村田沙耶香のレビュー一覧

  • コンビニ人間
    最後の数ページで主人公の気持ちが陰から陽に変わっていく様をみて、何とも清々しい気持ちになった。人は大なり小なり心に陰を抱えている。それが陰なのか本人が自分で決めているようで、実は世間でいう普通を基準に自分で自己評価したレッテルに過ぎない、と本書は言いたいのかな、と感じた。と同時に人は人を評価したがる...続きを読む
  • コンビニ人間
    「普通は◯◯だからちゃんとしなさい」ってよく使われている会話の中の一部。大なり小なり言われてきた人は多々いると思うが、この物語の主人公は「普通」が何だかわからなくて誰かに教えられた「普通」になりきって生きている。今でこそマイノリティという言葉もよく目にするし、寛容になっている部分も多いとは思う。けど...続きを読む
  • 生命式
    え、やばいこれ
    面白すぎる
    「素晴らしい食卓」が特に好き、今読み終わったばっかりでそこから先をまだ読んでないけど暫定一位
    いくらなんでもお姉ちゃんは醒め過ぎだし妹は私の価値観だと不思議ちゃんに該当するし、婚約者が偏食すぎるのは普通に健康面が心配だし何より影響されやすく独り善がりな夫と結婚生活うまく送...続きを読む
  • コンビニ人間
    自分自身も普通に溶け込むために苦しんでいる一員である。しかし、この主人公ほど社会性に掛けた人がいて、その人と関わる人を考えるととても苦しくなる。
    主人公は、普通になるために頑張り、普通であろうとするが、客観的に見ると普通では無い。そしえ最後は普通に、なることを諦める。

    主観的な幸せと客観的な人間と...続きを読む
  • 地球星人(新潮文庫)
    地元歩くのが、めっちゃしんどくなった。
    自分は今、「変わってる」と思われる対象なんだろうなと思う。多分、東京の工場よりも馴染めていない、部品になれていないことを感じた。
  • 授乳
    許されたかった すごく共感してしまってその後がずっと苦しかった。
    他人の理想郷は気持ちの悪いものだ。
  • 消滅世界
    村田先生の独特な世界観が好き。
    2章までは、こんな世界に住んでみたいとも思ってしまった。
    家族とは恋人とはなんだろね。
    この狂ったような世界はとても面白い。
  • 変半身
    前半は生々しく、中盤から後半にかけては主人公と周囲の信仰心の乖離が見られる内容だった。前半は思わず顔をしかめるような嫌悪感の強い描写があったが、とても興味深く読めた。
  • コンビニ人間
    「生きづらさ」
    「普通」
    「社会への適合」
    これらがキーワードになるお話しだったかなと思います。
    今後の主人公はどう生きていくのか
    私も「社会への適合」ができる場所があるのか
    そんなことを考えさせられる小説でした
  • 殺人出産
    初村田沙耶香作品です
    独特な世界観
    生や死に着目した、4つの世界
    こういった未来があるのかなと想像すると、私はどんな選択をするんだろうと考えました
    これから、村田さん作品を読んでいきたいと思います
  • コンビニ人間
    36歳のコンビニ店員歴18年の女性が主人公。幼い頃から世間の人たちがいう「普通の人」がうまく出来なかったが、コンビニのアルバイトはマニュアルの通りに立ち回れば良い。コンビニ店員となって初めて社会に溶け込めたと感じる主人公の話。

    面白かった。
    普段は数日かけてちまちま本を読むけれど、この本は結末が気...続きを読む
  • コンビニ人間
    めっちゃ気持ち悪かった 最高
    少数派は少数派同士の中ですら分かり合えないんだろうなと思った

    コンビニに居続けるには店員になるしかない
    普通の人間という架空の生き物を演じる
    いわゆる社会不適合、少数派の人達でこれを貫き通せている人はどれくらいいるんだろう
    みんな頑張って生きてるのかな
    僕は無理そう
    ...続きを読む
  • 消滅世界
    村田沙耶香さんの作品を初めて読んだ。

    これが村田沙耶香ワールドなの…?ハンパない
    恋愛、結婚、性、生殖
    全ての概念がそれぞれで独立している世界の話
    夫婦間の性行為を近親相姦と呼んで忌避する。男女関係なく妊娠して、生まれた子供は全て施設で管理して育てる。全ての人類が"おかあさん"である。
    1万年後と...続きを読む
  • しろいろの街の、その骨の体温の
    自分に触れて、自分だけの価値観を知り、その言葉で他人に触れることで輪郭をつくる。
    自分につけられていると思う値札は、誰の意思でもない。でも、自分が他人に値札をつけているから、きっと他人も自分につけているだろうと思ってしまう。
    自分がどこに向かうか分からず、街もどんな形になるのか分からない。何がしたい...続きを読む
  • 生命式
    それぞれの話が自分にはヘビーで、1つ読み終わる度にしばらく思考して、読み進めるのにかなり時間がかかった。なにが常識で何が正常で、みたいなことをずっとぐるぐる考えてしまう。
  • ギンイロノウタ(新潮文庫)
    あなたは、子供だった頃、親に知られたくない秘密の場所がありましたか?

    子供時代は好奇心に満ち溢れた時代です。大人にとっては何のことはないようなことにも敏感に心が反応していく時代でもあります。一方で、それは大人の世界の扉を開く、もしくは大人の世界を覗き見するようなことでもあります。

    そんな中では、...続きを読む
  • 殺人出産
    村田沙耶香さんの本は初めて読んだ。読みやすくて面白かった。
    未来であり得なさそうであり得そうな事を書いているんだけど、骨子がしっかりあって、?と思う部分が少ない。本当に面白かった
  • 消滅世界
    ヒトだって動物だから、種の繁栄のための性欲があったりする。
    (性欲が無かったり、種の繁栄に繋がらない性欲があったりするのも人間の多様性)

    動物としてはもしかしたら、強いオスが色んな人と交わって優秀な遺伝子を残すのが自然なのかもしれない。

    けど、不特定多数と子供を作られてしまうと、これまで社会の単...続きを読む
  • マウス
     律と瀬里奈の物語。親友を、嫌いになる時ってある。近いからこそ嫌いになる。でも、その後、その嫌いなところもひっくるめて好きになって、より親友になっていく。
     長く続く親友は、その時々によっていろいろな関係性があると思う。ある時は、私の方が上(何が?って感じだが)だとか、ある時はあの子にはかなわない、...続きを読む
  • 授乳
    この小説の描写には驚かせられるものがあった。人の所作を無機質にまるで人間ではないロボット、無生物であるかのような描きかたをし、さりながらどこかグロデスクさや官能さも秘めている。あまりの気持ち悪さに思わず何度も本を閉じてしまった。