村田沙耶香のレビュー一覧

  • 世界99 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み切った。最後の空子の感覚がわからなかった。ずっと「使われる側」になることを恐れていたはずなのに、音と出会ってからオリジナルでいられることへ気持ちが傾き、最終的にはクリーンな世の中に貢献する側(最大の使われる側)に堕ちていく。本当に少しずつ、少しずつ、その変化が描かれて、初期の空子のイメージを拭えずにいると、理解が遅れる。どうしてなんだろう。どうして、そちら側を選んだんだろう。読解力が足りないな。

    0
    2026年03月17日
  • 世界99 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    空子のように、ほとんどの人が周りに合わせて人格を微調整しながら、コミュニティごとにキャラクターを使い分けている。だから、読む人はその感覚分かるとなる。一見、本当に空っぽで意思が無いように見えるが、「使われる側」になることを拒否しているところが、空子のアイデンティティなんだろうか。
    ふと、考えてしまう。個性や意見など十人十色と思われていることも、全ては過ごしてきた年月の中でインプットし続けて洗礼されたものに過ぎず、本当の意味でのオリジナルなんてないんじゃ無いかと。

    0
    2026年03月17日
  • 世界99 下

    Posted by ブクログ

    上巻の最後に行われた「リセット」後、ピョコルンはいなくなるのかと思ったら意外にも健在だった。ラロロリン人がピョコルンとして搾取されることを引き受けたから。世界は3つの階層に分かれ、それぞれの世界で感情は均質化されている。上巻で被害者だった空子は、下巻では搾取する側にいる。
    さらに下巻では空子の次の世代である、波や琴花たち(生まれた時からピョコルンが搾取対象としている世代)が描かれる。どういった経緯でピョコルンが家事労働や性的処理を引き受けることになったのか知らないので、いまだに母親がその役割を引き受けている低所得層の家庭を見て、うちにも「母ルン」がいればいいのに。ピョコルンがかわいそうとのたま

    0
    2026年03月17日
  • 世界99 下

    Posted by ブクログ

    上巻のラストが、ここで終わっても良いくらいの圧巻のテンションだったこともあり、下巻は淡々と進む。人生のサンプルを集めている音。そこから物語が動き出す。
    テーマが多岐に渡り、1人の娘の父親、1人の男性、1人の人として考えさせられ、自分を振り返ることになった。

    0
    2026年03月17日
  • 生命式

    Posted by ブクログ

    自分の思っている常識が、他の人の常識であるとは限らないと、改めて認識させられる一冊だった。奇想天外な物語が始まったかと思えば、気がついたら文章に吸い込まれていて恐ろしい。

    0
    2026年03月16日
  • コンビニ人間

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2026/03/16
    36歳未婚の女性が主人公。
    コンビニでずっと働き、周りから「普通」を強要されるが、自分にとっての普通はコンビニ店員として働く事と気付いて働く物語。

    周りからの目線、評価だけで生きる事を今までしてきた自分にとって、新鮮で自分の生きがいを改めて考える本だった。周りの意見は関係ないと思いたいが、なかなか自分の意見だけで生きていく事は難しい。自分のやりたい事、生きがいは何か?普通って何か?を考えなおして、うまく世渡りしていかなくては、世間の”普通”として生きていけないと思った。

    環境によって自分自身が作られているのは本当にそう思う。身なりも話し方も考え方も。いい人の周りにはい

    0
    2026年03月16日
  • 世界99 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    SFディストピア小説のような、2020年代の現実社会を風刺した小説。ピョコルンという人間にとって面倒で残酷な穢れを押し付けることができる存在を手にしたらという衝撃の思考実験だった。

    本作が描くのは、SNSのアカウントごとにタイムライン(世界観)を切り替え、コミュニティごとに正解の振る舞いを「トレース」して生きる私たちの姿そのものだ。我々はすでに、世界①、世界②と無数の世界を所有し、その場にふさわしい人格をアルゴリズム的に最適化して演じている。そして、その無数の「世界」を俯瞰し、画面を切り替えるように自分を操作している一つ上のレイヤーこそが、現実=「世界99」なのだという指摘に、スマホをのぞい

    0
    2026年03月17日
  • 世界99 上

    Posted by ブクログ

    しんどい……。描写がリアルすぎてしんどい……。
    でもおもしろすぎて止まらない……。
    サイコパス的な主人公の目線で物語が進むから、絶対的な違和感もなんだか自分の中で受け入れられてきて……。
    人間のイヤな部分がこれでもかってほじくられてて本当に病む。でもおもしろい。
    ただ、1回別の作品挟んでから下にいく。

    0
    2026年03月16日
  • コンビニ人間

    Posted by ブクログ

    コンビニで働く中年の独身はなにか問題があるのではというなんとなくの共通認識がここまではっきりと書かれている衝撃がすごい

    読み進めるたびに居心地が悪いのに、読む手が止まらない
    うまく言語化できないが、主人公の周りの人がいう発言、価値観や押し付けが悪意のように見えてしまって、自分もその悪意ある価値観を持って人を見ていることに気づいてしまった

    主人公のように自分を形成する何かに出会えることは普通じゃなくても幸せなのだろう

    0
    2026年03月15日
  • 世界99 上

    Posted by ブクログ

    この物語を人に話そうとしたが、奇妙すぎるのとどこからどう伝えればいいのか、自分でも混乱してしまった。フィクションでありながら、人間の心の中を詳細かつリアルに描いているようで、自分の心の中のようだった。主人公のようになってみたいと思う反面、ある種、自分も誰しもが主人公のような一面を持っているということに気付かされる。奇妙でおぞましいのに、なぜか読んでしまう物語。気持ち悪いという言葉が適切だなと思った。

    0
    2026年03月15日
  • 世界99 下

    Posted by ブクログ

    上巻では愛玩動物、なのか? と思っていたピョコルン。
    私もかつてピョコルンであり、いつでもまたピョコルンになり得るし、誰かをピョコルンにしていることにぞっとする下巻でした。

    「嘘つきじゃない私たちなんて存在するのだろうか?」強烈。

    0
    2026年03月15日
  • コンビニ人間

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    社会が求めるのは「共感」か「結果」か?——主人公と白羽の対比から考える

    ​一般的に「正常」とは、共通する感覚をある程度の許容範囲内で持ち、そこからはみ出していない状態を指す。その範囲から逸脱した人間は「正常ではない」と見なされる。
    本作の主人公は、この正常な範囲から外れた感覚の持ち主だ。彼女の特性は、一般に「アスペ」と称される人々の抱える違和感に通じるものがあるのではないだろうか。
    ​普通に社会生活を送っている人の中にも、「この感覚は自分には理解できない」と思う瞬間があるはずだ。もし自分がその「理解できない側」だったとして、普通の人がどう感じるかを知識として学び、特定の場面でその知識に基づい

    0
    2026年03月15日
  • 世界99 上

    Posted by ブクログ

    序盤から結構しんどい。でもやめられない。
    ピョコルンやラロロリン人といったSFっぽい、シュルレアリスムっぽい?要素もあって、一見ディストピア小説のようにも思えるが、ここに描かれているのは紛れもない現実の一側面だ。
    人間のダークサイドが強調されているため目を背けたくなってしまうが、世界①も②も③…も多分実際に存在するし、主人公の如月空子が、その場に応じてキャラクターを使い分けるのも、うまく生きていくために誰もがやっていることだろう。だけど、それをこういう書き方で見せられるとは…すごいものを読んだ。
    そして、上巻の最後に明かされたピョコルンの正体が衝撃的で、下巻は何が起こるのか不安過ぎるけど、この

    0
    2026年03月15日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

    Posted by ブクログ

    村田沙耶香らしい短編集だが、エグすぎないので他人に勧めやすいと思った。私は表題作が1番すきだった。現代社会を生き抜くにはこんな方法もあるのか、という…可笑しさの中に切実さがあった。他3編もよい。

    0
    2026年03月15日
  • 消滅世界

    Posted by ブクログ

    村田沙耶香さんで初めて読んだ作品でした。
    近未来の性関係の良いところ悪いところを同時に知れる作品でした。
    独特な世界観に引き釣り込まれる感覚がすごく楽しかったです。
    私は夫婦の性行為がタブーとされる世界、それが良いのかは分かりませんが夫婦お互いを性的対象にみないのは素敵な関係だなと思ってしまいました。

    0
    2026年03月14日
  • 変半身(かわりみ)

    Posted by ブクログ

    みなさんの感想を読んで…
    かわりみ
    狂って笑えるw意味不明wと思える我々の環境の良さに、気付いたがちゃ。
    満潮
    何も変なことない。誰しも性的なことに主体性を持っていいし、信頼関係が1番大事。
    性的に消費されて辛いというストーリーのはずが、ここでもキモいだの私なら別れるだの否定的な態度を取られて、あなた達こそ作品をレイプしてるじゃんwwって感じでした。

    0
    2026年03月13日
  • 信仰

    Posted by ブクログ

    2026.19

    通勤電車の中でちびちび読んだ。
    不思議で少しこわい短編集だった。
    エッセイもあったのが良かった。

    パレスチナの作家さんが出てきた「いかり」が
    とても心に残っている。
    自分の中にある感情と感情のたたかい。

    0
    2026年03月13日
  • コンビニ人間

    Posted by ブクログ

    「皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。」かっこよすぎて痺れたとにかく白羽が受け付けない。どんな見た目か想像もしたくない。特に白羽がバイト辞めさせて求人探してるのはきもかったし読んでて苦しかった。店長とか他の店員の態度が変わって周りの人達にも影響していくところ鳥肌たった。普通の人間しか認めないし、人は周りの人間や環境から作られるんだなって。人間汚すぎ

    0
    2026年03月12日
  • 世界99 下

    Posted by ブクログ

    上巻が今回の物語の核となる部分なら、下巻はエピローグ的な感じだと思った。主人公が色んな世界を色んなキャラクターで行き来し、世の中の本質をガツガツ突くのが面白かったが、下巻は世界が統一された後の話なので、上巻に比べると少しワクワク感に欠けた。

    下巻で男性に搾取され続けていた空子がピョコルンを前にして男性側の思考になるの、大分えぐい。ここの展開が見事。明人ピョコルンの末路もいい。

    私はピョコルンがいる世界も、記憶ワクチンで思考が共通になる世界も、とてもいいと思った(笑)。その方がみんな楽だし傷つかないしハッピー★
    こんな風に思ってしまうぐらいには、私は今の世界に疲れているんだと思うヽ(^。^)

    0
    2026年03月11日
  • 信仰

    Posted by ブクログ

    短編一つ一つが濃くて、読み終えるたびに手を止めて、自分の中で湧き出る感情が何なのか、ゆっくり整理する時間が必要だった。
    同時に、エッセイから見えてくる人柄と短編の内容は総じて、村田沙耶香さんという人をもっと知りたいと思わされた。

    "最後の展覧会"が好きだった。物悲しいような気もするのに、なぜか温かい気持ちになった。

    小説はもちろんのこと、村田さんのエッセイをもっと読んでみたい

    0
    2026年03月09日