村田沙耶香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あぁ村田ワールドだなぁと感じる作品でした
(村田沙耶香作品は中毒性があって気に入っています)
本作は、性別の自認と性行為の対象に焦点が当てられており、「救い、安らぎ」の場所である「自習室」を介して物語が展開します
自身が男性か女性か懐疑的な里帆(19歳)
人間でなく地球を性的指向対象とする知佳子(31歳)
女性であることに固執する椿(31歳)
彼女たち3人が性別という「しがらみ」について話していくだけなのに、色々と考えさせられました
(特に、知佳子パートは強烈です、覚悟しましょう笑)
本作もしかり、たとえ家族であっても村田さんの作品をおすすめできませんし、確実に1人の時に読みたい派ですね
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Posted by ブクログ
ネタバレ『コンビニ人間』を入口に、村田沙耶香という作家に惹かれて片っ端から読んできたけど、その中でもかなり難解でエグ味が強かった。。
表題作『変半身』そして『満潮』の2編を収録。
自分の理解が及ばなかったのと、エグ味が強かったので星2。と思ったけど、『満潮』のメッセージがよかったので星3。
『変半身』も前半までは理解できたけど、後半(というかラスト)は最早異世界。
閉鎖的な千久世島で育った少年少女が、その島の信仰に従って秘祭「モドリ」に参加させられるも、それは伝統的な宗教催事ではなく、島の男たちによる性暴力から生まれた紛い物の儀式だと判明し、心身に深い傷を負って島を出るまでの前半。
色々あってまた島に戻ると、ポーポー様もポピ原人も消え失せて、観光客向けに丸っと塗り変わった新たな大嘘歴史が展開されていて、またも刷新された祭の中、高城くんは卵を産み(?)、島民も観光客も更に新たな"信仰"を見つけて、ポーポーと鳴き続ける…とかいう後半。
安直な批判や戒めとは全く違う話の持っていき方に眩暈。でも、そういう作風だからこの作家が好きなのかもしれない。
『満潮』は特殊ではあるけれど、自分の身体を取り戻す、というテーマが理解できた。
佳代の過去の恋人とのエピソードも、少し思い当たる節があって苦笑しながら読んだ。
大きな目頭、は言い得て妙。気に入っている表現。
男女の身体について、性的搾取の視線や冷笑する空気が蔓延する中、本作は自分自身と純粋かつ真剣に向き合おうとしていて、なんだかハッと目が覚めるようなお話。
佳代と直行の関係性がとてもいい。 -
Posted by ブクログ
だって、正常は発狂の一種でしょう?この世で唯一の、許される発狂を正常と呼ぶんだって、僕は思います」(p50)
村田さんの本を読むと毎回自分の“正常”について考えさせられるなと思う。
今回の本も、世界の常識や価値観の中では狂人とされるような人らがたくさん出てきて、シュールで笑ってしまうのだけれど、それを笑えるのは私自身自分が“正常”であると思っている、あるいは思い込んでいるからなのだと思うと、だんだんと怖くなってきてしまった。
今の“正常”なんて、30年後は“異常”なのかもしれない。
村田さんの描く世界では、変わりゆくものが人の生死を強く感じさせるテーマになっていることが多いから生々しいように感じるけれど、私たちが今生きている中でも少し前まで異常とされていたものがむしろ推奨されるもの、好感を持たれるもの等になることはよくあることだと思う。
「生命式」「魔法のからだ」「街を食べる」などそれぞれの作品に村田さんの価値観が濃厚に出ていて、「地球星人」を読み始めた今、長編作品のたたき台になっているような短編だと感じた。 -
Posted by ブクログ
あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。 -
Posted by ブクログ
リレーエッセイ方式で17人の書き手が
『私の身体を生きる』という性をテーマに綴った作品。
想像していた感じと、かなり違っていた。
同じテーマでも書き手によって随分とみえる世界が変わるものだ。編集者から依頼された形で綴っているためか、何となく及び腰に感じる作品も少なくない。
女性しばりでリレーエッセイ集にした意味する所も、問いたいが、赤裸々告白をするものから、トラウマ的な内容を飄々と語ったものまで、多種多様・・・
トップバッターの島本理生さんの作品だけは、眠っていたような共感が呼び起こされる様な感覚があった。
恋愛ものがお得意な作家さんだけに、性の役割にも飄々と鋭い着眼点をお持ちだ。
色々な考え方や捉え方があるんだなぁと感じる一方、敢えて?競い合って?マイノリティ側に寄って描いている様に感じるものもあり、私にはあまり馴染まなかった。
性の話が公にはタブーとされていた時代を生きてきたからか、この歳になってそういう話ができる方が見つかると一気に距離が縮まる。
人によっては幾つになってもタブーなので、手探りと嗅覚?笑で探し当てる感覚に近い。
このテーマで男性バージョンもあったら読んでみたい。