あらすじ
「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない……。
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短編集で、読みやすい一冊でした。
様々な法や価値観が存在する社会で生きる人々の物語は、どれもラストが予測できないものばかりで、楽しんで読むことができました。
Posted by ブクログ
命を奪ったものは命を生み出す刑に処される。←画期的にも程がある。何でこんなの思いつくんだ。
女が子供を産まないせいにして少子化に危機感感じるくらいなら、男だろうが女だろうが罪を犯したら一生子供生み出す機械になってもらうのある意味いいのかもしれない。人口子宮って実現しないの?!?!?!早くつくって!!!!!!
トリプルも清潔な結婚もなくはないかもな発送で面白いし、余命はある意味安楽死的な話?死ぬことができなくなった人間たちの最期を選ぶ権利みたいな。自然にやってくる死の方がいいのか、自ら選ぶ死がいいのか。考えさせられるな〜。短編だから読みやすくていい!!
Posted by ブクログ
自分のこれまでの捉え方や常識、価値観といったものが大きく覆される作品ばかり。
表題作では、産み人から指名されて殺される立場になった人のことを、突然死の宣告をされるなんて可哀想で、人権侵害ではないかと言う立場の人間に対して、そんなことは制度化されていないころにも突然誰かに殺されるなんてことがあったわけで、制度が確立した今こそ、死ぬまでの猶予すら与えてもらえるのだから…といった話である。
この作品に限らず、どの作品も自身の常識とはなにかを思い切り揺るがしてくるものばかりである。
Posted by ブクログ
村田沙耶香は今生きるマイノリティたちがこの現代社会で感じることの少ない差別や偏見の感情を浮き彫りにさせてしまう作家だと感じる。
「トリプル」での恋愛観。この世界では3人で付き合うことが普通とされ、3人での性交渉も“マウス”の穴をすべて塞ぐという想像するだけでグロテスクな状況。
現世で生きる性的マイノリティの読者も真弓たちを偏見の目で見てしまう。
僕らも性的マジョリティに偏見の目に晒されるというのに。
村田沙耶香はこういった人間のどうやっても拭い取ることのできない醜い感情を今ではありえない世界を描くことで浮き彫りにさせてしまう。