村田沙耶香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1話目 信仰
主人公は、現実を信仰しており、夢を見ている友達や妹を、現実に勧誘しようとしている。それを払拭すべく、自分のことを友人に勧誘させ、本気で騙して洗脳して欲しいと、、、
現実世界に勧誘していたって考えがとても面白く、コンビニ人間などでも社会の普通やみんなが従うルールの中で生きなければならない。みんなの現実に勧誘され、洗脳され、みんなそれが正しいと思い込んでいるのは、ある意味宗教なのではないか。その考えが根底にある話だと思う。
現実での正しい行いを強要することは、宗教に勧誘している行為とほとんど同じという考えが面白いなぁ。
生存は個人の収入や生活環境などで生存率が決まるといった話で、彼ら -
Posted by ブクログ
電子書籍でちまちま読み進めていった。
上巻は割とスルスル読めた気がするけれど
下巻は中弛みしてしまい、この物語をどう締めくくるのかだけ気になって、少し10%ほど読み飛ばし気味になった。
中身の無い空子のことを全く理解できない人物だとは思えなかった。むしろ相手や環境やコンディションによって自分持っている面を変えている感覚は私にもあるし、
しんめいP著作『自分とか、ないから』にもあるように
自己の確立っていっても、そもそもはこれまで出会った人や環境から刷り込まれたものでできているのだと考えている。
MBTIなどの自己分析系の診断テストも「時と場合によらん?」と思ってしまって出来なくて、そんな自分 -
Posted by ブクログ
「10人産んだら、1人殺せる」
人口を維持するために、命を生み出す貢献をすれば殺人が合法化される。読み始めは、村田沙耶香さんらしい「倫理観の狂ったディストピア(であユートピア)」だと思っていた。けれど、物語の後半に差し掛かる頃、この制度をどこかで肯定し始めている自分に気づいた。
この物語が突きつけてくるのは、「正義や倫理観は、時の流れの中で移り変わる蜃気楼のようなものだ」というメッセージだ。読んでいく上で、ギョッとするような殺人出産の制度肯定していくように。
昨日まで「悪」だったことが、100年後には「当たり前の正解」になっている。歴史はそんなことを何度も繰り返してきた。一見ぶっ飛んだ設定 -
Posted by ブクログ
主人公雨音が暮らすのは、人工授精で子供を産むことが定着した世界。夫婦間の性行為は近親相姦とタブー視されているため、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねることが正常とされている。
性行為自体が野蛮な行為とされる世界で、両親が愛し合った末に生まれた雨音は、母の呪いにより性行為を手放せずにいる。
そんな中、恋人との恋愛に限界を感じた夫の提案により、恋愛のないクリーンな世界、千葉の実験都市・楽園と移住するといったストーリー。
ゆくゆくは夫との子供が欲しいと当然のように思っている私は、ガツンと頭を殴られるような衝撃を受けた。
夫が恋愛対象ではなく、性欲もなく、(ランダムな)人工授精が当たり前になり