村田沙耶香のレビュー一覧

  • タダイマトビラ

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    本を読んで感じたことの言語化から逃げたくなくて、こんな風に感想を書くことを始めたのだけれど、この本は言葉に出来ない。
    母性が欠如している母親に育てられた少女が、家族欲を満たすために始めた「カゾクヨナニー」。どんな欲望も工夫し、自分で満たしている少女が本物の家族を探す。
    村田沙耶香ワールド全開。
    とんでもないものを読んでしまった...

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    2025年12月08日
  • 生命式

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    消滅世界を読み、そのままの流れで読んだ。
    同じような世界観を持っていたが、飽きることなく読み終えた。
    結構昔に読んだから詳細は覚えていないが、面白かったことは覚えている。
    多分、藤本タツキの庭には2羽ニワトリがいたと似てる気がする。

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    2025年12月08日
  • 消滅世界

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    ネタバレ

    よかった。
    実験都市に移住してから彩度が下がってぐっと洗練される生き方になる。
    誰もがお母さん、子供はみんなの子供ちゃん、性欲はクリーンルームで排泄しよう、というあり方いいなと思った。
    だんだん恋愛感情も、家族制度への執着も消えて、自分の感情を自分で管理する、個、として人間の生き方の分業が進んでいていいな。

    解説として寄せられている文章も本文の理解を助けてくれる。が、子供のまっすぐさを兼ねた疑問の提示方を発達障害的と言うのは攻めすぎなのでは。

    性行為はなんのためにするのか?
    村田沙耶香はあらゆる小説でこれをテーマにしている。女性の妊娠、性行為、恋愛、家族、性的価値の消費からの解放が待ち遠し

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    2025年12月08日
  • 消滅世界

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    SF小説?!

    この世界怖いなあって思った。

    私の主観だとこの本の世界が異常でホラーだと思うしみんなもそうだと思うけど、本の住民はそれが常識。
    上(読者)の世界から下(本の住人)の世界を見下ろしてるみたいな感覚になった。
    この本を読んだ今、このフィクションの世界を知った今、人間の本能に従った恋愛って素敵じゃんて思えるようになるかもね。と解釈もできるだろうか。

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    2025年12月07日
  • マウス

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    村田沙耶香さんの作品にしてはすっごい普通の作品でした。普通とは言えど、瀬理奈の空想世界の話や物語の主人公になりきってしまう所とか若干現実離れしてる感じが村田沙耶香さんらしいなと思いました。
    小学生の時自分も律みたいで内気で周りの人の目を気にするタイプだったなと過去と重ねて読みました。

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    2025年12月06日
  • 生命式

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    自分は短篇集に少し苦手意識があるけれど、好きになりたくて色々読んでみている。
    苦手な理由は、同じ本の中で刺さる篇と刺さらない篇が同時に存在していることに違和感を感じちゃっているからだと思う。
    短篇集が好きな人も、自分と同じように合わない物語があるのかな...

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    2025年12月04日
  • 信仰

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    なあ、俺と、新しくカルト始めない?

    というなんとも惹かれる帯文だけど、表題作含む9つの短編と3つのエッセイ。
    短編はSF的なディストピアの世界を描いていて、重く心にのしかかる。考えさせられる。
    どれも本当にクオリティが高い。

    初出が最後にまとめられていて、海外からの執筆オファーがこれだけあるのかと驚きました。

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    2025年12月04日
  • 生命式

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    昔はおかしいとバカにされたり、
    けなされたりした事が、
    時代が変わって、当たり前になる。
    自分の人生これの繰り返しだったなぁ。
    何故かその時は受け入れられず、
    10〜20年経つと、時代が追いついてくる。
    周りがその話題で盛り上がっていても、
    あの時散々けなしてたクセに、調子のいい奴ら!
    と腹が立ってしまう。

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    2025年12月04日
  • 世界99 下

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    ネタバレ

    最近「人間になろう」と努力しているという友人と、いっしょに読もうということで読んだ本作の下巻。衝撃的なラストだった。
    女性の出産・育児の機能を外部化した存在、ピョコルンの登場によって、主人公の空子の感覚自体も、家父長的な男性の感覚になっていく。こちらは養ってあげているのに、この程度のクオリティの家事しかできないのか。
    その感覚は、元々は、父から母に向けられ、空子自身の中にも内面化されていた男の視点だった。しかし、ピョコルンの登場によって、その眼差しは自分たち女性に向けられるものではなくて、女性もピョコルンに対して向けるものに変わっていく。それは、明人や匠くんといった男性キャラに対する空子の「ト

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    2025年12月04日
  • 信仰

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    何かを信仰する安堵、何かに縋っている安堵、それが自己のアイデンティティだと思っていることで自分の形が作られていくんだと思います。
    人は1人では生きていけないっていうセリフがかなり綺麗事に聞こえてしまうけども、やはり何かを形作っているのは人間なのでみんな人との関わりは何かしらあるんだなと思いました。

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    2025年12月03日
  • 世界99 上

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    大学生時代にいっしょによく本を読んでいた友達と数年ぶりに会ったところ、公立高校の先生になり、色々と職場の人たちの普通に馴染めずにいるとのことであった。そういったコミュニティへの馴染めなさに対して、何かヒントになる本はないかと思い『世界99』をいっしょに読むことになったのだが、ある意味ぴったりの本だったと思う。

    私はだいたい何か褒められると、「そんなことないよ!」と謙遜する。それに深い意味はなく、周りの子の平均的な「リアクション」を真似ているだけだ。集団の中で、常に典型的な人間であるよう、私はいつも心がけていた。(p14)

    語り手の如月空子は、性格のない少女であった。周囲の人間の言動に「呼応

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    2025年12月03日
  • 世界99 上

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    ネタバレ

    冒頭から終わりにかけての展開が想像以上に広くて凄い!!
    途中グロくてしんどかったけど、そこ超えたらずっとおもろい。

    途中まで空子が勉強できないせいで騙されやすかったり、親の影響でお母さんと同じような生活を自分の夫とも送ることになってるのか…と思ってたけど、
    空子がいる世界が男尊女卑が当たり前でセクハラモラハラ当たり前っていうことがわかってから一気に見え方変わったかも。あの環境なら空子のようになるのは当たり前なのでは?周りの環境が大変で、自分には意思がないって感じるの、わかるわぁとも思う。白藤さんによる空子の性格分析は間違ってないと思った。でも空子本人としては、自分を可哀想と思いたくないという

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    2025年12月02日
  • 消滅世界

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    消滅世界は、当たり前とされてきた価値観を根本から揺さぶる一冊。
    セックスが当たり前ではない世界、家族が当たり前ではない世界。この物語で描かれるのは、現代の常識が未来には旧時代の奇習として扱われるかもしれない、という大胆な発想。

    思い返せばコンビニ人間では、社会の普通から外れた主人公がマイノリティ側から疑問を投げかけていた。
    しかし消滅世界では構図が反転する。現代社会ではごく自然とされるセックスや家族という仕組みが、実験都市ではむしろ異常で、古く非合理的な風習として切り捨てられる。主人公は、そんな旧時代的な習慣に固執する側に位置づけられ、自身がマイノリティとなっていく。

    作者は、セックスも家

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    2025年12月01日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    世の中の常識って私にとっては常識じゃない。
    そう訴えかけている一冊に感じました。
    世の中の常識を地球星人と名づけて、私は宇宙人として生きていく。
    生きにくい地球星人の星で宇宙人として絶対に「生き延びる」。
    世の中の常識に疑問を投げかける一冊でした。

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    2025年12月01日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    おっかねえ、と思った。何がおっかねえのか言語化しきれないのも、おっかねえ。
    最後の章の主人公のグラデーションが綺麗で、読んでて楽しかった。

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    2025年12月01日
  • 生命式

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    自分は正常な人間だという思いが揺らぐ短編集。
    それぞれの世界観での常識と、それから逸脱した人々の話で構成されており、その食い違いようと現実の価値観との違いにいい意味で気持ち悪さを感じる。嫌悪感さえ感じるのに、読まざるを得ない感覚に襲われる。

    「パズル」と「街を食べる」が特に異様に感じた。正常は発狂の一種というが、こうなるくらいなら、正常に発狂していたい。

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    2025年12月01日
  • 殺人出産

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    インパクトのあるタイトルに惹かれて思わず手に取った4作目の村田 沙耶香作品。

    いつもながら星 新一さんのような世界観だなぁと気になって調べたら、村田さん自身幼少期に星 新一作品を読んでいたとのことで、大変納得しました❗️

    さて、本書『殺人出産』ですが、110ページ足らずの作品ですが、タイトル同様に中身も中々インパクトがありました❗️特に物語の終盤のあるシーンはとてもリアルで、ちょっと背筋が寒くなります。

    また『トリプル』という作品では、3P(?)の性描写があり、下手なラブシーンよりも凄く淫靡な世界で、とても印象深い作品でした❗️

    また、最後の『余命』では、理想的な死に方について描かれて

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    2025年11月29日
  • 世界99 下

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    ネタバレ

    上から世界やピョコルン、空子の生き方が変わった。
    あらゆる世界に呼応していった空子がひとつの世界にだけいて、クリーンな考えになった時、こんなにも変わるのかと驚いた。
    ピョコルンやラロロリン人も現代の世界や若い世代にとって尊重される存在になっていて、人の価値観は時代によってすごく変わるなと思った。
    ピョコルンは人間によって生み出された人間にとって便利な人間の生き物だなと思っていた。
    けれど生み出す側も生み出されてしまった側でさえもが自ら希望してなる存在になった。
    うーん、、ピョコルン、、何なんだろうか、、
    難しい世界について考えさせられた作品。

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    2025年11月28日
  • 世界99 上

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    読んでいて、隠し事がバレたような、気まずさがある。
    フィクションなのに、人間の汚さや、正義の顔をした暴力的な差別があまりに生々しく、現実との類似点を感じてしまう。
    トレースや、共鳴もAIみたいだなと思った。

    加害と被害が都合良く、なかったことにされている世界1に恐怖を感じる。
    ピョコルンのような存在が必要な世界にも。
    自分の信じている世界が揺らぎ、不安定になるような感覚になった。

    下巻がどういう展開になるのか、全く想像がつかない。

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    2025年11月27日
  • 世界99 下

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    あたらしい世界での、汚い感情がない世界でも、無意識に感情は生まれてくるのかも。
    何事でも、このような世界になったのには理由があって、その昔のことを知らない新しい世代が出てきてというのが繰り返される。
    終わりが決まっているのが希望になる。怖い。

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    2025年11月26日