あらすじ
「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない……。
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Posted by ブクログ
価値観の正義に嬲られてるような感覚に陥った1冊。
今ある正しい価値観も、100年後には変わっている
というフレーズが、この1冊を象徴するキーワードの代表だとも思う。
短編集で、読みやすい一冊でした。
様々な法や価値観が存在する社会で生きる人々の物語は、どれもラストが予測できないものばかりで、楽しんで読むことができました。
Posted by ブクログ
「10人子供を産めば、1人を殺してもよい」という「殺人出産制度」が導入され、100年が経過した日本。少子化対策と殺意の処理を同時に行うこのシステムが、社会の「常識」として定着している世界を描いた作品。
狂っているようで細かい部分が非常に論理的で、面白かった。昔の倫理観を引きずっている同僚は、精神的に可哀想な人のように扱われ、最後は殺されてしまう。正しさってなんなんだろうな。共同体、その世代の倫理が作った箱に過ぎないのかな。
あと、子供を人工的に作ることが可能な時代にはどのような倫理観の変化があるのかなということも考えた。確かに人工子宮とか男性が子供を産むとかそこまでのフィクションはまだ存在しないが、時代の変化に伴い人工受精がかなり増えているし、出産についての世の中の考えはもっと変わっていくのかもしれない。
Posted by ブクログ
現代の日本とは全く異なる倫理観の4選
主題作のインパクトもすごいけど、他3作も異質すぎる
全部の作品に共通するのが、どれも理解できない感覚の道徳を持ってる人たちが多数を占める世界であるということ
けど、理解できない世界をあたかも普通な感じで語られることで自分の価値観や世界がこうあってほしいと言った倫理観が浮き彫りになるのがすごいと思った
これは消滅世界やコンビニ人間にも共通することだったので他の作品も読みたいと思うと同時に読んだらしんどいだろうな、のせめぎ合いになる
殺人出産で特に印象に残ったのが、
10人産めば1人殺せるという制度が人々が誰かを憎んだ時、最悪殺せばいいじゃんと希望を抱くことができ、また自殺率を大幅に上げる現象が起きているのが皮肉が強すぎるなって思った。
逆にいうと、10人産むほどの苦労をしても憎まれるような人だったら殺されてもしょうがないのかも、、とも思った。
Posted by ブクログ
一見狂ってしまったシステムを正当化する人々、変わっていく新しい世代、未だに受け入れずに逆行する人々など、奇妙なズレが気味悪かった。
妙に生々しい描写もあり、引き込まれてしまった。
Posted by ブクログ
今が普通のことが古い考えになったらという視点が面白かった
性描写が結構生々しいので人を選ぶと思った
この本を読んで妊娠や出産や生殖という行為が男女平等というのだろうか
そうなっていることも面白かった
Posted by ブクログ
「10人産んだら1人殺していい」…あり得ない、でも私はやりたい、とっさにそう思ってしまった。
価値観や状況が変われば全てが変わる。あり得ないことではない。
いずれの短編も、「それって本当に当たり前?」と問うてくるようなものだった。さすがだ。
Posted by ブクログ
ディストピア系を初めて読みました
うちにこの作品を説明出来る語彙力がないことを感じ
ました
殺人出産(表題作)
10人産んだら、1人殺しせる世界では、強い殺意は才能としてる感じや、日常会話で「殺したい人いるー?」が普通に出てくる
あと、セミのスナックと、蟻のサラダも今じゃありえないが、この世界では流行りの食べ物とされてたところとかも変だった
うちの異常は誰かの常識かもしれんと感じた
トリプル
3人はうちには想像がつかない、やはり2人でしょと思うのも先入観みたいなものかもしれない
うちは凝り固まった価値観しか持ってないかもしれない
清潔な結婚
一番現実味がある気がした
今でもこういう人いそうだけど、一昔前だと有り得んし、今ですらよく思わない人もいるかも?
余命
100年後ぐらいになれば、こうなっているでしょう
医療の発展が恐ろしく進むと、こんなこと起こるよねが書いてあった