村田沙耶香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これぞ村田沙耶香ワールド。
家族や恋人や男女関係など、それに基づく世の中は複雑な連立方程式の様に成り立っていると思う。それを因数分解して、小さな要素にした後に新たに効率だけを求めた世界に構成し直したらどうなるか。
今の世界は消滅して新たな世界に移行できるのか。
千葉はそうなるんだなぁ。(笑)
冗談はともかく、ある面で現代は実際にその過渡期にあるのかもしれないと思わされた。コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスを追い求めるばかりに人間らしさはどこか置いてきぼりにさせられ始めていないだろうか。
家族や恋愛を面倒くさく感じながらも自分の都合にいい部分だけ求めていないだろうか。
それを社会全体 -
Posted by ブクログ
『コンビニ人間』は、「社会」という枠組みの中で生きることの息苦しさや焦りを鋭く描いた作品だと感じた。私は普段から、社会の求める「普通」や「正解」に合わせて生きていくことに強い窮屈さを感じているため、物語の根底に流れる違和感に深く共感した。
作中に登場する主人公と白羽は、どちらも社会の枠組みから外れた「あちら側」の人間として描かれている。しかし、二人の生き方は対照的だと感じた。主人公は、人間社会そのものには適応できないものの、「コンビニ店員」という明確な役割に自分を当てはめることで、生きる理由と居場所を獲得している。一方、白羽は社会に対して強い理想や期待を持ち続け、その枠組みに適応しようとする -
-
Posted by ブクログ
表題作ほか幾つかの作品に強く惹かれました
基本的に人間というものに期待していない作者らしい作品集です
「信仰」はそれに加えて突き抜けたユーモアもあり、Netflixあたりでドラマ化を希望!
本の概要
「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」
好きな言葉は「原価いくら?」
現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。
世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。
表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。
文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いか