村田沙耶香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編集。村田沙耶香らしさが全開の一冊だった。
彼女に期待している物語が、設定の意外性のあと、そのまま素直に現れてくる感覚がある。
どの作品も面白く、読みやすい。そして教訓がわかりやすいのも、彼女の魅力だと思う。
特に「気持ちの良い多様性」という言葉は強く印象に残った。キャラクター化してラベリングすることと、奇妙な人を奇妙なまま愛し、多様性として認めること。この二つは延長線上にあるものだと捉えていたが、前者には排除のニュアンスが含まれており、むしろ相反するものだという考えには驚かされた。視野が少し広がった気がする。
私はこれまで、自らをキャラクター化し、ラベリングすることで「見やすい自分」を -
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Posted by ブクログ
ネタバレ上巻のほうが評価が良いのは知ってて、
なーんかそれなら下巻読まなくてもいいかも?と思ったりもした。
けど見届けた。
けど下巻どうだった?と言われるとあんま覚えてない。
上巻の「ピョコルンの中におじさんの頭入ってた」が衝撃すぎて、もうそれは超えない。
白藤さんが自分の思想と現実のギャップに悩まされて、太った。そして赤ちゃん返り(?)してキサちゃん、とか呼んできたりする。もうちょっと大人の人だと思った。
ていうかそう、下巻では40代、50代とか描かれてるけど、みーーーんな話し方が変わらなくてほんとに成長してるのか?と思った。時が止まってる。
特に音ちゃん。空子さん変わらないですねー、実際そうです -
Posted by ブクログ
殺人出産については現在の日本では考えられないような設定でおもしろかった。「殺人という光」という表現がとても刺さり、殺意によって救われている部分があることを言語化されてすっきりした気持ちになった。
この本が短編集であることを読み進めて知ったが、他のものではトリプルが面白かった。多様性を推し進めている今の世界でもあり得そうな話だなと感じた。
それ以外についてはあまり自分には刺さらなかった。
いずれの短編もグロテスクな部分や性的な部分に関する表現が素晴らしいのだろうと思うが、一方でイメージとして想像できてしまい嫌悪感を感じた。自分はこのような描写が苦手であることが分かってよい機会だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまっっっっじで気持ち悪かった。
最後は気持ち悪すぎて目を細めながら読んだけど、圧倒的に強烈な読書体験をした。虚無。読後、しばらく何も出てこない。
じんわり浮かんだ、はちゃめちゃにディストピア小説だな……という感想と一緒に、そういえば1984年を読んだ後もこんな読後感だったな、と。。
人間が均質化することで利を得る人がいたとして、均質化することで楽になる人がいたとして、果たして損得勘定したときにそれぞれにそれで本当によかったとなるんだろうか。。。ぞっとする世界なのにどこか現実と地続きな世界観なのがまたぞっとさせられる。
正直冒頭は、上巻から時代が飛びすぎて理解できなかった、というか置いてかれた -
Posted by ブクログ
ネタバレ◯殺人出産
とんでもない世界観に衝撃的なラスト。
眉をひそめた、こわばった表情で読み終わった。
怖すぎる。あんなに柔らかい雰囲気の方からこんな話が出てくるなんて。
怖すぎる。
→印象に残った文章
あなたが信じない世界を信じたいなら、あなたが信じない世界を信じてる人間を許すしかないわ。
◯トリプル
トリプルのセックスが痛くて怖そうに思えた。
◯清潔な結婚
→印象に残った文章
そもそも、従来の、夫婦でセックスをして子供を作るという考えが、古いんです。
◯余命
→印象に残った文章
楽でいいなあ。今はわざわざ、人目を気にしてセンスのいい死に方を探しながら自分を葬らなくてはいけないのだから。