村田沙耶香のレビュー一覧
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価値観を強要する人に読んで欲しい作品。
前半の毒親描写、性加害描写がとてもリアルなので、苦手な方は読むのを控えた方が良いと思う。
【ネタバレ注意】
男と女で子供を作れ、まっとうに働け、それを強要される私たち人間は工場の部品である。そして、工場の部品であることに誇りを持っているのは地球星人であり、地球星人は洗脳されている。
この言葉選びが素晴らしく、とても腑に落ちた。
なんでみんな何の躊躇いもなく子供を作るんだろう、と思う私の心の内を言語化してくれた。
前半から中盤にかけては共感できる点が多く、どんどん読み進める事ができた。
しかし、後半からは予想外の展開で理解が追いつかないまま読み終わ -
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ネタバレ一冊読み終えてまず強く残ったのは、著者は世の中にあんまり期待してなさそう(?)という感覚だった。人間社会を内側から描いているというより、地球人について学んだ宇宙人が、地球人向けに書いたSFを読んでいるような視点。世界をかなり俯瞰で、少し距離を置いて眺めている感じがする。その距離感が、個人的にはとても心地よかった。
その感覚をいちばん象徴していると感じたのが、最後の短編『余命』。
『女子にぴったり!可愛い死に方100選』『男のインパクト死!印象に残る死に方でかっこよく逝く方法』というフレーズが強烈で、今まさに世界中で議論されているジェンダーの問題には一切触れず、「女は可愛いものが好き」「男はか -
Posted by ブクログ
『コンビニ人間』『地球星人』『消滅世界』と4作続けて読み、村田沙耶香という作家が作る「箱」の面白さに圧倒された。
また、村田沙耶香は合理性を突き詰めた先での世界を提示し一旦フラットにして、読者に「倫理観」を問うてきているのかなと感じた。
ここで言う「箱」とは、既存の常識を鮮やかにひっくり返した世界観のことだ。
例えば『消滅世界』なら「夫婦間のセックスが近親相姦になる世界」、『殺人出産』なら「10人産めば1人を殺せる権利が得られるシステム」。誰にでも共通して伝わる明快な「箱」を作り、その中で物語を動かす手腕が凄まじい。
キャラクターの背景や心情描写の解像度(あるある!という共感)に依存せず、設定 -
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ネタバレ無量空処食らった。確実に共感できない価値観と状況設定なのに、主人公の目線に毎回トリップできるのは村田沙耶香ワールドという感じがする。今ある当たり前の感覚をひっくり返され、オリジナルワールドを展開されているのに何でこんなに文章が読みやすいんだ...。『家族』という概念に対して信仰と表現しているのが印象に残った。(同じ信仰を信じていたはずじゃなかったの...?というところ)
村田沙耶香の作品では、恋愛も仕事も家庭など人生自体を"ベルトコンベアに乗せられたモノ達"として、揶揄されている気がする。
「全ての人類は『途中』である」という箇所も、それに乗っ取られてはダメだ...!雨音. -
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宇宙星人の世界は狂気そのものだ、巣のような家が並び、臓器を使う子孫製造の営みが満ちている。
夏休みに父の故郷、長野の山奥にある秋級(アキシナ)にいく。お盆休みに父の兄弟が家族連れで集まる恒例の行事だった。
秋月は大切な魔法道具をリュックに入れて父の運転する車で急な坂をいくつも超えていく。姉は車酔いでぐずっているが、秋月は一年に一度従兄の由宇に会うのが楽しみでうきうきしている。
由宇は山形からくる。三年前に離婚した母は由宇を恋人代わりのように、母と言わせず名前で呼ばせて甘えている。母はいつも由宇は山で拾った宇宙船の捨て子だと言っている。由宇はいつかはこういう生活は終わって、宇宙船が迎えが来ると -
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ネタバレ「生命式」
会話が異常だが、日常に馴染みすぎていた。
レシピに「俺の肉」で不謹慎ながら笑ってしまった。
葬式なのにパーティー、宴会のようだ。
「素敵な素材」
物語の中で出てくるものが想像できなかった。
いい話だった。
「素晴らしい食卓」
変わった食事。p102の圭一さんの母のストレートな物言いが面白かった。
「夏の夜の口付け」「二人家族」
性的指向。自分の想像にはない家族の形。
長女の6年生の時、面白かった。
「大きな星の時間」
絵本の読み聞かせのような文章だった。
「ポチ」
事件が起きないかヒヤヒヤした。
「魔法のからだ」
性について向き合っていて、神秘的な表現がされており、とて