村田沙耶香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「今の時代の普通ってなんだろう」
この本を読み終えて浮かび上がった疑問。
物語では、「普通」に生きることを社会から要求されることで、この時代の「普通」を考えさせられるような内容になっているが、この本が書かれた2016年から10年経った今、「普通」の概念はさらに変わっている気がする。
簡単に言えば「会社で働いて、結婚して、子供を産んで、、、」が幸せだという価値観を無意識に押し付けられる時代から、「幸せの形は人それぞれ」といった曖昧な多様性が浸透してきた時代に変化しているのではないだろうか。
そんな時代であれば、この物語の主人公はどんな人生の選択をしたのか気になって仕方がない。。。 -
Posted by ブクログ
本書のキーとなるピョコリンという空想生物が上巻では性的処理と出産と作者の考える女性の忌避する行為を代行するペット?だったものが、下巻では更に進化して家事、育児、と代行可能範囲を広げる一方、能力の格差、美醜の格差と評価(価格など)が広がる世界が描かれる。
その一方で主人公の母親が虐げられてきた奉仕と犠牲の世界は縮小されている。
上巻で若かった主人公が環境や人間関係で変化(順応?)するキャラ(反面空虚な傍観者)の立場から傍観者としていた見ていた(と本人は意識している)大人の年齢(49~50歳)となりながらも空虚な心理状態は不変なまま、ピョコルンになる儀式に導かれる恐怖が描かれる。
ただピョコルンに -
Posted by ブクログ
あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。 -
Posted by ブクログ
下巻は上巻より、重みも気味の悪さが増して読み進めるのがしんどかった。(特にピョコルンがトラウマになりそう。。)
「私たちはみんな人間ロボットで、自動的にできたペルソナに支配されているだけの空洞」とは表現される通り、一部の人を除いては、前半と後半で社会における立ち位置も人間関係も発する言葉もすべてが変わる。
絶対おかしい世界なのに、大衆は考えることを放棄する(放棄させられる)ことでなんだかんだでうまく適応し、自分の意思を強く持つ一部の人たちは狂っていく。世界の基準は定期的にリセットされ、リセット前と後では180℃変わるが、表面的には何事もなかったかのように人々の生活は続いていく。
著書はこ