村田沙耶香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
身体や性についてのエッセイ集。この中で柴崎友香さんが呈示していた疑問「なぜ書き手の性別を限っているのか」、私もこれと同じことを思った。もう、このフェーズは終わっていないか。いま、同じテーマで、男性やその他の性の人の語ることも聞きたいし、それらが同じひとつの場所に並べられているところを見たい。
どのエッセイもそれぞれ興味深かったし、色んな方向に心動かされたが、上記の意味で、柴崎さんが「このような疑問を私が持っていることを編集者と共有できたので、書くと返答した」という経緯を書いてくれていたことが、いちばん嬉しかった。もちろん、疑問の詳細は私が書いたこととは違ったけれど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ変半身
要素が多すぎて、圧倒されてる間に終わっていった。p107「目の前の生き物たちは、いつでも、新しい「真実」を喜んで受け取る。それに飽きてくると、今度は次の新しい真実を受け取る。まるで、真実を食べ続ける化け物みたいに。」
結局これが言いたかったことなのだろうか…?
満潮
自分の体を、大事にしたい話だと受け取った。潮を笑う人達を許せない。友人の雪子のように、「男が潮を出したいなんて許せない!」とも思わない。ただ男女関係なく、自分の体にある、まだ見たことない神秘みたいなものを見てみたい。要求されても液体を出せない夫と一緒に、それを主人公は体験してみたい。
変半身あらすじ
島の奇祭「モドリ -
Posted by ブクログ
嫌悪、不快といった負の感情や感覚が生来自分に根ざしているものと思いやすいのはなぜか
これをしてもいい、くらいならあるけど、これをめちゃくちゃしたいって思えるものはあまり思い浮かばなくて、確実に自信を持って主張できるのは、これは嫌だ、っていう抵抗感だけ
そもそも、好きを探して能動的に生きることを強要されるのが意味がわからない。好きなものを無理やり模索させて開示させて「ほら大丈夫だよ、あなたにも好きなもの、夢中になれるものがあるじゃない」と、安心感が保証されたかのように慰められようものなら、豆腐にかすがい状態、フラストレーション溜まりながらも服従を受け入れる諦めモードに入る。
生きているだけじゃダ -
Posted by ブクログ
どんなことをどんな風に語るかは自由なはずなのに、不思議と受ける印象が近い方も多い。圧倒されたのは、自身の自慰について複数名の方が赤裸々に書かれていたこと。もちろん秘めておくべきかどうかは個人の自由だが、同じことを目の前の男性に言われたらきっと眉間にシワを寄せてしまうと思うので、(こんな性差を感じてどうかとも思うが)そうならないのを織り込み済みの、女性性を逆手に取った表現ような気もする。私のお気に入りはセブンルールで見たことのある藤原麻里菜さん。「もし、技術が発達して、アバターを作って仮想空間で生きれるとしたら、私は女の身体を選ばず、カービィみたいなピンク色の球体を選ぶだろうと思うのだ。そうした
-
Posted by ブクログ
ネタバレディストピア系を初めて読みました
うちにこの作品を説明出来る語彙力がないことを感じ
ました
殺人出産(表題作)
10人産んだら、1人殺しせる世界では、強い殺意は才能としてる感じや、日常会話で「殺したい人いるー?」が普通に出てくる
あと、セミのスナックと、蟻のサラダも今じゃありえないが、この世界では流行りの食べ物とされてたところとかも変だった
うちの異常は誰かの常識かもしれんと感じた
トリプル
3人はうちには想像がつかない、やはり2人でしょと思うのも先入観みたいなものかもしれない
うちは凝り固まった価値観しか持ってないかもしれない
清潔な結婚
一番現実味がある気がした
今でもこういう人いそうだけ -
-
Posted by ブクログ
村田さんらしい短編集でした。
どれも独特な世界観。
どの作品を読んでも思うのは『あなたが思っている常識(正常)は世界が変われば非常識になる』ということ。
自分が思っている正義は誰かの不義になっているかもしれない…という恐ろしさ。
作品中の主人公の変な考え方を学ぶことで、こういう価値観の人もいるかもしれないなと改めて考えることができる。
---------------------
今回の短編は他の作品の元ネタみたいなところが多かったです。特に最後の『孵化』は『世界99』そのもの…。ピョコルンは『ポチ』のバージョンアップかな?…と思ったり。
『魔法のからだ』も村田さんらしい性の考え方。アンソ -
Posted by ブクログ
高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく -
Posted by ブクログ
人間の醜い部分とか嫌悪感を描写するのが天才的に上手だなあと思う。ここまで詳細に言葉を尽くして、目の前にある醜さや心の内側から湧き出てくる嫌悪を描写することになんだか執念みたいなものを感じて、謎の感動が生まれる。あと、作中に出てくる奇妙なエピソードになぜか説得力があって、実在する記憶を辿って書いてるんじゃないかという気がしてくるのも不思議(「授乳」の母親のおにぎりの作り方、「コイビト」のぬいぐるみとの関係、「御伽の部屋」の正男お姉ちゃんとの思い出、など)
解説の言葉を借りると、自分だけの王国を築いている三人の女性の物語。私には、村田沙耶香さんこそが初期から完成された自分だけの王国を持っている人 -
-
Posted by ブクログ
「生命式」(せいめいしき)というのは、(このお話で言うと「30年ほど前の」)「お葬式」に対応する言葉です。
(丁寧・美化の接頭辞を付けると「お生命式」となるのでしょうか?w)
(ちょっと五条院 凌(ごじょういん りょう)さん(ピアニスト)みたいw)
さて、本文では、こう説明されています。
「生命式とは、死んだ人間を食べながら、男女が受精相手を探し、相手を見つけたら二人で式から退場してどこかで受精を行うというものだ。」
本書の表紙のイラスト(顔の部分が咲き誇ったお花になっている人が、「心臓」にナイフとフォークを入れようとしている絵)が象徴的です。
「生命式」がスタンダードになっていっ