村田沙耶香のレビュー一覧
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ネタバレうわーまた"普通"をぶっ壊された!という感じ。想像の上を行く…じゃなくて、想像すらしたことない価値観を提供してくれる。
個性、多様性ってものを深く考えさせられた…のに、めちゃくちゃ読みやすい。
"流行っている高級ブランドとマルチや宗教との違いは?"って、衝撃だった。極端で過激なのに、ハッとするようなことをストーリーに入れ込むのが上手。世界観とかはぶっ飛んでるんだけど、核心をついてくる感じというか…。やっぱり一味違った面白さがある。
最後の"芸術"がテーマの話は、きゅーってなった。死すら芸術という残酷さなのか、情熱や美しさなのか…。 -
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8つの短編が収められている。
SF的なもの、エッセイと思われるもの、書きかけの小説の断片のようなものなどバラエティが豊かである。
コンビニ人間しか読んだことがなかったので、SFが含まれていたのは意外だった。でも考えてみれば、異質な自分と他者という関係はSFの設定にぴったりである。たぶんご自身が抱える違和感が投影されていて、それはコンビニ人間の頃から徹底されているのだろう。
世界観は星新一に似ているような気もした。コンセプチュアルで装飾を控えめにした淡白な文章は通じるものがあるような気がする。
若干大げさにカリカチュアライズするあたりは好みが分かれかもしれない。信仰のラストで全裸で「ジュウマンエ -
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ネタバレ★好きな表現と感想
【殺人出産】人殺しの感触は手から離れないものか
・「ぷちっという感触は皮膚が切れるところだったのかもしれないが、そのあとは柔らかく…」
→このシーンは物語に入り込み過ぎて脇腹に痛みを感じながら読み進めるのが苦痛になってしまった。「沙耶香さん、人殺したことあるでしょ?」って思ってしまった。読み進めるのが苦痛だったが先が気になる。さすが村田ワールド。この表現の仕方がとても好き。
・「殺意が未来に命を繋いでいく価値観」
→世間の多くの人々の持つ価値観を根こそぎひっくり返すような表現。これもほんとすごい。普通逆だってw
【トリプル】三人でのキスについて
・「まるで最初からそうなる -
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『信仰』を中心とした短編集。
カルト、宗教、フェイクニュース、陰謀論、正論...
自分が正しいと思ってることって一体...?
あの人また変なことに騙されてるなぁ、なんであんなのに引っかかるかなぁ、と思うこと、誰にでもあるような気がします。
「そんなわけない」と自分が思っていても、それを自分以外が信じたらそっちが真実になる。
いろんな研究結果を並べ立てて、真実だと証明しても、それを裏返す結果がいつか出てくるかもしれない。「真実」だと思っているものは、案外脆い。
カルトとハイブランドは何が違うのか?
ブランド力、なんてほとんど宗教なのでは?と納得させられます。
もう、自分は何を信じたく -
Posted by ブクログ
何と書いていいのか本当に分からない。怖かった…。コンビニ人間ってめちゃくちゃマイルドな話だったんだと分かった…。自分の感想読み直しても、同じようなテーマなんだろうと思うけど、怖くてそれどころではない。
スマホを触りながらテレビを見る旦那の隣で、地球星人を読んでいる自分。読み終わって、思わず旦那も自分も触って、日常を確認した。いつもの自分なのか、なんか変な形になっているような気がして、もうただただ怖かった。虐待を受けた子どもたちの話だと思ったんですよ。それから智臣くんと二人で幸せに生きていく話だと思って。でも最後に向けて明らかにおかしい。でもこの世界を覗くことをやめられない。
面白いし、おす