村田沙耶香のレビュー一覧
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ネタバレ表題作「変半身」は、俗にいう因習村的なホラーチックな展開かと思いきや祭りの後から急ハンドルをきり、世界が足元から作り変えられるような感覚に陥った。
筑摩書房の特設サイトにあるように、「自由」って感じで、1つ1つのモチーフで作品にできそうなところを殻を破って破って外側にはみ出していく感じが面白かった。ポーポーポーポーで埋まったカオスなページから、自分たちが考えている「人間」の枠組みって案外脆いよなあと考えさせられる。たぶん江戸時代や平安時代にタイムスリップしたら、今の人間観ではいられないもんな~、と思ったりした。
個人的にはもうひとつの「満潮」の方が好みだった。
体液を出すように世界に追い立て -
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村田沙耶香さんのデビュー作
表題作含め3編が収録されていました
授乳
コイビト
御伽の部屋
村田さんの作品をいくつか読んできたけど、1番濃くてくらってしまった笑
でも、性がテーマになっていたり、読者の価値観を揺さぶる作品であったりすることはデビューの頃から変わっていないんだなと感じました!
『コイビト』の自分と同じぬいぐるみを愛でる小学生(美佐子)に出会うことで、自分の姿を俯瞰でみるようになり、美佐子に対して嫌悪感を抱き自分のホシオの関係の異常性に気がつく話は面白さがありました!
こんなに村田さんの作品を読んでいるけど、やっぱり性的な描写は苦手…。
解説を読んで、作品のテーマについて -
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ネタバレ村田沙耶香はコンビニ人間に続いて2冊目。
多分この人の作風めちゃくちゃ刺さるんだろうなと思ってたけど、案の定ドタイプ。好きだ~天才過ぎないですか。
この本は変半身・満潮の短編2部作。
変半身:すごく好きだった。
島に昔から伝わる伝統的な秘祭がモチーフ。
伝統ってなんなんだろう?って考えさせられて大変面白かった。
陰謀論に通ずる考え方でなかなか皮肉が効いていてよかったです。狂っていた。。。
満潮:正直変な話すぎて良く分からなかった…
どちらもコンビニ人間よりもかなりファンタジー要素が強め。
すっごい誇張してて狂っている話だったけれど、どれも現実にある問題で、皮肉を効かせつつ考えさせられる -
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由佳のおすすめ(変だから読んでという謎のおすすめ笑)
カオスで全然意味がわからないと聞いていたので、全く理解できない話かと思ったら、そんなことはなかった。でも変ではあった。
1つ目は、秘祭の秘祭の秘祭の秘祭の...という無限ループができそうな、何がホントで何がウソがわからないちょっと気持ち悪い話。本筋ではないけど、怪しいマルチの成功した男を演じる旦那の生活がなかなか面白くて良かった。ポーポーポー
2つ目は、潮の話。可哀想にね、消費されてる感とか、ムリに頑張らなきゃいけない感とか、気持ち悪いよね。せめて主人公に旦那という相棒がいてくれてよかったよ。
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村田沙耶香作品とは思えないくらい、正当にいい話だった。己らしくいればなんだかんだ受け入れられるのだと、そう思いたいよね。「そう思おうとする」のではなく「そう思いたい」と思っているのがダメなんだよなという感じがするけど、でも、「そう思いたい」になってしまうなあ、と思った。割と自由に振る舞っている方だと思うけど、意識的に自由に振る舞っているわけではなく漏れ出ているだけだから、本当に意識的に自由に振る舞えたらどんなにいいでしょうねえという感じがする。前衛的なワンピースを躊躇う気持ち、よくわかるなあと思った。でもそういう一歩が個性を作っていくんだよねえ。結局自由に振る舞って痛い目を見ることもあるんだろ
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まさか可愛いって思うことになるとは想像していなかった。「コンビニ人間」「消滅世界」に続いて三冊目。
変態小説…
変態観察をしている感覚… 変態を安全な場所から"覗き見"しているといった感じに近いかな。変態が変態として成長していく課程を垣間見るだけじゃなく、変態の脳の中まで覗くことができてしまい、観察をやめれなくなる中毒性… 何かしらの"毒"を含んでいるんですよね。
「勃起していた私の手のひらは、いつの間にか萎えていた。私は顔をしかめて母の乾いた皮膚を見つめた。裏に汗をびっしょりかいた、生臭い皮膚。宿っていた欲望はすっかりなくなり、母の表皮を蔑む気 -
Posted by ブクログ
いきなり言うことじゃないと思うけど、こういう題材に出てくる男の人って絶対に雄々しくないよねえと思った。正男姉ちゃんの話は切なかったな。
読んでいて、村田さんは「子宮なんか取っちまいてえよ!」と思ってんのかなという気持ちを感じた。まあ、わかる。自分は「いつまで女の腹の中で子育てさせるつもりやねん、試験管ベイビーはよ!」と常々思っている。生理がド重い人とかもっとそんな感じだろう。
とはいえ、自分は村田さんほど女体も女性性も疎んでないなーと思ったけど、でももっと芯の部分で理解できるような、でもゾワゾワともするような、不思議な作品群だった。
女の人が自分の性別や肉体について考えた時、肯定的に受け止めて