村田沙耶香のレビュー一覧

  • コンビニ人間

    悲哀を拒否している

    アプローチが違えば、もう少し掘り下げられる気がする、
    と読後に最初は考えた。
    あまり異常な人の、突飛な行動で脚色して読者が面白がる作り方(構造)は、
    これみよがしで共感も得がたく嫌だな、と思ったが、
    深く考えてみると、演出や脚色が大袈裟なだけで、
    こんな人はいくらでもいるのではないか、とも後で思った。
    私の身近な職場にもずっとフリーターで生きている40歳オーバーが何人かいるわけで。
    ただ、作者はそういう人を描きたいわけでなくて、
    どちらかというと描きたかったのは、
    主人公(多分作者の内面の一部)のある種の純粋さ(短絡的傾向)だと思う。
    つまり、何がいけないの? と。
    『主人公は』普通でありたいだけなのに、と。
    間違ったことは何も言っていないと。
    言ってしまえば、主人公はただすごく真面目に働いていて、
    すごく真面目に質素な生活をしているだけの人ですよね。
    ずるさもなく、欲もない。誰も傷付けない。周りが理解できないだけ。
    肉親が哀しめば、合わせようとさえする。
    独り身が悪いわけがないわけで。
    それが、パブリックとプライベートの切り分けをして生きている世間の人たちからすると、
    残念ながら受け容れられず浮いてしまう。
    ただし、そのへんを悲哀に持っていかないのは、
    作家としてそういった視点をもしかしたら
    拒否しているのかもしれない。
    言い換えれば、それは怒りではないかな。
    やっぱり間違ったことは何もしていないわけですよ。
    結婚なんて、したい人がすればいいわけで(私は妻子がいますが)。
    それらを考えると、作者が主人公をかなりの変人のように描いたのは、
    ある種の皮肉かもしれませんね。
    そこまで考えると、大変良作だと思います。
    私も作者と同じく、個性と言いながら異質なものを平均化しようとする世間は嫌いですね。

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    2020年02月14日
  • コンビニ人間

    購入済み

    人間らしさってなんだろうと思う

    人間らしさってなんだろうと考えさせられる作品。人の目をつい気にしてしまう人にはとても刺さると思います。題材は結構重いが、結構サクサク読めます。おススメです。

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    2019年12月17日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    さまざまな形の「愛」が収められたアンソロジー。どれも一般の恋愛観からは少し外れた愛で、しかしそんな奇妙な愛こそが恋愛であるような気がする。どこか変でなきゃ恋愛なんてできないな、と感じた。

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    2019年09月14日
  • きれいなシワの作り方~淑女の思春期病

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    思春期は、身体の変化に心の変化、女としての「人生の進路」に悩む年代だったが、30歳を過ぎた頃から新しい『身体の変化に心の変化、女としての「人生の進路」に悩む』ことが多くなった。それで淑女の思春期病としている。カンタンに言うと30代になって経験するあるあるネタで、そんなエッセイ、マンガはずいぶんとあるが、その中でも頭一つ抜けてるのではないかと思う。平易な言葉の裏に潜む真実と苛立ちと諦観とユーモアが面白い。

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    2018年10月29日
  • 殺人出産

    購入済み

    常識引っくり返る

    この人の本初めて読んだけど、スゴいとしか言いようがない。常識?ナニソレ?そんな発想おんなじ人間なのに思い付きもしませんよって感じです。
    他の本も読みたいですね!このぶっ飛んだ世界観にドッブリ嵌まりたいです。

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    2017年03月06日
  • コンビニ人間

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    社会から普通ではないと言われ、普通を学んで社会に馴染もうとする主人公が、異様でありながらとても身近な共感できる存在にも感じる。矛盾した感情が同時に湧き上がってくる不思議な作品です。
    世間から明らかに外れている主人公に共感してしまうのはどこか怖いけれど、彼女が自分自身として生きるためにする決意は清々しく、潔く感じました。

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    2026年10月25日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村田さんの作品は現代社会を生きる上での「普通」に
    メスを入れてくれる。今回も、結婚出産するのが当たり前、仕事をするのが当たり前という社会の認識を洗脳と表現し、洗脳された側を地球星人、洗脳されなかった側をポハピピンポボピア星人と区別しているわけだが、どちら側も「気持ち悪い」という感想を持った。主人公がポハピピンポボピア星人の場合、どうしてもポハピピンポボピア星人に肩入れしてしまいがちだと思ったが、決してそうではなかった。洗脳されなかった人たちに勇気を与える本ではない。自分はどちらの星人なのか、どうすれば共生していけるのか考えさせられた

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    2026年10月25日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    変わり者扱いされてきた主人公が、社会の一員であることを実感することができた"コンビニ店員"という生き方。ただそんな生き方さえも、続けるうちに周りからまた懐疑の目で見られるようになってしまう…

    私たちが誰かをかわいそうだ、もっとこうしたほうがその人のためだと言う時、その人がどのように世界(こちら側)を見ているのかをどこまで理解できているのか。問い直された気持ちになった。

    本当の意味でその人を尊重するとはどういうことか?

    "私は人間である以上にコンビニ店員なんです。"
    最後に主人公が本当の自分を掴むことができてよかった。
    私たちは、自分の生き方を誰かに許される必要があるのか?考え直すきっかけになった。

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    2026年10月25日
  • コンビニ人間

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    いわゆる「変わっている」と言われる2人の話。

     主人公は「変わっている」と言われながらも、コンビニのアルバイトで店員としては素晴らしい働き方をすることで、自分自身を社会の一部分として実感することができていた。しかしながら、プライベート面に関しては、世間とのズレを感じざるを得ず生きづらさを感じていた。彼女は純粋にただ結婚、正社員、などに全く価値を感じられなかったのだ。

     白羽さんは、主人公と同じく「変わっている」と言われる方であったが、彼は周囲から言われる「結婚、恋愛経験、お金、地位、」の必要性を真っ向から受け止めそれらのものに執着してしまう。それがより彼を「変な人」にしてしまっていた。

    2人ともズレているのは変わらないが世間の目に対する受け止め方は全く違うのが面白かった。

    普通ではない人は社会から静かに排除される。または普通ではないと批判される。そのメカニズムを人間が異様な細胞を排除する様子に喩えていたのが秀逸であった。

     社会の部品であれることの心地よさ、コンビニを通してまともな人間であれるところ、でもやはり、社会の部品というのは部品に過ぎない虚しさ。

     変わり者のまま生きることは許されるが社会からはそっと阻害される、だから「普通」のための条件に執着したり、価値がわからなくとも形だけを真似たりする。その歯痒さがよく伝わる。

     私自身は「変わり者」の部類で、それでも社会に馴染み生きている実感というものが欲しかったから「普通」になるための武器を得るための努力をたくさんしてきた。だからこそ、共感できる部分は多かったし、しっくりくる物語だった。

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    2026年10月25日
  • コンビニ人間

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    社会の"普通"でいられると安心する。
    逆に、少しでも普通でないかもしれないと思うと、置いて行かれたような不安を覚える。
    誰しもが普通を求めて生きているのかもしれない。
    少なくとも自分は、普通でありたいと思っている。だけど、多分実際は誰かにとっての不可解な存在なんだろうなと思う。

    恵子は子ども時代は普通の子ではなかった。周りのみんなと同じように感じて考えることができず、相手の心情を読み取ることができない子だった。

    しかし大人になるにつれて、それが異常だと知り、極力、異常を悟られないように、人との交流を最小限に留めた。
    その中でコンビニという仕事に出会う。コンビニは無駄がなく均一的でシステマチックな労働だ。
    その歯車になれることの喜びのなかで、普通を装えるようになった。

    労働は確かに感覚を麻痺させることがある。
    求められているとつい錯覚したり。
    少なくとも、社会の一員として働いていることにどことなく安心を覚える。人間として生活できているような安心感。

    しかし仕事中、1人で労働だけをするわけにはいかない。
    コミュニケーションを図ることの方が多い。
    恵子は周りの人の話し口調などをトレースして、まるでその人に化けているかのようにしてコミュニケーションを取るようになった。

    これについても共感できる。
    意図的に真似をしているわけではないのに、ふと誰かに似てしまうことがある。
    元々不安定だった喋り口調が誰かに化けて、普通になろうとする。

    これで普通を演じられるなら良かったのに。
    でも18年もコンビニバイトしているのが明らかに不可解で、普通ではなくて。
    その異常を脱しようとして、壊れていく過程がなんとも辛かった。
    読み終えて、普通になりたいと思うことについて、いろいろ考えてしまう、そんな本でした。

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    2026年10月25日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    小説自体読んだことがほとんどなかったため、芥川賞を受賞されているこちらの本を読むことにした。
    率直な感想としては、どういった本なのかというのが一言で表せなく少し難しく感じた。
    ただ、この本を読んで私が感じたこととしては、人にどう思われるかを気にして生きていくのは不幸せで、最終的には自分がしたいことをするのが結局幸せなのではないかと思った。
    主人公は自分のことを人とずれている人と思っており、自分のずれているところを隠せるコンビニ店員として働くが、いつのまにかコンビニ店員というのが自分の生きがいになっていたのだと思う。
    コンビニ店員として働こうと思った理由がどうであれ自分がしたいと思うことをすることで、自分が幸せな人生を歩めるのではないかと思った。
    私も人の目を気にして変に思われないかを考える性格のため、主人公に共感できる部分もあった。
    人に変に思われないようにやりたくないことをやるより、今自分のしたいことを大切に生きていきたいと思った。

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    2026年10月25日
  • 世界99 上

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    なかなか、面白い切り口。私は、ダメダメな人間家電だな〜
    相手によって態度が変わるのもわかるな〜
    ピョコルンが怖い

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    2026年10月25日
  • コンビニ人間

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    36歳、恋人なし、コンビニバイト、周囲からの理解不能な眼差し、「普通」から外れてしまった息苦しさ。
    私やん!と思わず一言。店員の時だけ唯一「普通」になれる感覚分かりすぎる。ただ物語の私は悲壮感なく怖いぐらい淡々としていて強い人間だと思った。こんなパートナーの形もアリだと、羨ましいとさえ思った自分が悲しいと同時に、そんな自分を受け入れて貰えたような嬉しさを感じた。

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    2026年10月25日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    村田先生の作品は息つく間もなく面白い!
    気づいたら読み終わってしまいます。

    今作は人間というものを、人間ではない星人として描いており、今までの人間としての普通や考えを星人として考えるというか、星人として生きることを描く。

    自分で書いてて人に伝えれない…けど、この作品が面白いことだけは伝えさせていただきます笑
    もう一回まっさらな状態で読んでみたいと思わせる作品です。

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    2026年10月25日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    個人的にはかなり面白かった。普通とはなにか、歯車として満たされる個性、生まれた日、同調圧力。今の社会や周りの環境と比較してみると腑に落ちることも多かった。

    印象に残ったセリフ。
    ・自分の中に朝という時間が運ばれてくる感じがする
    ・私の摂取する世界は入れ替わってるのだから
    ・私はコンビニ人間という動物

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    2026年10月24日
  • コンビニ人間

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    本当にタイトル通りの人間の話だった。
    普通ではない人間が、多数派が自分の人生を強姦してくるという表現が印象的だった。
    世の中は多様化しているように見えて、結局普遍的に変わらない部分(子供を作るには男女のもつもので、受精卵をつくって、誰かが面倒を見なくてはいけない状態)がある以上、本当の意味では多様化することは許されず、そこに向かうもしくは通っていかなくてはいけないという社会規範が残り続けてしまうなと思った。
    言語を通じてコミュニケーションを取ることはできるが、形がまるで違うような生物が出てこない限りは、人間サマのいわゆる普通の社会の再生産は続くし、自分はそれに何かできるわけでもなく、日々を過ごしていくしかないのだなと思う。

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    2026年10月24日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    タイトルから、コンビニで働く人が出てくるんだー以外想像が付かなかったけど、読みやすいし面白かった。
    途中まではリアルな話だなあと読んでいたけど、読み終わる頃には「これファンタジーだ!なんならホラーだ!主人公イカれてる!」と思っていた。
    コンビニで働いている人達とか友達の旦那とか、人のことに色々口出しすぎで相当おかしい人が多い。でも少しリアルさも感じる。
    ただ主人公は別の意味でやばい。
    最後は自分のやりたい気持ちを大事にしてくれて嬉しかった。天職を見つけたってことじゃないですか…

    周囲にいる人に影響されてテンションや言葉選びなどが影響を受けることがあるのは間違いないけど、自分も同じように振る舞うかは個人が選択してること。そこに個性が出るのだと思った。

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    2026年10月24日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    面白
    読んでる時に主人公に対して視点が二転三転した。
    あなたは地球星人だ。皮肉にも、いや、この言葉遣いは正しくないかもしれないけど。主人公は皮肉にも地球星人だった。なったね。
    コンビニ人間読んでみよーっと思った

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    2026年10月23日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    古倉さんの考え方って「自分を含め、人間の感情」を読む力がほぼ無いのかなと思った。妹が自分の将来を心配して泣いてるときも、なぜ泣いてるのか分からないし、暇だから?そこにあったプリンを食べていたり(これは時間の無駄だからかな)、周りに祝福されるし社会の一員になったような気がするから同棲をしたり(なぜ祝われるのか分からないけど良いことっぽいから)。ここまで究極な考え方は珍しいかもしれないけど、世の中「結婚、出産しなきゃいけない」っていう風潮が薄れているあたり、部分部分で、うっすらこの考え方に共感する人もいるのかなと思った。でも古倉さんって完全に感情がないわけではなくて、それがコンビニで働き続けたい気持ちとか、周りの目を気にして同棲することは嫌だとか、その辺はうっすら彼女の感情が入ってて嬉しかった。だから私的にはハッピーエンドかな。コンビニで18年も働いたり、周りに変に思われないよう口調を学んだり、妹のいうことを長年貫いてきたり、相当な努力をできる人なんだなあと感心してしまった...。

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    2026年10月23日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    身近な日常の話かと思って読み始めましたが、これほど「日常の気味悪さ」をリアルに描けているのが本当にすごいと感じました。
    特にゾッとしたのは、主人公が白羽と同棲して「普通の枠」に入りそうになった瞬間、周りの仲間たちが手のひらを返して次のステップへ無理やり固めようとしてくる変化です。
    社会が求める「普通」には終わりがなく、恋人ができたら結婚、結婚したら子どもと、一つクリアしても次々と新しい型を要求されます。仲間のフリをして他人の人生をコントロールしようとする周囲の姿に、終わりなき同調圧力の息苦しさと怖さを突きつけられる作品でした。

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    2026年10月23日