あらすじ
「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない……。
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正直に言うと、最初は読んでいて気分が悪かった。でも、世の中の状況に応じて「倫理」や「正義」って変わりゆくものであると感じ、もし世界がこうだったらこういうことを考えるのだろうと想像しながら読むことができた。
短編集で、読みやすい一冊でした。
様々な法や価値観が存在する社会で生きる人々の物語は、どれもラストが予測できないものばかりで、楽しんで読むことができました。
常識引っくり返る
この人の本初めて読んだけど、スゴいとしか言いようがない。常識?ナニソレ?そんな発想おんなじ人間なのに思い付きもしませんよって感じです。
他の本も読みたいですね!このぶっ飛んだ世界観にドッブリ嵌まりたいです。
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命とは何か、がテーマ
「命が大切」っていう時に、個々の命が大切なのか社会を維持する装置として命が一定数存在することが大切なのか。
「常識」はグラデーションで時代と共にどんどん変化しているはずなのに、みんなそれに気づかない。常に今が絶対正しいと思ってる。それは信念と言えるのか。
後半の短編ほど性的描写が生々しかった。
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殺人出産: 10人産んだら1人殺せるらしい。殺される人のことを愛しているのかと思ったらそうではなく、ただ憎い人を殺すらしい。でも殺される人はリスペクトされながら?逝くらしい。うーん、殺される人に選ばれるほど人から憎まれているのにリスペクトを受けるっていうのがしっくり来ないなーーまあ現世を生きる私にしっくりくることはないか。
産刑っていうのが面白いなと思った。罪人の子供とか今だったら嫌煙しそうなものだけど、人格の遺伝とかそういう概念が否定された世界なのかな。
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10人産めば1人殺していい世界になった日本の話。ぶっ飛んだ設定なのに生々しくわかりやすいのはさすが村田沙耶香さん。
短編の余命も良かった。自分の常識は常識だと思い込まされてるのかもしれないとか考え出す代物。怖いし気持ち悪い。好き
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ありえない設定のように見えて、今後おこりうるかもしれないと思った。現在の倫理観として、許されることではないが、社会構造的には合理的な面はあるように感じた。
最後の主人公はどういう心情でその決断を下したのか、自分の中で色々と思いを巡らせている。
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表題作、この物語のような秩序が生まれる可能性は極めて低いと思うし思いたいけど、命が愛憎から外れたシステムの中に組み込まれてしまうような構造は今後十分起こり得る(既に起こっている?)ことを突きつけられるようだった。主人公の姉や従妹のような純なるものの存在がその恐怖を際立たせる。
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すごいものを読んじまったぜ。
前に読んだ消滅世界が面白かったので読んでみた。二話目のトリプルは前に変愛小説集で読んだことあるやつだった。人を殺す描写をこんなに美しく、不気味に描くのはこの著者特有の才能というか技法だなと。それにしても、産刑が怖すぎたな。清潔な夫婦?みたいなやつが、消滅世界に似ていたので、この短編集で書ききれなかったことをまとめたのが消滅世界なのかなと思いました。さきにこっちを読むべきだった
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性別関係なく、10人出産すれば1人殺すことができる社会のお話。それに産み人は社会的に素晴らしいことだと捉えられていることにかなり違和感を感じた。結局、誰かを殺したいという根本があるのにそれが美徳と捉えられているのが個人的に気持ち悪かった。
他の3つのお話は、どれも半分ぐらいしか理解できなかったがどれも「私と違う世界(価値観)」が共通のテーマなんじゃないかなと思った。
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性と生と死。
サラッと読める内容なのに考えさせられることが多かった。内容だけならばグロテスクに感じることもあるだろうが、そこにいやらしさのない性が入ることで拒絶感は無くなっていた。
表題になっているものだけではなく、残りの作品にも同じような題材が取り上げられており読み終わった後に少し後味が残るような作品ばかりだった。
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「世界99」を読みたいのだけど予行演習にとずっと興味のあったこの本を読んでみた。村田沙耶香さんの作品はエッセイが好きで2冊読んで、小説はコンビニ人間しか読んだことがなかった。
「殺人出産」は短編集なのだけど、どれも生と死や性がテーマになっている。性についての小説は苦手だけど、どれもそれを切り口に倫理観や道徳感、「普通とは?」という問いかけが共通しているので読みやすかった。
表題作が一番衝撃的で、淡々とした語り口で狂った世界が描き出されていくディストピア小説。少しだけHandmaid’s Taleを思わせる世界観。彼女の世界観が独特だという評論をよく見かけるけれど、その正体は恐らく「気味悪いのにするすると読ませる筆力」で、それによってその世界にどっぷり浸かった末に「‥なんでこれがダメなんだっけ?」と現実世界の倫理観にも疑問を抱かせてしまうことにあるんだと思う。
他三作は表題作ほどの引き込み力はないものの、最後の「余命」は数ページにギュッと詰まった不思議な世界が余韻を残す。
村田沙耶香さんの作品に中毒性があるということを、身をもって体感した。
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命を奪ったものは命を生み出す刑に処される。←画期的にも程がある。何でこんなの思いつくんだ。
女が子供を産まないせいにして少子化に危機感感じるくらいなら、男だろうが女だろうが罪を犯したら一生子供生み出す機械になってもらうのある意味いいのかもしれない。人口子宮って実現しないの?!?!?!早くつくって!!!!!!
トリプルも清潔な結婚もなくはないかもな発送で面白いし、余命はある意味安楽死的な話?死ぬことができなくなった人間たちの最期を選ぶ権利みたいな。自然にやってくる死の方がいいのか、自ら選ぶ死がいいのか。考えさせられるな〜。短編だから読みやすくていい!!
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描写が繊細だったり、鍵となる物が丁寧に描かれていたりと、世界自体には血が通っていたが、主人公とその周辺の人々があまりにも冷静で体温が感じられず、怖いという感情になった。そのような感情を持ちながらも、全ての話の世界観と設定が面白く、読む手が止まらなかった。短編だからこそ濃い人間の姿があり、そんな彼ら彼女らの結末を予想することは、どの話でも不可能だった。満足感のある重さだった。
Posted by ブクログ
コンビニ人間の作者村田沙耶香さんの殺人出産
「10人産んだら1人殺せる
いま殺したい人っていますか」というキャッチコピーと
朝井リョウさんがオススメしていたから
気になって読んでみた。
トクリュウ事件の被害者家族のコメントを読むと
産み人となって殺人を行うことが救いになる場合もあるかもしれない…と思ってしまう。
それが公然としたルールのなかで
崇高な行いとして機能している社会が不気味なんだけど
もしかしたら100年後はこれが当たり前になっていそうでゾクっとした。
コンビニ人間でも感じたけど、
大きな歴史で見るとニンゲンは循環していて
価値観が変化していき
当たり前が入れ替わっていく表現が秀逸だと思う。
Posted by ブクログ
よくこんな倫理観の世界を生み出せたなと思います。
生と死、善と悪、生命の神秘を足蹴にするような作品だと思います。
コンビニ人間が好きで読みましたがとにかく尖りすぎていて、万人におすすめできるものでは到底ありません。
命とは。殺人とは。
あまり考えたくはない部分を淡々と書くのは凄まじいものを感じます。
※信仰を読んで少し編集しました。
ぜひ、信仰も読んでみてください。
Posted by ブクログ
<備忘録・ネタバレあり>
現実の倫理観で考えるとあきらかに不気味で残酷な、架空の世界の話。けれどベースには現実の世界線に通じるものがあり、合理性も成立していて「もしかするとこんな未来もありえる?」と思うような現実味がある。4つの短編すべて、まったくの異世界と思えない恐ろしさを感じた。
・殺人出産
避妊技術が進んだことでセックスは快楽を得るだけの行為となり、子供は人工授精して産むのが主流の世界。偶発的な妊娠がなくなり人口がみるみる減少する中ではじまったのが、殺人出産システム。産み人となり10人産めば1人殺してもよい。男性でも人工子宮を埋め込んで妊娠出産できる。産み人の産んだ子供はセンターに預けられ、センターから子供を引き取り育てる人も多い。そのため産み人は崇められる存在である。殺される側は事前に通知を受け、1カ月後のその日を待つ。
殺人行為が正当化されているわけではない。この手続きをせず殺人を犯すと「産刑」に処され、一生牢獄の中で命を生み続ける。死刑など非合理的なことはせず、命を奪うものが命を造る役目を担う。
いずれにしても「誰かの殺意が新しい命を繋いでいく」というのがパラダイムなのである。
職場の上司や同僚が産み人となったり、同僚が殺される側になったり、姉が産み人のノルマを達成し殺人執行日を迎えたり、非現実なあらゆる描写に現実味が織り混ざり、引き込まれる。
自然な出産がなくなった世界では、「命」の尊さを感じるきっかけが「殺人」へ切り替わった。この世界が循環するための正当性、合理性は思わず納得してしまうほどものすごく手が込んでいて、そのリアルさが恐怖に拍車をかける。
・トリプル
10代の間ではカップル(二人)ではなくトリプル(三人)が交際の主流となっている。ただし親世代ははしたないと感じる人も多く、まだまだ転換期の世界線。トリプルの婚姻を認めろというデモも多発している。
どうして交際や婚姻は二人と決まってるのか?誰が決めたのか?三人で結婚すれば家事は楽だし育児があっても二人が働けば良いではないか。…今の自分の道徳感、倫理観からするとありえないのだが、それを取っ払うとわからなくなってくる。
トリプルの性交渉の描写は奇妙で気持ち悪く感じたが、それもまた通念による先入観なだけかもしれない。
・清潔な結婚
恋愛や性感情を抜きにしたパートナー、として結婚した夫婦の話。主人公の女性が言う「性欲は自分でオンオフしたいし、家ではオフにしていたい」という言葉には、自分にも少し同意する感情がある。
「クリーン・ブリード」の描写はあまりにも滑稽であほらしかった。最後公園で夫が吐き気をもよおしたあの描写の意味が理解できなかった。夫側が妊娠したということ?それとも公園の母娘と何か因果があったのか?
全然関係ないが「ごぼり」という擬音がぴったりで感動した。
・余命
この世から死がなくなって100年ほどたった世界。
医療が発達し老衰も事故死も他殺もすぐに蘇生できる。
だから自分が「そろそろかな」と思ったときに死亡許可証を取り、薬を買い、好きなように死ぬようになった。本屋には死に方に関する本が並んでおり「女子にぴったり!可愛い死に方100選」などのタイトルには笑ってしまった。こんなに発展した時代にまだ本で情報を得ているのも面白い。
土に還るのが人気の死に方だとか、死に方のセンスを問われるからそれなりにお洒落に死にたいだとか、「死」のことを話してるとは到底思えないワードの組み合わせが奇妙だった。
そして主人公は「かつて死は向こうから勝手にやってくるものだったという。楽でいいなぁと思う」「来世では自然な死が復活しているといいな」と思いながら死を迎える。
いつかこんな時代が来そう…いや、ないか。と、なんだかこの世界を身近に感じるこわさがあった。
世界観に引き込まれた。今の世界で生きている自分から見たらこの世界は異常と思うけれど、時間が経つにつれて適応していくのだろうか...。こうなることは有り得ないと言いきれない、絶妙に筋が通った世界だと思う。何度も読み返しています。
Posted by ブクログ
表題作他3篇からなる短編集
どれもこれもよくこんな設定思い付くな!と感心する
ありえない!と思いながらも受け入れながら読み進めてしまえるのはさすが村田さんだなと思う
自分の倫理観や価値観をぶっ壊されるような力のある作品
・
表題作『殺人出産』は100年後の設定
10人出産したら1人殺せる『殺人出産システム』により日本の人口は保たれている
育子の姉は『産み人』となり、10人目の出産を控えていた
・
10人も産み続ける…ということは最短でも10年は掛かるだろう
そこまでの恨みを持った相手がいたのか?というとそうではない
せめてそこは10年掛かってでも殺したいほど恨んでる相手がいてほしかった
そうじゃないことがかえってうすら気持ち悪い
Posted by ブクログ
一気読みしてしまいしました、、相変わらず自分の凝り固まった価値観とか倫理観にスライディングで突っ込んで物申してくれるのが村田沙耶香さんという感じで止めることができず一気読みでした。基本的に一度読んだ本はほとんど読み返すことはありませんが、この作品をもう一回読み返そうと思う時が来るのなら、きっと自分の価値観や倫理観が誰かの行動や意見で揺るぎそうになったときなのかなあと思います。
Posted by ブクログ
自分の倫理観、固定概念、常識を考え直した。
10人産んだら1人殺せます。
確かに、言っていることが理にかなってはいる。
あと文体もめっちゃよかった。
Posted by ブクログ
評価:3.0
本の中だけど、やっぱり理解できない短編部分とかあって、納得はできなかったな。章によって理解が追いつかなくて、内容は薄すぎる気もしたかな
Posted by ブクログ
殺人出産、トリプル、清潔な結婚、どの話も気持ち悪い世界で共感できなかった。余命の話だけが唯一少しは共感できるかも…?どの話も実際に有り得る世界かもしれなくて、その世界が当たり前になって私も当たり前に受け入れる日が来るのだろうかと思ったら怖い。こんな話よく思いつくな。
Posted by ブクログ
10人産んだら1人殺せることが標準となりつつある世界のお話。
10人産まないといけないので、約10年は殺せないし、逆にそれだけ長い期間殺意を持続させる必要があるため、それだけ1人の人を思い続けるから、殺人を行った人は一途だと思われたりする。
男性や、出産可能年齢を過ぎた女性は人工子宮をつけられて産むことになり、命懸けであるため「産刑」と呼ばれて拷問扱いされているが、人口減少に歯止めをかけるこのシステムは合理的だと受け入れられることとなる。
一歩間違えば有り得そうな独特な世界観のお話で引き込まれた。
4つの短編集だが、いずれも気持ち良くはない話ばかりなので、人を選びそうだなと思った。
表紙はめちゃくちゃ好き。
Posted by ブクログ
なんとなく読み始めてみたけど
終始気分は悪かった
表題作含め生や性や出産に関する短編4篇
『殺人出産』
なんといっても
10人産むというのはなかなか大変だし
未来の話だけど、ここまでくると人体で育てないと
子供は産まれないのかと思ってしまった
あまり共感できるところはなかったのだけど
『清潔な結婚』の中で
【恋愛の延長線状上で家族を探すということに僕は違和感があるんです。家族なんだから、恋愛感情は抜きで、男でも女でもない、ただのパートナーと向き合いたいんです】というところは少し共感した
村田沙耶香さん、『コンビニ人間』は読んだけど
もう随分前で忘れてしまった
こんな感じの、常人の理解を拒否するような作風だったんだっけ
Posted by ブクログ
村田沙耶香は今生きるマイノリティたちがこの現代社会で感じることの少ない差別や偏見の感情を浮き彫りにさせてしまう作家だと感じる。
「トリプル」での恋愛観。この世界では3人で付き合うことが普通とされ、3人での性交渉も“マウス”の穴をすべて塞ぐという想像するだけでグロテスクな状況。
現世で生きる性的マイノリティの読者も真弓たちを偏見の目で見てしまう。
僕らも性的マジョリティに偏見の目に晒されるというのに。
村田沙耶香はこういった人間のどうやっても拭い取ることのできない醜い感情を今ではありえない世界を描くことで浮き彫りにさせてしまう。
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アームカつくこいつコロしてえ〜、って唸ってた時に友達が勧めてくれた本。10人産めば、1人殺せるって言うシステムの社会におけるストーリー。人を1人殺すということへの対価が10人も産むことなの、しんどいって思ったけど、それでも人を殺してもいいということを肯定してくれてて少し救われた。でもわたしの人をコロしたい気持ちは一時的なものだったから、10人産んでいるうちには最初の動機は消失してしまうだろうな。人をコロしたいという気持ちの持続性・衝動性や善性や社会貢献について考えているうちに、このシステムをみたらこんなのただの人口操作じゃん♪って思えてきて、個人の怨念や信念なんてちっぽけで、それを口実に歯車の滑車として人口操作できちゃう社会の作り込みが巧みだと思った。まるで工業製品。
この作者、男女の生殖行為に関しての嫌悪感つよくね!?あと人間の捉え方にプラスチック感があるよね。
Posted by ブクログ
生と死と性が詰まった短編集。ヘビーすぎて、一気に全部読むのは厳しかった。間違いなくこんな強烈な作品は今まで読んだことないなぁ。他の方が書いていたけど、狂っている世界をすんなり受け入れてしまっている人間が一番怖かった。あと、「産刑」って恐ろしすぎる。。
Posted by ブクログ
村田沙耶香さんの作品は、「地球星人」もヤバいと思いましたが、それと同じくらい、いや…それ以上にヤバい世界が広がっていました。
でも、面白い!まさに、究極のディストピア思考実験です。
これは、少し先の未来の話。かもしれない。
もし…世界の常識が変わってしまったら?
あなたには、自分の全てを捧げてもかまわないと思うほど、想う人はいますか?
「殺したい」と。
学校の先生、会社の上司、義理の親、殺したいほど憎んでいる人…あなたには居ませんか?
10人出産したら、一人だけ人間を殺す事が許される様になった世界。
政府公認で、嫌いな人を殺ろせる。
そして、少子化が進んだ世界の行く末。
ありそうで、ありえなさそうで、絶対に無いとは言い切れない。
いや、いや、絶対に無いだろうけど。
そんな、ディストピアを体験でき、価値観を揺るがされる小説です。
流石は、ディストピア小説の巨匠、村田沙耶香様です。こんな凄い内容を書けるのは彼女だけかと、無類でしょう。
万人にはオススメしませんが、刺さる人には刺さって抜けなくなる小説です。
Posted by ブクログ
もしこの世界に自分がいたら、"産み人"になってまで殺したい人がいるだろうかと考えたりした。
殺人出産制度があるから、いつでもこの人を殺せるんだという確証があり、苦しみを照らす光になっているというのがリアルだった。
こんなこと現実に起こらないけど、きっとそうなんだろうと思った。
設定が現実離れしていながら、その細かく丁寧な描写がそれを感じさせない、そういう書き方が上手い。
なんてことだ
書き上げている世界や思想は読み物として完成度が高いのですが、生々しい痛みが苦手な人にお勧めできない本です。
私にはこれに耐える精神は持ち合わせていない。書物を読んで吐き気がするという体験は初めてです。
しかしながら、村田さんの書く力が読ませてしまうんですね。読んでいて、嫌な予感(私には合ってない)がしていたのに、読み始めると引き返せなくなり、ページを閉じることができず、結局最後まで読むことになりました。
私はティムバートンが好きですが、彼の作品の中にも具合が悪くなるのでもう二度と観れない映画があります。この本も、そんな気分になる小説でした。