、女の子を頑張って、この街のための生殖器になること』。

『働く道具』、『この街のための生殖器』という強烈な表現が登場しますが、一方で奈月は『どちらの意味でも落ちこぼれなのだ』と自身のことを思います。私たちは”社会の歯車になる”というような言い方をすることがあります。かなりネガティブに人生を言い表す表現だと思います。この作品に記される『工場』とは、その意味合いに似たものだとも思います。

 ・『私たち子供はいつかこの工場をでて、出荷されていく』。

 ・『出荷された人間は、オスもメスも、まずはエサを自分の巣に持って帰れるように訓練される』。

 ・『世界の道具になって、他の人間から貨幣をもらい、エサを買う』。

 ・『やがて、その若い人間たちもつがいになり、巣に籠って子作りをする』。

強烈なマイナス感情のオンパレードだと思いますが、主人公の奈月は、『早く工場の一部にならなくては。世界に栽培されるままに脳を発達させ、身体を成長させなくては』と思い詰めていきます。そして、『世界は工場で、自分は宇宙人だって』という言葉の先に書名である「地球星人」という言葉、概念が登場していきますが、この畳み掛けるような展開は実に見事です。また、物語では『工場』の意味合いがこんな風にも記されていきます。

 『皆、「工場」を信じ、「工場」に洗脳され、従っている。身体の中の臓器を工場のために使い、工場のために労働している』。

この作品を読まれる方は嫌でも『工場』という概念と、その先に来る「地球星人」という言葉に苛まれるような読書の時間を味わうことになると思いますが、そこに村田さんが込められた深い意味合いにこの作品の奥深さと闇を強く感じました。

そんなこの作品は、小学生の奈月と三十四歳になった奈月という二つの時代が描かれていきます。小学生の奈月は、『家族には話していないが、私は魔法少女だ』という一見無邪気な姿を見せますが、その実は『自分がいなくなると三人は、すごく家族っぽくなる』という時代を過ごします。『「消える」という魔法をピュートに習っている』という奈月は、『息を潜めて気配を消す』、そのことによって『三人は三人家族になって、幸福そうに寄り添う』と健気に思います。そして、上記した通り、物語冒頭には、塾講師の伊賀崎に”イタズラ”をされ、それを母親に訴えても耳を貸してもらえないという時代を過ごします。そんな中に奈月の心の支えとなるのが、長野の秋級で毎年お盆に再会する『いとこの由宇』の存在でした。『お願い、私と結婚して』と思い詰める奈月に『わかった。奈月ちゃん、結婚しよう』と応じた由宇。そんな二人は『なにがあってもいきのびること』という誓いを交わします。そんな先に展開する由宇との関係、そしてその先に続く三十四歳の奈月の人生。そこには、内容紹介にうたわれる通り”恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活”を送る奈月の姿がありました。そして、この『二十三年が経過』した先を描く展開への切り替えが極めてダイナミックに行われます。しかし、不思議と二十三年の経過に違和感は感じません。何故ならばそこに二十三年前から続く同じ思いに苛まれる奈月の姿があるからです。

 『いつまでも続く懲役の中で、私は、「工場」の部品になることを望まれ続けた。私は、「工場」の部品にうまくなれないであろう自分を感じていた』。

それは、内容紹介に記される言葉にも繋がります。

 『私の身体は故障したまま、大人になっても性行為はできなかった』。

そんな三十四歳の奈月の人生が描かれていく物語後半は、劇的に展開していきます。まさかの展開によって前半ののどかに描かれた物語世界が全く別物に変容してもいきます。そして、そこには、人によっては吐き気をもよおす他ない描写が連続していきます。これには、驚いたというより強いショックを受けました。ネタバレになるのでここではその詳細には触れませんが、一体この物語はどこに行き着くのだろう、どこに着地するのだろう、読者を強い不安に晒す、「地球星人」という書名を強く感じる強烈至極な人の狂気が描かれていくその展開。そんなまさかの狂気の先に物語は静かに幕を下ろしました。

 『私は、人間を作る工場の中で暮らしている』。

そんな思いの中に小学生の日常を生きる主人公の奈月。この作品ではそんな思いに苛まれながらも『いとこの由宇』と交わした『なにがあってもいきのびること』という誓いを胸に生きる奈月の姿が描かれていました。物語前半と後半のあまりの落差に唖然とする他ないこの作品。そんな落差の中に主人公・奈月の人生の背景に描かれる深い世界観に魅せられるこの作品。

書名、表紙、そして内容と”クレイジー紗耶香”の極みを見る、これぞ傑作だと思いました。

0
2024年03月30日

Posted by ブクログ

文体を気にした最初の作品だった。
独特な表現方法から作品に引き込まれ、日常生活に影響が出るほどのエネルギーを持った作品である。

0
2024年03月23日

Posted by ブクログ

きもちわるい。これをカオスと言うんだろう。
読み終わってしばらく胸焼けし本が読めなくなった。
だけどなんだか、五つ星をつけたくなった。

0
2024年02月17日

Posted by ブクログ

好き。とにかく刺激が強過ぎる。村田沙耶香の作品はプロットは一緒だったりするけど、常に正常とは?異常とは?を問い直される作品ばかり。『生命式』でワクチンは打たれてだけど、『コンビニ人間』より重症。この作品に思い入れる自分自身も異常だと思う。

0
2024年02月07日

Posted by ブクログ

読む人を選びはするんだろうなと
全く別の惑星から来たイキモノは確かに「地球星人」の営みを不可解と思ってしまうのかもな

自分の常識は必ずしも他にとっての常識ではない
忘れないように

それにしても
ポハピピンポボピア
は最後まで一度で頭に入ってこなかった
存在しない言葉作るのうますぎる

0
2023年12月29日

Posted by ブクログ

虐待された子供の思考の歪みが、ファンタジックに描かれていて、逆に痛々しく恐ろしく、ホラーよりホラーに感じた。

0
2024年04月22日

Posted by ブクログ

自分自身が当たり前と思っている価値観を壊す作品。違った角度から世界を見つめ直す物語。

主人公たちを狂った考えの持ち主だと感じるかもしれないが、その価値観は現代社会の男女の価値観に疑問を呈するものだと感じた。

0
2024年04月14日

Posted by ブクログ

この一冊に、これでもかという程テーマが詰め込まれて、分量はそこそこ多いが、文体は硬くないので簡単に読み進めてしまう。いや、彼女の評価が何故これほど高いか頷ける。何か壮大な伝記、昔話を読んでいるような錯覚に陥る。最後までポハピピンポボピア星人が覚えられずに終わる。既成の概念をひっくり返され、世界が歪む。思考のゲシュタルト崩壊が起きる。そして驚くべきは前半から後半にかけての展開で、個人的に合う合わないはあるにせよ、天才。人にお勧めはしないがこれが才能ってやつでしょうか。

0
2024年03月23日

Posted by ブクログ

最初から微妙に狂っているのが最後は完全に狂気の沙汰で終わる。不愉快極まりなくゲロ吐きそうなラストで衝撃的すぎる。家庭教師の先生が登場したくだりから本格的に狂い始める。登場人物みんな同情できず恐怖しかない。こういう話を意図的に書ける作者に驚いた。これを初村田作品に選んでしまったの良かったんだろうか。たまたまこの本がグロかっただけ?次の本を読むのが強すぎる(笑)

0
2024年03月20日

Posted by ブクログ

さすが!の村田沙耶香ワールド!!
絶対ありえないのに
どんどんもしかしたらこの世にこういう人がいるかもしれないって思わせる小説を書く天才!
今回もその類。
私だって地球星人でいることに疲れる事はあるけど
地球にいながら宇宙人になることは果たして幸せなんだろうか??
そっちの方が大変な気もする。。笑
とにかくおもしろかったです!

0
2024年03月17日

Posted by ブクログ

キモ面白かった◎
コンビニ人間よりもぶっ飛んでいる
やっぱり普通に当てはめようとする風潮は面倒くさい

0
2024年03月16日

Posted by ブクログ

この地球で生きるために
手を組んで、共に生きることは
とてもピュアで、素敵だと思いました。
わたしもそんなパートナーがほしいけど、すでにもういるのかもしれない。

正欲の映画を観た後と自分の気持ちが似ていた。

0
2024年03月10日

Posted by ブクログ

最後の展開が狂気的で怖かった。でも、次の展開が気になって最後まで一気に読めた。

奈月がおかしくなったのは塾の先生も関係しているのかなと思った。そして、奈月が塾の先生を殺したことになっていたけど、不審者の目撃証言もあったし、奈月の血の着いた服は姉が持っていたからどうなのかなと思った。

最後のシーンでお腹が膨らんだのはポハピピンポボピア星人になったためなのか、それとも飢餓によるものなのか気になった。

0
2024年03月10日

Posted by ブクログ

田村沙耶香さんの「信仰」を読んで他の本も読んでみたいと思い読んだ。
今の?、社会に似ている?本作品の世界を地球星人の工場であると表現し、子供時代と大人時代のギャップ、工場で働くことができない、地球星人として洗脳されきらなかった主人公の考え、行動が自分にはない視点が自分は思ったことがなかったのでビックリした。

0
2024年03月05日

Posted by ブクログ

これは面白い。
本当に宇宙人なのかもと思わせたり、間違ってるのは僕達の方ではないのかと思わせたり不穏な雰囲気が漂う。どこまでが妄想か本当かわかんない

0
2024年02月15日

Posted by ブクログ

何と書いていいのか本当に分からない。怖かった…。コンビニ人間ってめちゃくちゃマイルドな話だったんだと分かった…。自分の感想読み直しても、同じようなテーマなんだろうと思うけど、怖くてそれどころではない。

スマホを触りながらテレビを見る旦那の隣で、地球星人を読んでいる自分。読み終わって、思わず旦那も自分も触って、日常を確認した。いつもの自分なのか、なんか変な形になっているような気がして、もうただただ怖かった。虐待を受けた子どもたちの話だと思ったんですよ。それから智臣くんと二人で幸せに生きていく話だと思って。でも最後に向けて明らかにおかしい。でもこの世界を覗くことをやめられない。

面白いし、おすすめだけど、この本を読んだということを知られたくないと思うような強烈な本でした。でも私はまた村田沙耶香さんの作品を手に取ってしまうでしょう。ああああー、こわかった……。。。

追記。
今日も一日地球星人で感じたいろいろなことが頭から離れない。
「本当に怖いのは、世界に喋らされている言葉を、自分の言葉だと思ってしまうことだ。」
この言葉がずっとぐるぐるしている。

0
2024年02月15日

Posted by ブクログ

著者の本を読むと、自らの「常識」、「当たり前」だと思っていることが浮き彫りになる。それらに強く縛られており、窮屈さを感じているわけではないけれど、読後の何か解放された気分になるのが心地良いなと思う。

0
2024年02月11日

Posted by ブクログ

平和で楽しいやつも好きだけど自分では考えないことを真面目に深刻に考えてる人を新鮮に読むのも好きになってきた。

0
2024年02月03日

Posted by ブクログ

勉強して、いい大学行って、いい会社に就職して、素敵なお嫁さんと結婚して人生を全うするのが理想だと思っていたが、その全てをこの本はぶち壊してくれる。今まで気づきもしなかったこと、気づいてたけど見て見ぬ振りをしてたことに村田さんは気づかせてくれる。

0
2024年01月31日

Posted by ブクログ

星新一の装丁に似ているところから気付くべきだった。軽快なタッチでありながらとても不気味だった。

不気味さを助長する表現の一つに、
子供が使う聡明な大人の言葉遣いがあったと思う。

例えば「私が従順でないことを大人たちが嘆いている。大人は子供を性欲処理に使うのに、子供の意思でセックスしたら馬鹿みたいに取り乱している」という表現。大人でもここまで解像度高く状況を理解できない。

そして、最後に、
奈月が合理的だけど倫理的じゃない行為に走ってしまう原因は全体最適を図ろうとしない点にあるんじゃないかと思った。ベンサムみたいに最大多数の最大幸福を信条にしていたら、奈月は地球星人になれたかもしれない。

0
2024年01月23日

Posted by ブクログ

秀逸という言葉が合う本だと思いました
普段全く気にならない物や事は別視点からすると狂気じみているものも多くあるのかもしれないと考えさせる内容でした
SNSにより様々な人の意見が見れたり聞ける中、たまにそんなわけないだろっていう呆れる意見を見るがもしかしたらその人達は宇宙人なのかもしれない
そう思うとSNSも悪くない

0
2024年01月11日

Posted by ブクログ

感情がぐちゃくちゃする
言葉にできない
生理的な部分を描写したところが多い、特に最終部
人間って、合理性と非合理性を追求した存在なのかなって思った

自分は、知識と文化、ほんとにルールの世界で生きてるなって思った
一般的な世界のルールを持ってる人を「地球星人」と表現しているのが、すごくわかりやすくて、すっと頭に入ってきた
読んでいて、確かに地球星人からの洗脳ってあるんじゃないかって思うくらい…没頭しちゃった

こんなコメントが他の感想にもあるのかな…?
これは他の読者の感想が気になる作品
ますます村田沙耶香さんの作品に興味がでました、インタビューとか影響を受けた作品とかも調べてみたい
衝撃作品です

わりと胸糞でした、

0
2023年12月16日

購入済み

すごい世界が…!

社会という工場の中で主人公たちは道具として生きることに疑問を感じているのだけど、
それは今を生きる私たちにも通じる部分があり、
理解したくないという思いとその一方で納得できる自分もそこにいて、
いっそ道具として生きるということを消化してしまった方が楽に生きていけるだろう。

0
2021年04月19日

購入済み

不思議な感覚

社会などの物事の捉え方、それを表現する言葉・文章などかなり独特
オーウェルの1984的なフレーバーも感じさせます
確かにちょっと踏み込み過ぎの部分はあるけれど総合では◎!
次は「コンビニ人間」を読んでみます!😊

0
2021年04月11日

Posted by ブクログ

「殺人出産」の方が好き

この作家さんハマるかも!
と、今回2冊目

着地点がわからず私もまだまだだなって…
共感と違和感がまぜ混ぜされた
よくわからない感情になりました

面白かったのか面白くなかったのか
そういう物差しでは計りきれなく

でも私はこの作品をきっとしばらくは忘れられないだろうなと(トラウマ級)

GW期のワイワイ楽しい時期になんちゅう本読んじゃったんだっていう…

0
2024年05月02日

Posted by ブクログ

読み進めると魅力的でグイグイ進めていたけど、最後怖いわー。何が現実か分からなくなった。姉、嫌いだわー。

0
2024年03月23日

Posted by ブクログ

表紙と裏表紙以外の情報無しに手に取りました、初めての村田沙耶香さん作品。
半分もいかずおやおや?と思い始め、後半へそして終わりへとずっとジワジワ異様さが募っていく、しかしページが止まらない。そんな本でした。
一冊の本としては、ちゃんとゴルフクラブで殴られた程度の衝撃を受けました。

0
2024年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

わたしも、似たようなサイトで結婚したい
さみしいから結婚したい
一人ではいられない
誰でもいいのかも

ラストシーンは人肉食で変な病気になって腹水が溜まった的な描写かと思った
そうか〜あれ全部丸ごと妄想の可能性があるのか
それは悲しいな
もし妄想だとしたら、わたしが一番悲しいのは、由宇とは結局、もう同じ星の言葉で話すことができなかったことだな
あのまま、理解し合えないまま終わってしまったことが何より悲しいんだ
わたしも、お互いの気持ちにもう寄り添えないかもしれないことが怖い
終わりを告げられるのかもしれないのが怖い
わたしの世界を彼が憎むかもしれないことが怖い
怖いから逃げたい
でも逃げてどこにいるのかわからなくなったら、また探しちゃうかもしれない
でも逃げなかったらすごく悲しいことを受け止めないといけないかもしれないから、やっぱりすごく怖い

0
2024年01月20日

Posted by ブクログ

村田沙耶香ワールド全開で、気味の悪さの中に共感する部分もあるという不思議な感情になった。

当たり前の押し付けは、それこそ当たり前のように皆がやっていることだから何も考えずに生きていける世の中では違和感を感じる人なんてまず、いないのだろう。
人間は元を辿れば動物だということを忘れて、知能を持ったが故にルールや常識の中で生きていることに陶酔しているのかもしれない。

本書は、「常識やルールの中で生きていける人」と「常識やルールに違和感を抱く人」の対を極端に描いているので物語だけで読んだら嫌悪感を示す人も少なくはないと感じる。
だが、誰しもどこかで抱いている感情なのではとも思う。
生活をしていて、わざわざその感情にフォーカスする必要がないからしていないだけで、これを題材に言語化したら本書のような表現になる人もいるのではないかとすら思う。

上手くまとまらないが、極端な思考とそれを正義だと思う心は恐怖だということを強く感じた。

0
2024年01月18日

Posted by ブクログ

この物語が100%フィクションだったら、笑いながら読めるのに。と思いつつ、この作品は決してフィクションを書こうとなんてしていないことに気付いた。

当たり前に地球星人が分かちあう価値観をぶるんぶるんに揺るがすけど、手がるい答えは教えてくれない。でも、これから人に何か言葉を向ける時、きっと一言一句が倍音のように脳内で響いて、自分の口から出たそれが本当に「自分の言葉」なのかを反芻してしまうと思う。

0
2024年01月06日

Posted by ブクログ

ヘビーなものを、ライトな世界観で描く。村田沙耶香さんワールドだな〜と感じた。本当に独特。
そして、この「地球星人」として周りを見る感覚、すこしわかる。恋愛をするよう仕向けられてる感覚、平均的に進んでいけない苦しさ。一歩引いてみると何も問題はないのに、何か問題があるかのようにされてしまう感覚。
誰しも持ってそうな感覚を、エクストリームに描いてる感じがした。

0
2023年12月21日

「小説」ランキング