村田沙耶香のレビュー一覧
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村田さんの作品はよく同じフレーズが出てくる。例えばトレースや呼応など。日常で使わない言葉も多いので村田ワールドに入る前にはそのワードを復習しなければ、と思いながら読み進める。
村田さんの作品はいつも架空の人物やキャラクターが出てくる。「地球星人」のポハピピンポボピア星人の時は流石に架空のものだとわかったものの、ラロロリン人やピョコルンはこの世界に存在しそうで一度調べてしまったレベルにリアルだった。空子はその時の状況に合わせて「トレース」しその場に適応する。私が好きな空子はプリンセスちゃんと姫の時、私的に空子の全盛期と言える場面。その場の空気を読んで皆から愛されるキャラへとなるのはまさに「トレー -
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ネタバレ上手く周囲が溶け込めるが故に臆病なマウスとして悩む律と、物語の世界のマリーになることでしか溶け込めない瀬里奈。
瀬里奈は言わずもがな、律も腫れもの扱いされている瀬里奈を走って追いかけたりと、意外と大胆で突拍子もないところがある気がしました。正反対のようでいて、実は似ている部分を2人は持っている。だからこそ、お互いがお互いの「息つぎ」できる居場所になったのだろうなと思います。
一度大きくぶつかったからこそ、強固になった2人の関係。物語終盤の本当に気が合う、親しい間柄の人といる時の特別であたたかで穏やかな空気感が素敵でした。
ふと、小学生の一時、仲のよかったあの子はどうしたかなと懐かしくな -
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若林さんは不思議な人だ。
めっちゃ自意識過剰で自己防衛本能が強くて、見栄っ張りでカッコつけ。本音は言わない。
だけどスッと人の懐に入ってくる可愛げもあるんだなぁ。
この本では、若林さんのそんな部分が遺憾無く発揮されていて、終始ほっこり見守る気持ちで読むことができる。
人が死ぬ本ばっかり読んでたアタマが癒される〜。
私が好きなのは、羽田圭介さん&藤沢周さんの回。
この回は、若林さんが話すボリュームも多くて、羽田さん、藤沢さんとの相性の良さを感じる。話してることもほどよくカタくて、良い意味で、男同士っぽい感じ。小気味よくてずっと読んでたい。一冊丸ごとコレでもいいなぁ。
あとは角田光代さん -
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村田さんの作品にしては、良い意味でスッキリと落ち着いた印象の作品。『コンビニ人間』より更に女性なら共感できる人も多そうなストーリー。
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主人公(律)は、臆病で真面目な女の子。
他人からどう思われるかが気になる性格。
【臆病な女の子=ネズミ】のイメージ。
新学期にクラス替えになってから、どのグループに属するかを模索しているのは小学生ながらしたたかだな~と思った。
どこのグループにも属せなかった瀬里奈。
まわりの子と違い、少し浮いた存在。
そんな瀬里奈がある本(くるみ割り人形)がキッカケで、別人のように変わっていく。
・第一部⇒小学5年生のころ
・第二部⇒ -
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ネタバレ読んだことないと思ってたけど既読本だった。
デビュー作の授乳
衝撃的なラスト、蟻を踏み潰すシーン
突然終わってしまうラストに置いてけぼりにされた感じ
女性性への嫌悪感がすごい
コイビト
他者を通して自分の行為を不快に感じる様が目の前で起きているようで、実体験のようで面白かった
ラスト怖かったなぁ
それなしでは生きられない、本当にその通りでまた同じ対象物を求めてしまうんだろう
御伽の部屋
正男お姉ちゃん元気かなぁ
妹の様子を見るに、告白したけど親兄弟に拒絶され、家を出たか諦めたか
ユキも同様に男性のようになりたかったんだろうか?正男お姉ちゃんのことは特に気持ち悪いとは思ってなかったけど、外で -
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うーん、変な話を読んだなぁ。
というのが第一の感想でした。
「変半身」
島に伝わるポーポー様とポピ原人の話や、抗えないはずの秘祭、「モドリ」の役目――子どもの頃から叩き込まれた島の教えと、淡い初恋。閉塞感と信仰心に支配された思春期のひりひりした痛み……みたいな青春ものではないです。なぜなら村田作品なので。「はっ?」という展開が次から次に重なり、そして大人になった主人公もやはり「はあぁ…?」という生活をしている状態。そのあたりの不可解さとぶっとんだ設定展開はぜひ読んで楽しんでいただきたい(笑)
ただ、結末はあまりにも「いや、なんでやねん!」と突っ込まずにはいられない締め方で(いや、締めてるのか