村田沙耶香のレビュー一覧

  • 消滅世界

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    ネタバレ

    本作は、性欲や生殖といった「当たり前」とされてきた欲望が失われた社会を描くことで、逆に恋人や家族という関係性の本質を強烈に浮かび上がらせる作品だと感じた。

    性欲が消滅したとき、恋人とはどのような存在になるのか。家族であることのメリットは、どこに見出されるのか。
    純粋に居心地がいいという感覚だけで、人は誰かと生活を共有し続けられるのか。読み進めるうちに、これまで無自覚に依拠してきた人間関係の判断基準が、少しずつ解体されていく感覚を覚えた。

    同時に、自らがいかに異性愛を前提としたイデオロギーに囚われていたかにも気づかされる。
    作中の価値観に対して抱いた違和感は、「理解できないもの」への拒否とい

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    2026年01月22日
  • タダイマトビラ

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    家族に関する話。やっぱり村田沙耶香さんの作品で味わう混濁は別格だと思った。ただラスト付近は説明しようが無い程めちゃくちゃで軽く読み流してしまった。

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    2026年01月21日
  • 世界99 上

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    ネタバレ

    他人に迎合しながら生きている人が多数だと思うけど、それは他人に良く思われたいとか他人から嫌われたくないといった感情から起こされるものと自分は認識している。
    空子に関していえば自分の感情がないとは言うけど、相手をトレースしてそれぞれの人に対してどう立ち回れば良いか理解しているわけだからそれは実はすごい武器なのではないかと思う。俺みたいな自尊心が低い人や自信がない人は相手に迎合した方が楽に生きられたりするから少し羨ましかったりする。
    それにしてもピョコルンに隠された真実が世界を一つにするとは。この中々に狂った世界観をどうやったら思いつくのだろう。これからどうなっていくのか続編を楽しみにしている。

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    2026年01月21日
  • 信仰

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    村田沙耶香さん
    大好きな作家さん

    薄い色んな色の硝子、
    でも綿毛みたい柔らかい
    そんな心を持っている方だと
    勝手にイメージを作っています。

    「ジュウマンエンカエセ」に笑い、
    気持ちよさという罪で自分が
    容易に使っていた【多様性】を恥じ
    いかりに考えさせられる。

    読み応えしか無かった。

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    2026年01月25日
  • 世界99 下

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    ネタバレ

    最後はなぜか清々しい終わり方だった。
    ピョコルンが世界を変えた。キャラを自在に操り、どんな世界にもその世界に応じた生き方をした空子。明人と結婚し、道具として使われて続ける人生。それは、今の社会を象徴していて、誰かに使われ、酷使されて、つぶれていく。でも、その生活もピョコルンによって終わり、空子とは、逆に自分の正義を貫き、世の中に抗い続けた白藤さんの生活もどんどん破綻していく。
    その2人が歪な家族のようになり、その子どもたちもまた歪んだような人生をおくる。
    最後は、空子は集団でピョコルンになる儀式に参加し、今までの人生を自分の手で終わりにする。
    自分もまだ、常に世界に所属し誰かしらに媚びながら生

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    2026年01月20日
  • 世界99 下

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    ネタバレ

    オーディブルで読み聴く。行き着く世界が、自ら記憶調整をし、不快な言動をしない、均質な世界とは…そこから外れるのはピョコリンか、化石化した存在か。読み聞きながら、波長が合わないかもと思いつつ、最後まで聴き続かせられる内容だった

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    2026年01月20日
  • 消滅世界

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    ネタバレ

    これまで村田先生の作品をいくつか読んできてそろそろ自分も村田ワールドに慣れてきたかな?と思っていましたが、今までで読んでて1番頭がおかしくなりそうでした。笑
    気が狂いそうになりながらもページをめくる手が止まらないんですよね。

    「正常ほど不気味な発狂はない。だって、狂っているのに、こんなにも正しいのだから」とあるように、正常すぎる世界もヒトも考えものだなと感じました。

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    2026年01月20日
  • となりの脳世界

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    村田さんエッセイ2冊目、こっちは面白かった!
    まさに村田さんの脳内を覗きたかったのでありがたい
    間違い感動の話が特にすき、やっぱ面白いなこの人笑

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    2026年01月19日
  • 消滅世界

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    自分が正常だと思ってる今の世界も、進化の途中で、狂ってると思われる日が来るのかもしれないな。

    実験都市は想像すると少し気味悪いけど
    街のなかでみんなで子供を育てられるようになったら、どんなにいい未来が待ってるんだろうとも思った。

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    2026年01月19日
  • 世界99 上

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    読んでいて苦しくてどうしようかと思った!!
    でも読み進めてしまう!
    苦しくて、辛いと思う内容が実際に起きていることだから考えもんだ男女平等って難しいな
    主人公みたいに他の人をトレースして生きていけば誰とも揉めずに生きていけそう、器用だなとも思う反面、苦しいかなとも思う

    下が気になりすぎて仕方ない‼️

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    2026年01月18日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    ネタバレ

    展開が気になり一気に読み終えました。
    終盤の展開はグロテスクなので誰にでも薦められる
    わけではないですが個人的には面白かったです。

    主人公は世間とのズレを、自分は宇宙人だと思い込み、この世界のことを、地球人、工場と呼ぶことで何とか埋め合わせている。
    周りの大人達が、主人公達に普通の人生を送らせようとしてくる中で、何とか地球人の生活に合わせて誤魔化しながら生きているが、後半、地球人達が、その誤魔化しに気づき、真っ当な生活に引き戻そうとしてきて、どんどん追い詰められていく。

    物語では、主人公目線で進められているので、周囲の地球人は、押し付けがましい醜悪な人たちとして描かれているけれど、本人達は

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    2026年01月18日
  • 世界99 下

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    読後感、しんどい。だから星4。
    みんなが認める筆力、設定、すごかった。

    考えることが多くて、消耗しながら読み進めた。呼応、トレース、粒子。納得の表現がたくさんあり、私の普段を見透かされている居心地の悪さがつきまとった。

    白藤さんと空子の母のことは、繰り返し思い出して、考えると思う。

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    2026年01月18日
  • 消滅世界

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    途中何度も、これは読まない方が身のためではないかと躊躇したけど、怖いもの見たさでページをめくり終えてしまった。すれ違いざまにぶつかられたような、そんな読書体験だった

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    2026年01月17日
  • 世界99 上

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    呼応とトレースは高3の時にすごく悩んで年上の人に相談してもそんなものだと言われてしまうものだった。だからこの本を読んで、救われる部分があった。そして、レビューを読みながら色んな人が共感できることであるということが知れたのが何よりよかった。

    新しくできた心許せると思った彼氏が世界99の人でありますように。

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    2026年01月16日
  • 世界99 下

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    正直に言うと、上巻〜下巻中盤までは陰鬱かつ退屈な内容で、ああ、こういう視点で世界を見ているんだなという気持ちであった。しかしそこまでは壮大な前振りであり、下巻中盤から畳み掛けるように世界が動き、何重にもメタ視点を重ねたような見え方からの圧巻の幕引きであった。

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    2026年01月16日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    面白すぎて一気に読めた。
    消滅世界を読んだときにも感じたような、恋愛結婚出産みたいな世の中の人々が当たり前のようにしている行為を、逆に異常に感じている主人公の視点が面白くて
    私たちが当たり前のようにしていることを、なぜそれが当たり前のように行われ、同じようにしないと異常者のように扱われるのか疑問に感じることが
    私には(洗脳された地球星人の一人)新たな視点過ぎてとっても面白かった。

    あー私も洗脳されてる側なんだって思った。
    たしかに異常と言われれば異常なのかもしれない。
    ただ読んでいくうちに、自分のなかにも奈月と似たような考え、感覚が少しあるなと思った。

    「工場は恋愛がどんなに素晴らしいか、

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    2026年01月16日
  • 信仰

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    ネタバレ

    小説とエッセイ12篇、文庫化書下ろしあり

    村田ワールド炸裂の濃密な1冊。『コンビニ人間』を読んだときの感覚が蘇りました。「もし○○だったら」と若いときに思ったことが村田さんの手によって小説になったら、という作品が複数あってとても面白かった。

    個人的にとても心に残った作品→

    信仰
    読んだ感じは『コンビニ人間』に一番近いかも。原価に対するこだわり、私も小学校高学年~高校生まであったので懐かしい…。

    生存
    生物的格差が簡単に分かるようになった世界。下のランクに留まることは許されない。なんてしんどいんだろう。

    気持ちよさという罪
    ニックネームについて考える。

    書かなかった小説
    昔は「分身が

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    2026年01月14日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    ネタバレ

    表題作のインパクトが凄すぎて、このお話がトップバッターで大丈夫?他のお話が霞んでしまうのでは?と思いながら読み進めたら、杞憂杞憂。
    どのお話もぶっ飛んでる(褒め言葉)

    中でも『変容』が自分には身近なテーマだった。○○世代と名付けて、乱暴に一括りにしてレッテル貼りするあの流れがどうしても頭に浮かぶ。
    表題作や『無性教室』では、世間という見えない強制力に対してそんなんしらねー‼︎と最終的に自分の感情に正直に行動している。
    ところが『変容』では、実は誰かに共感したり同化したかっただけで、「怒り」自体を大切にしていた訳ではなく、まわりに流されるオチになっている。怖くもあるし、理解もできるしで、収録作

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    2026年01月12日
  • タダイマトビラ

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    家族にまつわる作品を読みたいとチョイス。
    かつての制度としての「家」「家族」のない核家族化の進んだ現代において「家族」というものはそれぞれの欲の擦り付け合いなのかな…と繰り返されるカゾクヨナニーという言葉で考えさせられました。
    主人公が壊れていく様のおぞましさ、文章で引き込まれていく。
    全てとは言わずとも諸々が持つ「おぞましさ」「汚しさ」についての感覚を自分も持ち得ている気がするので、もっとこの人の思想に触れてみたいと思った作品でした。

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    2026年01月11日
  • 私の身体を生きる

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    テーマが性だからか、かなり赤裸々な内容が多く書き手たちの矜持を感じた。私は親しい友人であっても性に関する話をし合うことがないので、こういった本が存在してくれることそれ自体に感謝したい。
    男性からの目線、恋愛性に対する違和感や自分の体験について書いたものが多い印象で、それはその通りという内容なのだけれど、同時に女性の恋愛・結婚・妊娠出産・育児に対する幸せを語ることってもう許されないのだろうかという疑問も湧く。

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    2026年01月11日