村田沙耶香のレビュー一覧
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村田作品三作目。この世界観は『殺人出産』のさらにその先だと思う。相変わらず倫理・道徳観がぶっ飛んでて好きだわ。いろいろ気味が悪く、本当に気持ち悪い…(褒め言葉w)。途中まで、一番は「III」の○○シーンだと思ったけど…。そんなことはなく結末を含め「III」すべてが異様としていて、言葉にならない恐怖(適当な言葉が浮かばない…)なのかな…。下手なホラーよりよっぽど怖い……。
"消滅"世界とは、わたしたち(読者側)、雨音たち(小説側)どちらかではなく——その両方の世界が消滅し、新たに第三世界(これに付いた名が「消滅世界」なのだと)が誕生したことなのかもしれない…。今まで読んだ村田作品の中で一番だ。 -
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どこが良かったのか?と言われるとうまく説明できないのだけど、すごく好きな種類の小説だった。
・先が気になる物語だったし、律と瀬里奈の関係性がとても良い
律に共感できる部分もあったし、律と瀬里奈の成長を見ているのも面白かったし、あとはくるみ割り人形のマリーが気になりすぎるので読みたい!
・ただクラスの男の子たちが意地悪?というか暴力的?すぎて、リアルに小学校ってこんな感じのことある???とちょっと現実味湧かなかった 現実にはあってほしくない
・村田さんにしてはポジティブな作品だという意見もいくつか見かけたのでぜひ他の作品も読みたいという気持ち
なんだか律は気づいていなさそうだったけど、瀬里奈が一貫して律だけは特別だと思っていそうなのも良かった〜 -
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ネタバレ人が死んだ後食べることによって次の生命の活力にする為に行為をすることが勧められた生命式が当たり前の世の中に疑問を持っていた主人公が、仲のいい同僚が別の自分用のレシピで食べてもらう話。それによっておいしくて、少しずつエネルギーになり、変化していく。海に行きそこで出会ったゲイの人の精子を入れる。1人の体が1番素材として優れている世界で旦那が理解ができなくて使うのが残酷でやっていたけど死んだ父の皮膚のベールで少し考えが変わったり、生命感のない自分が嫌だから人に触れたくて優しくする人。ゲロが1番興奮したり、おとなしい女の子が本当に自分の欲の触れたいという思いだけで性行為をしたり、カーテンと三角関係になった話とか街を食べる話。自分の中にコミュニティーによって人間が変わるのを過剰にしてしまう主人公が旦那との2人のコミュニティー用の人格が生まれた話とか全体的に現代にマッチしていて凄く面白かった。人の価値観とは何なのか、基本的に移っていくものだし、変化していく。昔の価値観を持ってみんな困って自分ないし、正解を模索していく人。面白かった。買ってもいい。
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あまりにも良すぎて余韻がやばいです…!
私の感性は村田沙耶香作品とすごく相性が良いのですが、本作はその中でもかなり上位に入りました
元々シスターフッドが好きなので余計刺さったのかもしれません
王道のシスターフッドではありませんが本作も十分それに値すると感じました
自分らしく生きること、周りから異物扱いされないこと
そのふたつを共存させるのはとても困難な世の中です
自分が周りからどう見られているのか…周りの評価を気にせずに生きることができる人などほとんどいないと思います
誰だって他人から石を投げられるのは怖いはずです
私だって例に漏れずです
だからこそ本作の主人公2人に強く惹かれます
どちらの気持ちもわかります
だからこそ前半を読むのがとても苦しかったです
でも読後感があまりにも素晴らしくて…!
このラストを見るためならどんなに苦しくても最後まで読む価値があると思いました -
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ネタバレコンビニ人間に続き面白すぎる。
1章目から凄い。
鼻整形や歯のホワイトニングなど、現代にあるものにすると何が変なのかわからなくなる人がいるだろうけど、『鼻の穴のホワイトニング』にすることで違和感を全員にわかりやすくしているのが凄い。企業のマーケティングで整形や脱毛するのが当たり前になってる現代においての皮肉をも感じた。異質感の演出がすごい。
縄文時代の土器も笑ったし、色々皮肉が効いててブラックユーモアというか、表現が面白すぎる。
原価の話も少しはわかる気持ちもありながら、でもその部分を極端に濃く派手に膨らますことでやばい変なやつを描くという、村田沙耶香さんの腕が凄い。
ジュウマンエンカエセ笑
2章目殺人出産のようなディストピア作品。独特で少し気持ち悪い感じが面白かった。白い毛が生える…
あと短編小説にエッセイを入れ混ぜてくるのが斬新。しかもエッセイが小説に負けないくらいの重さで、私も昔から「ねんりょ」を感じるタイプだったからお気持ちが少しわかるというか… -
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ネタバレ全体的に短編で読みやすいのに常識への揺さぶりが尋常じゃない。寓意小説らしく超現実的でもあるのに、どこか自分たちの生きる現実世界の延長のようにも感じられる。
『丸の内魔法少女ミラクリーナ』
魔法少女というものの持つ属性である、正義や幼さなどを活かして作品としての深みと面白みを確保している。27年目の魔法少女という始まり方から既に変だ。大筋はレイコの彼氏の正志を主人公レナが阻止するというものだが、その過程で魔法少女の在り方が問われる。正志の魔法少女としての正義の目的はレイコとの復縁があった。そして目的は次第に感謝による快感に置き換わった。正志の魔法少女としての在り方は純粋ではなく、本物ではない。本物の魔法少女の正義は、世界を守るという漠然とした幼い希望なのだ。そしてレナはその幼い希望を胸に大人として社会に適応している。二十代にローンで買った黒のセリーヌのバッグの中にポムポムがいるという状況も、大人として生きながらもうちに幼さを持っていることの比喩に思える。
『秘密の花園』
主人公千佳は小学校の頃の初恋の相手である早川くんを自宅に監禁し、自らの初恋と決別をつける。『丸の内魔法少女ミラクリーナ』とは逆に、過去と決別をつけることで社会に適応していく話だった。最終的な早川くんとの接触はキスと口淫で、口というのは体を一本の管と見立てた時の始まりに位置するものであって、その口に関する行為によっての決別は、自らの恋の遍歴の始まりを断つことでもあり、やはり口でなければいけなかったのだと思う。しかし「こんなまずい精液、初めてだな」という発言から、おそらく過去に経験はあり、キスも本当はしていたかもしれない。ただ、幼い頃のものへの執着という点では表題作とかなり似た作品となっている。
『無性教室』
この本の中で一番好きな作品だった。18歳まで性が禁止され、その中での若者の葛藤。性という世界の根幹を揺さぶることを、ここまで読みやすくしっかりと捉えるのは一筋縄にはいかないと思うが、そこは流石村田沙耶さんなので完璧にやってのけている。性別があるから恋があるのか、性別とは何なのか、面白いぐらいに揺さぶられる。性別のない環境では異性恋愛も同性恋愛も無性の人もいる。果たして性別とは何なのか。
途中のユキの語った未来の世界は消滅世界にも繋がるものだったことからも、村田沙耶さんにとって性に関する疑問提起はこの作品だけに収まらないのだと思う。
『変容』
世の中から「怒り」というものが消えていて、「なもむ」という流行語が生まれている。そして若者の性格は流行として作られていたという、今の世界の先にあるものとも捉えられそうな面白い作品だった。いかに人間のアイデンティティや感情というものが、個人のものでないかということを知らされた。「コンビニ人間」でも主人公は自分の周りの人の言動などの、環境を取り込んで今の自分を作り上げていた。結局は人間というのは社会に生かされているものであって、個人というのは儚く脆い。構造主義のような話でもあって、読んでいると自分って何なんだろうと思うような、読みやすさからは考えられないほど深いテーマを内包したものだった。 -
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とても強く心に残る作品だった。過激な描写や読んでいて苦しくなる場面も多かったが、それでも「これは目を背けてはいけない」と感じさせられる力があった。村田沙耶香さんの想いが真正面からぶつかってくるような作品。
主人公・結佳は、中学校のクラス内にあるヒエラルキーや空気感の中で、「害のない存在」として周囲に合わせながら生きている。自分の居場所を守るために周りを見下したり、本心を隠したりしてしまう姿がとてもリアルだった。そんな結佳がある出来事をきっかけに孤立し、価値観が少しずつ変わっていく過程が印象的だった。
人は自分の居場所があると安心し、その“普通”の中に閉じこもってしまう。でも、その普通を客観的に見るとどこか歪んでいることもあるのだと思わされた。自分の嫌な部分も含めて認め、自分を信じて生きていくことの大切さを感じさせてくれる作品だった。 -
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『タダイマノトビラ』 村田沙耶香
これですよ、これ。私が求めていたものは!!
沢山の本を片っ端から漁って読んでいても、ブルブル震えて口角があがるあの高揚感を得られる本は中々に少ない。 出会えないことの方が多い。
しかし、村田沙耶香さんの本は私の期待を裏切らない。
平日の忙しい合間を縫ってあっという間に読み切ってしまった。
私の語彙力に限界があるのでネタバレをせずに、感想を書くのならば…
月並みな表現ではあるがカフカの『変身』を彷彿させた、と言ってもいいだろうか。
結末の気持ち悪さに思わず寒気がした、とんでもない小説にまた出会ってしまった。 -
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村田さんの初期作品は今とはまた違う雰囲気でとても面白かった。小学生から中学生の心情が非常に細かく繊細に描かれていた。特に中学生編は自分の中学時代のクラスを思い出すようでリアルだった。個人的に信子のキャラが1番際立っていたと思う。自我が強すぎるのか協調性がないのかこの手の女子は中学で一人はいただろう。こういう女子に限って自信家だったりする。そして、主人公結佳がクラスは人間を冷静に考えているところに驚いた。この年でここまで考えられる子はいないと思う。私も今思えば何ともなかったことだが、中学時代はこの本に出てくる女子と同じような考えだった。少し昔に戻ったような気がしてとても楽しく読めた。結佳や伊吹が高校生、そして大人になり、どう成長していくのかも気になった。
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凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
性に関する体験をもとに感情が描かれていて、一読するだけでは飲み込みきれなかった部分もあった。一作ずつ丁寧に読みといていきたい。