村田沙耶香のレビュー一覧
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村田沙耶香さん初読です。物語とエッセイが混じった短編。初めの方の物語を読んでいる時は、「大真面目に書かれている有り得ないような作り話、面白いな〜」と感じていた。
読み進めていくうちに、この方は剥き身で世間に晒されていて、それでも大真面目に世間と向き合っているんだと思った。
私たちは事実をただ事実として捕えられない。
周りと外れた評価をしては恥ずかしいから。何か深みのあることを言いたいから。あまりに凄惨な事実から自分を守りたいから。事実をねじ曲げて捉える。
彼女はそれをしない。できないのかもしれない。相当に大変なことだ。でも、勝手だし押しつけだけれど、剥き身のままでいて欲しい。 -
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上巻で目まぐるしく変わる世界が描かれたが、下巻では「イベント」と呼べるような大きな世の中の変化は少なく、それに応じて空子の心理描写や、哲学的な思想が描かれる。
異様なまでに殺菌された世の中は、今すでに世の中に蔓延している「負の感情を外に出すことは恥ずかしい」という風潮に通じるところがある。
搾取される側の人間も、時代の変容によって搾取する側になり得る。人は多面的で、善にも悪にもなり得る。そして脳は記憶を最も簡単に書き換え、マジョリティに順応していく。
途中、若干繰り返しになる描写が多くなり、少し間延びした印象を受けたが、最終章の気味の悪さはさすがだと思った。
グロい描写や性暴力などトリ -
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村田沙耶香さんの短編集。表紙やタイトルから「エンタメ寄りなのでは‥」と警戒してなかなか読まなかったことを後悔したくらい面白かった。
表題作はユーモラスでエンタメ風味ではあるものの、しっかりとした純文学。シュールな展開で笑わせてくれると同時に、偽の正義について考えさせられる。
「秘密の花園」は、初恋の人を家で「飼う」お話。
「無性教室」は、生徒が全員無性別者として生活をする学校が舞台。性別のない世界で、人はどう生きるのか。
「変容」は怒りという感情がなくなった世界に適応できない女性が主人公。感情に善悪はあるのだろうか。
全編を通して色々と考えさせられるのだけど、それにしても村田沙耶香さ -
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「世界99」を読みたいのだけど予行演習にとずっと興味のあったこの本を読んでみた。村田沙耶香さんの作品はエッセイが好きで2冊読んで、小説はコンビニ人間しか読んだことがなかった。
「殺人出産」は短編集なのだけど、どれも生と死や性がテーマになっている。性についての小説は苦手だけど、どれもそれを切り口に倫理観や道徳感、「普通とは?」という問いかけが共通しているので読みやすかった。
表題作が一番衝撃的で、淡々とした語り口で狂った世界が描き出されていくディストピア小説。少しだけHandmaid’s Taleを思わせる世界観。彼女の世界観が独特だという評論をよく見かけるけれど、その正体は恐らく「気味悪い -
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ネタバレすごい気持ち悪かったけど面白かったです。
セックスがなくなって人工授精で子供を産むことが当たり前の世界というテーマでしたが、恋という概念すら薄くなり、家族というのが利害一致で生活しやすくするためのシステムに過ぎなくなってしまうという流れになっていくのが面白かったです。
家族というシステムが廃止されて街中の全てが母親となり、見た目や喋り方や性格も全て統一された「子供ちゃん」を工場のように生み出していく楽園システムがおぞましかったです。一番恐ろしいのは雨音がそのような世界に違和感を覚えながらも、やはり正常な存在として適応していくところです。
何を伝えようとした小説なのか、そもそも何かを伝えようとし -
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ネタバレ人工授精で出産することが常識となり、夫婦間の性行為は近親相姦と同じような感覚でタブー視され、恋愛は夫婦以外で恋人を作るか、二次元キャラに恋することが正常とされる世界のお話です。
著者の作品は毎回、今とは違う常識の世界を突きつけてきて、考えたこともない世界に投げ込まれ、否応なく考えさせる、というパターンなのだけれど、今回もまさしくそうなりました。
いろんな意味でより清潔な世界、に現代も向かっていると思います。
でも、その延長線上で性愛が不潔になったら、それは人間の根源が崩れていっている感じがして恐ろしくなった。
愛は不滅って思っていたけれど、例えば新興宗教にハマった人なんかは、愛の対象も幸せ -
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ネタバレ主人公である空子は自分がない「人間ロボット」ではないかとずっと考えて生きていた。自分がないから相手に呼応して、相手を「トレース」して理想の友人を演じてきた。誰からも親友だと思われるように。楽に安全に生きていくために。そのおかげで自分が色々な自分に分裂していくという感覚になる。
ここまでは一見普通の小説だなと思う。自分もコミュニティに合わせたペルソナがあるし、誰だって親の前と恋人の前、友人の前、同僚の前だと態度や話し方は違うと思う。空子ほど顕著ではないと思うし、あそこまで相手に合わせられるものでもないが。言われてみればそうだな、という人の一面を他にはない角度で切り取っていて面白いなという印象。 -
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ネタバレ命を奪ったものは命を生み出す刑に処される。←画期的にも程がある。何でこんなの思いつくんだ。
女が子供を産まないせいにして少子化に危機感感じるくらいなら、男だろうが女だろうが罪を犯したら一生子供生み出す機械になってもらうのある意味いいのかもしれない。人口子宮って実現しないの?!?!?!早くつくって!!!!!!
トリプルも清潔な結婚もなくはないかもな発送で面白いし、余命はある意味安楽死的な話?死ぬことができなくなった人間たちの最期を選ぶ権利みたいな。自然にやってくる死の方がいいのか、自ら選ぶ死がいいのか。考えさせられるな〜。短編だから読みやすくていい!! -
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最初に「人間」を始めたのは、いったい誰なのだろう-。
『コンビニエンスストア様 』以来、そして、同一作家san最多となる21作目の村田沙耶香san。アンソロジー以外、全部読んでます!
この世はすべて、世界に媚びるための祭り。性格のない「からっぽ」の空子の一生と人間社会の終着点を描いたディストピア。どうか、穏やかに天国にいけますように。都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに人類が至った極地とは・・・
この作品は村田sanの世界が全てが詰まった集大成だと思います!
これまでに読んだ『世界星人』の「ポハピピンポボピア星人」、『しろいろの街の、その骨の体温の』の「ニュータウン」、『授乳 -
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内容と長さに反して読みやすい。
コンビニ人間にも通ずる話だけど、自分が所属しているいくつかのコミュニティでペルソナを使い分ける感覚、めちゃくちゃ分かるな〜と思った。
私は強い信念を持ち合わせている訳でもなく、誰かにネガティブな印象を持たれることなくその場をやり過ごそうと周りの様子を伺う癖のようなものがあるので空子の思考や行動には共感を覚えた。
この作品も(題名はもちろん知っていたが)実際に読もうと思ったのは周りの友人複数人が読んでいたからだ。
友人Aと話すときは流行りの言葉でSNSで流行っていることや異性との恋愛についての話題で盛り上がる一方で友人Bと話すときは共通の趣味について盛り上がっ