村田沙耶香のレビュー一覧

  • 私の身体を生きる

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    女性たちによる性のエッセイ集と聞き、女性あるあるやフェミニズム的な問題提起を想像したが予想外だった。
    冒頭の西加奈子はフェミニズムへのお誘いに近いニュアンスを感じたが、続く村田沙耶香で一気に個人の話となる。
    その後も個人的なテーマを書く人が多く女性同士だけど違うのは当然、そもそも理解不能だったりする。
    でも不思議だなと思いながら読む理解不能の中に、少しだけ自分の面影があると仲間を発見したような安心がある。
    私だけの大切な話を自分も整理して書いてみたくなったり、男性バージョンも読んでみたくなった。

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    2025年08月27日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    短編集で文章も固くないので、どんどん読み切れた。一人一人を客観的に見ると最高に狂っているのに、心情を知るとなんだか納得できてしまう不思議さ。それが、気持ち悪くもあり、心地よくもあり。やっぱりそれぞれに自分なりの正義があって、その人からしたらそれが正しい、でも他の人から見るとそれはおかしい、というのは当たり前なのかもしれない。どんなに世間に紛れていても、心の中はミラクリーナのままかもしれないし、好きな人を監禁したいと思っているかもしれないし、性について悩んでいるかもしれないし、感情を爆発させているかもしれない。

    特に、「無性教室」を読んで、「性」というものについて、じっくり考えた。私は、人が人

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    2025年08月26日
  • 私の身体を生きる

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    出産入院中に読むか〜と購入。
    スカート履くのが嫌で泣いてた自分が出産か〜、、、という気持ちにマッチするエッセイがいくつか。

    自意識についてがテーマなので当然っちゃ当然なんだが、「こういう私、どう?」が何気ない振りして3日目の経血くらい滲んでる文章も結構あったなかで、(そのヤンキーという修飾語いるか?みたいな)藤原麻里奈、すごすぎる。
    女を捨ててるのに"女なのに"のリングの中で評価されることに気持ちよさを感じる、ってところ、こんな素直に自分の欲求捉えられるのすごすぎる。(2回目)
    自分も自分しか見ないような日記ですらすぐ滲ませちゃうので、ああいう文章を書けるようになりたい。

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    2025年08月20日
  • 私の身体を生きる

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    このくらい、身体とは何かを強く感じ、自分自身の身体を感じる本が私にはひつようだった

    リレー形式ならでは、最後の方、「私の身体を生きる」ってなんやねんって議論が進展していくのが最高だった

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    2025年08月19日
  • ギンイロノウタ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    娘を批判しかしない父親と、娘に「愛菜ちゃん」と呼ばれる母親の関係性が誉の人間性に影響を及ぼしていることは間違いないが、本人はそれを小学生の頃の事件のせいだと思っている。(ひかりのあしおと)
    誰とも感情を共有できない有里は性で人と関わろうとするが失敗する。性への欲が殺人への欲に変化していく。(ギンイロノウタ)

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    2025年08月11日
  • マウス

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    ネタバレ

    今まで読んだ村田沙耶香さんの作品の中ではマイルド。終わり方も爽やか。

    クラス替えのイヤなドキドキ感、スクールカーストのリアル感、女3人の歪さ。小学生のころ特有の苦しさを思い出した。自分自身、小学生時代の人間関係が一番苦労したから特に抉られた。

    役割を与えられているときは堂々としていられるというところはわかる。何者でもない自分自身として話すのはすごく難しい。仕事とかで何をしなきゃとかが明確だと楽よね。

    「瀬里奈がそんな性格で許されてるのは、綺麗だからだよ。」
    こんな風に考えてしまう気持ちわかっちゃう。

    でも、人の目を気にしながら、人畜無害として過ごすのも悪くはないと思う。みんなが思うがま

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    2025年08月09日
  • 変半身

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    こんな話ありそう。地球星人とも同じで、立場の弱い人の犠牲で成り立つ社会は嫌だね。常識なんてどうでもよくなる。

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    2025年08月10日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    恋愛は繁殖を目的おした人間の麻痺
    だから、恋とか行為が持て囃されてるのも、全部洗脳。
    言われてみればそうなのかも?なんて思わされる、問題提起をされる、村田ワールド全開という感じだった。

    大人とか他人とかって本当に勝手だよな
    「こういうもんだから」という枠にはめようとしてくる人と、枠にハマるために努力する人たち。

    けど、作中の宇宙人も最後は繁殖をしたのだと思うと、自由に生き延びて死ぬことではなく、繁殖をしたのが残酷だった。結局行き着くとこはそこなのかと。

    常識とか価値観なんて、結局誰かが作ったまやかしだから、欲望のままに生きるべきだというメッセージは自分を肯定してくれる。そんな作品だが、肯

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    2025年12月16日
  • 私の身体を生きる

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    ネタバレ

    面白かった…!
    身体について言語化することは難しいと思いながら、言語化欲求もあって、そこをストレートに表現してくれている言葉は、ポジティブなのかネガティブなのかは分からないが震動を伝えてくるようで、ちびちび読み進めました。
    わかる、わかるよ…となるところもあれば、こんな身体感覚を持つ人もいるんだ〜と知るところもあって、何かしらそれが身体にフィードバックされて、終始不思議。

    島本理生「Better late than never」
    …直後よりも、むしろ二、三日目から、不安定さを伴った執着心はピークを迎えて、その最中には激しい恋をしているようにも感じていたが、その後、十日間かけて緩やかに下降した

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    2025年08月04日
  • きれいなシワの作り方~淑女の思春期病

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    なにこの人!おもしろい!
    自虐的な文章とこの方の周りで起こる様々な出来事に爆笑してしまった。
    歳を重ねることが楽しい、私ってこれはこれでいいのか!と、思えたエッセイです。

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    2025年08月03日
  • マウス

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    ネタバレ

    【くるみ割り人形を読みたくなる本】

    くるみ割り人形につながっていて面白かった
    律が瀬里奈を例えたクルミ割り
    律が瀬里奈に読んだくるみ割り人形の本
    瀬里奈がなりきっていたマリー
    律を動物に例えるとマウス
    最初は奇妙に思っていた相手が、大学生になってからも親しい友達でいるってすごい

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    2025年08月02日
  • きれいなシワの作り方~淑女の思春期病

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    面白いし共感できることが多かった。
    言葉の選び方もうまくてつい声を出して笑ってしまうところもたくさん。10年前の本だけど今でも全然あるあるってエピソードが多くて楽しく読めました。30代女性の本音がうまく書かれている本です。

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    2025年08月02日
  • しろいろの街の、その骨の体温の

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    村田沙耶香さんの作品を読み漁り始めて何冊目になるだろうか。1番読後感がスッキリしていて気持ちが良くて美しい感じがした。
    きっとそれは村田さんの作品では珍しく未来が見えるというかその先の物語が想像出来るからだと思う。

    他の作品の世界観で言うと「ギンイロノウタ」に似ているのかもしれないし、ニュータウンのイメージは「世界99」とも重なる。

    性的な描写は多数あったけれど、美しく文学的な表現がその世界へぐっと引き込んでくれた。

    少女から女性へ移り変わる、思春期の異性に対する嫌悪は一種の発情であるような、歪んだ初恋と性の芽生えをモヤモヤと抱えながらスクールカーストの中を漂っている主人公。
    彼女に自分

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    2025年08月02日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    久しぶりの村田沙耶香ワールド。
    強烈さがやや控えめで読みやすかった。

    『無性教室』が一番好き。
    性別を禁止された高校生の話。
    いつかはこんな時代が来るかもしれないなと思いながら。

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    2025年08月01日
  • 生命式

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    ネタバレ

    常識を疑う小説がたくさん入った短編集。私は「孵化」が一番好きだった。誰しも本当の自分ってどれだろうと思ったことはあるはずだが、そのブレを究極まで突き詰めた女の子のお話。結婚するために新たな自分を生み出して、この子はこれから先また違うキャラクターを演じなければいけないのかと後味が悪かった。

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    2025年07月28日
  • 授乳

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    ネタバレ

    試し読みで、パラパラめくってみた時の一文からもう心惹かれ、読みたくなった。
    解説を読んでやっと理解できたところがある。彼女たちは、彼女たちの作る世界の頂点にいる。彼女たちの作る世界のなかで、彼女たち以外の主要人物はみんな、表情のないマネキンのよう。最初に言ったように、文章ひとつとってみても、その表現、観点から、すでに彼女ら独自の世界が型作られていて、引き寄せられる。
    これで、この方の作品は読むのが2冊目。今の所、村田沙耶香さんの世界が一ミリも理解できない。できたと思うと、すぐに遠ざかるような感覚。理解できないから、理解したいと思う。

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    2025年07月28日
  • 私の身体を生きる

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    女性の書き手が綴る、「身体」についてのエッセイたち。

    私がこれまでの人生誰にも言わずに、日記にすら書かずに閉じ込めてきた経験や思想や感情に近しいことが書かれていたりして、私だけじゃなかったのか……!という発見がいくつもあった。

    私みたいに、自分の中に閉じ込めている人も沢山いるであろう内容をこうして書いてくださったことに感謝したい。
    生理や身体の変化のこと、妊娠のこと、性自認のこと、性欲や自慰について、ルッキズム、性癖、尊厳などなど……
    女性の体と30年付き合ってきたからこそ、どれも興味深い内容だった。

    金原ひとみさんの「パリの砂漠〜(略)」を読んだ時にも思ったのだけど、
    金原さんの文章だ

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    2025年07月26日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    ネタバレ

    村田沙耶香の作品は突飛な設定があることも少なくない。その「まさか」の部分が結構好みで楽しみに読んでいるけど、好みが分かれる部分だと思う。

    4編どれもが村田沙耶香色が効いていて良かったが、特に「無性教室」には私の中の「当たり前」をひっくり返してハンマーで粉々にされたくらい衝撃を打たれた。性別の在り方、誰を好きになるのか、もそうだし性別を知らなくても相手を愛することができる、ということをなんか忘れていた。よく考えたらそうなのに。本当にすごい、としか言えなかった。自分がこうすべきと思っている「当たり前」ってどこから生まれたんだろう?と考えた。いい物語でした。

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    2025年07月21日
  • タダイマトビラ

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    『家族ってなんだと思いますか?』

    なんとも抽象的な質問からはじまった今回のレビュー。改めてそんなことを言われてもなかなか答えるのは難しいと思います。考えようによっては哲学的とも言えるこの質問ですが、問われた側としては、まずは自らの『家族』のことを思い浮かべると思います。

    とは言え、『家族』の形にもさまざまなものがあると思います。何をもって『家族』と捉えるかという問題も出てくると思います。昨今の世の中、犬や猫も『家族』の一員と考える方も多数いらっしゃるでしょう。この問いには答える側の数だけ答えが用意されているようにも思います。

    さてここに、『家族』について思いを深めていく一人の少女を主人公

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    2025年07月21日
  • 生命式

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    まず最初に、衝撃
    食人に対しては、異常行動だったり、歴史上、宗教的な行動だったりで、実際にあり得ることであっても、嫌悪だったり、プリオン病や感染症などの恐れだったり、今の私には、無理
     けれど、人を素材として見れるか?
    例えば、臓器移植、亡くなった人の臓器を必要な人が貰う
    亡くなった人の骨から、焼成して石を作ってアクセサリーや位牌に当たるものを作る
    刺青のある皮膚を展示してるのも見たことがある気がする
    これらに肯定的か否定的かは、個人の感覚だと思う
    こうやって考えたら、常識ってなんて曖昧で、他者と齟齬を産む言葉なんだろう

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    2025年07月15日