村田沙耶香のレビュー一覧
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有名な作品だったので読んでみた。コンパクトで読みやすい作品だった。
「みんなが不思議がる部分を、自分の人生から消去していく」
たくさんの情報を受け取り、たくさんの評価を得る現代だからこそ一層響く内容に思えた。自分も例に漏れず、心当たりは多くある。
主人公は不思議がられる部分をたくさん消去してきたが、ストーリーを読むとそれでも十分「個」は残っているように感じる。天然さ故に残っている「個」に気づいていないのか、最後に残った「個」を大事にしたい結果なのか、いずれにせよ自分も他人とは異なるキャラクターの部分を今後も大事にしていきたい。
今後出会う個性豊かな人達から、影響を受けたい。そして周りに影響を -
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物語が壮大過ぎて、なんと表したら良いか分からない。
上巻よりもピョコルンが進化して第三世代となっており、出産、育児、家事まで担えるようになったことで、人間の価値観や華族のあり方などが、大きく変化していた。
そして衝撃の結末、読者は耐えられるだろうか。
幸福感というのは絶対的なものでもあるけれど、それ以上に相対的なものだろう。
自分より不幸な人がいることを知ることで、自分が相対的に幸福であることを知る。
作中に登場する「かわいそうな人」がいなくなり、人類全員が幸福な人になるのが理想であろうが、幸福感を得るために人間は「かわいそうな人」を作り続けるのだろうと思った。 -
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まず驚いたのが、コンビニの正確な描写。
今自分がコンビニの中にいるような気になるほど鮮明に描かれていた。
最初からぐっと引き込まれる。
こんな極端な人間はなかなか居ないとは思うが、共感できるところは多々あった。
普通ってなんだと、私も常々思う。
なぜ結婚しないのか、なぜ彼氏をつくらないのか、など、別に理由なんて無いのに周りは自分達の『普通』では無いことに理由を求めたがる。そんな私達も経験したことのある描写も共感を呼ぶと思った。
この主人公は色々なことに関心がない。淡々と生きている毎日の中にも、コンビニという場所だけは居場所だった。それに気付くには主人公自身も日常、普通から離れる必要があったのか -
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村田沙耶香さん初読です。物語とエッセイが混じった短編。初めの方の物語を読んでいる時は、「大真面目に書かれている有り得ないような作り話、面白いな〜」と感じていた。
読み進めていくうちに、この方は剥き身で世間に晒されていて、それでも大真面目に世間と向き合っているんだと思った。
私たちは事実をただ事実として捕えられない。
周りと外れた評価をしては恥ずかしいから。何か深みのあることを言いたいから。あまりに凄惨な事実から自分を守りたいから。事実をねじ曲げて捉える。
彼女はそれをしない。できないのかもしれない。相当に大変なことだ。でも、勝手だし押しつけだけれど、剥き身のままでいて欲しい。 -
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上巻で目まぐるしく変わる世界が描かれたが、下巻では「イベント」と呼べるような大きな世の中の変化は少なく、それに応じて空子の心理描写や、哲学的な思想が描かれる。
異様なまでに殺菌された世の中は、今すでに世の中に蔓延している「負の感情を外に出すことは恥ずかしい」という風潮に通じるところがある。
搾取される側の人間も、時代の変容によって搾取する側になり得る。人は多面的で、善にも悪にもなり得る。そして脳は記憶を最も簡単に書き換え、マジョリティに順応していく。
途中、若干繰り返しになる描写が多くなり、少し間延びした印象を受けたが、最終章の気味の悪さはさすがだと思った。
グロい描写や性暴力などトリ -
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村田沙耶香さんの短編集。表紙やタイトルから「エンタメ寄りなのでは‥」と警戒してなかなか読まなかったことを後悔したくらい面白かった。
表題作はユーモラスでエンタメ風味ではあるものの、しっかりとした純文学。シュールな展開で笑わせてくれると同時に、偽の正義について考えさせられる。
「秘密の花園」は、初恋の人を家で「飼う」お話。
「無性教室」は、生徒が全員無性別者として生活をする学校が舞台。性別のない世界で、人はどう生きるのか。
「変容」は怒りという感情がなくなった世界に適応できない女性が主人公。感情に善悪はあるのだろうか。
全編を通して色々と考えさせられるのだけど、それにしても村田沙耶香さ -
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「世界99」を読みたいのだけど予行演習にとずっと興味のあったこの本を読んでみた。村田沙耶香さんの作品はエッセイが好きで2冊読んで、小説はコンビニ人間しか読んだことがなかった。
「殺人出産」は短編集なのだけど、どれも生と死や性がテーマになっている。性についての小説は苦手だけど、どれもそれを切り口に倫理観や道徳感、「普通とは?」という問いかけが共通しているので読みやすかった。
表題作が一番衝撃的で、淡々とした語り口で狂った世界が描き出されていくディストピア小説。少しだけHandmaid’s Taleを思わせる世界観。彼女の世界観が独特だという評論をよく見かけるけれど、その正体は恐らく「気味悪い