村田沙耶香のレビュー一覧

  • きれいなシワの作り方~淑女の思春期病

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    村田さんは、美を気にする女性の典型の一人でありながら、そのなかでも自分とちゃんと向き合って、考えを言語化し、整理してきた方なのだろうなと思う。
    ただ、綺麗になりたい、女らしく、女ならではの幸せを...なんて言う人は、多くいると思うけど、自分が女性であることと真剣に向き合い対話してきた人はそう多くはないのではないかと思う。

    また、個人的には、村田さんは庶民派っぽいところがあり、かつ、陰の気持ちも分かられてる方で、親しみやすさを感じた。小説家でありながらも、コンビニでアルバイトされてるところも好きだなと思いました。

    p.117 ・高性能恋愛ブレーキ
    p.123・人見知りの合コン作法
    p.131・仕事の中で思うこと
    p.169・電車と膝枕

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    2024年11月28日
  • 絶縁

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    感想
    他人との溝。どれだけ近付いても、結婚しても。所詮は他人。本当にしてほしい肝心なことはしてもらえない。歪みはいかに解消するべきか。

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    2024年10月25日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    純文学作家の発想
     ひとつづつ評していく。

     川上弘美。未来SF。
     発想が陳腐だと思ふ。書きたいことを意識的に書いてはゐるが、予定調和的で凡庸から突き抜けない。
     人間由来の人間を工場で作らず、多様な動物由来の人間どうしが結婚し合ふ未来観(近親交配によるホモ接合型を減らすためだらう)。そこでの恋愛。
     厳密にいへば、人間と他種ではゲノムの相補性が少ないからありえない。遺伝子組換かもしれない。まあそこは目をつむることにしても妙だ。
     未来でも入籍といふ制度は残ってゐる。人間に本能の性欲が残ってゐるんだらうけど。結婚しない人や、核家族がどうなったかも書いてない。
     妙にSFが現実路線のわりには、ふはっとしてあいまいだ。雰囲気小説のたぐひか。さいきんの川上弘美には『大きな鳥にさらわれないよう』等、未来小説がある。

     多和田葉子。
     川上弘美より面白い。
     純文学らしく突っかかる表現が冒頭から続く。生花で花の首をちょんぎるだの、乱暴な表現は筒井康隆を想起した。独特で考へ抜かれた奇妙さを意識して、多和田自身も意図しない効果が出るやうな浮揺感を狙ってゐる。言語にこだはるナショナリストぶりもあらはれて、いつもの社会諷刺もある。
     全体としては普段の多和田の域をつかず離れず。

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    2024年10月10日
  • 絶縁

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    社会情勢が個人に与える影響は大きい。それをそのまま写し出すのか、ほんのり匂わせるのか、全く別の形として書き出すのか、作品ごとに異なる。
    「穴の中には雪蓮花が咲いている」青年の現在と過去の、寂しさ、微笑ましさ、やるせなさが牧歌的な映像を通して感じられる。幼い2人のやりとりが可愛くて切なかった。

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    2024年09月22日
  • ハコブネ

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    浅井リョウさんの『生欲』と同じかといえば違う
    村田沙耶香さんなかなかの難しさ
    理解できない性に理解できないでしょ?って言われてるみたい

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    2024年09月21日
  • ハコブネ

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    3人の主人公の女性がそれぞれに生きることに葛藤を抱えていて、三者三様の悩みが絡みながら話が進んでいきます。リコ……、ツバキ……、と思いながら読んでたけど、最終的にチカコ!1番村田沙耶香みが強くてクセつよ!私たちは女である前に人間である前に生物である前に物質…なのか…?
    村田沙耶香さんの刺激に慣れると、他の作家さんの本で物足りなく感じてしまうのが困りものです。

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    2024年09月16日
  • ハコブネ

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    いつものように村田沙耶香ワールド全開で、「私はこの社会で女として生きていくことに強烈な違和感がありまぁす!」と終始訴えている。

    他の作品と比べても、その主張の仕方が直接的(隠喩とかもないし、ハッキリそう述べてるセリフがとても多い)なので、言いたいことはわかりやすい。ただ、すでに村田沙耶香ワールドが好きな人にとってはほとんどのパートが前提の確認みたいな作品なので、少し退屈かも。親切なぶんくどく感じるって言うか。「うん、あなたたちがそう思ってるのはじゅうぶん分かったし、そこが私は好きなんだから、早くあなたたちにとっての正解と破滅を見せて」とじれったく思ってしまった。
    …こう言葉にしてみると、私は村田沙耶香を構成する要素のうち、女性性に対する違和ではなく、破滅を避けない純文気質なところが好きなだけかもしれんね。芥川賞作家っぽいところっていうか。

    ちなみに、コンビニ人間が気に入って著者の同じ作品を読んでみようかな〜って思ってる人には、この小説より地球星人をおすすめしたい。そっちの方が読後感は似てる。

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    2024年09月07日
  • 変半身(かわりみ)

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    読むと、みんななにかを信仰していて、自分にとって都合のいい解釈をしたくなる生き物なのかな、と思う話。
    真実はどこにあるのか、最終的に「ポーポー」と皆がなってしまう狂気じみた設定は世離れしていた。まさに村田さんの世界観が全面に出ていた。
    二章の満潮も、言っていることの意味などは理解できても共感には程遠く、ただどうなっていくのか話を読み進めたくなってしまう要素はたくさんあったので、最後までサクサク読めた。
    物語の概念自体が現実とフィクションが織り混ざった独特の世界観を味わえた一冊。

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    2024年08月29日
  • となりの脳世界

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    村田さん作品はコンビニ人間以来かな。

    今回は村田さんの素の部分が見られる作品で楽しく読めました。読んでいて思わず吹き出してしまう箇所もありました。

    村田さんは飄々とした感じなんですが、素直でお茶目な、周りの人がほっとけない人という印象でした。

    どのエピソードも私にはない視点が多くて楽しめましたが、村田さんがスリランカでアーユルヴェーダを体験し、大切な変化を得たことが印象的でした。いつかアーユルヴェーダを私も体験したいと思いました。

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    2024年08月19日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    表紙がとても綺麗で手に取りました。

    二十四節気は知っていても、それをさらに三等分した七十二候は知らない人が多いのでは?

    わたしも今回初めて知りました。
    雉始雊(きじはじめてなく)というように、動詞で示されているのが、分かりやすい。
    どれも現代人にも理解できるもので、時代が変わっても季節の移ろいは変わらないものだなと思います。

    この本では、二十四節気の春夏部分を抜き出し、また、各節気の真ん中の七十二候をタイトルに各自が短編をお書きになっています。

    思えば、短い作品は触れてこなかったので、どれも不思議な余韻を残す終わり方で、こちらの想像力や読解力を掻き立てるなぁと短編の面白みを初めて知りました。

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    2024年08月05日
  • 絶縁

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    流石の村田沙耶香。「無」
    ますます筆が冴える。これからは、このくらいの毒が吐ける作家でなくてはね。

    「産んでしまった後は私が家畜だった。夫にとって私は古くて汚いけれど性欲処理ができて、放っておけば家事をしてくれる肉性機械道具だった。娘は私で性欲処理をすることはないが、いくら成長しで当然のように私を使いつづけた。でもいつか、未来では娘が私たちの道具になる、それだけが心の支えだった。」

    痺れる〜!

    ラシャムジャ「穴の中には雪蓮花が咲いている」
    悲しくもふっくらした短編。これはこれで、好きだなあ。このふっくらした感じは人柄なのか、チベットという国が持つものなのか。

    チョン・セラン「絶縁」
    分断は経済格差だけでなく、価値観や倫理観にも表れてくる。もう絶縁しかないのか?

    このような形の書物が世に出ること、そのことを祝福したい。

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    2024年07月23日
  • 変半身

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    『変半身』
    読み進める間ずうっと胡散臭さがあった。信じてた世界がひっくり返りひっくり返り…今日の友は明日の敵となり、今日の常識は明日の非常識となる。このまさに今生きている世界は、加速度的にそのどんでん返しが行われ続けている。信じることで考えることをやめて楽になる方が確かにずっと楽に違いない。しかし、本を読む限り、村田沙耶香に触れ続ける限り、疑うことを止めることはないと思う。

    『満潮』
    さっぱりわからない。
    理解が及ばないものに対して、理解することを試してみることが読書の醍醐味であったとしても、さっぱりわからない。

    ただひとつこの作品を読んで初めて気づいたことであるが、男性である自分は、男性器を鏡を使わずとも目視できるが、女性はそうではない、ということ。これは初めて気づいた大事なことだと思う。目に見えると比べてみたくなる。大きさを比べてみたくなる。力を見せつけたくなる。優位性を確かめたくなる。権力を誇示したくなる。「男って単純」といわれる所以がここにあるのでは?逆に言えば女性もまた然り。

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    2024年06月18日
  • 星が吸う水

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    性の理論に未だ汚されていない絶頂 脳をペッティング(性的な愛撫)する為の手段として捉えるのが許せないと思っていた 薄い皮膚に包まれた暗闇なのだ

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    2024年06月12日
  • 絶縁

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     アジアの女性作家九人によるアンソロジー。しかもテーマは「絶縁」。「しびれるテーマ」と村田沙耶香は言ったそうだが、確かに「しびれる」。なかなか、こんな本が存在するというだけで意義深いような、圧がある。ある特定の層には熱い支持を受けそうな一方、この価値観、というよりはこれに「しびれる」感覚って、普遍性ないかもしれないな…とも思う。
     Audibleで聴取。朗読は、どの作品も独特の色が浮かび上がり、とても良かった。ただ終盤は私の集中力/モチベーションが枯渇してきて実はちゃんと聴けてない。いつかちゃんと読み直したい。

    ■村田沙耶香(日本、一九七九〜)『無』
    うん。絶縁だ。村田沙耶香の絶縁だ。
    ■アルフィアン・サアット(シンガポール、一九七七〜)『妻』
    絶縁どころか新しい縁を自分の意志で結ぼうとしたのに、絶縁だ。「するとサウダはだしぬけに、縄が切れてしまって井戸の中を落ちていくような感覚になった。」怖い。
    ■ 郝景芳(ハオ・ジンファン、中国、一九八四〜)『ポジティブレンガ』
    これは絶縁と思い込んでいたところから始まっての、縁のつながりの確認、と感じた。
    ■ウィワット・ルートウィワットウォンサー(一九七八〜)『燃える』
    タイの政治情勢についてものを知らなすぎ、ついていけてない感を味わいながらの本編だったが、訳者解説のおかげでなんとかキャッチアップ。
    ■韓麗珠(ホン・ライチュー、香港、一九七八〜)『秘密警察』
    重かった。
    ■ラシャムジャ(チベット、一九七七〜)『穴の中には雪蓮花が咲いている』
    「穴の中には雪蓮花(せつれんか)が咲いている」。覚えておこう。
    ■グエン・ゴック・トゥ(ベトナム、一九七六〜)『逃避』
    親子の関係には犠牲がある、特に東アジアでは親が子どものために犠牲を払うことが暗黙の了解になっている。というあとがきのことば。
    ■連明偉(リエン・ミンウェイ、台湾、一九八三〜)『シェリスおばさんのアフタヌーンティー』
    ちょっとスタンド・バイ・ミーを思い出した。
    ■チョン・セラン(韓国、一九八四〜)『絶縁』
    なかなかストレート。(読み直し要。)

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    2024年06月05日
  • 私が食べた本

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    最近になって村田沙耶香さんの本を読むようになり、かなり変わっている内容なのになぜか分かる自分もいる、という体験が不思議で心地良くて、そんな小説を生み出す村田さんの読んできた本が知りたい!と思い手に取りました。

    はい、正直よく分かりませんでした。
    村田さんが懸念されていた通り、おそらく凡人の私とは読み方が違うようなので、書評を読んでも読んでみたいと思う作品がほとんどありませんでした。(実際には読んだら面白いのかもしれません)
    性について語る場面も多く、恥ずかしいとかイヤラしいとかでもなく、ただ「またか……」と少し思ってしまいました。

    ちなみに村田さんが飢えている西加奈子さんは、個人的に小説よりもエッセイがもっと好きです。
    西さんが純粋に生きている生きものだということは、エッセイからもありありと感じられます。
    だから、西さんについてのエッセイが一番共感できました。
    また、西さんの小説の書評が収録されていないのも、この章を読めば納得です。

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    2024年05月29日
  • 変半身

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    ネタバレ

    村田さん作品3作目
    変半身は最後、そうなる??という驚き要素が満点でした
    「ニンゲン」って「ヒト」って本当にいるのかなぁ

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    2024年04月28日
  • ハコブネ

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    ネタバレ

    地球と交わろうとする話で、朝井リョウさんの正欲のことを思い出した。三人の女性が登場するが、そのうち二人の視点で展開されていく。残された椿の視点が描かれていないためか、最初は好印象だったのがだんだん嫌な人間に見えてきてしまった。

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    2024年04月09日
  • 変半身

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    独特。
    変半身は、教団Xを読んだ後だったので、軽い気持ちで読めた。急にオチがきて驚いた。
    満潮は、ほっこりと温かい気持ちになった。
    人に勧めたくなる本かと言えば、そうではない。

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    2024年02月28日
  • 星が吸う水

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    著者の描く性は生々しくも淡々と機械的で変な官能さを感じないところが個人的に好きだ。

    理解するには圧倒的に経験が足りないが、自分の理想とする性の姿を追い求める主人公たちは素敵だと思った。

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    2024年02月19日
  • ギンイロノウタ(新潮文庫)

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    引っ込み思案で友達ともうまく行かない有里。中学では友達のリーダー格に嫌われ、一人でいるところに、空回りする教師に目をつけられ、毎日スピーチをさせられることに。そんなとき、自分を持てるのが、幼稚園のときにいとこに買ってもらった銀色の携帯指し棒と、押し入れの中に貼り付けた男の目玉の写真…。

    『コンビニ人間』の印象で読んでしまう村田沙耶香だが、本作に含まれる2本とも漠然とした恐怖と性をテーマにした作品だ。

    1本目の『ひかりのあしおと』は光が怖い少女が恐怖から逃げるために性に逃げ込む。話はわかるがちょっと収束点がわからないところが有ったが、やはり表題作の閉塞感から、銀色の扉を探すために話が危ない方向に"駆け上がっていく"感覚で苦しくなっていくところが醍醐味だ。

    『コンビニ人間』のままならない押し流されていくが起伏の少ない感じではなく、思ったようにいかないために前にも後ろにも進めない状況を暴力的に壊そうとするアグレッシブな2本。好き嫌いが分かれそうな作品では有る。

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    2024年01月30日