【感想・ネタバレ】地球星人(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて……。芥川賞受賞作『コンビニ人間』を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作。(解説・小林エリカ)

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ネタバレ

村田沙耶香は『コンビニ人間』くらいしかちゃんと読んでこなかったのだが、ここに来てまたとんでもないものを読まされた。読まされたと形容するのは自分の意思で読むというより何かに強制されて読まされたような気がするからである。
はっきり言って相当に気色悪い。奈月達も、地球星人達も皆平等に。しかし気色悪いと思えることこそ、地球星人としての洗脳に成功していると言えるのやもしれない。
村田沙耶香はつくづく人間が嫌いなんだなと思う。同時に人間になりたいと渇望しているのだとも。地球星人に洗脳されたいと願う奈月も同じだったのだろう。

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2026年05月14日

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ネタバレ

村田沙耶香の作品は読んでる最中に物語に没入しすぎてしまうことがある。とてつもなくおぞましいことを書いておきながらそれが急展開として襲ってくるのではなく、1歩1歩不穏の欠片を私たちに与えてくれるせいで、徐々に作品の奇抜な思想が自分自身に馴染んでいく感覚が素晴らしいと思う。地球星人でも、主人公達がいびつな思想であることは理解しながらも、それに至るまでの敵であったり思想を細かに与えてくれるおかげで作品に没頭してしまう。要約をしてしまうとカットされるような細やかな描写によって作品が光り輝く、純文学の極致であると感じた。

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2026年04月28日

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ネタバレ

主人公の奈月が、同作者のコンビニ人間の主人公と同じく、超合理的で論理的な考え方をしているから、その思想に納得ができてしまって、段々と地球星人の方が気持ち悪く見えてくる。
主人公サイドからは我々地球星人が狂っているように見えて、地球星人サイドからは主人公サイドが狂っているように見える。我々読者サイドからは、どちらのサイドも等しく狂っているように見える。ともすれば、登場人物は全員一般人とも言えるのだろうか??考えれば考えるほどオモシロイ。
やっぱり村田沙耶香大好きだ。

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2026年03月29日

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ネタバレ

奈月が子供の頃セックスをしているところが見つかった時、大の大人たちが阿鼻叫喚しているところを冷めた気持ちで見ているところが印象的だった。
『大人は子供を性欲処理に使うのに、子供の意思でセックスをしたら馬鹿みたいに取り乱している。笑えて仕方がなかった。お前たちなんて世界の道具のくせに。』
↑ここかっこよすぎて痺れた 奈月マジでかっこいい

子どもが子どもの意思でセックスしたら可笑しくなったと暴れ狂うのに、大人が大人の意思でセックス“しない”と言ったら同じように腫れ物扱いなのおかしすぎるだろ。大人になったら、結婚したらすることがセックスしかないんですか?
ていうかセックスを『仲良し』とかいう奴ら全員きもい!!!!!!!!!ちゃんとセックスって言え!!!!!!!!!!!!

旦那が性行為自体や人との接触を必要としないタイプの男性だったけど、村田沙耶香の小説にしては珍しいなと思った。こういう考えを持つ男女が連帯するの今までなかったかも。世界99もコンビニ人間も男尊女卑極まり男でかなりしんどいからちょっと希望だった。ラストのカオスは村田沙耶香ワールドさながらで凄まじい。

大人になっても世界から監視されるという表現はあながち間違っていなくて、結婚して子供を産んでという普通とされる人生を送っているかどうか、親が家族が友達が同僚が社会が世界が監視している。誰も放っておいてはくれない。


最近弁論見たばっかりだから『義務も果たさず権利を主張する人間が、俺は大嫌いなんだ』と偉そうに言ってる舅がアホすぎて笑えて仕方なかった。
権利の前に義務は発生しないんですよ……。権利はそれだけで保証されてるものなんですよおじいちゃん……。

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2026年04月29日

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ネタバレ

少しホラーすぎるが、心にズドンと来るインパクトは素晴らしい。主人公は自分の心に従うにつれて、狂気に満ちた生活を送ることになるが、生物らしさでいうと主人公側という印象が面白かった。

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2026年05月30日

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ネタバレ

人を虫や人以外の宇宙人としての目線で語る
→p48人間工場、つがいは巣の中で子供を育てている。
性交や子供を産むことこそが人々の最大幸福でありその考えが当たり前である価値観に否定的で、嫌悪感を持つ主人公。人類が繁栄することを本能的に考えて、産むことこそが人類の生きる意味であり、社会の歯車として我々人類に課せられた使命(労働をして、子孫繁栄に勤しむこと)と捉えて、この考えに洗脳されていない人々には、洗脳された人がその魅力を伝える伝道師になるという縮図や社会が嫌になる。ただ、幼くしてそう感じていた主人公は心のどこかでそのような周りの人間たちの思想に洗脳されたらきっと楽なのにと思う。
昭和と令和とで、趣味趣向、言論、思想の多様化していき、政治家の闇は昔よりも大衆に晒されている。
昔よりも生物学的な性別に固執した考えを糾弾する動きや傾向にある。ただ一方でそのような風潮においても世の中に蔓延る性交至上主義はあると感じかれ、一時自分自身はそれは誤っており、性本能の赴くままに進むようでは獣と同じではないかと感じた時期もある。ただそうはいっても本能に抗うことができない部分もあり、今はそういった意味で性交至上主義の一部受け入れている。年齢を重ねることで変わっていくものもあると思う。人は見たものだけで物事を判断するわけではなく、その物事以外にも関連する経験や連想されるもの、自分が信じるものや尊敬する人の発言といったありとあらゆるものを受け入れながら変化しているものなのだと感じた。
私自身は過去に感じていた、本能的な行動に対する嫌悪感は今では減り、仕方のないものであり、それが人間であるのだと感じている。なぜなら野生の中でより種が繁栄することを無意識的に進んで実行するようにプログラムされた遺伝子が我々にはあるからである。

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2026年05月21日

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ネタバレ

賛否分かれそうな作品だと思うけど私は結構好きな小説かもしれない。最初、主人公は魔法少女だとかポハピピンポボピア星人だとか、おじいちゃん家に行っていとこたちと泊まったりっていうのが私も昔あったので思い出した。最後の展開はよくこんな話考えだすなと思った。こんな展開思いついても書かないよ!(笑)って。でもそのおかげでこの小説は私の中に残りますね。

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2026年05月17日

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ネタバレ

妄想が極限まで肥大化してしまった者たちの行く末といった感じだ。秋級に戻ってきてからの、ポハピピンポボピア星人としての3人の暮らしがファニー過ぎて、電車の中なのに読みながら笑ってしまった。自分達で生き延びることを選んだにも関わらず、結局光熱費を支払ったり、盗みを働かなければ生活が維持できないという皮肉

とはいっても、自分も奈月のようなストレスMAXな幼少期を過ごしていたら、こんな風に世界を歪んだ目で見ることになったのかな…奈月がちゃんと親から愛情を与えられ、異常性愛者に絡まれることなく育っていたらこんな結末にはなってなかったのかな…
という1地球星人としての感想でした。

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2026年05月01日

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ネタバレ

村田沙耶香作品5作目。
タイトルを見て、地球人ではない主体からの視点の物語か?と妄想しながらスタート。初めは子供のファンタジー的なストーリーになかなか入り込めなかったが、あの事件の後からはスルスルと読み入ってしまった。お腹が大きくなるという結末に直ぐに飢餓が結び付かず、突然のファンタジー?と思ってしまったのだけど、よくよく考えて飢餓によるものだと分かる。異星人を選んだ彼らの行く末が絶望的過ぎたのだけど、果たしてそう思うのは自分が地球星人だから?

村田沙耶香さんの作品を幾つか読んで、SFタイプと写実タイプがあるように思う。SFの中にメタファーを見出す手法では新たな気付きがあるし、リアリズムを描くコンビニ人間では生きづらさを抱える人に対して理解をしたいという気持ちが芽生える。しかし、この作品は写実タイプであるが故に社会不適合者の極地には絶望しかないことを突きつけられた気がした。ただ、村田さんは絶望を伝えたいわけではなく更にその先の何かを見てほしいのかもしれないけれど、今の自分にはここまでだった。

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2026年04月22日

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ネタバレ


重かった……非常に重い……。
でも読んだことを後悔はしてない。村田の小説はいつも社会の「あたりまえ」に無垢な疑問を投げかけて、読み手に新しい視点をくれる。
自分の中で言語化できていなかった疑問や違和感に、村田はいつも言葉で応えてくれる。その形はちょっと刺激的ではあるけれども。

主人公の奈月の、少女期に置かれている環境が過酷で辛い。
病気がち(?)な姉に依存する母の母子カプセルから放り出されて、言葉と暴力の両方の虐待に晒されながら、自己防衛のため唯々諾々と思考停止してる子供を狙って手を出す塾講師に性的虐待まで受けている、その闇。果ては、その辛い経験を同性に打ち明けた時、地球星人に洗脳された彼女たちからは「お前が誘った」「見初められて羨ましい」と酷いセカンドレイプを受ける始末。

そんな過去があるから、34歳になって夫ができても性的な関わりには潔癖で、夫婦関係に過干渉な社会に対して「自分の生殖器は世界のもので、自分のものではない」と感じている奈月。

描かれ方は露悪的だけど、現実を誇張しているに過ぎないと思う。
親の虐待も、小児性愛による歪んだ性的虐待も、日常茶飯事で起こっている。守られるべき人が守られず、「普通の大人」は「異常を無視するのが仕事」。

それに事実として、小さなレベルでこういう「パートナーの有無についての探り」「生殖に関係する行為の探り」は当たり前に、現実で、身近に、起こっている。

もしも奈月が、両親から正しい愛情を注がれて、周囲にも常識的な大人だけがいて、もちろん性被害にも遭わずに大切に社会に守られ、環境に恵まれて育っていたらまた違ったのか。
地球星人に洗脳された人間は、むしろそういう環境下で育っているのかもしれない。

幼少期に、家族との確執や、性的虐待といったような癒えない傷を負った生物は、ポハピピンポボピア星人に感染するポテンシャルが高いのかもしれない。

村田の小説にシンクロしやすいのは、私自身もそういう闇の一部を掌に抱えて生きているからかもしれない。
奈月とは違って、半分は地球星人の洗脳に上手くかかっているものだから、ここまで極端にはなれないけれど。

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2026年04月19日

匿名

ネタバレ 購入済み

地球星人

読んでいて不愉快だか探究心がくすぐられるようなそんな内容だった
コンビニ人間とは違う不愉快さが堪らない

#怖い #ダーク

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2024年07月15日

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