村田沙耶香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレコンビニの店員としてバイトしてる主人公の古倉が、今までの傾向から考えてどの品が売れるかなど先回りして臨機応変に対応してる描写は、全然社会不適合者には感じませんでしたが、私生活では家族や友人(本人は友人だと思っているけど実際はどうなんだろう)から、恋愛経験や将来などについて聞かれるのが面倒で、自分たちに都合がいいからと白羽をペットのように扱いながら家に住まわせ、食事を洗面器に入れ餌として与える場面、それを無言で受け取っている白羽に、今までに感じたことのない気持ち悪さが込み上げてきました。
コンビニに来たお客様を大切に思う気持ちはあるのに白羽に対しては、人を人として扱ってないところがすごく機械的に感じました。
バイトを辞めた古倉が「子供って、作ったほうが人類のためですか?」と白羽の義妹に聞いた時、『あんたらみたいな遺伝子残さないでください、それが一番人類のためですんで』『その腐った遺伝子、寿命まで一人で抱えて、死ぬ時天国に持って行って、この世界には一欠らも残さないでください、ほんとに』と言っていて、ものすごいことをストレートに言ったなと思ったら、古倉が「合理的な物の考え方ができる人だ、と感心して頷いた」とあって、この主人公は人から言われたことに傷ついたり悲しんだり悩んだりしないんだろうか…と悩んでばかりの自分から見て羨ましくもありました。
読みながら、バイトではなくコンビニの正社員として働けないのかな?と思ってしまいました。 -
Posted by ブクログ
自分も何かの回すための歯車となる欲求に駆られるような〇〇人間だと思える時があるんだろうか。
主人公のことを考えると、私は比較的に社会に順応できているので、私が社会に受け入れられること感じても、嬉しいと思うがそれ以上でも無いのかもしれない。
逆に、主人公は自身が社会に順応できないと思っていたので、コンビニ人間として初めて社会に受け入れられた時に、「生まれる」ほど、世界が変わるほど心地よく感じたのかもしれないと思った。
あるいは、自分がまだ体験していないだけで、自分が周りの人間と全くわかり合えない部分があって、それを受け入れられた経験がないのかもしれない。
もし、私が主人公のように、周りの人間と全くわかり合えない部分があることに気づいた時は、その部分を大切にしようと思った。何故なら、誰かに、或いは何かに、「〇〇人間」として受け入れられる衝撃を自分も味わってみたい。 -
Posted by ブクログ
「神聖なもの」の在り方・作られ方・扱われ方を描いている作品のように思う。
変半身では、神聖とされる村の秘祭で同級生を救うところから始まり、実はその秘祭は少し昔に「エロいから」という理由だけで作られた男性に都合がいいだけのものであったことから物語は始まる。
満潮では「潮を吹いてみたい」と急に言い始めた夫に嫌悪感を抱きつつも自分も自分の身体や性の神聖さを探る話であった。
どちらもおなじ「神聖さ」を扱っているが前者はすでにあるそれに対する違和感のようなもの、後者は個が秘めるそれへの尊敬と、他人が踏みにじることへの嫌悪のようなものに焦点が当たっており、「神聖さはどこからくるのだろう」「どうしたら神聖なものを神聖なものとして扱えるのだろう」と考える良いきっかけになったと思う。日本は特定の宗教がない国だからこそ、ブランド・土地・学歴...様々なものに信仰心を持つと思う。だからこそいろんな人に読んでみてほしいなとおもうし、感想や自分の神聖なものを比べて見たら面白いと思う。 -
Posted by ブクログ
「身体の女性性」みたいなものがテーマな気がする。他の方が書く通り交わることなど肉体を通した快感の追求をする女性たちの短編集ではあるが、「女性の肉欲」を女性的な視点でバカにすることなく真っ直ぐに描いている作品だと感じた。
Male gazedな社会では女性の肉欲、性欲は軽んじて見られてしまうから、それを持つ自分は恥ずべき存在なんだと思わされざるを得ない。でもこの本や、女性の性を描いた村上さんの著作ではそれがごく当たり前のものとして扱われている。
とくに、本書の説明でも取り上げられている性行為ではない肉体関係を探る「ガマズミ航海」は性行為のため・妊娠のための道具として見られがちな女性器(膣口)を、黒く広がる新たな世界という性行為以外の意味を付与する試みを通して自身の起源や身体・性欲の捉え方も変化していくような気がする。
女性として産まれた自分の身体に、社会の子宮・人類の子供を産み育てる機械・男性の性欲処理としての意味が付与され、なんとなく自身の身体に嫌悪感のある女性や新たな見方をしたい人に読んで欲しいと思う。 -
Posted by ブクログ
『コンビニ人間』は、私にとって初めての村田沙耶香さん作品。ページ数が意外と少なくて、すんなりと読むことができました!
主人公は世間から見れば、バイトだけをしている変わった人。しかし当人はマニュアルに従って店員を演じることで自分の異質さを隠し、周囲から、まともな人として扱ってもらえていると思っている。それがだんだんと明るみに出て崩れていく話。
『皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。私にはそれが迷惑だったし、傲慢で鬱陶しかった。あんまり邪魔だと思うと、小学校のときのように、相手をスコップで殴って止めてしまいたくなるときがある。』
何が普通で、どこからが異常なのかという境界線は非常に曖昧だと思った。結婚していない人もいれば、定職に就いていない人もいるし、よく考えて話さないといけないよなと感じた。私もたまに同年代が集まるキラキラした場に行くと、後からどっと反省することがある。「あの時の言動、変じゃなかったかな」「もっとうまく話せたらよかった」と、しばらくもやもやしてしまう。これも「他人からどう見られているか」「普通から外れていないか」という評価に縛られながら生きている感じなのかなと思った。
読み終えた今、自分にとっての「正しさ」や「心地よさ」とは何なのか、「心地よい生き方とは何か?」と静かに問いかけられています(ヽ´ω`)
2026.10