村田沙耶香のレビュー一覧
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ネタバレ初の村田沙耶香作品。3日で読破。
なんで?となる部分が多いながらも狂気が伝わり、そしてその狂気に自分も馴染んでしまう感覚を持ち得る小説だった。
早紀子が何故過去の価値観を持ち続けるのか、他に団体員はいるのか謎は多いままだった。
初めに学校について一種の洗脳教育的な感覚を持ち得た育子であったが、最終的にこの世界の美しさに魅了される。人類の為の虫食を発明したいと言った姪は祈りを発信する人になりたいと様変わりする。
きっと死刑制度が通用していた世界から産み人が受け入れられるまでもじんわりと価値観が広がっていったのだろう。当たり前の考えなんてものは存在しなくてその時代に合った考えが馴染んでいる。そ -
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終盤には空子が少し人間味が出てきた、世界の数字は属しているコミュニティの区分けらしい、そしてそのコミュニティに応じて自分を変化させている。浮世離れしているようで自分の生きている世界とリンクしている所が混在している。誰しもが少なからず幾つかのコミュニティに属していて、空子のように適応しているのは確かだ。ただ彼女の場合は自我が薄いからなのか居心地が良くなさそうな所にも適応している。きっと自分ならそこから離れるだろうな。全ての物事や、他人の機微に俯瞰して思考する彼女にどこか尊敬するところもある。
いい意味で薄気味悪い醜悪な世界観を描くのが村田さんの持ち味なのかな?
終盤は様々な出来事が重なって自ずと -
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この作者は、割とメンタルがしんどい時に読むのに限る。元気な時に読むと、割とメンタルがやられるので。しんどい時読むと割とスッと入ってきたりする。
コンビニ人間、地球星人、魔法少女ミラクリーナ、に続き読んだ。比較的軽そうな本を読むようにしてる。まだ全冊読む覚悟は私には、ない。
のめり込む何かがあるっていいな、と思った。
現実に向き合う必要はあるけど、必要以上に現実だけを見ていると疲れる。少しくらい騙されてるほうが幸せなのは確か。例えばお店や屋台のご飯の価格設定は比較的高めに設定されており、自分が作った方がそりゃあ安い。でも外食なら楽ができるし、少し高くても屋台で一緒に食べる友だちとのご飯はとて -
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村田紗耶香作品は『コンビニ人間』に続いて2作目。やはり独特の文体が印象的で、不気味さと薄気味悪さがじわじわと染み込んでくるような読後感だった。読み終えたあとも、言葉にしづらい感情がじっとりと残る。
表題作「丸の内魔法少女ミラクリーナ」では、魔法少女ごっこという一見無邪気な設定を通して、現実の理不尽さと向き合う姿が描かれている。現実のままでは立ち向かえないものに対して、別人格をまとった“設定”の力を借りることでようやく対峙できる——その感覚には妙なリアリティがあった。
どこか滑稽でありながら切実でもあり、「こうでもしないとやっていけない」という現代的な防衛手段のようにも感じられる。軽やかなは -
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現代で"当たり前"とされる価値観や生き方に対して、生きづらさを描く作品は沢山あるけれど村田さんのような描き方をする人は他にいないと思わされる。
私は周りに変だとよく言われるし、生き方も少し人とズレていると感じることがある。
そのため小説を読んで、生きづらい登場人物達を見て「こういう部分私にもあるなぁ、わかるなぁ」と共感をすることがある。
しかし村田さんの作品を読んでいる時は、本来共感する側の生きづらい登場人物達に対して「やばい人達じゃん」と自然に思う。
村田さんの描き方というのも勿論あるけれど、それほど私は現代の"常識"に染まっているんだなぁと思わされる -
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だって、正常は発狂の一種でしょう?この世で唯一の、許される発狂を正常と呼ぶんだって、僕は思います」(p50)
村田さんの本を読むと毎回自分の“正常”について考えさせられるなと思う。
今回の本も、世界の常識や価値観の中では狂人とされるような人らがたくさん出てきて、シュールで笑ってしまうのだけれど、それを笑えるのは私自身自分が“正常”であると思っている、あるいは思い込んでいるからなのだと思うと、だんだんと怖くなってきてしまった。
今の“正常”なんて、30年後は“異常”なのかもしれない。
村田さんの描く世界では、変わりゆくものが人の生死を強く感じさせるテーマになっていることが多いから生々しい