村田沙耶香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コンビニ人間よりよっぽど腑に落ちた。村田沙耶香さんは頭の中では色々奇抜なことを考えていたかもしれないけど、人間関係では奔放になれる奇天烈っぽい人に憧れてでもそうはなれないみたいな葛藤を抱いてきた人なんじゃないかと思った。
コンビニ人間は主人公が世間から白眼視されている人で、読んでいて特段納得感がないというか何か妄想の域を超えない浮ついた感じを覚えたけど、本作はめちゃくちゃ自然で語りと登場人物に違和感を覚えなかった。
それと社会性をテーマにしたシスターフッド的な話好きだなぁと思った。悩みや本心を赤裸々に共有することは裸を見せるより恥ずかしい、裸程度の度合いで開示しあってそれ以上は察し合う温度が気持ちいい。 -
Posted by ブクログ
本を読んで気づいたこと
①自分にとって都合のいい道具だと思っていたものも、本当は自分と全く変わりないただの人間である。
②自分が信じていた、こうあってほしいと願った理想の存在は頭の中にだけあって、実在しない。そこには自分と同じように利己的で気味が悪いただの人間がいる。
③みんな自分は搾取される側で、自分を搾取する敵がいると思っている。しかし本当は、搾取されていると思い込んでいる自分自身にも、都合のいい存在を搾取している一面がある。
【感想】
「人間」の気持ち悪さがグロテスクに描き出されている。言葉の通りブラックボックスがむき出しにされていく、最後の展開はリズミカルで読み手を引き込む魔性があったと思う。
前半の他者をトレースし、今自分が存在している世界の空気を読んで適切に振る舞う空子の行動原理は私の中にも通じるところがあると感じて、「あなたもそうでしょ?」と後ろ指をさされている気がしてならなかった。気持ち悪くて、生々しくて、読み手の心を引っ掻いて傷を残す「とんでもない小説だな」という感想です。好きか嫌いかと言われるとちょっと嫌いなんですが、それは私が目を背けたいところを直視させてくることへの嫌悪感によるものだと思うので、読み手をこのような気持ちにさせ気づきを与えるという点において、文学作品としての評価は高いと思います。