村田沙耶香のレビュー一覧
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ネタバレ本を読んでいると、「私の人生のなかで、その部分の言語化は避けていたなぁ」と自覚するときがある。避けるという動詞が適切なのかはわからない。サボっていた、という後ろめたさも含めた動詞のほうが適切かも知れないし、うすうす気づいてるけど言語化しないように気をつけていた、とも言えるかもしれない。
村田さんは言語化する。ちゃんと文字に起こす。最大限に書き込むし、描き込む。
だから書かれてしまった。私の記憶のなかにあった、例えば「これが痴漢かも知れないけどそうじゃないかも知れない」という迷いの一部始終も、周りに対して「あのことをもう忘れたんだなぁ」と思っていたことも、身を守る術として「おっさん」をトレ -
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【ざっと内容】
主人公の空子は会話する相手やコミュニティ毎に見事なまでにアジャストする。アジャストとは、その相手やコミュニティから求められてるであろう空子のキャラクターを察し、再現すること。それが大した学歴を持たない彼女が生きる術であったから。
そんな彼女の個人の生き方に外界の変化の影響が迫る。ラロロリンDNAを持つ人、ラロロリン人が差別される世界で、ラロロリン人の旦那を持つ空子はアジャストすること各世界でうまくやり続けることはできるのか、本当の空子とは?上巻ではそれらの変化の幕開けまでが記される。
【感想】
すごい小説だった。少し遠いような、でもそういった世界があることは十分理解できる近い -
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ネタバレ人が死んだ後食べることによって次の生命の活力にする為に行為をすることが勧められた生命式が当たり前の世の中に疑問を持っていた主人公が、仲のいい同僚が別の自分用のレシピで食べてもらう話。それによっておいしくて、少しずつエネルギーになり、変化していく。海に行きそこで出会ったゲイの人の精子を入れる。1人の体が1番素材として優れている世界で旦那が理解ができなくて使うのが残酷でやっていたけど死んだ父の皮膚のベールで少し考えが変わったり、生命感のない自分が嫌だから人に触れたくて優しくする人。ゲロが1番興奮したり、おとなしい女の子が本当に自分の欲の触れたいという思いだけで性行為をしたり、カーテンと三角関係にな
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属さない人間を「変わってる」にしてるだけ
普通という実態があるようで、結局
「多数派」
「安心できる枠」
「共同体ルール」
みたいな集合でしかなくて、そこから少し外れると、人って急に“矯正”し始める。
しかも善意っぽい顔で。
だから主人公に対して、
恋愛観
家族観
働き方
過去
生き方
にみんな踏み込んでくる。
「普通になってほしい」が免罪符みたいになってる。
人って自分の感覚で生きてるから、自分の中では全部連続性あるし、“普通に考えてる”つもりなのかもしれない。
むしろ「自分は絶対普通です」って思い込んでる人の方が、他人を雑に切り分けたりすることもある。 -
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あまりにも良すぎて余韻がやばいです…!
私の感性は村田沙耶香作品とすごく相性が良いのですが、本作はその中でもかなり上位に入りました
元々シスターフッドが好きなので余計刺さったのかもしれません
王道のシスターフッドではありませんが本作も十分それに値すると感じました
自分らしく生きること、周りから異物扱いされないこと
そのふたつを共存させるのはとても困難な世の中です
自分が周りからどう見られているのか…周りの評価を気にせずに生きることができる人などほとんどいないと思います
誰だって他人から石を投げられるのは怖いはずです
私だって例に漏れずです
だからこそ本作の主人公2人に強く惹かれます
どちらの -
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短編集です。文章もわかりやすく、テーマがはっきりしているので、とても読みやすいです。テーマが哲学的なので、向き不向きはあるかと思います。
どれも、生きていれば感じる些細な倫理的違和感にフォーカスした物語が綴られていて、童話のようなテイストに感じました。
そのギャップがまた恐ろしく脳に刺さります。
ぜひ読んでみて欲しいです。
信仰、生存、残雪が好きです。
いかり、かかなかった小説というエッセイも入っており、こちらもとても良かったです。
コンビニ人間、殺人出産を読んだ印象は倫理観どうなっているんだろうという不気味さを感じていました。
この信を読んでから、著者の印象がガラッと変わりました。
こ -
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ネタバレコンビニ人間に続き面白すぎる。
1章目から凄い。
鼻整形や歯のホワイトニングなど、現代にあるものにすると何が変なのかわからなくなる人がいるだろうけど、『鼻の穴のホワイトニング』にすることで違和感を全員にわかりやすくしているのが凄い。企業のマーケティングで整形や脱毛するのが当たり前になってる現代においての皮肉をも感じた。異質感の演出がすごい。
縄文時代の土器も笑ったし、色々皮肉が効いててブラックユーモアというか、表現が面白すぎる。
原価の話も少しはわかる気持ちもありながら、でもその部分を極端に濃く派手に膨らますことでやばい変なやつを描くという、村田沙耶香さんの腕が凄い。
ジュウマンエンカエセ笑 -
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ネタバレ全体的に短編で読みやすいのに常識への揺さぶりが尋常じゃない。寓意小説らしく超現実的でもあるのに、どこか自分たちの生きる現実世界の延長のようにも感じられる。
「丸の内魔法少女ミラクリーナ」
魔法少女というものの持つ属性である、正義や幼さなどを活かして作品としての深みと面白みを確保している。27年目の魔法少女という始まり方から既に変だ。大筋はレイコの彼氏の正志を主人公レナが阻止するというものだが、その過程で魔法少女の在り方が問われる。正志の魔法少女としての正義の目的はレイコとの復縁があった。そして目的は次第に感謝による快感に置き換わった。正志の魔法少女としての在り方は純粋ではなく、本物ではない -
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『タダイマノトビラ』 村田沙耶香
これですよ、これ。私が求めていたものは!!
沢山の本を片っ端から漁って読んでいても、ブルブル震えて口角があがるあの高揚感を得られる本は中々に少ない。 出会えないことの方が多い。
しかし、村田沙耶香さんの本は私の期待を裏切らない。
平日の忙しい合間を縫ってあっという間に読み切ってしまった。
私の語彙力に限界があるのでネタバレをせずに、感想を書くのならば…
月並みな表現ではあるがカフカの『変身』を彷彿させた、と言ってもいいだろうか。
結末の気持ち悪さに思わず寒気がした、とんでもない小説にまた出会ってしまった。 -
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凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
性に関する体験を -
Posted by ブクログ
4つの中編集で構成されているが、「丸の内魔法少女ミラクリーナ 」は特に楽しく読むことができた。最後のレイコと正志の戦いは声がでそうになるほど面白かった。典型的な話だと思いきややはり着地点がまったく見えないのが村田ワールドのとても良いところ。また、「秘密の花園」も印象的で自分の理想彼を現実にいる同じ彼で破壊するという予想外の展開には驚いたが、私も美化されている人間は沢山いるので実際に会ってその理想を壊したらまた新たな発見があるのかと思いながら読んでいた。村田ワールド作品はいい意味で気持ち悪くなる作品が多いなかで、この作品はライトに読めるので村田作品初心者には是非オススメしたい1冊である。