村田沙耶香のレビュー一覧
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作中では、新しい価値観や空気がどんどん更新されていく中で、登場人物たちも違和感を抱えながら適応していく。その姿が、SNSや現実社会の空気感とも重なって見えて怖かった。
特にピョコルンの存在が不気味だった。
かわいらしい名前や親しみやすさとは裏腹に、正体や意味が曖昧なまま社会に浸透していく感じが、みんながなんとなく受け入れている空気そのものみたいだった。
この作品は単純な社会風刺というより、人間が違和感に慣れていく過程を観察しているような感覚がある。
読んでいる自分自身も、気づかないうちにその空気に順応しかけている感じがしてゾッとした。
下巻読むのも楽しみ!! -
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「ディストピア小説のおすすめ作」として勧められて。すごくよかった。ディストピアな表現についてもすごく響いたし、【恋って何、セックスって何、家族って何?】という部分もすごく刺さったし私はどういう感覚だろうと考えさせられた。論点はズレるが、配偶者との性行為が不要且つ、配偶者じゃない人との恋愛がポジティブに捉えられる世界。めちゃ最高じゃないか。
恋愛と夫婦関係の両立についてこんなに素敵に描かれている作品、私は初めて読んだ。――とジェミ子に伝えたら『愛という名の切り札』『求めよ、さらば』『異類婚姻譚』を勧めてもらえたので、ジェミ子が正しく勧めてくれたのかを検証したい。(ジェミ子が『愛という名の切り札 -
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『タダイマノトビラ』 村田沙耶香
これですよ、これ。私が求めていたものは!!
沢山の本を片っ端から漁って読んでいても、ブルブル震えて口角があがるあの高揚感を得られる本は中々に少ない。 出会えないことの方が多い。
しかし、村田沙耶香さんの本は私の期待を裏切らない。
平日の忙しい合間を縫ってあっという間に読み切ってしまった。
私の語彙力に限界があるのでネタバレをせずに、感想を書くのならば…
月並みな表現ではあるがカフカの『変身』を彷彿させた、と言ってもいいだろうか。
結末の気持ち悪さに思わず寒気がした、とんでもない小説にまた出会ってしまった。 -
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凄かった。エッセイというものをほぼ読んだことがなかった私にとって強烈な読書体験だった。
ほんタメというYouTubeチャンネルで紹介されており興味を持って読んでみた。これは、映像化はきっと難しい、本という媒体のみを通して伝えられる感覚だと思った。
共感できる部分も多く、一方で共感できなかったあの子の振る舞いはこんな感覚にルーツがあったのではと思い至るところもあって、強烈に胸に響いた。私の感じたもやもやを言語化してもらったようで嬉しさもあった。自身も女性性を元とした経験はポジティブ面、ネガティブ面ともにあり、同じような経験をした作家がそれをどう捉えるかを聞けたことが嬉しかった。
性に関する体験を -
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常識と信仰の違いは何だろう。
常識は正しくて、無害で、基準みたいなもの。様々な共同体の中で絶対的なもの。
信仰も基準となり得るが、個人的なもののように捉えられる。偏りがあったり、他人から見ると間違っていると考えられたり。
本書を通して、同じ信仰を持つ人々が共同体となったとき、信仰は『常識』になるのだろうと思った。
そうであるとすると、常識にどれだけ意味があるだろう。僕が常識だと思っていることは、本当に僕が信仰していることだろうか?常識とされていることをトレースすることにより、信じる事から逸脱してはいないだろうかと不安になる。
僕の『信仰』は何だろう。
あの人の『信仰』は何だろう。
考え -
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4つの中編集で構成されているが、「丸の内魔法少女ミラクリーナ 」は特に楽しく読むことができた。最後のレイコと正志の戦いは声がでそうになるほど面白かった。典型的な話だと思いきややはり着地点がまったく見えないのが村田ワールドのとても良いところ。また、「秘密の花園」も印象的で自分の理想彼を現実にいる同じ彼で破壊するという予想外の展開には驚いたが、私も美化されている人間は沢山いるので実際に会ってその理想を壊したらまた新たな発見があるのかと思いながら読んでいた。村田ワールド作品はいい意味で気持ち悪くなる作品が多いなかで、この作品はライトに読めるので村田作品初心者には是非オススメしたい1冊である。
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・村田沙耶香の文章はどれも凄みがある。数行読むだけでも身体が強張って、胸の奥のほうがずっしり重くなるような感覚がある。
・短編を読むのは初めてだった。村田沙耶香の文章と短編はすごく相性が良いものに感じられた。一つひとつはとても短いのに、毎度ぶん殴られるような重みがある。
・世界への皮肉がすごい。よくこんな世界が創れるな、どう見えてるんだ、世界!となる。鼻の穴のホワイトニングは『世界99』でも出てきて顔を顰めながら声に出して笑った記憶がある。おもしろいのに引いてるから端から見たら奇妙な顔をになっていたと思う。『カルチャーショック』での均一化された街も、何もかもが皮肉に溢れていて、だけどそ -
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今になったからこそ学生時代の出来事は『 思い出』として1つの言葉にできますが、当時は様々な感情と戦いながら過ごしていたことを、過去にタイムスリップしてみたかのように鮮明に思い出しました。
当時ぐるぐるモヤモヤと彷徨っていた気持ちは、解決や達成感を見出すことはできなかったとしても、今の自分の考え方や過ごし方へと生かされていることが少しでもあると思うと今の自分の行動に自信を持ってみようかなと前向きになれました。
自分の中ではどうしようもできない事+こうでなければいけないという気持ちがあっても、自分に寄り添えられない寄り添い方が分からない葛藤に、読んでいて古傷がちょっぴり痛むような気持ちになりま