途中何度も怖いと思いながら読み進めたが、実験都市の設定や主人公の言動に対する恐怖と、こんなこと現実にあり得ないと思う反面、よく考えたら女性の社会進出が進むことによる少子高齢化、若者の性離れ、推し活等のムーブを含めるとフィクションなんかじゃ一掃できないと思い、余計恐怖を感じた。
例えば日本は特に、性産業がすごく発展してる気がして、その背景って日本人ってどこか性に対して恥ずかしさや後ろめたさを感じるが故に外に出そうとしてしまう。だから、裏で、コソコソと外部の性産業がどんどん発展してしまってるのかなぁと思った。
性ってそんな隠すべきもの、汚いものなのかな??
性行為、性欲はなぜダメなものなのだろう。
人工授精が主流になれば性行為はする必要がなくなる。わざわざそんなことするのを煩わしいこととし、トイレと同じように排泄されるものとみなす。
制欲と排泄欲って同じなのかな?
あとは「正常」でいることに頑なにこだわり苦しむ主人公がどうしても可哀想に思えて苦しかった。正常でいることって、楽だから。みんなと一緒だと安心するし考えなくて済むから、ヒトって良い意味でも悪い意味でも適応できちゃうんだなって思った。世の中の当たり前は変わっていくけども、正常なんてものは別にないし、自分が信じたいものを信じればいいだけなのに、口でもいうのは簡単でも実際はやっぱり難しいのかも。
終盤、雨音が実の母に対して言ってた、
世界のシステムがどう変わろうと一定数(10%ほど)意を唱える人がいて、お母さんは常にそっちなんだろうね。私はどんな世界にも適応できちゃうし、どんなシステムだろうとそこの正常に従って発狂してる方が楽だって発言がやっぱ印象的でした。
洗脳されてない脳なんてないよね。たしかに。
家族って何なんだろう。血縁的なものはもはやもう希薄であり、自分にとって身近で大切な人はみんな家族ってことでいいんじゃないか(笑)。
人は社会的な生き物(人一人の力より、複数集まった方が何倍もの力を発揮できるからって意味で)だし、一人で生きるよりよっぽど楽しいと思う。
みんなが孤独で生きるのなんて不可能だと思う。
にしてもクライマックスが本当に本当に怖すぎた。。。私にはだいぶ難解だったため、できたら読んだ方とじっくり議論したいです。