村田沙耶香のレビュー一覧

  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    少なからず人間らしさを求められたことのある者たちの羨望を絶望を受け止めるヒーロー、或いは怪物。
    私たちはまだ人間であり、多くは〇〇人間に当てはまるべきものを選び取ることができないまま生きている。
    自己の完全なる没入先が見つかることが人間らしさの否定としての〇〇人間という言葉に現れるのがとても面白いと思った。

    0
    2026年09月27日
  • 変愛小説集 日本作家編

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    変と恋愛を混ぜると不気味という感覚が残るんだなあと思いました。どこか歪んでるのにその愛というものがあったことをみんな信じている。こんなにも不確かなものはないのにこれだけは言える、みたいな感じで。
    変。変わる。
    人と交わるとどうしても変わっていってしまう。想像のつく未来なんてひとつもない。

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    2026年09月27日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    丸の内魔法少女ミラクリーナというタイトルに惹かれて、わたしの村田沙耶香さんデビューはこちらに。
    読んでいてセーラームーンがだいすきだった幼稚園時代を思い出した。変身魔法少女ものってわくわくする要素が詰まりすぎてる。
    魔法少女になりきって、ぬいぐるみと魔法少女用語を駆使して日々のストレスを乗り切って行くその考え方に魅力を感じるのも束の間。その後の展開には「正義」について考えさせられ、まさかこんな到着点があるとは。

    4つの短編集それぞれ、なかなかすごい世界観だった。藤野可織さんの解説でより解像度があがった。

    パブリック・ネクスト・スピリット・プライオリティ・ホームパーティ、略してパブスピホムパ。パワーワードすぎた。わたしも呪文かと思った。

    性や感情への問題定義の切り口が鋭い。これが村田ワールドか、なるほど。
    現実にはない、フィクションだけれど、リアリティがあって背筋がぞわっとするような世界観が癖になる。

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    2026年09月27日
  • コンビニ人間

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    ネタバレ

    純文学と聞くと難解なイメージがあって、今まで触れてこなかったけど、この作品は非常に読みやすかった。「普通」の人間が、「普通」ではない人間を排除しようとするところを生々しく描写していて、考えさせられる小説だった。

    0
    2026年09月27日
  • 世界99 上

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    空っぽの世界から空子は
    色々な人間の内面をトレース
    行きている。
    確かに私達も空気を読んで皆に
    見せる顔を変える。
    だか空子の生きている世界は
    既に異様だ、とくにピョコルン
    の存在は可愛い=狂気である。
    モフモフした存在の下は…
    考えただけでもおぞましい。
    ピョコルンだけにはなりたくない。
    下巻にはもっと崩壊した人々の
    いや空子の99世界が待ち構えて
    いるのだろう。

    0
    2026年09月27日
  • 世界99 上

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    ネタバレ

    問題作。世界は要は「界隈」のような意味で使われていて、私は世界①③④のような界隈にいたことがあり、今は①と③に疲れて④に落ち着いているタイプだが、どの界隈もリアルに感じた。作り物っぽさはもちろんあるが、それがフィクションとしての奇妙さを立てている。十数年後か数十年後か、あまり遠くない未来の社会をイメージしてるのかな。村田沙耶香は怖い作家。

    0
    2026年09月27日
  • 世界99 上

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    これはなかなか、重い内容。

    空子は流石に特殊だ、、、と思い、少し冷ややかに読み進めるも「なんだか自分にも当てはまるような、、、」という感覚もあったりして、、、

    ピョコルンの話は流石に現実離れしていて、かなり気持ち悪かったが、人間の本能、本性みたいなものが凝縮されていて、、、

    0
    2026年09月27日
  • 消滅世界

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    全体的に気味の悪い作品だった。
    文章から気持ち悪く不気味な世界が伝わってきた。
    異常を異常と認知している間は同じ人間のように感じるが、異常に馴染んでしまった時に「あちらの世界の住民」になったのだと文章から感じた。

    この世界の人間は効率と平等を求める傾向があると感じた。効率が悪いことは不平等なことは変えなくてはならない。非合理的で不平等で、誰かの特別は、求められない。それがこの世界の人間の本能なのかとさえも錯覚した。
    ただAI技術の発展により芸術やコミュニケーションも機会が失われつつある我々の世界も同じなのかもしれない。アナログで描き、アナログの本を読む私もいつかは異常な存在になり果て、発狂してしまうかもしれない。

    これはSFではない。人類の予言書かもしれない。

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    2026年09月26日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    社会が押しつける「普通の幸せ」や「家族のあり方」に疑問を投げかける作品です。
    主人公が周囲の価値観から外れていくにつれて、物語もどんどん不穏で過激になっていきます。
    生き方を決めるのは社会なのか、自分なのかを考えさせられる重くて衝撃的な一冊。

    0
    2026年09月26日
  • 消滅世界

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    「普通って何?」と考えさせられる作品です。
    人工授精が当たり前になり、恋愛や結婚、家族の形まで今とは大きく違う世界が描かれています。
    最初は「ありえない」と思うのに、読んでいるうちに何が普通なのか分からなくなってくるのが面白いです。
    独特で少し不気味だけど、読み終わったあとも考えさせられる一冊です。

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    2026年09月25日
  • しろいろの街の、その骨の体温の

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    「クラス内ヒエラルキー」みたいなものが存在していることはなんとなく理解していたが、俺自身はその体系の中に身を浸していた実感が終ぞない学生時代を送ってきた。あんなに無邪気ではないにせよ、俺も本作の伊吹のような立ち位置にいた気がする。

    そういう意味では谷沢の抱える懊悩がそれほどクリティカルなものに感じられず、教室ってそんな嫌な場所だったか?と思った。でもまあ、嫌な場所なんだろうな。俺のクラスにも不登校や相談室登校が何人かいた。相談室にプリントを持って行き、「そろそろ戻ってこいよ」などと無責任なことを言った記憶もある。

    最終的に谷沢は出来合いの価値観の網目から逸脱する術を自ら探し出し、それによって自己自身を組織し直す。そしてもともと「クラス内ヒエラルキー」の外側にいた伊吹へアクセスする回路を獲得する。ヘタに自分の領分を守り続けるより、外側に出た方がよっぽど気楽で健康ですからね。

    ただ、運良くはじめから外側にいられた人間と、苦痛の中から自分なりのイニシエーションを通じて外側に出てきた人間がまったく同じとは思わない。これから先、人生の過程で何らかの息苦しい体系の中に放り込まれたとき、俺は谷沢のようなレジリエンスを発揮できる気がしない。割と呆気なく死ぬんじゃないかと思う。

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    2026年09月24日
  • 信仰

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    「普通」や「常識」も突き詰めれば一種の信仰なのでは?と考えさせられる作品です。
    カルトを題材にしつつ、自分が何を信じて生きているのかを鋭く問いかけてきます。クセが強く読後にじわじわ残る一冊です。

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    2026年09月24日
  • しろいろの街の、その骨の体温の

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    ネタバレ

    小中学生たちの心理描写が巧みだっただけに、主人公の性暴力が残念だった。キスまではまだ分かるけど終盤のアレはやり過ぎ。あのブレーキのかからなさが思春期特有のものであると分かってはいても、ノイズがかかってこの小説をどう評価していいのか悩んだ。

    信子は嫌いなタイプだが、彼女を綺麗だと評した主人公の気持ちは分かる。カースト上位の男子に喧嘩を売り醜態を晒しながらもめげない精神は凄い。これができる中学生は中々いない。
    もっと嫌いなのは井上。ただただ下品なだけの荒木より「俺面白いこと言ってるでしょ?」が透けてる井上は生理的に無理だ。主人公が殴りかかったものの失敗したのが残念。一発痛い目見て欲しかったな。

    主人公はこれからも世間一般の価値観では冴えない学生時代を過ごすのかもしれないけど、ずっと思いを馳せていた伊吹と物語のラストでああいうことできたのは勝ち組なのでは?と思った。伊吹に好意を抱いている小林にざまぁって言いたくなった。

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    2026年10月04日
  • しろいろの街の、その骨の体温の

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    ネタバレ

    人間が生む醜さを凝縮して描く一方で真っ白なニュータウンと比較して進んでいく物語がずっと奇妙さを孕んでいてその奇妙さがよかったと思う
    真っ白なニュータウンが舞台じゃなかったらもう少し味気ない小説だったと思う
    舞台って大事だなと思った

    相変わらずの表現のグロさに途中諦めようかとも思ったが最後醜い自分と周りを認めた上での立ち直りがよかった。グロい部分ももちろん描くが、ちゃんとそのグロさや醜さも弱さも含めてすごく人間臭い登場人物を真っ直ぐかけるのが村田沙耶香の良さなんだろうなと思った

    自分すらも下に見ていた女子生徒がカーストが上の男子に歯向かっていくその姿を初めて自分の感覚で綺麗だと思ったと言った主人公がなにか吹っ切れたようですごく心地よかったこれでいいんだと思えた感覚が今の自分と重なった

    以下引用

    「その言葉で、私には輪郭ができた。誰かに言葉で触るということは、輪郭ができることなのだと思った。」

    「私には値札がついてて、その数字がすごく低いんだ。でも、私、それとは関係なしに、すごく綺麗みたい」


    誰かから作られたぼやけた輪郭じゃなくて自分が自分の美学を持てることを輪郭ができると呼ぶ表現が好きなのですごく刺さった

    村田沙耶香には珍しく最後明るい終わりだったんじゃないかと思った。

    でも村田沙耶香読むのはこれからもきっと勇気がいる。体力がいる。そこが良さかもしれないけれどまた心の準備ができたときに読みたい

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    2026年09月22日
  • 世界99 下

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    ネタバレ

    読み終わっても、「結局これは何を描いた話だったんだろう」と、かなりもやもやが残った。明快な答えがある作品ではないし、自分の中でもうまく整理しきれていない。でも、そのもやもやも含めて、ずっと考えていたくなる面白さがあった。

    弱者を救い、暮らしを良くしたはずの世界で、面倒や被害そのものが消えるわけではなく、さらに弱い存在へと押しつけられていく。その構造が怖かった。

    しかも読んでいる自分自身も、「人間が被害に遭うよりはましなのでは」とどこかで納得しかけていて、簡単に外側から批判できない。そのことにも少し怖さを感じた。

    空子が少しずつ世界に合わせて変わっていく姿も印象に残った。一方で、最後まで世界にあらがい続けていたように見える白藤さんのことは、読み終えるころにはむしろ好きになっていた。

    結局、自分なりに何が正しいのか答えは出なかった。でも、簡単に答えが出ないからこそ、読み終わったあとも考え続けたくなる小説だった。

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    2026年09月22日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    前の【コンビニ人間】の時は[普通とは何か?]がテーマやったけど、これは[生(性)とは何か?]がテーマになるのかな?最初から話がぶっ飛んでて面白かったけど、後半からもかなりぶっ飛んで衝撃的やった。
    でもハマればクセになる面白さがあるね☝️

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    2026年09月21日
  • 生命式

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    村田沙耶香らしいぶっ飛んだ設定が光る12の短編・掌編で構成された一冊。表題の『生命式』は先に読んだ『消滅都市』の構想にもつながる話ということで面白く読んだ。設定はさまざまだが、世の規範や常識とされるものへの違和感や馴染めなさとどう折り合うか折り合えないか、あるいは折り合わないことにするか、といったあたりはまさに著者の得意とするところですが、色々な設定の、だけどどこか似たところのある短編たちを読んでて感じた著者の描く世界や人物の面白さは”判断の早さというか潔さ”みたいなところにあるのかなと感じた。例えば『生命式』では、人を弔うときに個人の身体を食べ、新たな生命を授かるために男女が出会い”受精”するという文化で、主人公は自分の子どもの頃はそうではなかった、と馴染めない側の異端者として描かれ、主人公よりはるかに年上のそれ以前の文化でより長く生きていたであろう人が「本当に良い文化ね」などと世の価値観が一変している。この世界に生きている人たちは新たな価値観への適応があまりに速くて主人公がついていけない。一方で『孵化』の主人公が自分には「性格がない」と判断したり、『パズル』の主人公が建物と人間の捉え方を変えたりするようなときは、ある意味葛藤がなく一瞬で切り替えているような感じ。どちらにせよ潔い。
    あとは、村田さんの身体を物質的に捉える感覚が気になった。個人的には宇宙の話とか、物理学の話なんかを読んでいると、自分の身体の物質感みたいなものを考えたりすることはあるんですが、村田さんはそういうマクロ的だったり抽象的だったりではなく、日常生活の中でそういう感覚を持って過ごしているのかなと。

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    2026年09月21日
  • 私が食べた本

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    この方は本を読んで、自分の養分にしている。

    村田沙耶香さんの内面が垣間見える書評とエッセイ。
    こんなふうに本を読んでいるんだと、結構衝撃でした。

    作品にものすごく没入していて、
    自分にはこんな読み方できないと思った。

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    2026年09月20日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    こういう有りそうで無さそうな世界観、好き。
    村田沙耶香さんの作品って、気づけばその世界に巻き込まれているのがいいよね。

    表題作の変身シーン、笑っちゃった。

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    2026年09月20日
  • 信仰

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    思ってたけど、誰とも話してないし、だからこそ敢えて言語化してない部分を言語化されてた。
    なので、嬉しいような、一方で敢えて対峙しようとも思ってなかったものを突きつけられる苦しさのような感じもあり。

    中でも下記作品がまさにそれだった。

    信仰、彼らの惑星へ帰っていくこと、気持ちよさという罪、書かなかった小説、無害ないきもの

    そしてやっぱり、ドラマブラックミラーとか映画マトリックスを思い出してしまう

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    2026年09月19日