村田沙耶香のレビュー一覧
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ネタバレよかった。
実験都市に移住してから彩度が下がってぐっと洗練される生き方になる。
誰もがお母さん、子供はみんなの子供ちゃん、性欲はクリーンルームで排泄しよう、というあり方いいなと思った。
だんだん恋愛感情も、家族制度への執着も消えて、自分の感情を自分で管理する、個、として人間の生き方の分業が進んでいていいな。
解説として寄せられている文章も本文の理解を助けてくれるが、子供のまっすぐさを兼ねた疑問の提示方を発達障害的と言うのは攻めすぎなのでは。
性行為はなんのためにするのか?
村田沙耶香はあらゆる小説でこれをテーマにしていると思う。どれも生々しいと忌避して、女性の妊娠、性行為、恋愛、家族、性的価値の消費からの解放されていて羨ましい。
村田沙耶香の小説は、男性にとってはディストピア、女性にとってはユートピア、確かにそうだなと思った。 -
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現代日本の奇想
村田沙耶香は恐ろしい。短篇が四作入ってゐるが、どれもこれも発想が奇抜で、展開がまったく読めない。通俗風の文体にとんでもないことがサラッと書かれてゐる。そのギャップが尋常ではない。
最初の短篇「丸の内魔法少女ミラクリーナ」の主人公は、子供のころから魔法少女を続けてゐるテイの社会人女性。もう良い年なのは自分でも分かってゐるのに、だんだん奇異な目で見てゐた親友やその彼氏のほうが魔法少女ごっこに乗ってくる本末顚倒。最後にきちんとオチがつけられる。
つづいての「秘密の花園」。主人公は、実家で小学校からのあこがれの男の子を社会人になって家で飼ふ。これも先ほどに勝るとも劣らない衝撃度だ。フェラのシーンが気色悪く書かれてゐるのがよい。
「無性教室」。ある時期まで学校で性別を隠蔽して過ごすことになる思春期盛りの主人公。性別を隠すことで起きる思考実験が最終的にいきつく先とは…… エロ注意。
最後「変容」。これも最後のたたみかけがすごい。怒りパワーMAXのセリフがむちゃくちゃだ。 -
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ネタバレ社会から家族を作れとか子供を産めとかそういうマジョリティ的な生き方を強いられそうになるとき、それってあなたの家族欲では?
“家族”って何でそんな特別みたいに扱われるんだろう…。もちろん自分の両親や兄弟姉妹のことは大切なんだけど。それを自分から作りたいとはあんまり思ってなくて。
「なぜ弟は母に欲望の処理を求めるのだろう」ってあって、愛されたいって欲望は家族欲なのかと腑に落ちて その処理をしたいされたいっていう双方向の矢印が伴わないってなったらただ自己処理すればいいって恵奈の考え方も本当にすごいな……
「家族」を辞書で引いて「システム」に辿り着くところが好きだった。家族ってそういう社会的な単位なだけで大きな社会のなかの部品でしかないし、社会を回していくためのシステムだな〜って妙に納得してしまった。
カーテンにくるまってオナニーする話生命式?の短編のなかで読んだことあるな〜、世界99もだけど短編の内容が長編まで膨らむことが村田さんのなかにあるんだろうか。 -
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女性作家の自身の身体にまつわるエッセイ集。特に30,40代の今人気の作家さんたちだけを集めたというのが面白い。自身の身長について書かれている方もいたが、自ずと性にまつわる話が多かった。
個人的に感動したのは村田沙耶香さんと能町みね子さん。こちらの感想で、女性なのに自慰について書かれている方が多くて引いた、という感想が少なくないのは正直ちょっと残念だなと思った。村田沙耶香さんは幼少期から行っていた自慰について、いやらしいものという周囲との認識の差に未だに慣れない、ということを書かれていたのだが、子供の頃の自分の王国という表現でその感覚について本当に美しい描写をされており、涙が出そうなほど感動した。現代の子供向けの性教育本を読むと、自慰は人前でオープンにするものではないがご褒美のようなもの、とあり、本来いやらしく汚らわしいものというより村田さんのような表現が正しいのではないかと思った。
また、能町さんの文章は珍しく彼女が普段あまり公で書かれない自身のトランスジェンダーであることの葛藤が書かれており、普段の彼女の冷笑系の口調ではなく、本当に心の叫びという感じで涙が出た。さすが言語化能力に長けている方だけあって、「ノーマル」な人間への想いなど、初めてトランスジェンダーの心の片鱗のようなものを少し理解できたような気がした。
それにしても、西加奈子さん始め、ほとんどの作家さんが若い頃に性被害を経験しているというのが恐ろしすぎる。言葉にするお仕事の方たちだからこのようにオープンにして下さったが、被害を言葉にできない人間がどれほどいるか(小さいものも含めたらもしかしたらほとんどの方かもしれない)と思い知らされた。 -
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村田沙耶香さんのエッセイを読んだ。この人の作品は何をどうしたrこの角度から話を書けるのか、と思うけどエッセイを読むと少しだけ彼女の世界への眼差しがわかる気がする。
そんなことを考えたこともなかった、ということもあれば、大変おこがましいけど共感したり、私もそう思ってた!ということもあったり。
当然のことながらエッセイを読むということはその人の価値観をわずかに垣間見ることでもあり、一杯のコーヒーやコンビニのレジ袋にさえ、人それぞれの眼差しを知ることができる。私にはない眼差しを知ることはヒリヒリして心地がいいし、自分の尺度がすべてではないことをわからせてくれるから好き -
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3作目の村田 沙耶香作品。先日読んだ『信仰』よりも個人的には好きな作品でした❗️
4編からなる短編集で、コメディタッチの物やホラーチックな物、SFっぽい物とバラエティに富んだ構成で、電車の中で読んでいて途中乗り過ごしてしまうくらい惹き込まれました❗️
『コンビニ人間』を読んだ時は、それ程村田作品の良さが分かりませんでしたが、『信仰』や本書を読んで、ありそうには思えない世界観だけれども、もしかしたら近い未来そんな世界になるかも知れないと思ってしまう内容が魅力の一つなのかなぁと思っています。
好きな話しは、表題作の『丸の内魔法少女ミラクリーナ』と『無性教室』の2編です❗️ -
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著者初めてのエッセイ本。
2015年なので、約10年前、35歳の作品。
テレビ番組で拝見して、とてもおしゃれでおきれいな方だと思った。
やはり、学生の頃から美的センスがあり、ダイエットも色々試したようだ。
色々な「活」の中で、
女性特有の「妊活」にはタイムリミットがある、
という話は、ホントに頷いた。
自分自身を謳歌したい20代のいい時期を、
女性は子育てにすべてを奪われていいのか?
どんなに時代が変わっても、多様性がどうとか言っても、
女性にしかできないことも、もちろんわかるけど。
真っ白な髪のお団子頭の似合う、笑ったしわがかわいいおばあちゃん、きっとそうなれるでしょう。
一人の時間も、友人との時間も、上手に楽しんでる様子が、心地よいエッセイだった。 -
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ネタバレ「ポーポー」で半ページ埋まった部分見た時は、恐れと驚きで一瞬ゾッとしたけど、その後は可笑しくて笑ってしまった。
読んで、人や歴史は創られるんだなーって思った。「想像の共同体」を思い出した。
これまで信仰してた人間教を脱し、言語を創造し、歴史と人の認識を刷新し、新しいポーポー物語を島の人々に強制することで、人々は自らをポーポーという同じ世界を共有する同族だと信じるようになった。
村田さんは現実世界における、人々の無意識や、社会の当たり前を、小説を通して言葉を与える事で描くことが本当に上手いなと思う。小説の内容は気味が悪いと思われがちだけど、リアルと地続きなフィクションを描く、村田ワールドは結構好き。 -
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ネタバレ『ひかりのあしおと』
誘拐する側の話はあまり読んだことがなかった。蛍があまりにも純粋なので、どうか傷つけないでほしいと願ってしまった。いわば同意のないまま関係が進んでしまったということだと思うので、後に傷になることもあるだろう。
母と娘の関係もあまりに歪なので、読んでいて苦しかった。母に対する不快感をどうしたらいいのかわからなかった。でも現実にこういう親子って存在していると思うのだ。リアルなフィクションでありあまり他人事とも思えない、その点が一番苦しい。
『ギンイロノウタ』
私が化け物だとして、なんて書き出しの小説、苦しいに決まっていた。ひとり静かに狂気に侵食されていく過程を見せられていたのだと思った。
何が起こるのか予想ができず、主人公の衝動と殺意がどうなってしまうのか不安で仕方なかった。生きづらさの域をもうずっと超えていて、救いの手はどこからも差し伸べられないことが絶望でもあった。ある意味では、銀色の扉を自分の体に見つけたことはせめてもの救いであったのか?
何がどうなっているのか、まったくわからないのに読者を引きずりこむのが凄い。