村田沙耶香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
若林さんは不思議な人だ。
めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。
私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
あとは角田光代さん回。角田さんがおっしゃることがいちいち納得感がある。難しいことは一切言ってないのに。伝わる言葉でなるべく正しく考えを伝えようとされてるのが分かる。
そしてこの回でも、若林さんが良く話す。
ホストがノッてる方が対談は面白くなるよね。
西加奈子がやたら作中で〈セックス〉という言葉を使うのはそういうことか。説明したがりだと言う朝井リョウは実際どれくらい読者を縛り付けてくるんだろう。羽田圭介、やっぱり(人間として)好き。そのイメージを崩したくなくて彼の本はあんまり読んでないのは内緒だ。中村航の〈100回泣くこと〉再読したいなぁ。でも中村文則の〈教団X〉再読はしんどいなぁ⋯
エッセイを通じて作家さんのキャラクターを垣間見ることはあっても、話す言葉を聞く機会はなかなかないので、そういう意味でもなんか新鮮。
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Posted by ブクログ
うーん、変な話を読んだなぁ。
というのが第一の感想でした。
「変半身」
島に伝わるポーポー様とポピ原人の話や、抗えないはずの秘祭、「モドリ」の役目――子どもの頃から叩き込まれた島の教えと、淡い初恋。閉塞感と信仰心に支配された思春期のひりひりした痛み……みたいな青春ものではないです。なぜなら村田作品なので。「はっ?」という展開が次から次に重なり、そして大人になった主人公もやはり「はあぁ…?」という生活をしている状態。そのあたりの不可解さとぶっとんだ設定展開はぜひ読んで楽しんでいただきたい(笑)
ただ、結末はあまりにも「いや、なんでやねん!」と突っ込まずにはいられない締め方で(いや、締めてるのかこれは?)いままでの伏線らしきものは何だったの? となったのが(それが見どころかもしれないですが)、私としてはすこし残念でした。
で、タカヤさんは結局なんだったのか(笑)
私の読みが甘いんでしょうか。
「満潮」
潮を噴きたい気持ち、について真剣に考える夫婦の話。まぁまずもって、そんなテーマを掲げて中編を書こうと思い立って実践しちゃって、しかも最後まで読ませるという才能はさすが人並みはずれている、けれども理解しがたい。主人公がなぜそんなに性的なことをまじめに考え悩んでいるのかについては、きちんと過去の経験をふまえて説明されているのだけど、まぁ……あまり共感はできない。なので、よくわからないまま読み終えてしまった。
ちなみに、他作品と同様、性的な描写を露骨に描いているにもかかわらず、まったく性的な雰囲気はありません。
『コンビニ人間』『殺人出産』で村田沙耶香ワールドに衝撃を受け、『消滅世界』『生命式』『地球星人』など独特の視点で語られるクレイジーな世界観が好きですが、今回の作品は「?」が多すぎてすこしなじめなかったかも。
でも、まだまだ村田作品を読みたいです。 -
Posted by ブクログ
岸本佐知子さんの編んだ書き下ろしアンソロジー、タイトルに惹かれてまず読んだ津島佑子の短編「ニューヨーク、ニューヨーク」が素晴らしかった。読みながら、読み終わってから、幾つものことを思った。
「ニューヨークのことなら、なんでもわたしに聞いて。それがトヨ子の口癖だった、という」冒頭のセンテンスを読んで、わたしも数年前の夏に数冊の本を読むことで行ったことのない「ニューヨークのことはもう分かった」と嘯いたことを思い出す。そこには彼女がニューヨークを思うのと同じように個人的で特別な理由があったのだけど。
その後に元夫と息子がこの世にいない彼女について語り合うことで明らかになり“発見”される、今まで知り得なかった「彼女の孤独や哀しみやささやかな矜持や希望」あきらめ、恨み、失望は、編者あとがきで岸本さんが書いているように「私たちみんなが心の奥に抱えているもの」なのだと思えた。少なくとも、わたしは同じようなものを抱えていた。改めてそれらを見つめることになる。さらにその語り合い、解釈を通して「なにか肝心なものが欠けた存在」では、と思いはじめる元夫、名無しの“男”の人生に自分を省みて、思い出し落ち込み、わたしも「少し涙ぐむ」。
そして、もういない人を語りあうこと、あるいは不在になったときに語られることについても考える。別の方向からの印象を聞き、ぶつかり合いすり合わされることで、新しい印象が浮かび上がる。それは勿論“正解”ではないのだけど、新たな、あなた、わたしが描き出される。何処までいっても憶測でしかないそれを、真実とその人自体だと思い込む、そうせざる得ないことは、実はとても恐ろしいことなのではと思い至る。しかし、人も含めた世界はそうやってしか捉えることが出来ないのなら、それは真摯に語られるべきだ。この小説のように。そんなことを少しこじつけて思う。とても素晴らしかったけれど、予想していなかった怖い思いもした短編小説だった。太宰治の娘だということはさっき知った。「電気馬」も読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ムーミンのマグカップ」…デザインにストーリーを感じるところにとても共感した。
「正座が逆の人へ」…書いてある通りに想像してみたがいまいちピンとこなかったので実際に見てみたい。
「「走らせている人」たち」…並走させている人がいるのに驚き。各々どんなキャラクターを走らせているのか聞いてみたい。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」…イベントに参加したことはないが、真っ暗な空間にずっといると次第に慣れてきて、暗闇をてくてく歩く妙な大胆さを感じたことを思い出した。
「港区芝公園界隈」…から始まる4つの話が好きだった。日常と非日常の配分が絶妙で、いくら読んでも苦しくならない。挿絵も文字もホッとするしかわいい。このシリーズの本を読みたいくらい。 -
購入済み
男女の性行為が、古く時代遅れで意味のないものになってしまった世界。いつか人類の価値観が大幅に変わって本当にこんな風になってしまうんじゃないかとすら感じた。実験都市となった千葉で同じような子供が生まれ同じように育って、機械みたいだと思った。少し気味が悪かったけど話としては楽しめた。