村田沙耶香のレビュー一覧

  • 私の身体を生きる

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    テーマはとても興味深い。
    面白いかと言われれば分からない。
    人の隠しておく部分を覗き見したような気持ちになった。「隠しておく」部分ではないのである、もっとオープンに話そうよ、自分の身体のことなんだから、がメッセージか?

    年を経ると病気の「身体」のことをしょっちゅう話すようになるのに、この本読んで「隠しておく」部分と感じたのは何故なのだろうか? 社会による刷り込みか?

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    2025年09月18日
  • 生命式

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    村田さんらしい短編集でした。
    どれも独特な世界観。
    どの作品を読んでも思うのは『あなたが思っている常識(正常)は世界が変われば非常識になる』ということ。
    自分が思っている正義は誰かの不義になっているかもしれない…という恐ろしさ。

    作品中の主人公の変な考え方を学ぶことで、こういう価値観の人もいるかもしれないなと改めて考えることができる。
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    今回の短編は他の作品の元ネタみたいなところが多かったです。特に最後の『孵化』は『世界99』そのもの…。ピョコルンは『ポチ』のバージョンアップかな?…と思ったり。

    『魔法のからだ』も村田さんらしい性の考え方。アンソ

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    2025年09月18日
  • ギンイロノウタ(新潮文庫)

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    今まで読んできた著者の作品の中でも癖の強い2作が収録されている。

    思春期の未成熟な心と体のバランスにもがく少女たちの葛藤を狂気とも感じ取れるほど繊細に描かれていて怖いのに文字を追わずにはいられなかった。

    少女たちが見つけた自身を脅かす正体から安息する術は傍から見ると歪で理解し難い。
    しかし、他者からの理解より自身が内に秘めた自身と共存できた時に少女から大人へと変化していくのかも知れないと思った。

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    2025年09月17日
  • ギンイロノウタ(新潮文庫)

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    お気に入りの銀のステッキを持って、押入れという秘密の場所で遊ぶ。そこは性欲と殺意に満ちた世界。少女のいたいけな遊びではなく、怪物になるための儀式のようだった。いや〜、恐い!ひたすらに狂ってる!

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    2025年09月16日
  • 授乳

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    解説を読んでて知ったのだが、村田沙耶香さんのデビュー作だったらしい。こわ。これがデビュー作…?すごすぎんだろ。

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    2025年09月12日
  • 私の身体を生きる

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    高橋源一郎さんのラジオで紹介されているのを聞いて読んでみた。
    同じ状況でも「気づいてしまう人」と「気づかずスルーする人」がいると思うが、
    「女であること」で少なからず嫌な思いをした経験は誰にでもあると思う。
    痴漢について、本筋からはずれるかもしれないが、これだけ多くの女性が被害に遭ってる、ということはそれだけ痴漢をやったヤツがたくさんいる、ということよね?
    もしかしたらそこにいる善良そうなおぢさん、爽やかそうなお兄さん、しょぼくれたおじいさんだって!
    それでもみんな知らんぷりして普通の生活をしているんだろう、と思うとものすごく腹立たしい。
    またまた話がズレるが最近読んだ大谷晶さんが自分をすごく

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    2025年09月09日
  • 授乳

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    人間の醜い部分とか嫌悪感を描写するのが天才的に上手だなあと思う。ここまで詳細に言葉を尽くして、目の前にある醜さや心の内側から湧き出てくる嫌悪を描写することになんだか執念みたいなものを感じて、謎の感動が生まれる。あと、作中に出てくる奇妙なエピソードになぜか説得力があって、実在する記憶を辿って書いてるんじゃないかという気がしてくるのも不思議(「授乳」の母親のおにぎりの作り方、「コイビト」のぬいぐるみとの関係、「御伽の部屋」の正男お姉ちゃんとの思い出、など)

    解説の言葉を借りると、自分だけの王国を築いている三人の女性の物語。私には、村田沙耶香さんこそが初期から完成された自分だけの王国を持っている人

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    2025年09月09日
  • 地球星人(新潮文庫)

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    ホラー小説よりよっぽどホラー、、、
    そして何より怖いのは、ラストの一部分を除いては、
    絶対に起こり得ないとは言えないところ。
    あまりにもあり得ない世界のように思えるが、
    でもこういった価値観や出来事があってもおかしくはない、と思わせる、閉鎖的な村、
    価値観にがんじがらめで育った人間、幼少期のトラウマ、
    そのひとつひとつが恐怖を裏付けてくる、、

    絶対無理だけど映画化してほしい、、

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    2025年09月08日
  • 私の身体を生きる

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    こんなにも赤裸々に皆書いて良いのか!?と最初動揺したが、それぞれ考えさせられるものが多く、有意義な時間が過ごせた。

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    2025年08月29日
  • 生命式

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     「生命式」(せいめいしき)というのは、(このお話で言うと「30年ほど前の」)「お葬式」に対応する言葉です。
    (丁寧・美化の接頭辞を付けると「お生命式」となるのでしょうか?w)
    (ちょっと五条院 凌(ごじょういん りょう)さん(ピアニスト)みたいw)

     さて、本文では、こう説明されています。
    「生命式とは、死んだ人間を食べながら、男女が受精相手を探し、相手を見つけたら二人で式から退場してどこかで受精を行うというものだ。」
     本書の表紙のイラスト(顔の部分が咲き誇ったお花になっている人が、「心臓」にナイフとフォークを入れようとしている絵)が象徴的です。

     「生命式」がスタンダードになっていっ

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    2025年08月28日
  • マウス

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    スクールカースト中間あたりを慎重にキープして「正しい役割を演じること」を第一にする少女と、童話の世界に居場所を見つけなんとか自分を保つ少女のお話。 

    みんな何かしら自分を演じている。演じることなく過ごせたら、幸せなんだろうか。それとも物語の主人公になりきらなければ普通の学校生活を送れない瀬里奈のように、演じている方が幸せなんだろうか。
    100%素の自分でいるなんて、可能なんだろうか。そもそも素の自分なんて存在するんだろうか。平野啓一郎さんの分人主義にも想いを巡らせた。

    村田沙耶香作品にしては、倒錯感はかなり控えめです。



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    2025年08月30日
  • 殺人出産

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    ずばり「世にも奇妙な物語」あたりに出てきそうなお話。
    読み進めるうちに、あのテーマソングとタモリが浮かんでくる。
    10人出産すれば1人殺しても良いとされる世界。
    主人公は有村架純、その姉は美村里江(ミムラ)で想像しながら読んだ。
    我ながら良い配役ではないかと思うんだけど…どうだろう。

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    2025年11月24日
  • 星が吸う水

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    自分は特別な人間だと思っている(思い込んでいる)表現がうまい。周りから見たら滑稽。

    性とはそんなに特別なものなのだろうか。
    見たくないもの、見ないようにしているものを見せつけられる不快感。

    梓に対してものすごい嫌悪感があったのは、おそらく自身のコンプレックスを刺激するから。

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    2025年08月17日
  • 授乳

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    デビュー作ではまだテーマが表に出てこない。固まっていなかったのか,意図的に伏せているのか。最新作から読んだので,文章の生硬さが目につく。それが成長の幅でもある。これを見出した選考委員は先見の明があったと思う。

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    2025年08月15日
  • 私の身体を生きる

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    西加奈子さん、村田紗耶香さん、千早茜さん、、他にも豪華な方々のお名前が、、
    もうこれ買うしかないやんと思って購入して即読みました。
    それぞれの女性作家さんたちがご自身の身体をテーマにリレー形式でエッセイをつづられていて、どのエッセイもすごく赤裸々に描かれていて同じ女性として共感するところもあれば、驚かされることもあり、、それこそ、読んでからは「私の身体は私のもの」を強く感じた。
    それぞれの身体に色々な経験や傷が合ったり、コンプレックスが合ったり。
    それでも一つしかない自分の身体。
    こんな私でももっと堂々と生きていていいんだと思わせてくれる作品でした。

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    2025年08月15日
  • マウス

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    学校ってこういう感じだったなぁ。
    グループが出来るし、大人しい子を虐めの対象にしたり。そういうの大嫌いだった。嫌いな人は関わらなければいいだけなのに何故虐めるのか、胸糞悪い。女だけじゃなく見てたら男も似たような感じだったなぁ。
    私は自分が好きな人にだけ好かれていたいと思うからあまり律の考えには同意出来ないけど、大人になって職場家庭友人等の相手が変わればそれぞれに見せる私も違って。
    でもそれでいいと思うのです。
    律と瀬里奈がお互い本当の素の自分を見せられてるのは、私で言えばもう友人以上の家族のような関係性なんだろうなと。
    この本は、大人になって読むと忘れていた思春期のなんか胸が切ないようなザワザ

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    2025年08月14日
  • 私の身体を生きる

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    生というより性に関するアンソロジーだったが、千早茜さんの「私は小さくない」が切り口も異なり胸に迫った。性別による不利益や舐められることを、コンプレックスである小柄にあえて責任を負わせてきた自分に気付かされた。

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    2025年08月09日
  • 私の身体を生きる

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    村田沙耶香 誰しもが、心の中に王国を持っている/西加奈子 私は変わる。変わりながら、「アップデートする自分」を疑い続ける

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    2025年08月09日
  • 私の身体を生きる

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    他の方も書いていたが、生にまつわるエッセイだと思っていたら、性にまつわるものだった。
    性に関するネガティヴなことは、思っているよりもかなりありふれていて、忘れていたけどネガティヴな体験を思い出した。きっと、書きようによっては、深め方によっては、同等のものもあるのだと思う。

    そして…この世の中のことは、性に纏わって起きていることが多いこともまた認識できた。小説も映画もファッションも、モテたいという願望そのものが。

    今年の始めからあらわになったフジテレビ問題も何度も色んな角度で思い起こし、考えさせられた。

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    2025年08月05日
  • 丸の内魔法少女ミラクリーナ

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    芥川賞受賞作家の方の作品には昔から苦手意識があり、『あー合わなかった…』となることが多いのですが、今回も懲りずにチャレンジ。
    短編集ということもあってか、比較的読みやすく、また他の作品も読んでみたいなと思いました!
    四作品の中でも、性別禁止の高校の話しである『無性教室』と世の中から怒りという感情がなくなってきている世界について書かれた『変容』は特に面白かったです。

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    2025年08月04日