村田沙耶香のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
普通の人間たちが集まる普通の世界は本当に生きづらい。偽りの言葉と笑顔で日々をやり過ごし、何とか脱線しないように走り続けるけれど、走るだけでこちらは精一杯。周りは何故前に進まない?未来のことを何故考えない?と問うけれど、仮面を被ること以外は考えられないほどに、普通に生きるのは難しい。
彼女がコンビニとして生まれた物語は、最後に本当の意味で生まれて幕を開ける。
泣きそうになるほど共感するとこが多くて、、、世界の部品になる難しさや、偽りの笑顔を向ける様、何にもなれない苦しみ。多様性の言葉の裏には淘汰される世界の肯定がある。地球の部品としてはそうかもしれない、でも生きるってそういうことなのかな?
-
Posted by ブクログ
ネタバレ
人間不信になりそうな世界で、
久しぶりに本を読んで暗い気持ちになった。
誰も好きになれませんでした。 …笑
とにかく出てくる男性全員が無理でした。
だけど、
自分の中では言語化できてなかったことを言葉で表してくれて分かりやすく理解できる
そのような箇所がいくつもあって、とても興味深かったです!!
みんな生まれた時は最初は空っぽで、自分というものは無いのかもしれない、いやたぶんないんだな〜そこから周りの環境や人たちが1人の人間を形成していく、本書でいうトレース。うーん確かに!そうだなと思いました。
自分も色んな人たちをトレースしてきて自分があって、それを自分だと思い込んでいるのかなって。 -
Posted by ブクログ
性というか性別(性自認や対象)というか、性欲というか性癖とか、性体験とか。
「性」のことはご法度的で親子、恋人、親友でも避けたりするわけで、孤独な世界だと思ってきたけれど。それが女性作家が17人も語るわけで下品上等、生々しくて面白い。
面白い、と言ってる事を下品と言う人もいると思いますが、多様性?とあえて言葉にすれば線引きしないでよ、と。
面白いというのは具体的に変えれば興味深い、が適切か。いやらしい意味でなく、前述のようにご法度な他者の世界に興味があるわたしは、作家がこうもあけすけにエッセイとして実体験や思想を語ってくれてありがたく。
本として残るので結構なカミングアウトもあったりするわ -
Posted by ブクログ
村田さんらしい、社会の常識とは何かを問いかける作品だった。なかでも本作では、その常識に馴染めない人々が、いかにして生き延びるかが描かれている。
生き延びるためには、皆が暮らす人間社会――作中でいう「工場」に適応し、求められる役割を果たし、結婚してセックスをして子どもを産み、共通言語を話し続けることが求められる。
それに馴染もうとしても馴染めない菜月と、完璧にこなしていたはずの由宇、そしてそれに抗う登臣。地球星人として生きることに限界を感じた登臣は、自分たちはポハピピンポボビア星人である二人に工場から逃れ秋級で生き延びることを提案し、奇妙な共同生活が始まる。
印象的な場面は多い。子ども時代に -
Posted by ブクログ
読み終わって、呆然としています…
ザ・村田沙耶香ワールド。
ひたすら繰り出されるカオスな状態に疲弊しながら読みました。
ピョコルンにラロロリン人。
途中、衝撃的な事件が起こり、開いた口が塞がらず…
途中で挫折してしまう人もけっこういるそうですが、気持ち分かります(汗)
えげつない表現が多いし、みんな急に人格が変わったかのように豹変したり。
でも淡々と進む物語、怖い、気持ち悪い。
フィクションなのに、どこか現実とリンクする場面もあって、それが読んでて苦しい。
そして後半「世界99」というタイトル回収。
最後の締めくくりはアッパレとしか言いようがないですね、もうこれで“完”でもいいと思いま -
Posted by ブクログ
感想としては、最初は違和感しかなかった空子に対して、「あっ、でもこんなこと自分もやってる!?」とドキッとして、違和感と共感(認めたくないけど!)を同時に感じた。
自分も空っぽでトレースして考えで生きているだけなのでは?などと考えてしまうくらい、この世界に入り込んでいた。だってこんなにも奇抜な世界を描いているはずなのに、ものすごく現実味と説得力が
あったから。
感動も不幸話も娯楽で、可愛い動物動画見たらキャッキャしなくてはいけなくて、不幸な話を聞いたら悲しいふりをしなくてはいけない?たしかに!
人間は過去の記憶や経験から行動が決まるプログラミングされたロボット化してるのか。
世の中は多数派の -