村田沙耶香のレビュー一覧
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"普通"というワードを最近よく耳にするのだけど、そのたびに、誰から見て何が普通なのか、分からなくなることがある。自分にとっての普通はあの人の普通であるか分からないし、自分は他の人には押し付けないようにしているのだけど、割と世の中の人間の多くは自身の"普通"が一般的な常識だと定義しているような気がする。まあそこまで考えて発する人も少ないとは思うけど。
コンビニ人間である古倉さんは世間一般的に考えると世の中とはズレていて(アスペルガー的な認知)、ただ作中にある縄文時代から連なるオスメス思想には染まっていない(そもそも染まることができない)。本人にとってはこ -
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主人公がキビキビしてて読みやすい 主人公は定型人間社会で浮いてるけど、人間をすごく分析してるし、興味が無い訳ではない だからこそ客の需要を読む合理的なコンビニに適正があったのかな
うまく合わせればいいのにー!って焦れったくなるシーンも多かったけど、主人公が黙らずに冷静に自分の考えを述べるシーンが多くて面白かった
主人公がコンビニに再就職できたらいいな
健康なままずっとコンビニで働いてピンピンコロリできたらハッピーエンドだけどどうなんだろう
暗い話だったらこわいなーって思ってたけど静謐な話でよかった
でも主人公がちょいちょい殴ったり刺したりして黙らせればいいみたいな思考なのはあんま合理的じ -
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宇宙星人の世界は狂気そのものだ、巣のような家が並び、臓器を使う子孫製造の営みが満ちている。
夏休みに父の故郷、長野の山奥にある秋級(アキシナ)にいく。お盆休みに父の兄弟が家族連れで集まる恒例の行事だった。
秋月は大切な魔法道具をリュックに入れて父の運転する車で急な坂をいくつも超えていく。姉は車酔いでぐずっているが、秋月は一年に一度従兄の由宇に会うのが楽しみでうきうきしている。
由宇は山形からくる。三年前に離婚した母は由宇を恋人代わりのように、母と言わせず名前で呼ばせて甘えている。母はいつも由宇は山で拾った宇宙船の捨て子だと言っている。由宇はいつかはこういう生活は終わって、宇宙船が迎えが来ると -
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先に読んだ村田さんの「地球星人」が面白かったので、この話題作を読んでみた。
ありえないような非現実を書く作品は多いし、荒唐無稽な世界を読むこともある。
マジックリアリズムとか難しい実存とかいう言葉でジャンル決めされている作品を好んで読むことがあるが、実は人間がなんとなく好きで、多様で面白い。これは一種の文学的な遊びのようでもあり、ちょっと違った感性の切実な部分を戯画的に作品にする、人間の多様を真っ直ぐに描いた村田世界に、新しい文学を感じる。
人間の現実は、食べて寝て仕事をして、赤ん坊から成人になると子孫を増やして老いて死んでいく、そんなひとの一生の形は、非現実であってもなくても、あまり知らな -
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ネタバレオーディブル視聴。
コンビニ人間を娘に音読したことがあったので、今回もオーディブルを一緒に聞き始めた。空子が始めは小学生だったこともあり、ぴょこるんも可愛いと思って警戒なく始まったのも束の間、母親に対する不穏な描写、痴漢のエピソードあたりで怖くなって娘は視聴をやめた。そこからは私が一人で聴いたけれど、聴き続ければ続けるほど内容がグロテスクになっていって本当に娘が早く離脱して良かった、危ないところだったと思った。映画などは推奨年齢が書いてあるけれど、オーディブルや小説はないので、娘は私のオーディブルを聞きたがるけれど許可して良いか迷う。
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信じられないほどに、グロテスクで悪夢が悪夢 -
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ネタバレ「生命式」
会話が異常だが、日常に馴染みすぎていた。
レシピに「俺の肉」で不謹慎ながら笑ってしまった。
葬式なのにパーティー、宴会のようだ。
「素敵な素材」
物語の中で出てくるものが想像できなかった。
いい話だった。
「素晴らしい食卓」
変わった食事。p102の圭一さんの母のストレートな物言いが面白かった。
「夏の夜の口付け」「二人家族」
性的指向。自分の想像にはない家族の形。
長女の6年生の時、面白かった。
「大きな星の時間」
絵本の読み聞かせのような文章だった。
「ポチ」
事件が起きないかヒヤヒヤした。
「魔法のからだ」
性について向き合っていて、神秘的な表現がされており、とて -
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私はコンビニで働いたことがないので、コンビニの働き方を知ることが出来て面白かった。
主人公に対しては、分かることもあれば理解できない部分もあった。
そして、世間で言う「普通」と自分の中にある「普通」が乖離してしまうとどうなるのか、ということが描かれていた。
何がどうであれ、人にはその人なりの事情があるのだから、自分の中にある“普通”を無闇矢鱈に振りかざしてはいけないということが学べた。
私は比較的に、「そんなの人それぞれでしょ」という言葉で片付けることが多いが、改めて発言には気を付けようと思った。
一番強いのは、自分の軸となる強みや個性を貫き通す覚悟がある人なんだろうな… -
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久しぶりに本を買って読んだ作品でした。文章量は多くなく、文体が読みやすくてすぐに読み終わりました。その割には内容がかなり読む人にとってカオスに感じそうだなと思います。特に普通に生きるということを考えなくても普通に生きれている人にとってこの作品はよくわからないものになるのかもしれないと感じました。個人的には妹の態度が180度変わる場面で、今の多様性重視社会が表面上存在していても、みんな心のどっかではこれが普通なんだという感情、悪くいうと固定観念みたいなものを持っている様子について考えさせられました。SNSなどで強い言葉やステータス的な考えが広まっていく現代の作品、そういう風に考えると読む価値は大
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ネタバレ社会の歯車となり、同じコンビニで何年もアルバイトをしている主人公の女性。
コンビニの制服に袖を通した瞬間から「同じ服を着ている=チームとして、売上(目標)に向かって同じことを進めていくのが当たり前」という仕事に向き合う姿勢は社会人のあるべき姿を感じた。
しかし、その仕事の中で他の社員のプライベートが垣間見えるようになり、公私混同している姿に酷く失望していく。
物事を決められた通りにしか進めることができず、そこに感情を織り交ぜて考えることができないのは主人公の特性なのかな。
自分の特性(障がい)をなんとなく把握しながらも、社会の中で生きていこうとする物語だと感じた。時代背景も平成初期ということも -
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普通ってただマジョリティなだけなのになんでこんなに力が強いんだろうね?普通の人も普通じゃない人も世界を回していることには変わりはないし、普通じゃないからだめだなんてことあるはずがないんだけど、でも私も身内がいわゆる普通じゃなくなったら心配という名の強姦はしてしまう自信がある。他人だったら無関心でいられるんだけど、世界にはそういう慢性的な差別意識があることを私は知ってしまっているので、周りから棘のある好奇の目にさらされてほしくなくて、傷ついてほしくなくて、歩きやすい無難な穏やかな道を歩いてほしくて、当人からしたら迷惑すぎるおせっかいを身内には焼いてしまうと思う。つまり私も「普通」と「普通じゃない