村田沙耶香のレビュー一覧

  • 地球星人(新潮文庫)

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    何の疑いもなく常識に流されて生きるほうがよほど簡単で、奈月たちのように工場から離脱し切ることができる真性側のポハピピンポボピア人が羨ましい。多くの人間は、とはいえ工場の論理で幸せになりたいと思ってしまう苦しみを抱いて生きていくのだと思う。それが大多数の常識で感染するものだから。常識が変わることはないと思うけれど、あえて目を背けてきた苦しみが言語化されたことに救われる。著者がほんとうにかっこいい。

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    2026年02月22日
  • 消滅世界

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    グロい本だったなあ...価値観が変わった世界の中にいるとそれが変だとは実感できないが、外からは変にしか見えないといった内容か。
    恋愛至上主義なのは近年だけの特質的な状況という言説はよく聞くけど、それが変わるとこうなるのかなあという実験として興味深かった。楽園システムがめちゃくちゃ弱くてすぐ崩壊しそうなのが気になった。
    このへんの強度を増して読みやすくしたのが世界99なのかなと思った。

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    2026年02月21日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    恋愛をして、結婚して、子どもを持つことは、多くの人にとって幸せの象徴のひとつだと思う。でも作中では、それは世の中の常識に洗脳されているだけという視点で描かれていて、ハッとさせられた。
    幼少期に十分な愛を受けられなかったことや、大人からの性被害によって生まれた奈月の「普通」に対する嫌悪や拒絶は、読んでいてとても苦しかった。
    一方で、どれほど違和感を抱いていても社会のルールや常識があるからこそ、人はまともに生きていけるのだとも感じた。
    普通に縛られる苦しさと、普通があるからこそ保たれる秩序、その両方を感じる作品だった。

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    2026年02月21日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    価値観を強要する人に読んで欲しい作品。
    前半の毒親描写、性加害描写がとてもリアルなので、苦手な方は読むのを控えた方が良いと思う。

    【ネタバレ注意】

    男と女で子供を作れ、まっとうに働け、それを強要される私たち人間は工場の部品である。そして、工場の部品であることに誇りを持っているのは地球星人であり、地球星人は洗脳されている。

    この言葉選びが素晴らしく、とても腑に落ちた。
    なんでみんな何の躊躇いもなく子供を作るんだろう、と思う私の心の内を言語化してくれた。
    前半から中盤にかけては共感できる点が多く、どんどん読み進める事ができた。

    しかし、後半からは予想外の展開で理解が追いつかないまま読み終わ

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    2026年02月18日
  • 殺人出産

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    ネタバレ

    一冊読み終えてまず強く残ったのは、著者は世の中にあんまり期待してなさそう(?)という感覚だった。人間社会を内側から描いているというより、地球人について学んだ宇宙人が、地球人向けに書いたSFを読んでいるような視点。世界をかなり俯瞰で、少し距離を置いて眺めている感じがする。その距離感が、個人的にはとても心地よかった。

    その感覚をいちばん象徴していると感じたのが、最後の短編『余命』。
    『女子にぴったり!可愛い死に方100選』『男のインパクト死!印象に残る死に方でかっこよく逝く方法』というフレーズが強烈で、今まさに世界中で議論されているジェンダーの問題には一切触れず、「女は可愛いものが好き」「男はか

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    2026年02月20日
  • 殺人出産

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    『コンビニ人間』『地球星人』『消滅世界』と4作続けて読み、村田沙耶香という作家が作る「箱」の面白さに圧倒された。
    また、村田沙耶香は合理性を突き詰めた先での世界を提示し一旦フラットにして、読者に「倫理観」を問うてきているのかなと感じた。
    ここで言う「箱」とは、既存の常識を鮮やかにひっくり返した世界観のことだ。
    例えば『消滅世界』なら「夫婦間のセックスが近親相姦になる世界」、『殺人出産』なら「10人産めば1人を殺せる権利が得られるシステム」。誰にでも共通して伝わる明快な「箱」を作り、その中で物語を動かす手腕が凄まじい。
    キャラクターの背景や心情描写の解像度(あるある!という共感)に依存せず、設定

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    2026年02月16日
  • 信仰

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    村田さんの作品には不思議な言葉がよく出てくる。
    鼻の穴ホワイトニング
    ロンババロンティック
    生存率アドバイザー
    均一
    ぽう などなど。
    聞いた事ないのになんとなく意味がわかる言葉
    聞いた事あるのに全く意味がわからない言葉
    読むたびこちらの想像力が試されているような気がしている。
    最後まで読み、真似したくても真似できないその独特な世界観のルーツを少しだけ知れた気がした。

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    2026年02月16日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    冒頭からもう好き!
    今から村田沙耶香ワールドが始まるぞー!って感じ!
    村田沙耶香の作品は本当にぐんぐん読める!
    どういうこと?どうなるの?の連続。
    特に最後の「変容」が好きだった。
    まるで未来を予知しているような話。

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    2026年02月16日
  • 消滅世界

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    ネタバレ

    無量空処食らった。確実に共感できない価値観と状況設定なのに、主人公の目線に毎回トリップできるのは村田沙耶香ワールドという感じがする。今ある当たり前の感覚をひっくり返され、オリジナルワールドを展開されているのに何でこんなに文章が読みやすいんだ...。『家族』という概念に対して信仰と表現しているのが印象に残った。(同じ信仰を信じていたはずじゃなかったの...?というところ)
    村田沙耶香の作品では、恋愛も仕事も家庭など人生自体を"ベルトコンベアに乗せられたモノ達"として、揶揄されている気がする。
    「全ての人類は『途中』である」という箇所も、それに乗っ取られてはダメだ...!雨音.

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    2026年02月13日
  • マウス

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    ありのままでいるだけでうっすら好かれる瀬里奈が羨ましい律の気持ちがわかるなーと思いながら読み進めた。
    本音でいてくれる人の前で本音でいられる。律が瀬里奈の前では本音でいられて、大好きなワンピースを着られるようになってよかった。

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    2026年02月13日
  • 信仰

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    さすがコンビニ人間書いただけある。震える。
    思考実験みたいなお話が延々と繰り広げられてて具体的過ぎて怖い。
    現実がみえます!っていう叫びでげらげらすげぇって思ってたけど、最後の希死念慮を擬人化させてる時点で解像度が高いなぁとさすがだ。顕現させるだなんて...相当な手練だな?!と思った。彼女の念慮はミンチにしてくるらしんだけど、あたいの念慮はささやき系!
    鈍感。忘れることって才能よね。

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    2026年02月12日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    面白くて一気読みしました。村田さんは当たり前を当たり前じゃなく考えさせてくれることが多く、地球星人はこういう生き方を望む人だっているだろうと思いました。

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    2026年02月12日
  • 生命式

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    私たちが生きている世界とはちょっと違う世界。人々の生まれ方、死に方、弔い方が少し違って少し一緒。みんなそれぞれの捉えかたをしていて、現代の文化の多様性(と偏見)にも通じるものを感じた。

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    2026年02月11日
  • 殺人出産

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    何が普通かはその時代、世界によって違うんだなし、当たり前もいつ当たり前では無くなるかもしれないなーと。トリプルの性描写は私はダメだった。短編で本の中の世界に没入したいときにおすすめします

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    2026年02月11日
  • 消滅世界

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    性欲が排泄物となる、セックスが不潔なものとなる、家族という繋がりが不要なものとなる、と言った人間らしさのような動物的なものが進化によって手放されていく世界。

    ディストピアにもユートピアにも思えるSF世界のように読んでいたが、今現在進行形で進んでいることではないか、と感じて恐ろしくなった。
    キャラクターを好きになることや「推し活」によって、これまでの当たり前の営みや摩擦が取り払われていっている今現在の世界の延長線上にある世界だと思った。

    概念が一つずつ消滅していく様子は、小川洋子さんの「密やかな結晶」とも個人的にリンクした。

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    2026年02月11日
  • しろいろの街の、その骨の体温の

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    ネタバレ

    教室の歪な空気に合わせる自分から解放され、ようやく本当の自分の価値観を手にすると、不思議と世界が動き出す。

    魔境の学生生活を、私たちにもう一回体験させてくれた。あのとき、当たり前だった価値観や行動を、それがどれほどに息苦しいものだったかを大人になった今、思い出させられた。村田沙耶香さんはそれを、色鉛筆に例えていた。

    この感覚を、ちゃんと理解できている大人になっていて良かった。

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    2026年02月05日
  • 生命式

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    どの話もすごく面白い短編集。
    作者の色々な断片が見れて面白かった。
    村田沙耶香追っかけ中。
    精神の自由。

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    2026年02月05日
  • 信仰

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    表題作の「信仰」と「カルチャーショック」が特に良かった。

    この作品集を読んでいて、自分とは価値観の異なる人や何かを信じている(推している)人に「普通であること」や「現実を見ること」を語って聞かせるのは、自分の価値観を押し付ける行為に過ぎないのだなというのを強く気づかされました。


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    2026年02月04日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    宇宙星人の世界は狂気そのものだ、巣のような家が並び、臓器を使う子孫製造の営みが満ちている。
    夏休みに父の故郷、長野の山奥にある秋級(アキシナ)にいく。お盆休みに父の兄弟が家族連れで集まる恒例の行事だった。
    秋月は大切な魔法道具をリュックに入れて父の運転する車で急な坂をいくつも超えていく。姉は車酔いでぐずっているが、秋月は一年に一度従兄の由宇に会うのが楽しみでうきうきしている。

    由宇は山形からくる。三年前に離婚した母は由宇を恋人代わりのように、母と言わせず名前で呼ばせて甘えている。母はいつも由宇は山で拾った宇宙船の捨て子だと言っている。由宇はいつかはこういう生活は終わって、宇宙船が迎えが来ると

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    2026年02月04日
  • 生命式

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    ネタバレ

    「生命式」
    会話が異常だが、日常に馴染みすぎていた。
    レシピに「俺の肉」で不謹慎ながら笑ってしまった。
    葬式なのにパーティー、宴会のようだ。

    「素敵な素材」
    物語の中で出てくるものが想像できなかった。
    いい話だった。

    「素晴らしい食卓」
    変わった食事。p102の圭一さんの母のストレートな物言いが面白かった。

    「夏の夜の口付け」「二人家族」
    性的指向。自分の想像にはない家族の形。
    長女の6年生の時、面白かった。

    「大きな星の時間」
    絵本の読み聞かせのような文章だった。

    「ポチ」
    事件が起きないかヒヤヒヤした。

    「魔法のからだ」
    性について向き合っていて、神秘的な表現がされており、とて

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    2026年02月05日